今日のテーマトークは、『私ときどきレッサーパンダ』です。
はい、ではここから内容を触れる話が入っていきますので、ネタバレ気にされる方がいらっしゃったら、ぜひ見てから聞いていただけたらと思います。
はい、ではあさわりの感想、大井さん、いかがですか?
えっと、今作、もともと配信された直後にディズニープラスで見ていたんですけど、今回改めて劇場で見まして、やっぱり大傑作ですね。
うん、間違いないなと思いました。
なんていうか、これ全く別の回に自分の彼女も見に行ってたんですけど、彼女が自分の物語というか、として見れたっていう風に言ってて、
多分、ある一定の女性にとっては、そういう物語として見れるところがすごくある話。
多分、当事者性のすごい高い話になり得るんだろうなっていうのは、やっぱり見てて思いましたね。
だからこそ、なかなかこの男性3人で語るっていうのが果たしていいのかっていうのは、ちょっとわかんないんですけど。
まあ、しょうがないですね。そこはチャレンジする形で。
でもやっぱり、母と子の話、母と娘の話っていうところもそうだし、
そこと、若いというか、理解した上でどう違う道を歩んでいくかっていうところの示し方がまあ見事だし、
どこが敵なんだけど、でも完全なビランにしきらないっていうところも含めて、すごいバランス感覚で作られた作品だなっていうのは、
やっぱり見直して改めて思いました。そんな感じですかね。
僕もですね、2年前にディズニープラスで見て、その年のベスト9かに入れてたと思うんですけど、
今回劇場で見て、今年ベストですねっていう感じで、2回入れるのかって感じになっちゃいそうなぐらいに良くって、本当にまず面白いっていうのがあって、
面白いのと、これ見たかったんだなって、これを見たかったなって気づかされたなっていうのがあって、
やっぱり、いわゆるボンクラ男子を女の子がやるっていう話だと思うんですけど、そこの遠慮のなさというか、
別にフィクションの中での美少女的に描かれているわけでもないと思うんですよね。
普通に悪書き4人間の中で女の子がそれをやってるっていうのがいいですし、
一方で、男性の自分の身からは分かりにくい、その思春期の女の子の話としても、すごくいいバランスで描いてるなっていうふうに、少なくとも僕は思ったっていうところですね。
あと、そういう束縛の強い親に対する向き合い方っていうのも、少なくともピクサー、引いてはディズニーのアニメーションとしては、
僕も明確に反抗期っていう感じではなかったですけど、主人公と同じ中学とか高校とか、
そういうのはあんなふうには直接ワーって反抗してたっていうことはなかったんですけど、
やっぱりすごく縛られてる感覚だけずっとあったんですよね。
なので、やっぱり今、両親とか別にそういうつもりは全然なかったっていう話ではあったんですけど、
結局、コミュニケーション不足だったねって感じが最終的になるんですけど、
やっぱりそういったものが僕を今縛りつけて、おもしのようにのしかかってきているみたいな感覚にはすごくあったので、
そういう毒王や病者みたいなのとかを見ると、ちょっとやっぱ胸がキュッとなってしまったりとかは、すごくしてしまうところはありますね。
っていうのと、あとやっぱ、一オタクとしてそれはあかんやろっていう気持ちですね。
あと、本当に沢井の感想で言ったときの話とかですけど、
生物ジャンルは本人に出しちゃダメってアンモクリの了解があんだよ、こっちは!みたいな話をあいつやぼってくるじゃないですか。
てめえふざけんなよってなるわけですよ、本当に。
一オタクとして許されんってちょっと思ってしまうというか、そういったちょっと気持ちが混ざってます。
本作のすごく注目すべきポイントかなと思っているところが、
女の子主人公で恋愛が描かれてないとこだと思ってて、で、描かれてるのは性欲なんですよね。
だから、ショップで勤めてる男の子を妄想して絵描いてるのって、例えばこう腕の筋肉とかをすごくイメージして落書きしてるじゃないですか。
やっぱりその肉体に対する関心っていうものであって、あるいはそのアイドルに対する憧れの感情とかは描かれるけど、
じゃあその男の子との関係が恋愛になったりしないっていうのが本作の面白いとこだと思ってて、
女の子だから物語の推進力に恋愛が使われるとかってことがないっていうところ。
そうじゃない感情として近くにいる男の子に対する性的な関心であるとか、そのアイドルに対する憧れの感情とかっていうところ。
かつそのアイドルと近場にいる男の子が別物扱いされてるじゃないですか。
そこも僕いいなと思ってて、遠くにありって思うものとは別に近場で接触したいものっていうのが別で存在してるって、
当たり前のことなんだけど、割とそういうのが全部恋愛っていう名のもとに一本化されていくのって割とあると思うんですよね。
で、それってやっぱり女の子主人公にした時ってそうなりがち。まあこれはイメージですけど。
逆にその例えば男の子のオタクの話した時にクラスメイトの女の子に興味ありますっていうのとは別に、
読や描写っていう部分に関して、かなり賛否あるというか、
給与できるできないがすごいバチンと分かれちゃう領域だと思うんですけど、
僕あんまりこの部分、違和感を持って見てないというか、こうなるかなっていう感じの見方をしてたんですよね。
うち子供、娘なんですけど、特に女性の親族から女の子に対するしつけってすげえ厳しいなっていう感覚で見てて、
僕はまあいいんじゃねっていう気持ちのところを、女性の親族の方が厳しいっていう感覚があって、
それって多分当事者意識に根出してるかなと思ってて、
自分が女性であること、あるいは女の子であることでこう苦労したから、
それを繰り返させたくないから厳しくするっていう感覚あるなってちょっと見てて思うことはあるんです。
それはあんまり男からは分からない部分なんですけど、
多分それは男親から男子に対するしつけとか教育っていう部分は多分より女の子に対するものより厳しいと思うんです。
それは自分が経験してるもので、
これから先の人生で起こる試練とか課題っていうものを乗り越えるためにはこうしなければならないんだお前はっていう意識が働くんだろうなと思うんです。
それは多分男親から男子に向けて、あるいは女親から女児に向けてっていうそれぞれの厳しさがあると思うんですけど、
自分がその側だから子供を助けられるのは自分だって意識で厳しくしてる感覚すげえありそうだなって。
完全にそこを当事者意識持ってみれないから性が異なってるんでね。
そこで僕は厳しくできない部分があったりはするんですけど、そういうのありそうだなって思うのと、
あとやっぱり本作においては人種的なマイノリティっていうのがやっぱり大きいところだとは思うんですけど、
チャイナタウンに住んでる東アジア系の家族じゃないですか。
やっぱりマイノリティってなるとコミュニティの結びつきが強くなるっていうのは間違いなくある。
それは自分たち同士で自分たちを守らなければならないっていうのがマジョリティよりマイノリティの方がより強くなるっていうのは絶対的にあるし、
やっぱりそこで家族の結びつきっていうのはより強固になるし束縛的になるっていうところもあるし、
東アジアのルーツがある人だったら当然自強的な価値観も強いからっていうのもありますし、
あの感覚ってもちろん今みたいなめちゃめちゃしんどいんですよあれ。子っていうものを殺す方向にパワーが働いているからしんどいんですけど、
だから黙って稼いで家庭を支えればいいっていうことは、
つまり父親の名前とか顔とかがないってことです。
稼ぎだけって背中を見せればいいっていうのは、
もうその父親であるっていうことに必要性がそこまでないっていうことになるじゃないですか。
いや、悲しい。
普通にそんな話したら悲しいってなっちゃうと思うんだけど。
めっちゃ頑張らんとダメなんです。
ロールに甘えんなよっていうことを自覚しておかんと、
あなた背中で語るって言うけど、
実質いないのと一方ですねってなりかねないっていう。
ロールに甘えんなって言っても大事やなっていうか、
映画の本編の本にちょっとだけ戻しますけど、
母親も母親というロールにとらわれてたからこそ愛振る舞にもなるわけじゃないですか。
いや、でも難しいわそれっていう。
そのロールであることからは変わらないというか逃れられないんだけど、
じゃあそれだけにならないようにするとかって難しいわっていう。
だからみんなこれ永遠に続く課題なんだろうなっていうふうに思いますね。
ちょっと話をライトなところに戻してみようかなと思うんですけど、
レッサーパンダっていうモチーフ僕すごい好きで、
いろんなメタファー入ってるじゃないですか。
メタファー入ってなくてもまずビジュアルがいいんですけど、
確か元々レッサーパンダを描きたいみたいなスタートだったと思うんですよ、本作の企画って。
それ自体がいいし、すごいメタファーとして豊かだなと思って、
それは自立心の芽生えっていうものも含んでるし、
大認知成長も含んでるじゃないですか。
レッサーパンダが単に可愛い存在じゃないっていうのはすごい好きで、
臭いんですよねあいつ。
あの描写すっごい好きで、
だから大衆が強くなるっていう大認知成長を迎えてっていうところ。
あと体毛が生えてくるっていうのはやっぱり毛深くなるとかっていうのも含んでるとは思うんですけど、
そういういろんなものを一つのファンタジーな絵面にしてるっていうところがいいなと思いつつ、
ただその純粋なファンタジーに逃げてないんですよね。
やっぱこう生理用ナプキンとかが出てくるっていうところ。
だから本作がレッサーパンダが大認知成長の比喩っていうのは間違いないと思うんですけど、
それで比喩描いてたら結局アンタッチャブルになり続けるじゃないですか。
直接描けないから大認知成長をレッサーパンダっていうメタファーに落とし込みまわしたってやってる限りは、
ちゃんとその大認知成長における生理とかっていうのを描けない。
描きにくくなり続けるからちゃんと出す。
ただ今回は話の軸はレッサーパンダの方でしたっていう風な、
あの持ってき方すごい上手だなと思って、
すごいあそこ上手いなと思いましたね。
確かにそのレッサーパンダ可愛いんですけど、
食肉目というかしっかり猛獣でもあるっていうところも確かに上手くて。
レッサーパンダって肉食?
ササ食ってる、パンダなんでって言い方あってるのかな。
ただすごく大きく見ると食肉目だからクマとかの仲間ではあるんですよね。
ふとあれ何食べてるんだっけみたいなことを思ってしまっただけなんですけど。
奴ら頑張ってササ食べてるんですよ。普通のパンダもそうなんですけど。
頑張って食べてるか。
あれ消化効率めちゃくちゃ悪い中で頑張って食べてるんで基本的には。
なんでそんな生き方になったんやっていう感じがしますけど。
だから特に平らに切れる時に牙がしっかり剥き出されるじゃないですか。
牙と爪。
だからしっかりモンスターとして描けるし、
それが後々母親が巨大化した時にしっかり怖いというか、
怪獣映画にもなり得るところとかも含めてかっこいいし、
すごい良いバランスの動物を選んだなと思うし、
おばあちゃんたち、親戚一同のおばさんたちレッサーパンダズになった時のかっこよさ。
あの変身シーンのかっこよさ。
可愛くてかっこよくて怖いっていう全部を盛り込んでる動物として、
すごいのを選んできたなと思って。
現代ターニングレッドって英語だとレッドパンダって言うんですよね確か。
だからレッサーパンダになるっていうそのままの意味もしてるし、
やっぱり赤って色が感情の色っていう意味合いで使われてる。
それは劇場の色でもあるっていうことではあるんですけど、
あとは中華圏におけるめでたい色。
お祝いとかに使われる望ましい色としての赤でもあるし、
やっぱりカナダの赤でもあるんですよね。
こんなにピッタリなものあるんやって感じがしますよね。
物語とか映画のコンセプトとして赤とレッサーパンダというモチーフがこんなにピッタリいろいろ勝手にハマるっていうのは、
ちょっと怖いぐらいですよねっていうのは思いますけど。
ピクサー例え力うまいですよね。マイエレメントの時にも思ったんですけど、
人間の感情とか情感みたいなところをそれに例えるかっていうのが、やっぱピクサーうまいなと思って。
そうですね。その赤の劇場を抑える色としての緑があって、
一般的に安らぎの色って言いたいんですかね。緑って。
感情を抑える色でもあるし、赤色に対しての補色の関係でもあるから、
すごい最もコントラストが強い色の組み合わせでもあって、
おばさん連中が家に来た時に全員服緑色なんですよ。
確かに。
メイだけ赤なんですよね。
だから緑色の中で唯一赤っていう風なコントラストとして使われてたりしてて、
そこもうまいなと思いつつ、結構その緑色の装飾品が政治とかの色をイメージしてるから、
そこも中華圏の文化の衣装も取り入れられてるから、すげーうまいなと思って。
だから本当にコンセプトデザインというか、全体の色もそうだし、
あとはある種出てくるツールというか、
例えば2002年っていう舞台をどう表すかっていうところでガラケー出てきたりとか、
タマゴッチ出てきたりとかっていうのも含めて、
やっぱり全体的にデザインがすごいですよね。
めちゃくちゃうまいと思います、本当に。
やっぱそこさすがピクサーだなって思っちゃいます。
そうですね、なんか展開としても、話の展開とか描写にしても楽しいとこしかないじゃないですか。
楽しいとこばっかりというか、本当にちょっとちらっと触れてましたけど、
最後完全に怪獣映画じゃんみたいなこととか、
すごいしかも、私はライブ会場に行くんだって言ったときの主人公のメインの、
ナルト走りかのような軽快な走り、大変よろしいアクションシーンを見せてくれるなって思いましたし、
おばさんたちが変身するところはブリキワかな?みたいな感じ。
そういうところのけれんみとかもめちゃくちゃいいんですよね。
それが僕らがアニメとかを見て慣れ親しんでいるものだからなのかもわからないですけど、
やっぱそういう奇名的なというか、ちょっとしたけれんみみたいなのを、
向こうの3Dアニメーションがどんどん積極的に取り込んでる感じはすごい感じますよね。
漫画とかアニメのけれんみをどんどん入れてくって、
スパイダーバースとかバットガイズとか長靴を履いた猫とか、
そういうのがどんどん取り入れてる感じがすごくやっぱ最近感じますよね。
コンサート会場に向かって屋根の上とかを走っていくシーンなんですけど、
あそこレッサーパンダに変身してポンっていう効果が出ると、
なんか二段ジャンプみたいなことできてるんですよね。
なんかしてますよね。
めっちゃアクションゲームみたいな動きしてるんですよね。
落下が1回キャンセルされてポンってもう1回飛べるようになってて、