トランプ政権と関税問題
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさん、こんにちは。コミュニケーションを極めると、自分が見えてくる、世界が見えてくる。
コミュニケーションの世界に携わって、はや40年以上、コミュニケーションが命。 シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して約30年、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきた、アメリカ在住中川浩孝です。
田中 愼一
やっぱり、いつもトランプが出てくるんだけども、昨日、まさに解放の日といって、アメリカ近代史、これぞアメリカの新たなる繁栄への分岐点といって、
トランプが相互関税の拠資して、世界は驚いたでしょうね。予想はしてたけど。
中川 浩孝
言われてましたからね。
田中 愼一
まさか、あそこまで狂ってるっていう言葉を表現するのは主観的で申し訳ないんですけども、
なんかすごいことが起こってるなっていう。歴史の1ページが紐解かれてきて、
それによって一挙にね。
だって実際、アメリカの大恐慌のときの関税率よりも、
つまり大恐慌は関税率の引き上げ競争で起こったのが一つ大きな原因だったんだよ、1930年代の。
それを上回る関税率が果たされることになって、
大恐慌が起こるんじゃないかと思われても、不思議じゃない状況の設定がされちゃってるっていう。
基本的には株価がだいたい500兆円消えた。
ヒロさんがなんかすごいがっかりした顔してる。
中川 浩孝
今日は株価は見てなかったですよ、恐ろしくて。見ると気が滅入るだけなので見てなかったです。
そんな持ってないですけどね。
田中 愼一
とはいっても500兆円は皆さんの懐から消えたわけですよ。
中川 浩孝
本当そうですよね。
田中 愼一
これはもうコロナ以来の衝撃と言われるぐらいの出来事で、
これを我々はどう捉えればいいのかっていうのが、
ちょっと昨日から心の定まりがないんで、
皆さんの意見なんかちょっとお聞きしたいなと思いまして、
そこで少し心の安定を今日は得たいというのが私の願いでございます。
はい、いかがでしょう?現場に近いヒロさん。
中川 浩孝
本当に1980年代とか、僕が子供の頃に見ていた、
関税を掛け合う戦争というか、牛肉がとか車がとか、本当にその世界が戻ってきた感じがあって、
若い人たちには全く理解できないでしょうが、
そういう本当に貿易戦争という言葉がまさに、
また戻ってきたなっていう感じを受けてしまいますよね。
田中 愼一
やっぱりね歴史は繰り返すんだなっていうのもね、
中川 浩孝
繰り返しているのか、何か後退したのか、
ちょっとここは何かどっちなのかなって感じがありますよね。
田中 愼一
それはね議論のあるところで、多分ね両方の要素があると思うんですよね。
経済と社会の影響
田中 愼一
歴史を見ていくとだいたい一見後退なんだけども、
後退したっていうふうに取れる事象なんだけども、
実はそれがきっかけで次の時代の幕開けになったっていうのも一つあるんですよね。
中川 浩孝
ただの寄り戻しっていう話もあるんですよね。
田中 愼一
アメリカ依存の体制っていうのが、
これ崩壊しつつあるっていうことはもう間違いなく言える。
それを次の歴史につなげるためには、
どうすれば不時着するっていうかですね、
落とし所がちゃんと見えてくるのかっていうのが多分大きな課題になるんでしょうね。
だからパックス・アメリカーナっていうのがもう消えちゃいましたから。
一国あるいは中国が入ってきて二国で、
そういう少数国、アメリカという絶対的な国が存在して世界経済が回るっていう時代が終わり、終焉に向かってるのか。
それとも逆に中国が今度はアメリカにとって変わって、
今までの流れに沿ってプレイヤーが変わるのか、
どっちなのかっていうのは結構大きな分かれ道なんですよね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
結構このトランプ騒ぎでみんな騒いでるけど、
その陰で習近平がうまく立ち回ってるっていう話もだんだん聞こえてきたっていう。
トランプの特使みたいに、ブラックソンでしたっけ?
それの代表がトランプの特使として習近平と会ったとかね。
いわゆる地下では、水面下では、結構トランプと習近平はコミュニケーションを取ってるんじゃないかっていう憶想が今流れてる。
だからいろいろな意味で不確実性が非常に高まったってことだから、
なかなかこれ、一言で言うと我々個人の生活の中にまで影響する事態になってきたっていうふうには言えるかもしれないですかね。
どうですか、けいこさん。
高木 恵子
いや、まだ実感が湧かないですよね。
でも、あっという間に現実で何かが起こるから、本当なんかどうしようって感じ。
田中 愼一
この2ヶ月で起きてることですよ。明らかに何かわけがわからなくなりますよね。
高木 恵子
今まではどっちかっていうと口で言ってて、まだ本当のエグゼキューションというか、実際の世の中には動いてなかったものの方が何となく多かった気がするんですけども、これで
特に関税の話はもう始まったわけだから、本当その1ヶ月後とか2ヶ月後っていうこの短いスパンで
まずアメリカに住んでいるヒロさんたちの生活がどうなるかですよね。
それが目の当たりにされてきたら、特に日本人と違ってすぐ暴動を起こす人たちもいっぱい住んでるわけだから、国内が混乱するのかなっていう。
日本人だとそうなっても、そこまで爆発する人種というか、人たちってゼロじゃないと思うけど、そこまで危ないさって感じないかもしれないけど、
多分アメリカ国内だともう顕著に出てきますよね、きっとね。
田中 愼一
多分、宇宙人が日本を征服したいと考えた時に、
まずこれ常識的に考えるのは、アメリカに依存してるんだと地球は。
そしたらまずアメリカを攻めますね。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だからトランプはもしかしたら宇宙人の内心にあるかもしれない。
だってアメリカ潰れたら世界潰れますよ、今の状態だと。
かつてはアメリカ・ソ連っていう対立国家だったけど、その後アメリカが絶対優位を誇って、ここまで来たわけじゃないですか。
その中ではあらゆるものがアメリカ頼りって話になってて、日本だってそうですよ。
自動車とか、安全保障とか、そういうの全部アメリカ頼りだし、韓国も似たようなもんだし。
中国もある意味そうで、アメリカ頼りのとこもあって、ヨーロッパはもちろんアメリカ頼り、安全保障とするから、経済でね。
だからそういう依存関係がどんどん強くなってきたときに、
そこを叩けば潰せば世界が混乱するっていうのは目に見えますよ。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
これが他の国だったら別に問題ないんだけど、仮に言うならば中国では少し問題出てくるかもしれないけど、ロシアはあんまり問題なくて。
アメリカっていう単に軍事だけじゃなく経済、軍事、ライフスタイル、カルチャー、あらゆる一つのセンターじゃないですか、アメリカって。
そうであるがためにダイバーシティが重要なところなんだけども、そこが崩れると、
これいろんな影響が直接我々個人レベルのところまで来るんじゃないかっていう恐怖感がありますね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
だからそこに突然、トランプという勘違い男が現れてですね、全てを勘違いする。
はっきり言ってこの80年ぐらい見たって、基本的にアメリカにとって非常にいい、
アメリカの成長を支えてきたのはアメリカ依存型の経済、いろいろな意味で。
突然世界からアメリカが食いもんにされてるっていうですね、被害妄想が生まれて、
そういう偉大なる勘違いですよね、ある意味。
格差問題と教育
田中 愼一
偉大なる勘違いを起こしてこういうことを実行してしまったっていう。
これはですね、歴史の皮肉というか何なのかっていう。
歴史をひも解いていくと、確かに一人の個人が大きく関わって社会が変わったっていうのもたぶんいくつかあるんでしょうけどもね。
ヒトラーなんかもそういう人になるかもしれないけども。
でもね、ちょっとそういう意味ではトランプ現象っていうのは、
やっぱりよく気をつけて見ていくっていうのがたぶんますます重要になってくるのかなって気がしますね。
中川 浩孝
なるほどね。でも確かに一番アメリカがやっぱり良かったというか、もちろん今でも世界一だと思うんですけれども、
そうじゃなくてもっと強かったっていうか、それこそ1980年代みたいな。
それこそレーガン大統領みたいな時代ってやっぱりアメリカナンバーワンだったわけですよね。
そのやっぱり成功体験というか、その頃にやっていた政策に対して、
やっぱりあの頃が一番良かったんだから、あの頃の政策に戻せばいいんじゃないかっていう何か考え方が出てくるっていうのはちょっとわかるかなっていう感じはするんですよね。
でもそれがなぜ起こっているのかっていうのはやっぱりもう少しちゃんと分析しなくてはいけなくて、
たぶん1980年代、その日本の高度経済成長とかと似てると思うんですけど、
たぶんアメリカ人全員がとってもその恩恵を受けられていたんじゃないかなと思うんですね。
今と比べてその感じ方なんですけど、感じ方として。
そのやっぱり今は貧富の差がやっぱりさらに激しくなっていて、
富にすごい持ってる人は持ってるんだけれども、やっぱり生活が苦しい人は苦しい。
それこそ昔よりも苦しい。
たぶん日本もそれちょっと似ていて、高度経済成長時代ってみんなどんどん生活が良くなっていたから、
それ自体は良かったんだけれど、やっぱり貧富の差が激しくなっている。
私でもその貧富の差に関してはすごく考えるところがいつもあって、
今の貧富の貧の方にいる人たちが、50年前の貧の人、5年10年前の平均値とか、平均よりちょっと下くらいなのかもしれませんけど、
と比べた時に今の方がいい生活を多分してるんだと思うんですよ。
私たち全員が。アメリカ人も多分そうだと思うんですよね。
1980年代の中流とか、もう少し下の人と比べた時に、
やっぱり今の人たちの貧と言われている人たちの方がいい生活をしてるんじゃないかと思うんですよ。
でもやっぱりそこが、やっぱり周りと結局比べることでしか、
自分のいる世界で、自分が生きている時代で周りの人と比べるしかないから、
やっぱり昔の人は大変だったっていう意識よりも、今の自分がいかに大変かっていう、
やっぱり昔の人の方がもっといい思いをしてたんじゃないの?って思っちゃうっていう、
なんかそこがやっぱりあるのかなっていうのがあって、そこは私だからアメリカだけじゃなくて、
実は日本でももう少し後に、この貧富の差がもうちょっとさらに激しくなってくると、
そういう考え方が出てくる可能性はあるんじゃないかなって思うんですよ。
だからアメリカはそれを先行っちゃったっていう感じだと思うんですよ。
田中 愼一
ある意味アメリカは先行指標っていうのは言えるかもしれないですね。
だからアメリカを見てると日本の将来が見えてくるっていう。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
それは間違いないでしょうね。
で、やっぱり貧富の差って格差、所得格差とかそういうのって、
その背後にもう一つの格差が生まれてて、それは感度の格差。
つまり物の理解の仕方っていうのに、人によって格差がもっと離れちゃう。
例えば、間違いっていう言葉をさっき使いましたけども、
ある意味、間違いする人がどんどん増えてくるっていうか。
そこは格差社会がどんどん広がっていくと、物の感じ方とか見方とか、
理解の仕方とか、そういうものがどんどん格差が出てきちゃう。
そうすると、やっぱり貧富の差っていうのはそういう感度の格差も生んでしまうために、
だから今回みたいなトランプ現象みたいなのが起こり得る。
それともコミュニケーションの視点から見ると、
なんでトランプ現象が起こってるのかって見たときに、
やっぱり被害者意識を煽り立てた、トランプのコミュニケーションのやり方が、
まさに被害者意識がそういうことになってたんだと。
アメリカって食いもんにされてたんだ、80年間もとかね。
いう思い込み、僕は言うと勘違いなんだけども、
勘違いっていうものを信じて、それが熱狂的なトランプ支持に入って、
トランプ政権を2期も続けさせることになり、
さらにそれが下手すると4年後も、基本的にはトランプじゃないかもしれないけど、
本人は憲法改正までやろうなんていう変な、言ってないけど匂わすようなことも言ってるけども、
必然にしても誰か、その後を継ぐバンスなのか誰か知りませんけども、
いうのが出てくる可能性は否定できないと思うんだよね。
だからそうなると、やっぱりこの感度の格差をなくしていくっていうのがソリューションなんだけど、
これが教育の格差も絡んでくるし、
ありとあらゆる種類の格差っていうものが今あちこちで大きくなって、
人のものの考え方感じ方を変えちゃってるんですよね。
そこにやっぱりトランプ流のやり方が効果があるっていうのは、
まさに今回トランプ現象が示してるんだよね。
だからそういう意味では、コミュニケーションの世界に携わって、
トランプとオバマのコミュニケーションの違い
田中 愼一
その視点から見ると、ついこの前まではやっぱりオバマ流のコミュニケーションっていうのが一つの理想型だったのかなと思ってたんだけど、
実はオバマ流のコミュニケーションの限界っていうのはやっぱり人が動かなかった、それほど。
つまり変えることができなかったわけですよ、いろいろな意味でね。
オバマケアなんかは一つ大きなアチーブメントだとは思うけども、
田中 愼一
それに比べるとトランプの場合は2ヶ月でここまで、実は人は動かしてるわけですよね。
それがどういう結果になるかっていうのは、多分これからの問題なんだろうけども、
ただコミュニケーションの視点から見ると非常に興味ある現象なんですよ、このトランプ現象っていうのは。
実際MBAで教えてるときに、一つのケースはオバマのケースを読ませて、
そこに対してオバマのコミュニケーションの特質は何かっていうのを、
昔はクリントンと比べてやってたんだけど、
ここ数年はトランプと比較してオバマのコミュニケーションの特質をっていうのを実はやってたんですよ、数年前まで。
ところが今はどうなってるかって逆で、
トランプのコミュニケーションの本質は一体何なのかってそっちに軸足を置いて、
それを明確にするためにオバマを比較する、オバマのやり方というほうに、
僕の教え方もそっちにどんどんシフトしてるんですよ。
ってことはトランプのコミュニケーションの利用っていうのは、
今後やはりしっかり見ていくことが重要で、
良い悪いは別としてですね、コミュニケーション力学ってのは厳然とした力学ですから。
だからそれをどううまく使って、世のため人のために役立たせるのかっていうのは、
それを使う人間の力量によって決まってくる。
だからトランプ現象っていうのがまだ、是非は早いと思うんですよ。
一方的に間違ってるなんていう状況ではまだないと思うんですよ。
もう少しこれからの結果を見て、それに対してトランプがどう反応するのかを見ていかないと、
トランプのコミュニケーションの本質っていうのはまだわからない感じがしてるんで。
だからそれ見てるとですね、オバマのコミュニケーションが究極のモデルってしばらく思い込んでたんですけど、
トランプの出現によっていやそうじゃねっていう、
僕にとっては一つのパラダイムシフトっていうか発想転換ができたんで、
より深くコミュニケーションの力学の作用っていうのはどういう脆さ、強さ、怖さ、素晴らしさっていうのが混ざってるのかなっていうのは、
もっと視野が広がったかなっていうのはトランプ現象のおかげかなって思いますね。
中川 浩孝
なるほど確かにそうですね。どこが、誰が動くかっていうか、誰が対象なのかっていうのはすごいでもありますよね。
やっぱりオバマさんの対象っておそらく、ある意味高学歴であったりとか、その理解度がやっぱり高い、抽象的な考え方ができるような人たちに対してやっぱりトランプさんのやってる人はどちらかというと、
もっと現実的というか、それこそ何回も話に出てるアクションになっているとか行動になっているとかわかりやすい。
やっぱりそんなに理解力が高くない人でもわかりやすいっていうところで差が出てくるので、
それをやっぱりどっちの人を動かすのかっていうか、どこの人たちを動かすのかによってコミュニケーション方法が違うっていうのはすごく大きくて、
今回はやっぱり民衆というか、一般の人たちを動かすというところで、やっぱりうまくトランプ流のコミュニケーションが働いたんだろうなっていう感じはすごくありますね。
田中 愼一
基本的にはオバマは理念系で、トランプは非言語系って呼んでるんですよ。
理念を唱えて人の支持を得るっていうのは確かにオバマがある意味究極モデルなんだけども、
ただそれじゃあ済まない時代になってきてて。
だから企業のほうでこういうコミュニケーションをやるときも、まず理念系をサジェストするわけですよ。
でも理念系でやるとトランスフォーメーションがうまくいかないんですね。
だから理念系のコミュニケーションの限界っていうのを最近いろいろと現場で感じるようになってきてて、
非言語コミュニケーションの活用
田中 愼一
人を動かすってことが至難の技になってきた。
その背景にあるのはもしかしたらダイバーシティがどんどん進んできてるっていうね。
価値観の多様化っていうのもあるのかもしれないけど。
そうすると結局トランプを見てると、何かトランプのコミュニケーションには人を動かす違う作用っていうのはオバマにはないもの。
それは今一つ言えるのは非言語の発信ですね。
彼はもう非言語だけで、要するに情感に訴えるってやつですよね。
言い方変えると。
だから彼の姿って今、日本人誰に聞いても彼が何やってるかってみんなイメージできるじゃないですか。
それほど姿を可視化してるんですよ、自分の動きを、非言語。
動きっていうのは最大の非言語なんだけど。
俺動いてるぜっていうのを絶えず可視化して、人の心を引っ張ってるっていう感じ。
なんかこの人やったらやってるなって、勘違いじゃないなと思い込まれちゃうんですよ。
それだけ動いてる。その仕掛けがすごいじゃないですかね。
就任したらさっさと大統領令を全部、何百枚も目の前でその映像を映させてあげた。
高木 恵子
あれはすごかった。
田中 愼一
トランプ動いてるっていう感覚を出して、それで動かしてる。アメリカを。
そこはね、実は見捨てがたい。ちょっと価値だなと思う。
それを企業の中でどういうふうにやればいいのか。
トランプ流の非言語コミュニケーションっていうのは一つの課題でありますね。
中川 浩孝
あとは人を動かすという意味では怒りのパワーですよね。
やっぱり負のパワーを最大限に活用してるっていうのは間違いなくありますよね。
田中 愼一
明らかに怒りのパワーで、いわゆるどっちかというと人間の負の心に訴える。
怒り、妬み、そういうものに訴えるコミュニケーションですよね。
企業でのコミュニケーションっていうのは、そういう怒りとかそういうのは基本御法度という方法でやるから、
逆に言うとパワーが使えないんですよね。
人間の負の心を持ったパワーを使うっていうのはどっちかというと御法度的な、今はね。
これからどうなるかわかんないけど。
だから企業でのコミュニケーションもそろそろ理念系から、ある程度理念系は必要だとは思うんだけども、
より情感に訴える非言語的なね、もっと言うならば怒りのコミュニケーションっていうのを利用してっていう方向に行くのかもしれないですね。
中小企業の挑戦と機会
田中 愼一
社員を怒らせるとかね。
高木 恵子
でもそれはなんか、これだけパワハラとかねコンプラが厳しくなっちゃってるから、怒りっていうのは難しいですよね。
田中 愼一
自動車業界にいたからよくわかるのは、あれですよ、僕がいたホンダというのは、他の会社はみんなそうだけど、
みんな各々の社員がそれぞれの競争相手の社員に怒りを持つっていう。
感度を育てるカルチャーっていうのがありましたね、昔。
各社みんなそれぞれやってるんですよ。
だからすごい競争になるんですよ。
要するに競争相手は日本メーカー以外は競争相手じゃないっていう発想で、
いかに日本メーカーと戦うかっていう意識。
それが一時期は何社あったんだろう。
今の3社、ビッグスリーだけじゃなくて、トヨタ、日産、ホンダのほかに、
マツダとかスバルとかありとあらゆる自動車メーカー7社ぐらいかな。
お互いを憎み合いながら、極端な表現ですよ。
お互いに怒りを持ちながら、妬みながら、やっていくっていう時代がしばらくあった。
今でもその名残あるんじゃないかな。
だから日産とホンダがうまくいかないっていうのもその一つ。
高木 恵子
入社式がちょうどあったじゃないですか。今週とかね。
軒並みやっぱり初任給がもう30万越えっていう大企業なんかがすごい増えてきてて、
ただ一方で中小はそんなに結局は給料を出せれなくて、
どうやって人を呼び込むかっていうところで、
とにかくその会社の、一言で言うと福利厚生とか、そういったお金で、
やっぱり中小の場合は、表せない部分をすごい、
じゃあ会社の中の自分の会社の特徴ってどう表現できるかみたいなので、
すごいいろいろ工夫して、中小の企業とか社長さんたちはすごい今やり始めてて、
実はそこにポチポチとその最近の若い人たちは、
やっぱりお金っていうところはもちろんまだ主流ではあるものの、別にお金だけにこだわらないで、
もっと共感する部分、人それぞれだと思うんだけど、
その共感する部分で逆に中小、もうあんまり大企業とか有名企業で働きたいっていう、
昔のステレオタイプからどんどん変わってきてるような事実はあるみたいなのを、
なんかテレビの報道で見ましたよね。
田中 愼一
たぶん間違いなく労働の流動化っていうのは激しくなってるし、
この前もエコノミストに書いてあったけど、日本の労働流動化が始まったっていう、
今頃遅いぞと思ったんだけど、いわゆる終身雇用の体制が崩れるっていう話をしたんだけども、
やっぱり何が今重要かっていうと、確かに労働の流動化っていうのを前提にしてますよね。
高木 恵子
もう転職されるのが当たり前っていう意識で、特に中小企業の人たちはもう、
自分たちみたいなところはそうだっていう、意識で始めから色々考えてるっていうのは、
むしろ大企業よりも中小企業の方が、経営とか従業員との在り方をすごい真剣に考えてるなっていうのを感じましたね。
田中 愼一
じゃないと来てくれないから。
だからそうなると、結局今の人っていうのは非常に、もちろんお金に対してセンシティブだってこともあるんだけど、
たぶんもっとセンシティブなのは、新しい世代って結構セルフコンシャンスが強いんだよね。
セルフコンシャンスの強い人っていうのは、もちろんお金も欲しいけど、
それ以上に自己実現っていうものを大事にするっていう傾向があって、
いわゆる自己実現を許してくれる場、会社、業界に俺は行くぞっていう人間がかなり比較的多いんですよね、いろいろ面談してると。
そうするとやっぱり中小企業の場合は大手と違って、そこの自己実現の可能性はもっと高いと思うんですよ。
どでかい組織の中の歯車っていう、それはそれなりにまた一つの生き方なんだけど。
ただやっぱり自己実現っていうものを求める人が強くなってくると、やっぱり中小企業としてはそういうところをしっかりと、
逆にチャンスだと思って、中小企業こそチャンスだぜっていう自己実現を歌えていくことが重要なんだと思います。
高木 恵子
そうですよね。
中川 浩孝
確かに。
田中 愼一
そういうのは非常に重要で、だから3年前に、今は別に僕がやってないから、今はないんだけど、あの頃はね、ベストプレイストゥワークっていうのが流行ってたでしょ。
高木 恵子
ああ、流行ってましたね。確かに確かに。
田中 愼一
ベストプレイストゥワークだけじゃちょっと物足りなくて思ってて、ベストプレイストゥワークだけじゃなく、ベストプレイストゥグロウっていうね。
プレイスだけじゃなくてグロウ、つまり成長する、自己実現できる、ベストプレイスになるんだっていう話を打ち上げたことがあるんですけど。
だからやっぱりそこに主軸が今行きつつあるし、あとよくコマーシャル見てると、だんだんだんだん誰に対してターゲットしてるのかなっていう。
これ採用をターゲットしてるなっていうコマーシャルがものすごく増えましたよね。
高木 恵子
そうですね。確かに。
田中 愼一
例えば総合商社なんかがなんでこんなにアナウンスをして、我々総合商社はこういうことで頑張って世界に展開してとうとうって、これ誰に向けて売ってるの?って思うじゃないですか。B2Bのビジネスで。
でもあれ全部採用なんですね、やっぱり。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
だからちょっとびっくりこけますよね。
あとテレビの広告だけじゃなくて、タクシー乗ると目の前にあるじゃないですか。
あれはもうほぼ100%採用にフォーカスを当てた広告ばっかりですよね。
高木 恵子
そうですね。確かに。
田中 愼一
あれは安いからね、テレビと違って。
高木 恵子
まあまあまあ。でもタクシーに乗る人の属性って結構偏りありますからね。
田中 愼一
あってますよね。
高木 恵子
そう、だからそこに刺さるならいいけど。
そうなんですよね。
だって本当の経営陣って社用があるし、タクシーを使う今時の人ってどこになるのかなっていうのがちょっと。
田中 愼一
それおじさんじゃダメであって。
要するに採用目的にするんだったら若手だけど、こんなにタクシー乗らないんですよ。
高木 恵子
だがタクシーそうそうそうなんですよね。どうなんだろうってちょっと思うけど。
田中 愼一
でも本当採用は難しいですね。
高木 恵子
ねえ今は。
田中 愼一
アメリカは採用状況ってどうなんですか。
中川 浩孝
どうなんですかっていうのはどういうふうに取られているのかわからないですけど。
田中 愼一
ディマンドが多いのかサプライが多そうというのか。
中川 浩孝
そういう意味ですか。
いやどうなんでしょうね。
関税問題とその影響
中川 浩孝
でもコロナの間やっぱりちょっと取りすぎた人たちが若干調整されて今減らされている感じはあったので。
まあ今はそんなにまたどんどん減っているって感じはないので。
そういう意味ではまた人が足りないというか、会社もアンバランスが起きてるのかなっていう感じはあるのかもしれませんけど。
田中 愼一
今回の相互関税で結構ネガな方向に動く可能性もありますよね。
中川 浩孝
本当どうなるのか本当にちょっと戦々恐々というか本当ちょっと状況まだわからないというかどうなるのか。
田中 愼一
アメリカは速いからな。
中川 浩孝
動きは速いですよね確かに。
田中 愼一
動きは速いんですよ本当に。
中川 浩孝
すぐレイオフとか起こる可能性もありますよねどこかで。
でも工場とか工場とか持ってくるって話になるんであればもちろん人は本当は今後足りなくなっていく方向だと思うんですけれども。
その時にマッチするのかっていう。
本当そこですよねその人数的にはいるのかもしれませんけれどもそのスキルを持った人たちが本当にこの国内にいるのかっていう。
田中 愼一
スキルのマッチが一つとそれから工場ってそう簡単には作れないんですよ。
中川 浩孝
そこですよね。
田中 愼一
それなりの調査踏まえて全部やったら最低でも5年ぐらいはかかる。
中川 浩孝
5年はまずかかりますよね本当に私もそれはそう思っていて。
でもそうなってくると任期中には終わらないっていうか始まらないことになってしまうので。
田中 愼一
そうですよ。だからそうなんだよな。
中川 浩孝
まあでもそこはだから言い訳としてはすごくいい言い訳ができるんですよね今回。
何も起こらなかったとしてもちょっと時間がかかるっていう言い訳はあるのでそれを次の大統領選でこれが花咲くのは次の大統領だみたいな話をするのかなっていうのはちょっとした思ったりはしますよね。
高木 恵子
そっか確かに。
中川 浩孝
ここは我慢のしところ
田中 愼一
彼の勘違い度合いっていうのがどんどんどんどん悪化していく。
中川 浩孝
まあでもこの後だからイーロンマスクの解任がもしもこのまま進んだときにとかもちろんある程度規定路線とはいえ
これで少しこうなんていうんですかね人の人のというか一般の人から見た時のなんかこうイメージというか今までのちょっとこうすごいもうアクセルかかっている感じのイメージと変わるのか変わらないのかもすごい私はちょっと気にはなってますよね。
今もうイーロンがやっぱりすごいですセンターステージにいる感じがあるので。
高木 恵子
確かに。
中川 浩孝
彼が去ったらどうなるのか。
田中 愼一
イーロン切るときは何かのやり方の演出をするんじゃないかなとトランプだったら。
イーロンを切ったということはやっぱりトランプはそっか良識があるんだっていうね。
中川 浩孝
そうとるのか。
田中 愼一
要するにあれだけ憎まれっここれも負の心に対するアプローチですよ。
今憎まれっこになってるのがイーロンでトランプの部分も引き受けてるわけですよ。
中川 浩孝
確かに。
田中 愼一
でそれをトランプがえいやってね。
中川 浩孝
切ることになってね。
田中 愼一
刀で一刀切りすれば、周りはトランプなかなかじゃんって。
中川 浩孝
さらに求心力を強める可能性があるんですね、なるほど。
田中 愼一
そうするとトランプに対する評価っていうのがね、まだ見極めなきゃいけないっていう層が急激に増えるかもしれない。
中川 浩孝
それはそうでしたね確かに。
田中 愼一
だからトランプのことだから、もし目の前で人たちで切り捨てるようなことを演じなかったら、トランプのコミュニケーション能力はもうろくしたと思った方がいい。
ちょっともうろく気味だったのが、昨日の発表の中で日本のところに来たときに、しきりに日本人はいい人なんだよ、日本人はいい人なんだよっていうのを連発して、安倍さんの話も出たり。
とにかく前提が多くてね、日本はいい人なんだ、彼らは悪くないんだって言って、それからあの24%を上げてきたっていう。
なんていうのかな。少し彼にも相手を思う心があるのかもしれないですけど。
純粋にコミュニケーション力学の使い手としてのトランプを見たときに、若干ほころびが出てきてるんで。
もう一つのKPI、兆候として判断できるのは、今回の切り方ですよね。イーロンマスクのね。
切り方っていうのを演出するかしないか。大統領令までもね、サインする場を活用した男だから、そのくらい考えてもいいと思うんですよね。
中川 浩孝
そうですね、たしかに。
田中 愼一
イーロンは結構、もしかしたら丸め込めやすいかもしれない。イーロン悪いけど悪い役やってくれと。
お前がバッドコップになって、俺がグッドコップになるから。っていうくらいのディールをね。
高木 恵子
それはあり。
田中 愼一
で、その代わり、後別のとこでホワイトハウスで、ローズガーデンでやるよとかね、こういう場で発信してやるよと、別のディールを持ち込んで。
高木 恵子
そう、絶対なんか。
田中 愼一
だから、切ったら、うわーっつって倒れてくれっていう感じですね。
高木 恵子
これも全部ね、彼らの作戦かもしれないですもんね。
田中 愼一
そう見てもおかしくない。
高木 恵子
そうなんですよ。
田中 愼一
だから、イーロンの役割は一応ね、まずはここで一つのステージ1は役割が終わったと。
これによって、今までのトランプに対する憎しみっていうのを全部、まずイーロンが引き受けて。
その中でイーロンは無理難題を言って、より悪者になって、その悪者をボストランプが退治したと。
イーロン・マスクの去就
田中 愼一
これは素晴らしいって感じで。
で、イーロンはにこやかに、非常に悲痛のどん底みたいな非言語で去っていって、次のステージに彼はまた行くと。
高木 恵子
うん、そうですよね。
田中 愼一
したたかですね、やっぱりさすがに。
高木 恵子
絶対なんかそういう気がするんだよなぁ。
田中 愼一
ちょっとね、イーロンがもうそれを認めたんでしたっけ?
高木 恵子
いや、まだ何にも彼はコメントしてないんだけど。
田中 愼一
ちょっとね、イーロンの切り方っていうのは、これから注目した方がいいと思うんですけど。
高木 恵子
いやー、ちょっと目が離せませんね。
困ったもんだ。