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2025-04-17 07:38

担任は生徒が選ぶ!?「学校らしくない学校」が不登校問題を解決する突破口に

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不登校が過去最多を更新する中、注目を集める「学びの多様化学校」。東海地方初の公立校である岐阜市立草潤中学校は、「子どもが学校に合わせるのではなく、子ども主体の学校にしていく」というコンセプトで、様々なユニークな取り組みをおこなっています。今回は、草潤中のアドバイザーを務める京都大学准教授の塩瀬隆之氏に、現状の評価と課題、そして学びの多様化学校の教育を一般の学校に広げるためのアイデアについて伺いました。

サマリー

今回のエピソードでは、学びの多様化学校がテーマとなり、不登校問題に対する解決策として柔軟な教育システムが紹介されています。特に、岐阜市立総巡中学校の取り組みや、生徒が担任を選べる制度が強調され、ICT活用の必要性についても語られています。

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みなさん、こんにちは。教育カフェテラスの時間です。パーソナリティは水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。よろしくお願いします、水野先生。
紗友香さん、よろしくお願いします。この番組では、国内外の教育に関する最新情報や、教育現場の課題、そして身近な話題まで、幅広くお伝えしていきます。
はい、楽しみにしています。
学びの多様化学校の概念
さて、今回のテーマは、学びの多様化学校についてです。
東洋経済オンラインに掲載された記事をもとに、京都大学の塩瀬孝之先生にお話を伺った内容を深掘りしていきます。記事の掲載日は、2025年3月27日です。
学びの多様化学校、名前は聞いたことがありますけど、具体的にどんな学校なんですか?
学びの多様化学校というのは、不登校の児童生徒が増加している現状を受けて、その子供の事情に合わせて授業時間や学習内容を柔軟に変えられる学校のことです。以前は不登校特例校と呼ばれていました。
なるほど、名前が変わったんですね。
2017年に教育機械確保法という法律ができて、国や自治体が設置に力を入れるようになったんです。今では全国に58校も設置されています。
そうなんですね。でも、どうしてそのような学校が必要とされているんでしょうか?
背景には、小中学校における長期欠席者数の増加があります。2023年度は493,440人と過去最多を更新していて、そのうち不登校によるものが346,482人なんです。
そんなに多いんですか。それは深刻な問題ですね。
そうなんです。特に注目されているのが、岐阜市立総巡中学校です。ここは、東海地方初の公立の学びの多様化学校として、2021年4月に開校しました。
どんな点は特徴的なんですか?
総巡中学校では、子どもが学校に合わせるのではなく、子ども主体の学校にしていくというコンセプトの下、様々な取り組みを行っています。
例えば、担任の先生を生徒が選ぶことができるんですよ。
担任の先生を生徒が選ぶんですか。それはすごいですね。
個別担任生といって、生徒の希望を聞きながら、担当の先生を決めていくんです。しかも、2ヶ月に1回見直しもできるんですよ。
2ヶ月に1回も見直しはできるんですか。先生との相性ってすごく大事ですもんね。
そうですよね。生徒が安心して学校生活を送れるように、先生との信頼関係を築くことを大切にしているんです。
生徒主体の学校っていうのは具体的にどういうことなんですか。
例えば、すべての授業はオンラインでも受講可能で、数学するかどうかも生徒が選べます。
学校のどこで授業を受けてもいいですし、時間割も先生と生徒が相談しながら一緒に決めるんです。
学びたいときに学びたい場所で学びたいことを学べるんですね。まさに偽装の学校ですね。
相純中学校が最も大切にしているのは、学校を安心できる場所にするということです。
不登校になった生徒は、学校で安心できる場所が得られなかった経験をしていることが多いので、まずは安心感を与えることが重要なんです。
確かに、安心できる場所がないと勉強どころじゃないですよね。
そうなんです。相純中学校では開校1年目から登校率が上がっていて、学校生活に前向きになっていく生徒も増えているそうです。
それは素晴らしい成果ですね。でも課題もあるんでしょうか。
はい。先生たちは子どもたちにとって安心できる場所があることを理解しているので、勉強を強要したりはしません。
しかし、生徒によって学びへの意欲に温度差があるので、先生たちはどこまで生徒を待つべきかという悩みを抱えることもあるようです。
待つことも大事だけど、義務教育の期間には限りがありますもんね。
そうなんです。3年経てば卒業していく生徒をどこまで待てるか、先生たちは学びの多様化学校でやっていることを信じきれなくなってしまうかもしれないという懸念もあるようです。
それは難しい問題ですね。生徒だけではカバーしきれない課題もあるんですね。
塩瀬先生は、学びの多様化学校を51%にしましょうと提案されています。
51%ですか。それは大胆な提案ですね。
もちろん、予算や教員の数の問題もあるし、この取り組みが全てではないことも承知の上ですが、学びの多様化学校が過半数になれば、一般の学校が特例になるという発想なんです。
なるほど。当たり前を捉え直す必要があるということですね。
不登校の原因となっているボタンの掛け違いを掛け直せるチャンスを増やすために、自分で自分の場所を選択できるようにすることも重要だと塩瀬先生は言っています。
自分の場所を選択できるというのは具体的にどういうことですか?
例えば、入学するエリアやクラス、担任の先生を選べるようにすることです。
不登校の原因の多くが人間関係であることが多いので、環境を変えることができれば、学校に行けるようになる生徒もいるかもしれません。
確かに、環境を変えることで気持ちが楽になることもありますよね。
また、校内フリースクールを設置する動きも広がっていますが、他の場所に行きたい生徒のために、違う学校の校内フリースクールを選択できるようにするなど、レンタル遺跡のような生徒があってもいいと塩瀬先生はおっしゃっています。
レンタル遺跡ですか。それは面白いアイデアですね。
ICTの活用と学びの変革
さらに、ICTの積極的な活用も重要だと塩瀬先生は指摘しています。
ICTですか。ギガスクール構想で1人1台タブレットが配られたけど、十分に活用できていないという話も聞きますね。
そうなんです。塩瀬先生は、ICTをもっと活用すれば、本当の意味での個別最適化が可能になるとおっしゃっています。
個別最適化って、今の学習指導要領のキーワードですよね。
はい。例えば、すべての授業をオンラインで配信して、別教室や自宅から参加できるようにしたり、顔出ししなくてもいい、アバターで参加してもいいという設定にすることも有効です。
アバターですか。それなら気軽に授業に参加できますね。
先生はどうしても教室の前に立って授業をするのが当たり前と思っているけれど、勉強の方法は他にもあります。
教える側の多様化が進めば、もっと隅々に学びが届くのかもしれません。
なるほど。ICTを活用することで、学びの可能性が広がるんですね。
今回のテーマをまとめると、不登校の児童生徒数が増加する中で、学びの多様化学校の設置は広がっていますが、それだけで解決できるわけではありません。
学校という場所の当たり前を捉え直し、ICTを積極的に活用するなど、様々な工夫が必要だということです。
今日は学びの多様化学校について色々なことを知ることができました。ありがとうございました。
それでは皆さん、今回はこの辺で。
また次回の教育カフェテラスでお会いしましょう。
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