ヒスパニック文化月間のパラドックス
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス水野太一です。
こんにちは。高橋さやかです。今回もよろしくお願いします。
今日のテーマは、eスクールニューズに2025年10月3日に掲載された、
ヒスパニック系文化遺産月間のパラドックスです。
アメリカで9月から10月にかけて行われるヒスパニック文化月間。
その中で、スペイン語を話す生徒が教室で自分の言語を置き去りにされているという矛盾について書かれています。
文化を祝う月なのに、言葉を大事にできていないっていうのは、確かにパラドックスですね。
でも、アメリカでは英語で授業を受けるのが当たり前なんですよね。
そうですね。英語が共通言語ですからね。
ただ、記事では母語イコール文化の中心であることを強調していました。
つまり、言語を大切にすることがその人自身を大切にすることなんです。
なるほど。例えば、家ではスペイン語で話してるけど、学校では英語しか使えないってなると、自分のルーツを否定されているように感じるかもしれませんね。
その通りです。記事の筆者もプエルトリコからアメリカ本土に移住した経験を語っていました。
アクセントだけで知性を判断されたり、学歴を疑われたりといった偏見にも直面したそうです。
それは辛いですね。でも、最近のアメリカではバイリンガル教育も進んでいるんですよね。
ええ。特にテキサス州では、バイリテラシー、つまり英語と母語の両方を伸ばす教育プログラムが拡大しているそうです。そこでは、言語を壁ではなく、すばさっとして捉えています。
素敵な表現ですね。日本でも多文化の子どもたちが増えていますけど、母語を生かすという発想はまだ少ないような気がします。
おっしゃる通りです。日本の学校でも外国にルーツを持つ子どもが年々増えています。ですが、支援の多くは日本語を早く覚えさせることに偏りがちですよね。
でも本当は、母語も伸ばした方が学力も上がるっていう研究もありますよね。
はい。記事でも触れられていましたが、二言語を使う子どもは思考力や課題解決力が高い傾向があります。
母語を伸ばしながら英語や日本語を学ぶ方が、脳の働きにもいい影響があるんです。
そう聞くと、母語を大事にする教育って生徒本人にも大きなメリットがあるんですね。
まさにその通りです。記事では、教材の在り方も大事だと指摘しています。つまり、教材が生徒の文化や言語を移す教であり、他の文化を知る窓にもなるべきだと。
教と窓って素敵な言い方ですね。自分の文化が見えると安心するし、別の文化を知ると世界が広がりますもんね。
そうですね。例えば文学や歴史の教材に、ラテン系の作家や歴史を定期的に扱うと、生徒たちは自分が大切にされていると感じます。それが学習意欲にもつながるんです。
日本でも海外文学とか海外の歴史を扱うと、生徒たちが自分の価値観を見つめ直すきっかけになるかもしれませんね。
母語の重要性と教育の役割
ええ。そして選ぶ側、つまり教師や教育委員会、保護者も大事な役割を担っています。記事では、教材を選ぶ場に、英語学習者やバイリンガルの先生、保護者の声を反映すべきだと強調しています。
その方が、実際に使う子どもたちの気持ちに寄り添えますね。日本の学校でも、保護者や地域の人がカリキュラム作りに関わるといいかも。
そうですね。地域の中で、多様な言葉を持つ子をどう支えるかを共有するのは、とても大切です。学校だけに任せるのではなく、地域全体で言語と文化を支える視点が必要です。
思えば、日本でも外国にルーツのある子が増えています。そういう子たちが、自分の言語を恥ずかしいと感じずに使える環境、作りたいですね。
確かに。言葉を守ることは、アイデンティティを守ることです。学校がそれを支える場であってほしいですね。
今日はすごく考えさせられました。ヒスパニック文化月間って、ただイベントを祝うんじゃなくて、教育そのものを見直す機会なんですね。
その通りです。文化を祝うだけでなく、育てることが大切なんです。
今日の話、すごく印象に残りました。私も教育実習のとき、外国ルーツの子たちをもっと意識してみようと思います。
それはいいですね。きっと生徒たちも、自分が理解されていると感じると思いますよ。
皆さん、今日もお聞きいただきありがとうございました。次回も、教育について一緒に考えていきましょう。