中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。 コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。
コミュニケーションの世界に携わって40年以上。 コミュニケーション、命。田中愼一こと、シン・田中です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して早四半世紀以上。高木 恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川 浩孝です。 昨年最後の回からの続きです。引き続きお楽しみください。
田中 愼一
どうですか?みなさんのほうの振り返りは。けいこさんは?
高木 恵子
振り返りか。今年はどうなんだろうか。でも、仕事も、自分の時間も、
やっとコロナも終わったから、すごいバランスよく1年過ごせて、あっという間の1年だったですね。
田中 愼一
いいですね。バランスよくね。来年に対する、今年のそのバランス良さっていうものから、来年に対する抱負みたいものってありますか?もっとバランス良くなるとか。こうやればもっとバランスが良くなるとか。
高木 恵子
なんか趣味を増やそうかなって思いました。
田中 愼一
ああ、なるほどね。趣味ね。
今さっき言った主観客観の話につながるんですけど、やっぱりね、所詮人間は主観なんですよね。
そうすると、逆に主観をしっかりとマネージするって言ったときに、趣味って結構。
僕は今危険なところにいて、コナンが趣味になっちゃうんじゃないかっていう恐怖感があるんで、それは絶対趣味化する前とは思ってるんですけど、あくまで現実逃避だけっていうふうにしたいと思ってるんですけど、でも趣味っていうのはやっぱりね、面白いかもしれないですね。
高木 恵子
そうなんですよね。この前も話したかもしれないけど、ゴルフをやり始めて、
ゴルフというベースがあって、いろんな新しい人たちに会えるっていうところで、
まあ本当自分のフリーな時間の使い方を今年なんかは本当ずいぶん堪能したんですけど、やっぱり逆にゴルフだけだと、今度はまた足りないというかね、ゴルフだけのまた出会いになるから。
田中 愼一
何が足りないんですか。
高木 恵子
やっぱり新しく出会う人が少ないですよね。 私の場合は本当に家で仕事をしているから、
普段会うのってお客さん、ほぼお客さんぐらいだけですよね。別になんか同僚とかビジネスパートナーとかがいるわけじゃないんで、
そうすると新しく出会う人って、もう趣味の世界でしか新しい人と会わない。近所のスーパーでこんにちはっていう人はいたとしても、別にそれで人と知り合うっていうことにはならないから、
もう一つまたゴルフとは違う趣味を作れば、またそこで同じ共通項だけで、また全く違う人たちに会えるっていうところで、また何かこう世界が広がるのかなーって。
田中 愼一
やっぱり人と会うってすごくいいことですよね。
それはね確かに重要で、たぶん僕もある意味自由時間ができて、次に考えたのは人と会うってことがそういえば減っちゃうなと。
ここに座ってて言いましたっけね、椅子買ったの。
高木 恵子
そうですよ。
田中 愼一
導入するところまで見てましたよね。
高木 恵子
そうです、導入するところまで。
田中 愼一
すみません、椅子買ったのは腰がね、おかしく膝がね、よく考えてみたら、ここにいるんですよ。僕もだから、この空間に結構時間的に。
それがやっぱり、自由時間はできたんだけど、逆に人と会わなくなっちゃって。
会わないことが逆に椅子を買う一つの原因だったっていうことで、ここにいるっていうことで。だから会うとやっぱり外出るじゃないですか。
高木 恵子
そうなんですよね。
田中 愼一
またこれ仕事でも意味があるとは僕は思うんですけども、仕事のお客さんと話すのもね、それ以上にそうじゃない人たちと話すの結構面白いですよね。
田中 愼一
結構それは自分なりにやりたいなって、面白いなって思いますね。
でそれを文章化するってのは、なるほどね。ある意味どんどん書いていくってことは一緒ですね。
文章はどんどんどんどん出来上がっていくと、将来これから多分AIがそこに入っていって、
顔が出てきて、語りで、実物が自分たちの祖先に対して語っていくようなものに、
これ誰かと議論したことあるなこれ。そうそうそう。そういうのが出てくるかもしれないですね。
要するに次の世代に自分の発想とか言葉とか、自分がどんな人間だったかっていうのをAI的にパッケージングして、
生前のいろいろな情報をデータ化して、基本的にはそれを次の世代に取っておく。
見るか見ないかは次の世代のあれだけど、そういうのを置くと結構イノベーションのベースになりますね。
人間って多分同じこと考えるから繰り返し考えてるんですよ。
高木 恵子
そうだと思います。私の前の上司の方でも今80過ぎたんじゃないかな。
その本当にお年の方が、田中さんも海外で幼少を過ごされたって言ったけど、その方は大学をアメリカ、大学院かな。
大学院をアメリカに行ったんですよ。だから今80過ぎってことは結構ね。すごいですね。その時代に。
船でアメリカに何か1週間かけて行って、日本で出て、大学院ですよね。向こうで行って、大学院で勉強されて、その後本当にアメリカの広告代理店ですよ。
仕事をずっと何年いたんだろう。もうそこからずっとですよ。大学院終わって、もう何十年もアメリカにいらっしゃって戻ってきたのが
ご自分が40歳の時かな、手前。39とか40で戻られて。
その後に自分の会社も立ち上げてっていう。だから自分史を本にしましたよ、最後。
何年前だろう。何年か前。コロナの前かな。コロナ中かな。時間ができたから、もう完全に70いくつかで完全にお仕事は引退されたんですけど、
その後やっぱりいろいろやって、集大成みたいな感じで、もう本当自分史という本を文庫本を発行しました。
別に送ってくれました。一通り読みましたけど、本当自分がアメリカで船に乗って行って、アメリカで勉強して、
当然もう20年とかアメリカで、あの当時の日本人がまだ海外でいないときに、どうやってやっぱり乗り切ったかとか、どういう苦しみがあったとか経験があって、
逆に日本に帰ってきても、逆にもう日本の20年間という時間がブランクじゃないですか。
だからまた帰ってきても、日本にキャッチアップするのにも時間かかったみたいだしっていう。
で、会社を作ってこうこうこうっていう、本当自分史をずっと書かれた本で、私は上司だったんで、その一部でご一緒したんで、
なるほどね、こういう人生だったのだなっていうのは、まあね、そのうちの上司、元上司の方と同じ気持ちにはなれないけど、
なんか同じ風景を見ながらそれをまた自分に私に書いて、
田中 愼一
でも学びが多いでしょうね、いろいろね。
高木 恵子
こうやって人生が流れていくのか、じゃあ私もなんかこう、別にまあ私は自分史は書かないと思うけど、なんか自分の中でもね、
そっか、こうやって自分の中でわかる物語を作ろうなと思いました。
田中 愼一
それすごく重要ですし、それをいわゆるデータ化しておくっていうか文章化しておくっていうのは、僕は一つ、人類のためには重要なこと。
つまり多分ね、多くの人がいろんなことを発想してるわけですよ。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
で、やっぱりそれを一つのデータとしてね、取っておくことが未来に対して備えるっていうかね。
だからそういう意味でいくと、やっぱりこれからは気楽にどこでも文章を書けるじゃないですか。
高木 恵子
そうですね、確かに。
田中 愼一
あらゆるところでも、このスマホがあればどこでも書いて、基本的にはもう即バックアップして入れて書くことができるわけだから、
そういうのがどんなに多くなろうと、多分検索機能はどんどんもっとスピード化になってくるから、
そういうデータを残しておくと、後でまたそれを加工するってことが人類ができれば、
結構、人類のイノベーション率っていうのが上がっていくような気がするんですけどね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
だって多分ね、ほとんどみんなが思いつく新しい発想っていうのは、別にそのときが初めてじゃなくて、
人類長い歴史の中でみんな類似のようなものを考えてるわけですよ。
その中で偶然ね、巡り合わせである人が、例えばアリストテレスだったらアリストテレスがボーンと出たとかね、
ひとつの名前がついちゃうんだけど、これは例えば仏教で言うとブッダね。
ブッダという形をとって、あの人が人間として初めてっていうふうに思うけど、そうじゃなくて、
偶然ブッダになっちゃったんですよ。
田中 愼一
ブッダと同じ発想を持ってきたら、もっとたくさんいたから、ああいう人がポコって出てきたっていうふうにね。
だからたぶん、歴史上に残ってる名前っていうのはそれほど重要っていう、
歴史に残んなきゃいけないなーっていう思い込みを持ってる人たくさんいるけど、
そうじゃなくて、みんな思ってることはだいたい同じで、発想することも同じだと思うんですよね。
ただ、それがある程度一人の人に集約するっていうのが歴史なんで。
だからそういう意味で言うと、いろいろな人が発想しているのを残していくっていうのは、
まあ役に立つ、立たない、どうでもいいじゃないですか。
残しとけば役に立つ可能性は残るんだよ。
残さなければ何も残らないですから。
だからヒロさんなんかどうですか。
中川 浩孝
そうですね。私はやっぱり今年はもうトランプですよね。
これはやっぱり持っていかれて、全部持っていかれた感じですね。
本当にアメリカの広さというか、私が見えているところと見えてないところのアメリカの差っていうのが、こんなにもやっぱり激しいっていう感じ。
それがしかも、前は本当に見えてなかったんですけど、若干近寄ってきた、向こうからやってきた感じっていうのがちょっとあるというか、
やっぱり自分の住んでいるエリアでさえ、そういう見方をしている人がいるんだなっていうのが若干見えるようになってきたっていう意味では、
すごく新鮮っていう言い方がいいのか分からないんですけど、
こういういろんな考え方の人がいるんだなっていうのを改めて考えさせられたっていうことと、
やっぱりなんかね、怒りのパワーっていうか、ちょっと負の感情というかが渦巻いてる感じがやっぱりすごくあって、
これは本当に良くないなと思って。でも多分、世界中でそういうことが起こっているような気がするんですよね。
それこそイギリスのブレグジットとかも伝わったと思うんですけど、
なんかそのやっぱり不満とか、社会に対する不満であるとか、今自分たちが住んでいる世界に対しての怒りというか、
そういったものがすごくやっぱり顕在化してきているっていう感じがあって、これはあまり良くない兆候だなと思っていて。
これをどういうふうにやっぱり、それはコミュニケーションももちろんその一つだと思うんですけれども、
どういうふうにこういう怒りを沈めていけたらいいのかなっていうのを最近はやっぱりちょっと考えていて、
自分はそんなに日々怒りに震えて生きている人では全然ないので、そういう人たちの考え方がちょっとわからない部分もあるんですけれど、
でもやっぱりこう自分はそういう意味では恵まれた生活をしているんだなっていうところと、やっぱりそうではない人たちの怒り。
ただそれが、私なんかはやっぱりアメリカ人の言っている生活レベルのとか、物価が上がって生活が苦しいみたいなレベルと、
やっぱり他の国で起こっていることとのもう何ですか、歴然たる差はあるわけじゃないですか。
アメリカのやっぱりベースはもうすごく高いので、それくらいでやっぱり文句言っちゃうんだっていう、それに対して別にそれが悪いわけではないので、
その生活に慣れてしまっているからしょうがないんですけれど、なんかいろんな世界でいろんなことが起こっている中で、
やっぱり自分の周りのことしか見えてないっていうのはちょっと悲しいことだなと思って、これが怒りの原因になっているんだったら自分で自分の首絞めているというか、
もっと世界を見て、自分より苦しんでいる人がいるから、あなたの今の現状に対して幸せに思いなさいっていうのは、それは失礼な話というか、
説教がましいのであれなんですけど、でもなんかちょっと自分の周り、5メートルとか10メートルみたいなところしか見えてないのかなっていう感じが、
やっぱりちょっとしたのが悲しいし、これをどういうふうに打破していったらいいのかなっていうところに、私が自分が何ができるのかわからないんですけれど、
中川 浩孝
それを来年というか、たぶんもっと怒りがもっと顕在化してくるんじゃないかなっていう気がちょっとしてるんですよね。
田中 愼一
昨日ちょうど、さっきけいこさんに謝罪申し上げたんですけど、
昨日けいこさんとコールする予定だったのが、完全にすっぽかしちゃって。
高木 恵子
すっぽかしたことを気づいてなかったんですよ、ヒロさん。
田中 愼一
すっぽかしたことを気づいてなかった。
すっぽかしたことを気づいてないんですって、正直に言ったら急に顔色変わって、
これ見てるなって怒ってるなって、まさに怒りがあるなとは思って、
実はその原因になったのがですね、うちの若手を2時間ぐらいで講座をやってるんですけど、
そこで昨日はですね、オバマとトランプっていう形で、
僕がビジネススクールで教えてる素材でやったんですけど、
そのときにトランプっていうのがなぜ今回当選したのかっていうところを議題に、
いろいろコミュニケーションの視点から話をしてて。
2つぐらい話題になったかな。
一つはですね、いわゆる今ヒロさんが言ったように、
10メートル先しか見てないとか、自分の目の前しか見てないとか考えてないのかっていう、
いわゆる視野の狭さっていうのかな。
そういうのがいったいなんで今アメリカでそういうことが起きてるのかって。
トランプはそこをうまく利用したっていうふうに、コミュニケーション上利用したっていう。
いわゆる視野っていうのは、ある意味視野が広ければある程度、
いろいろな他の人たち、いわゆる自分が見えてないところも見えていくようになるんだけど、
今ヒロさんが言ったように狭まってくるってことはですね、
思い込みがどんどん作られやすい。
それが他に対するリスペクトを減らし、
逆に今さっきも議論した主観、自分の主観も限られた視野しかないと、
自分の主観っていうのが凝り固まって思い込みになって、
それが逆に怒りの発生源になってるっていうのは、僕も正しいと思ってましてですね。
ただその背後の背景にあるのは何かっていうと、
実は昨日議論したのは多様性。
多様性っていうのは、性善説的多様性と、
性悪説的多様性っていうのがあるんじゃないかな。
多様性っていうのは、いろんな多様なものを認めて、
こうやっていくっていうことなんだけど、
実は多様なものを求めていくとですね、だんだん格差が出てきて。
ある意味、認識の格差。
言い方がいいとさっきの、いわゆる視野が狭くなってくるっていうことで、
認識の格差が多様化しちゃったために、
みんなが見えてる世界が狭くなってきてるっていう。
だからある意味その多様性っていうのが、
アメリカをどんどんいい国、強く作ってきた、
いわゆる性善説的な働きもあったんだけども、
一方、物事ってコインの裏表ですから、
裏側にその多様性の持つ、いわゆる性悪説的な発想で、
どんどんその認識の格差が多様化しちゃって、
認識が多様化しちゃったために、
格差とかそういうことで怒りが出てくるっていうのが、
まず一つ議論の話題になってた。
だから今、ヒロさんが言った話っていうのは、
なるほどなってて、
それが今アメリカに住んでいるヒロさんでさえも、
実は今回はそれをもっと身近に感じたってことですよね。
もう一つそこで議論したのが、
じゃあトランプはそれをどう利用したのかっていう。
トランプのコミュニケーションっていうのは、
例えばオバマと比べると真逆のコミュニケーションで、
これも実はコインの裏表なんで、
オバマのコミュニケーションってのは共感のコミュニケーションなんですよ。
共感のコミュニケーションっていうのは、
人の正の心っていうものにアピールして、
先を見せてあげて、みんなを希望に燃やせていくぞっていうタイプなんですね。
その次に現れたトランプのコミュニケーションっていうのは、
どちらかというとダークサイドのコミュニケーションって僕は呼んでるんですけども、
つまり人間の負の心、怒りとか嫉妬とか、
そういう対立とかそういうのを利用したコミュニケーションなんですね。
両方のコミュニケーションとも同じ効果を出すんです。
どういう効果を出すかって人を動かすんです。
つまり共感っていうのも人を動かす一方で、
怒りとか不満とか嫉妬とか、これも人を動かすんですね。
現実はどうなってるかっていうと、両方を使い分けながら、
たぶん人間社会って動いてると思うんですけども、
それがクリアーに分かれた象徴としてオバマとトランプ。
ってことはこのトランプはですね、
実際どういう手法を使ったかっていうと、やっぱり怒りとか、
どんどん多様化によって認識の格差がどんどん多様化しちゃった中で、
そこから怒り不満、いろんなものが出てくる。
そこをスパッと利用してメッセージ発信して、
中川 浩孝
っていうのはあったんだろうな。
この10年、20年っていうところで、
そこの怒りが爆発したっていう感じ。
やっぱり今となってみれば、やっぱりさもありなんというか、
なるほどねっていうふうに、
やっぱりちょっと理解できる自分もいるので、
いやこれは本当にどういうふうになっていくのかなっていう。
これでもね、やっぱりアメリカはなんだかんだ言って、
世界の一番いつも先を走っている部分もあるので、
これがね他の国にも影響を与えるでしょうか。
田中 愼一
だから先行資料になっちゃうわけですよね。
中川 浩孝
はい、そうですね。
田中 愼一
日本はやっと、多様性の性善説が上陸したばっかりで、
中川 浩孝
そうですね、でも本当そうですよね。
田中 愼一
これから性悪説が乗り込んでくるんですよ。
昨日、若手の一人が面白いことを言って、
今回のトランプが採用される選挙を見てて、
トランプが勝った背景には、男対女の対決があると。
これどういう意味かって、今の逆差別とちょっと近いとこもあるんだけども、
かなり多くの男性が、
男性そのものの立場がどんどん低下していくと。
女性の立場がどんどん上がっていくと。
つまり、長年男性が保持してきた優位性というのが、
どんどん削られて、その怒りがトランプに投票したんじゃないかっていう。
これはわかんないけど。
パッと見たときに、なるほど、そういう輩もいるんだろうなっていうのは、
ちょっとは思ってみたけど、
結構そういう発想で考えたっていうので、ちょっとびっくりしたんでね。
でも確かに、白人対マイノリティっていう構図もある一方で、
もう少し深いところで、
男と女の歴史的な変換点じゃないですか、今。
立場の歴史、すごい強烈な歴史的な変換点ですよね。
だからそういうのを見てると、
確かにコミュニケーションの世界どうかなと思って見てみると、
うちの組織を見ると、グローバルのトップ200ぐらいなんて見ると、
もう9割以上が女性ですよね。
高木 恵子
そうですか。
田中 愼一
もっと言うならば、アジアパシフィックだけ見ると、
各カントリートップっていうのは、日本だけが男ですかね。
高木 恵子
すごいですね。
田中 愼一
あとね、今ね、僕ちょっと一歩下がったから、
あんまりあれだけど、
リージョンでは多分日本だけじゃないかな、トップは。
なんかそういう意見をね、初め何言ってるんだこいつと思ったんだけど、
しばらく考えていくうちにじわじわそういう事象が、
コミュニケーションの世界では、少なくともアメリカでは起こってるなっていう。
ヨーロッパもそうだな、全部もう。
お客さん側もそうなんですよね、コミュニケーションの世界。
中川 浩孝
なるほどね、面白いですね。
これは綱引きじゃないのでね。
田中 愼一
綱引きじゃない、これ進化ですから。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
だから、進化って言うとあれだけども、
時代の流れですからね。
そっちの方向に行くのが均衡点なんでね。
高木 恵子
そうは言っても、本当に逆にジェンダーで言う、私の女性の立場から言うと、
やっぱりそうは言っても、日本はまだまだ女性が下ですよ。
本当にグローバルと日本の差がなんか、そこだけ見ると、
どんどんかけ離れていく感じ。
だってなんか政府が、経営人というか、
何割を女性にしなきゃいけないっていう、
ああいう発言で。
田中 愼一
あれはひどい発言だね。
高木 恵子
企業にこうしなさい、3割を役員にとか、
管理職に。
田中 愼一
ありえない。
高木 恵子
あれは私もちょっとびっくり。
もう私もね、客観的な、社会のど真ん中から身を外したんで、
そうやって思いますけど、
これ中に、本当まだ第一線で頑張ってる、本当に頑張ってる女性のね、
そういうプロフェッショナルな人たちが聞いたら、
本当どう、もう腹の底から煮えくり返ってんじゃないかなって、
本当思いますよね。
田中 愼一
センスないですよね、日本の政治は本当に。
高木 恵子
でも実際に、事実本当だから、それこそ現場がそうなってないから、
もうね、国からもう上からトップダウンでやりなさいみたいな、
ことをしないと組織が動かない、やっぱり日本のこの社会っていうのも、
どんなもんかなって本当に思いますけどね。
田中 愼一
この前ある大手企業のトップになられる女性ね、
女性のなられる、直前のリーダーとしての発信力を高めるということでやったんですけども、
理解力、これもうお話したかもしれないけども、理解力がすごくて、
はっきり言ってあのレベルに来る女性の方っていうのは圧倒的に優秀です、みんな。
理解力が半端なく良くて、基本的には3時間ぐらいやったんだけども、
実に今までいろんな人が僕トレーニングしたんですけど、
たぶんその中で一番と言ってもいいぐらいの理解力とそれから適応力。
基本的な型を教えた上でそれを実際やってもらうんですけどね、
いろいろな対話の場で、自分の発信をどうマネージできるかっていうのを一発でできるんですよ。
これはすごいなと思って、そこで誰かと話したんだな。
女性のリーダーにフォーカスしたトレーニングを特別に開発しちゃったらどうだ。
高木 恵子
面白いかも。
田中 愼一
要するに世の女性リーダーの人たちに、
なんでグローバルのコミュニケーションの世界では女性がどんどん主要な立場を取ってきてるかっていうと、
コミュニケーションという部分では女性がやっぱり引い出てるんだなっていう感覚があるんですよね。
たぶん女性特有の発信力の出し方ってあるんじゃないかと。
今僕がやってるのはどっちかというとまだ男性っていう形で、
男性の強みをどう活かして出すのかっていうのをやってるんだけど、女性は別立ての方が良くて。
それ開発するときに男性である僕が開発できるのかよって疑問があるんですね。
ちょっとそこあたりは一度けいこさんにお話をね。
高木 恵子
一緒にやりましょうか。来年のプロジェクトとしてやりましょうか。
田中 愼一
いいですよ。ちょっとね、そういう話をですね、実はけいこさんとしたいなと思って。
高木 恵子
いいじゃないですか。来年の目的ができた。目標が。
田中 愼一
女性のいわゆるリーダーシップトレーニングっていう。これからどんどん多分出てくるんですよ。間違いなく。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
日本の企業がグローバルにどんどん行くのと同じぐらいに、女性のトップリーダーがどんどん出てくるんですよ。
で、そこに女性なりの特有なね、そのトレーニング方法っていうものを使う。
で、それは男になることじゃないわけですよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
今までの過去を見ると、みんなね、男とゴシてなんとかっていうところで、
そんな男の真似したって意味ないと僕は思ってて、女性特有の強さっていうのは、これは男も同じですけどね。
やっぱりもってトレーニングできないかなっていう。
その受講生があまりにも優秀だったんで、これはなんかできないかなっていう。
多分ね、もっと優れた受講者に会いたいっていう気持ちがあるんでしょうね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
やっぱりね、すごい理解が早くて、できる人っていうのは見ててもね、こっちが元気になる。
だからその経験がすごくね、今、なんていうのかな、あって、ちょっと検討しません?
高木 恵子
いいですね。よし、来年やることが決まった。
中川 浩孝
まあ本来的にはね、長い目で見たときにはそこで男女差がないようになっていくのが一番間違いないことなんですけど、
今のね、過渡的な段階ではやっぱりそれがちょっと必要なのかもしれないですね。
田中 愼一
やっぱり女性が、まあこれからどんどん出てくると思うんですけども、
やっぱり女性をコミュニケーションで武装する必要があると思うんですね。
昔、僕は日本をコミュニケーションで武装するってずっと今でも言ってるんだけどある意味。
やっぱりね、日本の女性をコミュニケーションで武装することは僕はすごく重要だと思うんですよね。
これは男はもっと重要なんだけど、男の方が可能性少ないんですよ。伸びる。正直言って。
中川 浩孝
逆に言えば、トップになるためにというか、まずトップにちゃんと上に順番に上がっていくために若い頃から本当はやってなくちゃいけないんですよね。
田中 愼一
そうなんですよ。でも欧米の連中って子供の時からやってるんですよ。
中川 浩孝
そうですね。そうなんですよね。
田中 愼一
だから、もし男が効率悪いんだったら女性から始めていいと思ってね。
女性の方がね、分かりはいいんですよ。まるっきもレベル感が違うからね。
だから僕の一つのビジョンというのは、日本をコミュニケーションで武装するっていうのがあるんだけども、
それはブレイクダウンしていくと、一人一人の日本人をコミュニケーションで武装するっていうことで、
今まで僕がやってるのは男性がほとんどだから、ところが男性はほとんど効率が悪いんで、
本当にダメなんですよ。受講生として。だから基本的にはまず女性から進めていった方が戦略的には正しい方向で。
これからどんどんリーダーが出てきますからね。女性にもフォーカスしていった方が、
より効率的に日本をコミュニケーションで武装できるなっていうのが今の実感なんですね。
高木 恵子
やりましょう、やりましょう。
田中 愼一
なんかそこにマーケットがある気がするし、そこが広がると僕のビジョンにも実現につながるんで。
高木 恵子
いいですね。
中川 浩孝
私は個人的にはそこは男性だからこうとか女性だからこうではなくて、
やっぱりジェンダーバイアスっていうのがあるのでこういうふうにアプローチしましょうっていう、
多分そういう話し方になるんだと思うんですよ。
田中 愼一
バイアスがある、そこをどう切り抜けるかっていう発想ですよね。
中川 浩孝
そうだと思います。
田中 愼一
そうなるとやっぱり男である私は手の打ちようがない。
中川 浩孝
でもそれじゃダメなんですよ。
やっぱり男性から見ても女性だったらこういうふうになるからっていう。
田中 愼一
ちょっと性転換して女性になってみて、体験をした上でこれだけ、
っていうのが僕の主義は体験しないものだから。
中川 浩孝
そこの想像力がないって言っちゃうのは、リーダーとかになれないっていうのと一緒ですからね。
田中 愼一
まあそりゃそうだ。
中川 浩孝
それはね、それ言っちゃダメなんですよ。
そんなこと言ったら本当に白人と黒人との溝なんて埋まるわけないので、
いかに白人の人が黒人のことまでちゃんと想像できるのか、
女性がどこまで男性のことが想像できるのか、それが両方できなかったら、
やっぱりリーダーになっちゃダメなんですよ。
田中 愼一
まあね、そりゃそうですね。
中川 浩孝
それこそね、私の場合LGBTQの当事者でもあるので、
そこはやっぱり男女っていう感覚をもう少しなくすっていう言い方がいいのかわからないですけど。
田中 愼一
違った。違った。どういうアプローチがいいんですかね。
ただ間違いなく本質的に女性であることをレバレッジしたコミュニケーションはあり得ると思ってて。
これは男性も同じですよ。男性も男性という。
中川 浩孝
今の育てられ方で男性となった人、女性となった人が、
そのバイアスの世界の中で生きてるからそうなっちゃっただけであって、
本当にそうなのかは私にはわからないです。
もしかしたら生物学的に本当にそういう部分もあるんだと思うんですけれど、
でもやっぱり社会の中でそういう、
女性とはこういうものだ、男性とはこういうものだっていうバイアスの中で生きてしまったために、
そういう性格になっていくんだと思いますよ。やっぱり私は。
田中 愼一
なるほど。
中川 浩孝
だから今はそれが必要だと思います。
今はその世界に生きてしまっている人では。
田中 愼一
逆に女性、男性って区別せずやった方がいいってことですね。
中川 浩孝
本来はその方がいいと思いますが、やっぱり女性的特性として、
こういうのが今はどうしても見受けられるのでっていう、
そういう言い方になるかもしれない。
田中 愼一
でも逆に言うと、そこは深入りしない方が僕はいいかなと思ってて。
中川 浩孝
そうだと思います。