映画『愛はステロイド』の魅力
始まりました映画の話したすぎるラジオ第228回になります。この番組は大阪で映画トークバーイベント 映画の話したすぎるBARを開催している店長メンバーらによる映画トーク番組です。
私、映画の話したすぎるBAR店長の山口です。 マリオンです。よろしくお願いします。よろしくお願いします。
今回、おじさんはちょっと遅れてまして、まず2人で始めていきたいと思うんですけれども、まずこのタイミング、映画紹介屋さんが終わった後での配信になるかと思います。
どうなることやら、どうなるんでしょうかっていう。
まあ、状況報告は次回っていう感じで、とりあえず今回は近況の話しちゃいっていこうかと思うんですけれども、ではマリオンさんいかがされてました?
そうですね。結構いろいろ見に行ったんですけど、見に行った映画だけざっと言うと、狂い咲きサンダーロードとか、
トントンの夏休みとか、あと前回大井さんと山口さんがお話しされてたバレリーナとか見たりしましたね。
何を掘り下げます? 本当に掘り下げたい映画はまだ言ってないくてですね、愛はステロイド。
はい、出ましたね。 これ山口さん見ました? 見ました。やばかった。
これやばいですよね。もう今年ベスト級じゃんみたいな。
これラジオでやりたくないですか?みたいな。 やってもいいんですけど、結構センシティブだなーって気もしてて、
いやーでもこれはね語りがいあるっちゃある。 ちょっともしかしたらやるかもしれない、やるかな?わかんないけどかもしれないんで、あんままあ深くは言わないように
ここの時にしとこうかと思うんですけど一応。 バキバキ決まってましたよね、本当に。
いやすごいこれはちょっとだいぶ来てます。 すごくなんというか病んでもいるし、
けど必要じゃんみたいな切羽詰まってる感もすごい感じられるし、それをまたねすごい何とも知れぬ
もう肉体的な変化、痛み込みで描くみたいなのが大変素晴らしいなって思いましたね。
いやちょっとね、マジで素晴らしいと思いました本当に。
で、結構よくあるタイプの映画ではあると思うんですよ。 恋人2人が出会ってその犯罪に巻き込まれてさあどうするみたいなモチーフって全然あると思うんですけど、
それを今回女性同士でかつ一人はボディービルダーっていうこの題材が変わるとこんなに味が変わるんだなっていうのが本当発見ですよね。
発見。これもっと早くから掘れたのにみんな逆に掘ってなかったんだみたいな感覚がすごいあって、
それで言うと去年のドライブアウェイロールとかもちょっと近いなって思ったんですけど、
結構ありきたりとかずっとやってきたジャンル映画だと思うんだけど、それをレズビアンの2人を主人公に置くことでこんなにもフレッシュに見えるんだみたいなことを感じたんですけど、
今作はまさにそれだなって思いましたね。
またその筋肉っていうモチーフを女性のボディービルダーに当てはめることで、男性的なマチズモとはまた違うものとして見るんですよね。
作品全体に漂ってる筋肉が持つ生命力とか健康的な感じと同時に、ドラッグ、特に本作においてはステロイドですけど、
ドーピングの不健全さ、それは作中によく出てくるタバコのモチーフとも重ねられていると思うんですけど、
すごい健康的なものと同時に不健全なものが同時に存在し続けている。
あとはやっぱり暴力、銃ですね。やっぱり本作の中で。
筋肉が持っている力っていう側面も銃の暴力と重ねられて、体肺と暴力の香りがぷんぷんぷんぷん流れてるんですよね。
すごいですよね。危険な香りしかしないし、劇中起こることもすごいどんどんやばいことになりますもんね。
しかもでもやっぱ、ある種の依存みたいな話、タバコやステロイドやっていうのもですけど、人への執着もそこに関わってくるじゃないですか、他者への。
もう一番それがでかい中毒を起こすなみたいな感覚の物語として描いてるのが、もうすげえよくわかるみたいな。
なんで人はこうも理性的でいられなくなるかねみたいなっていうのを、ちゃんとやってるっていうのが僕すごいいいなと思いました。
そうなんですよね。やめるべきものをやめられない人たちの話なんですよね。 そうなんだよな、もう。
しかもそれをまあなんというか、なんというかサイコロジカルというか、パラノイア的にも描くわけじゃないですか。
もうね、僕も結構ラジオ内でダーレン・アロノフスキーの作品が大好きって言ってたと思うんですけど、あの彼の作品を見てる時の病んだ感じがすごい近い。
劇場もずっと組んでたクリントマンセルがやってて、そこも熱いみたいな感じで、もうそういう意味でもめちゃくちゃ刺さりまくりましたね、今回。
『狂い咲きサンダーロード』の考察
ちょっとね、あの後半、今年見たある別の映画とめちゃめちゃ重なって、ちょっとそこで新鮮味を描いた部分があったんですけど、
ボディービルの大会に出るあたりからなんですけど、なんかこの感じ見たなってなったのと、あと本当のラストのラストのクライマックスの決着に関してはちょっと僕苦手でした。
おー、あ、そうなんですね。たぶんあれですよね、一番ドギも抜かれるあれのことであってるかなっておそらく思うんですけど、
あ、あれそうですか。もう僕はもう、うーわ、やべぇもん見たっていうか、やべぇもんというか、いや、なんていうか、もうネタバレなしで言うの辛いですけど、
ああいう表現であれやってくれたらめちゃくちゃすごいなって思いましたけど、そこでも見たことなかったんで、やっぱりあれも。
いやーちょっとあの、中盤まで、あ、新時代のテルマ&ルイーズ来たって思ってました。
まあそうですよね、テルマ&ルイーズ的なね、女たちの逃避効果もね、もちろんありますしね。
いやーでも、ちょっとこれは今年でも際立った一作かなって気はしますね。
はい、これはマジでよかった。
ちょっともう、あの、ちょっと恋してますねこの映画すごいって思って、うわーってちょっと盛り上がっちゃいましたね。
はい、すごいこれは。
で、ちょうどでもその週に、監督、ローズグラス監督なんですけど、監督名前が、その彼女の前作を配信で見たんですけど、
セイントモードっていう、結構宗教に熱中してやってやばいことになってしまう女性の話みたいな、ホラー映画なんですけど、
なんかだからずっと、片屋前作ホラーで、今回はノワールっていうジャンルが全然異なる感じですけど、
ある種猛念とか執着に、なんかこうどんどん進んでいって視野がどんどん狭くなっていくみたいな感覚の映画をずっと撮り続けてる人なんだなっていう感じが、
2作見る感じにもすごい感じられて、うわめちゃくちゃ好きかもって思いましたね、この人の映画って。
いろいろ今週いっぱい映画見たはずなんですけど、もう愛はステロイドのことしか覚えてないですっていう。
おかしいな、栗崎サンダーロードもだいぶいかれてて面白かったんですけど。
そうですね、映画の話はこういう感じなんですけど、今週みたいな。
1個ちょっとお知らせ、みたいなことちょっとしたいんですけど、9月のですね、12日金曜日に、週間曲がりの方で僕店長をやることになってまして、
その1日店長のテーマが、ポッドキャスト聞いてますバーっていう名前でやるんですけど、
たまたまというか、週間曲がりのお客さんでポッドキャストを我々のようにやってる方みたいな人とお会いしまして、
そこをきっかけで僕が1回ゲストに出たスポキャストさんとかも週間曲がりで出会ったんですけど、
あと、銭湯をテーマに日々の雑談みたいなことを話されている、
いわがり雑談っていうポッドキャストをやられている方と、3番組ですね、合同でやるみたいな感じのポッドキャスターが店長をやるみたいなバーになってます。
っていうのに、僕店長として映画の話しさすぎるラジオの代表なのか、みたいな感じで出ることになったので、
もし行ってもいいかなみたいな人がいたら来てくれたら嬉しいです、みたいな感じですね。
ポッドキャストやってますバーじゃなくて聞いてますバーなんですね。
僕も最初にやってますバーみたいな名前決まってたかと思ったんですけど、いつの間にか週間曲がりのやつを見たら聞いてますバーになってました。
聞いてるぐらいの方がね、聞きやすいと思うんでね、やってる人をちょっと絞られるんで。
確かに確かに。この辺りは管理人のこにちさんのプロデュースセンスが光るとこではあるんで、そうですね。
そうなんです。ぜひ、もちろん自分もやってるし、みたいな感じで来ていただくのも全然アリだし、
私の推しポッドキャストの話を聞いてくれみたいなのとかでも全然アリだと思いますし、
正直店長としては立ちますけど、一体何するかはあんまりよくわかってないので、僕も。
ポッドキャストの話みたいなことをするんやろうみたいな、何聞いてますみたいな話するんかなみたいなぐらいしか多分ちょっとわかんないんですけど、
ちょっともしお時間ある方は週間曲がりの方に遊びに来てくると嬉しいなっていうお知らせでした。
そうですね、9月映画の話立ち切るバーないですし、ぜひそちらに来ていただけたら。
そうですね、全然映画の話もどんどんカマオンって感じなので、それを目的でも全然オッケーですよっていう感じですね。
今週はこんな感じです。
はい、僕はですね、愛はステロイトと狂い咲サンダーロードを見てきました。
狂い咲サンダーロードは僕もともとすっごい好きな映画だったんで、
今回リバイバルがあるっていうことで喜びさんで見に行ってきたわけなんですけど、やっぱり良かったですね。良かったです。
で、なんて言ったらいいんですかね、とにかく不良が全てをぐちゃぐちゃにする話なんですけど、
もうあまりに無秩序だし、あまりに正義がなさすぎるんですよね、話の中に。
もう善が一切ないと言っていいぐらいに、もう破滅と破壊しかない。
もうなんかこれをどういうふうに見たらいいのかわかんないぐらいに、もう正しくなさの塊みたいな映画なんですけど。
いやーでもね、僕好きで、まずその主人公の暴走族のジンさんっていう人物を演じてる山田達夫さんっていう役者さんがむちゃくちゃすごいんですよね。
顔と声。ちょっとね、声のね、しゃがれ声、あんな声聞いたことないんですよ、本当に。
いやー確かにね、本当に僕全然、ちょっとね、見ましたって話触れましたけど、初めて見たんですよ、今回。
で、もうずっとヤンキーしか出てこないんで、僕そんなヤンキー好きじゃないんで、どうしたもんかなって思ったんですけど、
めちゃくちゃ主人公おもろすぎてね、好きになっちゃいましたね、やっぱり。
ジンさんって言って慕われてるんですけど、真似できないですよね、あのしゃがれ声。
できない。できないです、あれは。
で、顔のね、頬のこけ方もね、すっごいいいんですよね、本当に。
それでなんかね、ちょっと口なんかすぼめた感じがね、いいんですよね、なんかね。
やってやろうじゃないだろーっていうね、独特のね、80年代の不良のね、言い回しなんですよね、あれ。
すごいですよね。
はい。で、やってることは暴走族の、暴走族同士の抗争というか、
まあ、暴走族が、まあ、なんていうか、おとなしいバイカーになろうみたいなに対して、
まあ、このジンさんっていうごく一部の集団は、もう超過激派の、ぐっちゃぐちゃに暴走族やり続けようぜっていう派閥で、
その日寄ってる奴らをボコボコに攻撃するんですよね。
そうですね、はい。
で、それに対して、暴走族をやめようって言ってる側が、そのジンさんの一味を逆にリンチするっていう話になって、
まあ、結局暴力の連鎖じゃねえかみたいな話なんですけど、
まあ、そこにね、あの、右翼団体が絡んでくるっていうね、またこれが。
そうですね、あの、本当に見てびっくりしたんですけど、
何一つ課題でしたいと思う組織が出てこないって思って。
びっくりしちゃいましたね。右翼団体とか出るんだって思って。びっくりしました。
しかもあの、あの団体の名前スーパー右翼なんですよね。
そう、スーパー右翼。
映画の魅力について
そんなバカな名前あるかと思って笑いました。
いや、で、またね、その右翼団体のボスの小林念次の開演がまた素晴らしいんですけど。
ジン、お前なら!みたいなね、なんかすごいね、かっこいいんですよね、そこはね、なんかね。
あ、なんかちょっと頼りのある大人感ね、出してくるんですけどね、
やってることがね、スーパー右翼っていうジン団体ね、
あの、1ミリも信頼できない、メンターになり得ないやつだなって思いましたけど、本当に。
まあ、あの、だいたい勢力3つぐらい出てくるんですけど、
もう、どれ一つ肩入れできる組織はないですね。
もう、カスしかいないです、本当にこの話は。
ただ、そのカスが破滅する、破滅の美学みたいなのはあるなと思ってて、
正直、その主人公のジンさんも、なんていうか、ぶっ飛び切ってないんですよね。
なんか、あの、圧倒的多勢に対してかなりビビって、無理して部下たちを奮い立てようとしてたりとか、
あと、まあ、大怪我して、バイクに乗れないってなったら、もう、やけになってシンナー吸ったり、覚醒剤やったりしてっていう、
もう、自暴自棄になってるっていう、正直強い人間ではないんですよ。
それは全員そうなんですけど、ただ、その破滅に次ぐ破滅の先にあるものみたいなのが、むちゃくちゃ好きで、
あの、僕、たまに言ってるんですけど、自分の代わりに死んでくれる映画なんですよね、これって、僕にとって。
なるほど、はい。
ジンさんはじめ、もう、カスどもが僕の代わりに、そのカスさを背負って死んでくれていく映画なんですよ。
なんか、そのどうしようもなさ、暴力の連鎖の果てに破滅していく奴らの、ちょっとだけ救われる感じが僕の中にあるんですよね、それは。
それは、たぶん、全然いい感情ではないんですけど、
本当に好き。
もう、80年代ロックのダサかっこよさもぷんぷん漂ってて、もうね、大好きなんですよね。
ずっと音楽なりっぱなしだったと思うんですけど、なんか、めちゃくちゃどれもなんか、かっこよかったですよ。
いやー、かっこいいですよ。
かっこいいなーって思いました。
はい。結構、泉谷茂とか入ってるんですよね、これが。
全然知らなかったので、しかもこれが、いわゆる卒業政策みたいな感じじゃないでしたっけ、これって。映画時代。
そうですね、石井総吾監督、現石井学竜監督の、確か卒業政策だったはずなんですけど。
すごいですよね。
やばいですよね、これ。
卒業政策でやる気分の話じゃないことをやってると思ったんですけど。
車も、ダーンって爆発じゃないですけどね、結構アクションというかね、とこもありますし、ちょっとすごいパワフルだなって思って、これすげーわって思いました、さすがに。
なんかもう全然ヤンキー文化、えーみたいな側の人間ですら、ちょっとそこはすごいと思いました。
はい、ちょっと僕、先週マリオンさんに狂い咲きサンダーロードをどうぞって勧めて、見始めてから、これマリオンさんダメな可能性めっちゃ高いぞって心配してたんですけど、イケて良かったです。
まあそうですね、まあだいぶ、まああんま合わないっちゃ合わないんですけど、ただ、あのやっぱりイキキった感じは大変良かったんで、めちゃくちゃ面白かったんで、そこは。
そこはね、やっぱり、まあ、あの大ハイ的な感じっていうのは、まあ世界系ともこじつけてもいいかもしれませんしね、ある意味ね。
まあね、めちゃめちゃ狭い世界でのつまんねえ意地の果ての世界観なんですよね、本当に。
あとあの、なんでしたっけ、そのボス?お前らも落ち着けよみたいな、丸くなってバーの女の人とくっつく人みたいな、いたじゃないですか。
あの人の末路がなんかね、すっげえ大人っていうか、大人ってこういう感じよねみたいな、あの味合い深さもすごい良かったですね。
なんか全然違う味のものが一瞬だけ挟まるんですよね、あの人のくだりで。
そう、なんか本当に何も毎知識なく見たんで、最初その人が主人公なのかなって思ってて、で、まあそこそこ出てくるから、まあ結構話絡んでくるのかなって思ったら全然絡んでこなくなってくるじゃないですか、後半。
で、なんかいつしかもうなんかすんごいフェードアウトしていく感じが、いやー大人の諸行無常感と言いますかね、あの丸くなった大人へ対するもうなんというか、丸くなりやがってみたいな対する怨念というかね、みたいなのをすごい感じましたね。
劇場もね、あのかつて尖ったかもしれないですけど、すっかり丸くなった大人がたくさんいらっしゃってましたよね。
いらっしゃいました、いらっしゃいました。
みんなね、こうジンさんに代わりに死んでもらって大人になった人たちなんだと思うんですよね。
そうですね。
たまにね、こうやってジンさんに大暴れしてほしくなって、そしてジンさんに死んでもらって劇場を出るっていうね、こうやってギリギリ社会を生きていってるんだと思うんですよ。
そうです。こうやって我々生きていきますみたいなね。大事です大事です。
っていう本当に大好きな映画、古崎サンダーロードでした。
近況と映画鑑賞
はい、では大石さんが到着されました。お疲れ様です。
すいません、お仕事がちょっとしてまして、申し訳ないです。
いえいえ、お疲れ様です。
近況いかがでしょうか。
近況、そうですね。劇場は今回片井作以外にまた見れてないんですけど、
配信でいくつか映画は見ていて、あと配信だとレンタルか、今さらかと思われるかもしれないですけど、菊汁野の夏を見まして、
見たことなかったんで、有名な北の映画だし、あと被災市場のサマーの曲の方がもうほぼ一人歩きしてるぐらいの映画かなと思うんですけど、
いやー、なんですかね、ルート29でしたっけ、あれにすごい近いなっていうのを見てて思いましたね。
なるほどね、確かに。
それこそ親を巡る、なんだかわかんない大人と子供の逃避行というかロードムービーだし、
途中ちょっとここは現実世界なのかみたいなところに行くあたりとかも含めて、なんかすごいその辺のストリーテリング含めてすごい似てるなぁとは思ったんですけど、
やっぱ北の映画だからかわかんないですけど、その笑いのセンスの面白さというか、
競輪場の下りとかもなんなんだっていう、3日間くらい多分あいつら競輪場にいるけどなっていう下りがあったりとかして、
なんかそこら辺のしっかりダメな大人っていう、ただそのしっかりダメな大人のキクシロが一瞬だけ見せる優しさみたいなものにやっぱりこうグッときてしまうというか、
夏休み映画としてすごいよくできてる映画だな、これは確かに名作って言われ続けるなっていうのはすごい思ったりはしました。
あとなんか被災市場のサマーがやたら良い曲すぎるんで、その映画のトーンをちょっと超えてくぐらい良すぎて。
これどっかで見たことあるなと思って思い出してたのが、ニューシニマパラダイスがこれだなって思ったんですよ。
曲のセンスが映画のトーンを超えてってるなっていう。
そうですね、森コーネですよね。
そうそうそうそう。
なんかそのチグハグ感がまたこの映画の面白さなんだなっていうのを感じて、
ゆえに忘れられないというか、曲だけは残るというか、なんかそういう意味ですごい、今あんまり見れない面白い映画だなというふうに思いました。
実は見てないんですね。
あ、そうなんですね。
見てないというか、片手まで見て何も覚えてないんですよね。
そうか、見てもないんですけど、これもあれなんですけど、北の映画も見にくいですよね、今。
そう、あの、偶然引っ越した近所にレンタルビデオが屋があって。
お、素晴らしい。
それで入ってみたら、あ、レンタルできんじゃん、まだレンタルできてんじゃんってなって。
いいですね、そういうのがまだあるの、羨ましいな。
そうなんですよ、ほんとにすぐ近所にあって、なのでちょこちょこ最近レンタルでしか見れないものを借りたり買ったりしてるんですけど。
いいですね。
呪い借りましょう、呪い。
呪いがなかったんすよ、そこにはもう。
呪いなかったんだ。
そこは。
意外とホラーが充実してなくて、そこのレンタルビデオ屋。
なるほど。
と、あれですね、配信系で全然ちょっと見にくいとかいうのだったらあれですかね、痛み銃像とか。
あーでもね、古典系もあんま揃ってないんですよ。
ダメかー。
あーでもまあそっか。
くじろんはちょっと、まだ新しめ、新しめかーって思うみたいな、古典と実はちょっと違うんですかね。
そうなんですよね、だからむしろ、あ、ここないんだっていうのを、
レンタルビデオでUNEXと付き合わせてないものを借りてくるみたいなことを最近やってるんですけど、
それこそフリンチアルプスに似てでしたっけ、フリンチアルプスで起こったことだったかな。
あのルーベンオストルンドですよね、逆手のトライアングルの人。
その多分出世作にあたるのかなと思うんですけど、あれはレンタルオチのDVDが売ってたので買ってきました。
で意外と配信で見てみるとないんですよ。
あ、ないんですね、意外ですね。
そうそうそうそう、だからあ、これは良い掘り出しものを見つけたぞと思って買って帰ったりとかしてますね。
いいですね、僕見てないんですけど、きっと良い夫婦倦怠ものだなって思って。
えっとね、夫婦倦怠ものどころの話じゃなさそうなあらすじでしたよ。
まあそうですけどね、いじわるーっても言う感じのやつでしたよね、あれもね。
オストルンドなんでね。
『淵に立つ』の分析
はい、で、あともう一個配信で見た映画があって、これもまあある意味名作で見れてなかったってやつなんですけど、あのふちにたつっていうのですけど。
あー、なんだっけ?
あの深田浩二監督の、確かカンヌである視点部分を撮ったんだったっけ?
はいはいはいはい。
あの浅野忠信が怪しい男を演じるやつ。
あー、ポスター見てあの思い出しました。
カーテンチラッみたいなしてるポスターですね。
あー、思い出しました。
それもずっと見たかったんですけど、それは配信でレンタルであったんで、見てみるかと思って見たんですけど、まあこっちも面白くて。
なんて言うんですかね、なんとなく感覚的には聖なる鹿殺しっぽさもあるなと思いつつ。
ほうほうほう。
でもなんて言うんですかね、その日本的だなってすごい思ったんですよ。
その意思共有はしてる夫婦なんだけど、言葉が足りてないが故に起こる祖母みたいなものが描かれてる気がして。
深田浩二監督である意味そこをすごくこう、家族って本当に家族なんだっけってことを多分描き続けてる人だなと思ってるんですけど。
なんかその浅野太郎部が入ってくることをふたち漢字演じる、父親が昔信仰のあった浅野太郎部を職場、自宅兼職場であるところに招き入れるところから物語が始まっていくんですけど、
そこまでの過程で二人の間にもほとんど会話がないし、夫婦の間でもなんか入れちゃうというか、入ってokになっちゃうっていう、
そこまでの言葉があまりにも足りてないんだけど、文脈でその会話が成り立っている感じがすごい日本的だなって見てて思ったんですよ。
で、重要なポイントを確認しないまま、結局それを良しとしていった結果悲劇があるタイミングで起こるっていう話になっていくんですけど、
なんていうんですかね、その千代の鹿殺しの方だと、まあそれでもちょっとそういうふうな描かれ方はするんだけど、より言葉が足りてない感じがするというか、
よりこう意思の疎通ができているとお互いに信じているんだけど、実はできてないっていうことを描いていて、
映画『淵に立つ』のテーマ
なんかそれって確かに日本人的な錯覚、要は同じ文脈を共有してるよねっていう前提に立っていて、ある意味それはちょっと宗教的なもので、
それがあるタイミングでポロッと崩れた時に本当の意味での人間関係が始まっていくみたいな、
なんかそういうことを本当になんていうかな、スリラーとも言えないバランスで描けてて、いや確かにこれはすごい映画だったんだなぁと思うし、
その後のラブライフとか、その他のその本気の印とかっていう深田浩二監督の後続する作品分においても、まあそのテーマっていうのは結構維持されていってるんだなぁっていうのを感じました。
なんかその、これって伝わってますよねみたいな暗黙の了解からのディスコミュニケーションが生じるってすごい日本的だなぁって思いつつ、それがカンヌである視点とったりするんですね。
そうなんすよね。その感覚って日本人的なのかなって確かに思ったんですけど、自分も見てて。
でもそれが多分ある程度の、その例えば夫婦とか信仰の深い関係性においては、おそらく全世界で成り立ち寄ることなんだっていうことなのかもしれないなと思って。
近い関係性だとそういうのはあるけど、まあ僕もその大石さんがおっしゃられるように日本的だなって思う部分はあって、
日本の文化的な感覚だと、その近しいコミュニティじゃなくてもそういうものがあるっていう認識を共有してる感じはあるんですよね。
で、それを西洋とかだと多分宗教によってそれを共有してますよねっていう言語化をしてると思うんですけど、
日本ってそれを言語化せずに共有してる感じがあって、言語というか、なんか身体感覚みたいなもので共有してて、
いや、これ分かり合えてますよねみたいな言ってるけど、でも結局そうやって言語化は足りてなくて、どっかで祖母は少女みたいなのはあるかなっていうのは、
まあただそのミクロな視点でいくと世界共通っていうのも、まあそうかもしれないなって聞きながら感じましたね。
で、多分うまいのが、この映画、その妻、篤井真理子を演じてる妻と、私、患者になる父、まあ夫と、あと娘っていう形の3人の家族の中にこうアサナタドームが入ってくるんですけど、
そのそれぞれの娘、夫、妻、それぞれの視点でのアサナタドームに対する多分印象みたいなものが全く違うっていうのが結構密かに描かれてるというか、
多分それぞれが共有してる文脈、つまり家族がこの文脈をこの人に対して共有してるよねって、それぞれが思っている文脈が全く違うってことも実はうまく描かれてて、
はあ、すごい。
そう、だけどそこの家族間での釣り合わせはしないっていう。
ああ、すごい。
めちゃくちゃ心当たりありますよ、そういうの。
そうですよね。
そうなんですよ。
いやもう、うわあ、もうなんかプライベートでもなんか会社でもよくある感じする今みたいな。
そう、その全員が共通認識持ってるよねって、それぞれが全く別の方向で思っちゃってるっていう、
いやそれをこの設定、ある種ちょっとファンタジックな設定なのに見事に描いてて、いやすげえ映画だなと思って。
面白そう。
面白そう。
ゆえにまさにその人間関係の底が亀裂が入った時にそれぞれが縁に立つ体験を捨てくっていうタイトルにある種回収されてくところもあるんで、
いやあ見事だなって思いました本当に。
はいはいはい。いや、いいですね。
うん。
もしお二人ご覧になられてなかったら是非見てほしいし、なんか1回何かテーマ作品がない集とかで縁に立つ取り上げてもいいなってちょっと思いました。
新作の期待と対話
そうですね。ラブライフはねやりましたけど、まあ多分深田浩二作品ってなんかすごい喋っていろいろこう、作品の掘り下げもいっぱいできるし、
いろんななんか自分たちの話からいろいろ分かることみたいなのがもう浮かべ上がってきそうで、多分喋ってみて面白いような気がしますよね。
うんうん。ですしあと今年確か新作やるんじゃなかったでしたっけ?
今年だったっけ?来年になっちゃったんじゃない?
あ、そっか公開は来年か。
でしたかね、あのアイドルかなんか裁判の話みたいなやつですよね。
そうそうそうそう。
まさかそんな題材で深田浩二かってちょっとびっくりしましたけど。
この、でもなんとなくこういうことをテーマと描いて、あるっすよね、ディスコミュニケーションをテーマとして描いてきた監督ゆえの見えてくるものというかがありそうな気がしてすごい楽しみなのでその前後とかでもしできたら縁に立つはちょっと取り上げてもらえたらいいかななんて思ってます。
はい本章は以上です。
はい、ではテーマトーク入っていきたいと思います。