マックス・パーセルのニュース
皆さん、こんばんは。
ドーピング0会代表理事の吉田です。
この番組ゼロラジでは、
ドーピングに関する最新ニュースや話題を取り上げ、
現場目線、業者目線で深掘りしていきます。
私、吉田と、そしていつも一緒に番組を進行してくれるのが、
内科医の空手山です。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願い致します。
ということで、前回まではですね、
エンハンスドゲームについてお話をしていって、
番外編ということで、前回は自己紹介ということで、
今更ながらの自己紹介を収録させていただきましたが、
今回はですね、また本編に戻りまして、
またアンチドーピングのニュースを取り上げていきたいと思います。
今回のテーマは、点滴ですね。
点滴って皆さんイメージどうでしょうかね。
持たれている方いらっしゃいますかね。
ドーピングの話を聞くと、なんとなく真っ暗い部屋の中で
注射を打っている人が出てくるのが僕だけかもしれないんですけど、
じゃあ点滴ってどうなんだろうっていうのは、
治療に使われるから、なんか良さそうな気もしますけども、
どうなんでしょうかっていうことですね。
それを今日は深掘りしていきたいと思います。
話題に挙げるからにはアウトなことがあるということなんですが、
今回はですね、テニス業界のお話でございます。
オーストラリアのマックスパーセル選手のニュースになっております。
それでは、ゼロラジではですね、ニュースを最初に
唐沢先生に読んでいただいて始まりますので、
最初に唐沢先生、ニュースを読んでいただいてもよろしいでしょうか。
はい、次回の報道内容を読み上げていただきます。
国際テニスインテグリティーエージェンシーITIAは、
2025年4月29日、マックスパーセル選手が
アンチトーピング規則に違反したことを認め、
18ヶ月の出場停止処分を受け入れたと発表しました。
違反内容は、12時間以内に100mlを超えるビタミンの点滴を2回受けたということで、
禁止された方法の使用に該当したというものです。
点滴の中に禁止物質は含まれていませんでした。
というニュースになっております。
違反の原因について
はい、ありがとうございます。
今回はですね、使用した物質ではないというところが特徴ですね。
今回はビタミンなので、
普通に使っていれば特段問題がない成分なんですが、
そうではなくて、今回は方法、
私たちの言葉で言うと、
まあ方法って言われるんですけど、
禁止物質や方法って言われるんですが、
その方法が問題になったということですね。
で、これはですね、世界アンチドーピング機構、
WADAという組織がありますが、
このWADAの規則ではですね、
点滴や注射っていうのは、
とある施設ですね、
ちゃんとした施設、病院とかの施設で、
12時間以内に100mlを超えてはいけないという
決まりが、ルールがありまして、
これを超えてしまったために違反となったということですね。
ありがとうございます。
なんか僕も最初にこのニュースを聞いたときに、
決して検査から出たわけではないので、
なんでこれがそもそも発覚したのかっていうのが、
ちょっと疑問だったというか、
確かに。
なんかそのあたりが、
吉田さん的にはどういう要因かとかって、
思いつくのかなと思って。
思いつくというか、
僕自身もニュース読みましたけど、
明確に書いてなくて、
ITIAって独立機構で、
いろいろ考えられるなとは思ってるんですね。
例えばそれは、
第三者からの通報っていう可能性ももちろんありますよね。
第三者からの情報提供っていう可能性もあります。
明らかに100ミリ超えてるような点滴ってやっぱりわかりやすいので、
今回500ミリを2回やってるということなので、
見る人が見ると、
わかるんですよね。
過去に世界でも、
旧TwitterXで、
点滴、同じビタミンの点滴を受けている写真を、
投稿しちゃって、SNSで。
この量アウトだよねっていう有識者が見てしまって、
もう言い逃れが効かなくなったみたいなこともあるんですよ。
なるほど。
なので、今回はSNSでないにしても、
やっぱり見る人がこの情報とか写真とかを見てしまったり、
その場所に遭遇してしまうと、
いずく可能性はあるなって、
まず一つ思います。
なるほどですね。
一つ目がそれで、
二つ目が、
これはわからないんですけど、
ITIAがどれだけの力を持っているかは別として、
その選手記録の開示を、
もしかしたらその選手が、
使っている医療機関とかに、
打診をして入手しているとかっていう可能性もあるかなとは思います。
どこまで?
いや、わからないですよ。これはわからない。
あくまで僕の推測ではあるんですけど、
そういう取り組みをしているので、
ランダムで診療記録を見たいみたいなことはできるかなと思って、
そこで診療記録上残っている中で、
明らかに、あからさまにおかしいものがあったら、
それはもうアウトみたいな、
いう可能性もあるのかなっていう。
なので一つは情報提供。
二つ目が、ITIAが開示させた中に、
今回の件が入っていたのかなっていう。
大きくはそっちのどっちかかなとは思ってますね。
選手への影響
なるほどですね。
それでしたら、パッセル選手側としても、
違反を認められない証拠があって、
本質的にその停止、出除、停止処分を受け入れられなかったという感じでしょうか。
これはもう前者も後者もどっちも言い逃れできないと思うんですよね。
ということで、僕はどっちかっていうのは申し上げられないんですけど、
端的に考えるにあらゆるままその二つはあるなと思って、
だからこの人受け入れたのかなっていう。
受け入れないって可能性もあるじゃないですか。
でもそれを最初に聞いた瞬間に、
それやりましたっていうのをちゃんと申告してるんで。
実際にちゃんとそれやりましたっていうことを自白というか、
違反を認めたので、
それもあって、
視覚停止処分を24ヶ月っていう視覚停止処分から18ヶ月っていうことで、
6ヶ月短縮されたっていうのも、
これちゃんと認めたからですよね。
自主的にというか。
そうですね、自主的にこれを認めるかどうかっていうところもやっぱり、
上場借用の余地あるかみたいな話になるので、
ここは認めたので短くなったっていうことも知っておく必要があるなと思います。
ありがとうございます。
パーセル選手はこの件に関してもちろん、
いろいろメンタル的にも影響が出たというふうにも報じられてるようですね、どうやら。
そうですね。
実際パーセル選手自身も生活の質が落ちたっていうふうに言ってたりとか、
不眠不安が出たりとか、
チック症状とかが出たみたいなコメントもありましたし、
やっぱりもともとやってたテニスができなくなるっていうことと、
あとおそらく選手自身はもう、
自分がアスリートってことは伝えてたので、
ビタミン剤だし大丈夫だし、
まあ点滴でも言ってたから大丈夫だろうみたいな、
あのなんて言うんですかね、
本当にネミミミ水だった可能性もあるなと思って、
この選手に関しては。
なんで、それがいきなりねやってたテニスっていうものをある意味で奪われることなので、
これはまあやっぱり先進的にやっぱり来るんじゃないかなとは思いますね。
まあそうですよね、なんか今までもいろんなニュース扱ってきましたけど、
やっぱりどの選手に関しても命がけでというか、
競技に取り組んでいるわけですから、
特にそのおっしゃっていただいたようにネミミミ水というか、
突然なんでってなっちゃった選手が、
どうしてもメンタル的にも苦しくなるのは十分理解できるなと思うところでもあるんですけど、
実際まあこの件から学べるポイントとか、
アンチドーピングの重要性
今回のその予防策というか、そういうのはどういうところになるんですかね。
ありがとうございます。
それで言うと、やっぱりこの件から学べるっていうのは、
禁止物質ではなくて、
方法がアウトになることがあるっていうことですね。
これを知っておく必要がある。
どうしてもドーピングっていうと、禁止物質を体の中に入れるっていうのがどうしても有名なので、
そのイメージがどうしても強くなるんですけど、
実はこういった点滴とか注射とかっていうような、
ある意味で普通の薬の使い方、ちょっと外れたような使い方の場合でも、
違反になってしまうんだっていうことを知っておく。
かつ、これ実際に今回のクリニック側に対して、
自分はアスリートだっていうのは伝えてるんですよね、この選手。
伝えてるんだけど、
500ミリの点滴をクリニック側がやってしまってるっていうところも結構僕はポイントだと思ってまして、
なのでこの医療者側の施設の方ですね、施設のドクターが、
この点滴をやっちゃいけないっていうことをやっぱり止められないといけなかったですよね、自分で。
なるほどですね。
だからもうビタミン剤やったら正直500にやらなくてもいいじゃないっていう、あるじゃないですか、容量の観点とか。
別にもっと少ない容量で落としたらよかったやんっていう風に僕は思ってしまうんで、どうしても。
特にビタミンだしね。
それでやったら別に問題なかったわけなので、やっぱりこう知識が足りてなかったっていうところが、
僕はもう選手というよりも、これは選手というよりも厳格責任なんで難しいんですけど、
クリニック側が止めてあげてほしかったなっていうのはすごくこれは思うなぁと。
もちろんそれが500打たれてから容量がでかすぎるだろうっていうのは気づいたほうがいいんですけど、選手もね。
でも医療者が今回はしっかり持っておいてほしかったな、その知識をとは思います。
ありがとうございます。
うっかりドーピングしかり、今回の方法そのものが違反になるケースっていうのは、どうしても結構仕組みも複雑というか、
どこからそのOKというか、該当するのかとか、その量だったりとかっていうことに関しては、
やっぱりまだまだ理解が広がってなかったり、
医療者でもなかなか正確に知るのが難しいのかなっていう印象になりますね。
そうですね。
なので、今回そのITIAの機関の人が言ってるんですけど、
そこまでやっぱり私たちは見てるよっていうようなコメントを出してるんですよ。
おお、そうなんですね。
私たちが見てるのは禁止物質だけじゃないよっていう、ちゃんと方法も見てるんだよっていうようなことを言ってるんですよ。
なので冒頭その可能性として、ITIAが医療記録を見に行ってるんじゃないかっていう話をしたんですけど、
そこのコメントからも、やっぱりガバナンスというか、しっかりと聞かせていきたいというか、力をかけていきたいっていうのはすごく感じるなって。
この人の発言からなんとなくね、情報提供を誰かがしたっていうよりも、そういう仕組みを作ってるんじゃないかなっていう気がしたので。
なので、単純にアンチドッピング規則違反の中には禁止物質が検出されるだけじゃなくて、それ以外の方法も含まれるんだよっていうことを述べてるので、
このあたりは、やっぱり私たち医療関係者、医療従事者がアスリートにしっかりと伝えていくっていうことも非常に重要な守る手段になるなっていうふうに思います。
ありがとうございます。
やっぱりこのスポーツ医療に関わる立場としては、特にこういうゼロ回というものをさせていただいているので、こういう事例を今後もしっかりと共有させていただくとともにですね、
改めてやっぱり、我々がしっかり活動の輪を広げて啓発を続けていくっていうところは、必要性を感じますし、身が引き締まる思いがするなっていうエピソードかなと思いましたね。
医療者の役割
はい、ありがとうございます。今回はですね、マックス・パーセル選手のアンチドーピング規則違反ですね、ドーピング違反の事例をご紹介させていただきました。
そうですね、なんか仕組みとかルールってちょっと複雑な部分もありますけど、やっぱりスポーツに関わる以上は、我々もそこをしっかり把握して、もちろん厳格責任という言葉はあるので、選手自身の責任というのは一番大きいかもしれないですけど、
そこに私たちも正確な知識を提供したりして、クリーンなスポーツ環境を守っていくっていうことの重要性を改めて感じることができたかなと思います。
はい、ありがとうございます。ゼロラジではですね、今回も今後もなんですが、最新のドーピング関連ニュース、最新じゃないかもしれないんですけど重要なやつをですね取り上げて、
実際的な知識と、私たちがまたそのニュースを解説している議論みたいなところも聞いていただいて、なかなか取っ付きづらいアンチドッピングの話っていうのを、私たち専門家がどんなふうに読み解いているのかみたいなところをですね、ぜひ聞いていただいて、
周りの皆さんにですね、こういう話があったよっていうことをぜひ伝えていただければなと思っております。ぜひですね、次回も聞いていただけたら嬉しいです。
はい、ということで本日はこちらで終わりたいと思います。また次回も聞いてください。ありがとうございました。
ありがとうございました。