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2025-10-05 24:04

case⑫マラソン女子世界記録保持者・チェプンゲティッチ選手

今回はcase⑫マラソン女子世界記録保持者チェプンゲティッチ選手のケースです。

サマリー

女子マラソンの世界記録保持者であるルース・チェプンゲティッチ選手が、禁薬のヒドロクロロチアジドに陽性反応を示し、視覚停止処分を受けました。この事件はマラソン界に大きな影響を与え、選手の記録やドーピング問題についての議論が喚起されています。チェプンゲティッチ選手に関するドーピング問題が取り上げられ、選手の責任やその背後にある医療者のリテラシーの低さが論じられています。調査が進行中で、今後の情報が求められています。

事件の紹介
皆さん、おはようございます。こんにちは、こんばんは。
ドーピング0会代表理事の吉田です。
この番組ゼロラジでは、
大塚医で起こるアンチドーピング鍛錬のニュースを取り上げて、
専門家の視点と現場感覚を交えてお届けしていきます。
本日も内科医の唐瀬山先生とお送りしていきます。
唐瀬山先生、どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さて、今回のテーマ紹介をいきたいと思います。
いつもは唐瀬山先生に呼んでいただいているのですが、
今日は私からご紹介をさせていただきたいと思います。
今日は、長距離、特にマラソン界で大きな波紋を呼んでいるニュースを取り上げたいと思います。
2025年7月、世界記録の保持者であるルース・チャプティン・ゲティッチ選手が、
禁止薬物に陽性反応を示しまして、
視覚停止処分を受けたということでニュースになりました。
このケースというのは、何と言ってもですね、
マラソン界の世界記録を持つ女子選手に対する処分という意味でも、
非常に注目しないといけないというか、そういったものかなという風になっています。
今回はこの疑惑の内容であったりとか、
視覚停止処分の内容であったり、影響であったり、
そして私たちが考える視点について深掘りしていきたいなと思います。
記録とその意義
私自身もですね、昔マラソンを少しやっていたので、
この2時間10分という記録の凄さっていうところもですね、
ぜひ今も記録に挑戦し続けている唐瀬山先生にも話を伺ってみたいなという風には思っているので、
今日はそんなところで話をしていきたいと思います。
唐瀬山先生よろしくお願い致します。
お願いします。
では早速なんですけども、詳細をですね、
どんなニュースなのかということをぜひご紹介いただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
はい、わかりました。
はい、お願いします。
まずニュースを読ませていただきたいと思います。
世界陸連の独立不正監視官、AIUは7月17日、
女子マラソン世界記録2時間9分56秒の世界記録を持つルース・チェプンゲティッチ、
ケニアの選手ですね、に暫定的資格提出処分を課したと発表した。
今年3月14日に採取された検体に臨時物質である利尿剤の一種である
ヒドロクロロチアジドが検出されたためという、
AIUは文章を通じてコメントを発表し、
7月16日にケニアでAIUから直接通知を受け、調査に関する要請に応じたと、
このチェプンゲティッチ選手は申したということになっております。
改めて詳細をまとめさせていただくと、
2025年の3月14日に利尿剤のヒドロクロロチアジドが検出されたと。
この物質に関しては、和田のキーシリストのS5ですね。
利尿剤、マスキング剤に含まれていて、
競技会外時、競技会時あらゆる時点で禁止とされております。
さらにニュースを読み込んでいくと書いてあるんですけど、
検出された濃度は約3800ngパーミリリットルで、
許容濃度の20ngパーミリリットルを大きく超える数値だったということで、
AIUはこれを受けて調査を進めているというのが今回のニュースの詳細です。
はい、ありがとうございます。
そもそも話の本質的なところに入る前に、
2時間10分の話をぜひしたいんですけど、
このね、マラソン界42.195キロを、
男子女子でそれぞれね、今どういう壁があるのかっていうことをちょっとね、
最初せっかく2人ともちょっと話できるし、
ちょっとだけ話していいですか?
ありがとうございます。
参考までに僕はね、本当にサブ4っていう4時間を切ったぐらいで走る市民ランナーみたいな感じなんですよ。
ちなみにからさやま先生、記録は何時間か教えてもらってもいいですか?
一応2時間34分50秒ぐらいが自己ベストですね。
ありがとうございます。ということで、めちゃくちゃ早いです。
からさやま先生めちゃくちゃ早い。
2時間半ってすごい記録なんですよ、まずね。
で、今議論をしているこのね、話っていうのは、
男性で言うと今世界は何を目指しているかって2時間ですよね。
2時間直起死。
これを切れるかどうかみたいな。
で、これは男子のマラソンで言うとキプチョゲ選手ですよね。
キプチョゲ選手が非公式ながらいろいろやりながら2時間を自分の足で走り切ったみたいな。
それもニュースになったと思うんですけど。
じゃあちょっとこう視点を変えて、女子の方はどうかっていうと、
実は今回の2時間10分っていうのが、かねてから大きな壁だというふうに言われてた話ですよね。
日本で言うと、2時間20分来た有森裕子さん?かな?
が多分その当時すごく大きな記録を叩き出したっていうことで、
世界的に取り上げられたかなと思うんですけど。
その後どんどん記録がまた塗り替えられていって、
今回の世界王者というか女王ですね、世界女王である選手が2時間10分を切っていたっていうことですよね。
金澤先生この2時間10分とかっていう記録に対しては、どんなふうにランナー目線で言うと見ますかね。
いやーそうですね本当に異次元というか、
日本の女子マラソンの今の日本記録が2時間18分59秒とかで、
もちろんその2時間20分の壁を切って偉大な世界記録を作ったっていうのは高橋尚子さんとか、
それを超えていった野口瑞さんとかいらっしゃるんですけど、
そういう方々が一時期は活躍されておりましたけれども、
そもそもその時点ですごいんですが、
2時間10分切りって正直男子の割とエリートというか、
実業団のトップ選手でも2時間10分を切ったらすごいと言われている中で、
女子の選手がもう切ってしまうという恐ろしいことだという感じですね。
だから本当にある意味で、女子のマラソンもそこまで来たのかみたいなふうに僕は記憶としてはすごくあって、
それが男子女子ともにどんどん記録ってやつが塗り替えられていくんだっていうふうに捉えていただけに、
僕は結構衝撃が大きくて。
ドーピングの詳細
このニュースっていうのはなんだろうな。
世界記録保持者、タイトルホルダーっていうのは何らかやってるのかみたいなふうに見えてしまったんですよね。
それがすごい悲しくてですね。やっぱりやる人だからわかる何かあるじゃないですか。
なんかこんだけのスピードで走り、42キロこのペースで走っているの絶対無理だよみたいな。
僕の全力疾走でも無理だみたいな。
また記録をそのまま数値として見るのか、同じ競技をやってる身としても全く違ったふうに見えるので。
それもあってこのニュースはちょっとまた違って見えてたっていうのがあったんですけど。
ちなみに唐瀬山先生はどんなふうにこのニュースって最初に見たときにどんな気持ちになったかとかってよかったらシェアしてもらってもいいですか。
いや本当に吉田さんと一緒で、レベルは違えどそれなりに走っているとおっしゃっていただいた通り偉大さがわかるわけじゃないですか。
一キロを3分ちょっとでそれを42キロ走り続けていくっていう。
高橋尚子さんとかも最高1日で80キロ走るとかいう練習したりとかして日々追い込んでやっぱりそこを目指してたわけで。
まあそういう選手、まあわかりません。濃いなのかどうかとかもわからないし、その辺はわからないからこそ何も確定的なことは申し上げられませんが。
まあやっぱりちょっとショックだったというのは正直なところですね。
そうっすよね。なんかね、マラソンの僕のイメージは限界への挑戦なんですよね。特に。すごくそれがわかりやすいっていうか。他の競技ももちろんそれをやってるんですけど、マラソンはやっぱり自分たちとやってることは近いじゃないですか。
走るっていう一番わかりやすい動きをずっとやるってことなんで、なんかその限界の挑戦点がわかりやすいなーって僕自身は思ってて。だから好きだっていうのもあるんですけど。
そこがちょっと僕もすげー残念だなっていうことで、はい、ごめんなさい。最初にちょっと脱線してしまったんですけど、男子マラソンの2時間っていうことと、女子マラソンの2時間10分っていうのが壁で、まあね、大きな壁ですよっていう話を最初にお話しさせていただきました。
で、さっきね、サブテンっていう話もあったんですけど、2時間の10分の、その10分っていうのをテンって呼んで、サブっていうのは突破するっていうことなんで、サブテンっていうのはこの2時間10分切りのことを指すということで、ぜひ覚えていただければと思います。
はい、それではちょっと長くなっちゃったんですけど、じゃあ利尿薬。そもそも今回のキドロクロロチアジドって何ぞやっていう話なんですね。これは何なんだっていうことなんですけど、薬的には体の中の水分を外に出すみたいな薬になってます。
なので、例えば、むくみを取ったりとか、あとは血圧を下げる薬みたいな形で使われる、利尿薬っていうのはあまりに一般の方は聞きなじみがないと思うんですけど、利尿薬っていうのはおしっこを出しやすくするみたいな薬のことを言います。
なので、体内の水を減らして、それを外におしっことして出す。尿量を増やすっていうようなお薬になっています。じゃあこれが何でドーピングになるのかみたいなところになると、言ってしまえば、禁止物質を例えば取ったとき、他の物質をね、取って、例えばこの利尿薬っていう薬を一緒に取ると、
早く外に出すことができるってなんとかなくイメージでわかるでしょうか。はい。なので、マスキングっていうことですよね。使っている物質を早く外に出すっていう隠す薬っていう意味ですね。隠ぺ薬って言われたりもしますけども、隠す。
それ自体は特に何かこう、メリットがあるわけではないんだけども、何か別に使っている禁止物質を早く外に出すっていうような疑いがかかるっていうことですね。なので、検出が困難になるっていうことですね。禁止物質を、本来であれば検出できていたやつがおしっこが多くなって薄くなったから、それで検出が困難になるよみたいな、そういった用途で禁止になっているっていうことになります。
ただ、今までの話も聞いていただいて、じゃあ隠ぺ薬使ったらほとんどの薬って何かなかったことにできるの?みたいな思う方いると思うんですけど、そんなことはないです。今はね、分析技術がものすごく進歩しているので、正直この利尿薬を使ったからといって、じゃあ検出されないのかっていうと全然そんなことないので、
あんまり利尿薬を使ったところでっていうのはあるということですので、絶対に利尿薬を使わないでください。ということでございます。
で、今回のこのチャプン・ゲティッティ選手のケースでは、このヒドロクロロチアジドっていうものはもちろん問題になるんですよ。検出された時点でアウトなので、それはもちろんアウトなんだけども、これが何か別のものを隠してたんじゃないの?っていうそこの可能性が、やっぱり争点になってくる。
私自身もこれを見た時に、じゃあ何か別のものをやってたんじゃないのか?みたいなふうに、やっぱり見えてしまうということがあります。なので、これだけで単独で使っているっていうことはあんまり考えにくいんじゃないかなっていうふうに、この視点はあくまでその選手がやっていた。
何か違反を意図的にやっていたっていう観点での話になりますけども、そんなふうに私自身はまずこのニュースを見たときに感じたっていうところになります。
そうですね、僕もこのニュースを見たときは本当に吉田さんと同じような感想というか、基本的にこの林陽役がパフォーマンスに大きく影響するっていうのはないと思うので、何かしらパフォーマンスを上げていくことをしていた。
ドーピング問題の議論
それで世界記録が出たのかどうかはちょっとわかりませんが、そういうことは確かに思った次第なんですけど、やっぱりこれはちょっと繰り返しになりますけど、あくまでちょっと故意的な部分を、故意的なことを隠したいという気持ちからなのか、
それとも、いわゆるうっかりじゃないですけど、そういう可能性っていうのも考えれなくはないんですかね。
はい、ありがとうございます。もちろん今の話も含めていくつかあるとは思います。
それはですね、やっぱり検出されたという時点で、選手自身の厳格責任は問われます。これはもう本当に、どういうルートで入ったとしても、その選手の血液、おしっこから出た瞬間にもうその選手の責任を問われるっていうのがルールなので、それは問われる。
ただ、それがそもそもの用途が治療だったのかどうかみたいなところは、そもそもニュースではよくわからなかったので、そこはまず確認はされるだろうなとは思います。
つまり、治療をしないといけなかったのが、知識がなくて使っちゃってたケースであったりとか、選手自体知らないことが想定されるので処方した人が知らなかったであったり、あとは汚染ですよね。
よく選手側が主張する汚染。これは何か別のものにコンタミしていたんだっていう主張っていうものも、これは可能性としては出てくるかなというふうに思いますね。一番多いのはコンタミじゃないかなというふうには思います。
なのでまずはその辺りの可能性は上がってくるんじゃないかな。選手だけじゃなくて、その周りにいる医療者の知識不足による選手が服用してしまったっていう、いわゆるご使用みたいなところですかね。その可能性もやっぱりあるかなとは思いますね。
なるほどですね。いずれにしても調査中ということなので、何かしら詳細が出てきて、チプン・ゲティッチ選手もどういう反応をしていくかみたいなところは調査次第という感じですね。
そうですね。ここが難しいところですけどね。ある程度もうわかってると思うので、この今の議論してる話もおそらく正式に出てくる情報にはもう載ってる話だと思ってるので、それも踏まえて本当にどういったことだったのかっていうのはまた情報が欲しいなとは思います。
なるほどですね。どうしてもケニアの陸上とか、やっぱり結構アフリカ系選手の陸上のドーピングっていうのもやっぱり多い印象はあるので、こういうニュースが出てしまうと、全員が全員ではないのはわかってますけど、やっぱりそういういろんな、もちろんマラソンだけではなくて、トラック種目とか、やっぱり国家選手とか、
国人系の選手が強いっていうのはありますけど、真っさらな気持ちで見ていいのかどうかっていうのがちょっと懐疑的になっちゃうところもありますね。
まあそこは残念なところではありますね。本当は疑いたくないんだけど、それをちょっとどっかに思ってしまうっていうのが本当に悲しいなって思いますし、さっきのケニアの選手っていうところで言うとやっぱり三井住友会長さんですかね。
女子陸上部でやっぱりそういったことが前にあったし、この時はケニアのドクターが知識がなくて出しちゃってたっていうのもあるんですよね。
このあたりも選手だけではなくて、やっぱりリテラシーが医療者含めて低いっていうところももしかしてあるんじゃないかなとは思っていて、これは正直ケニアっていう国だけではなくて、じゃあケニアを見て自分たちはどうすればいいのかっていう考えないといけないんですけど、
このあたりはやっぱり学ばないといけないなとは思いますし、やっぱり信じたいなって気持ちがありますよね。
そうですね。いい悪いじゃないんですけど、日本という国に住んでると、ちゃんとする文化って割とあると思うんですけど、やっぱり国の文化によってはまあ大丈夫でしょうみたいな。
確かにその価値観の違いはあるかもしれないね。確かにそれはあるかもしれない。
なんかその辺がやっぱりちょっと関係してくる、特に文化的な背景が割と国ごとに出てくるじゃないですか、アジア圏、アフリカ圏とか、なんかそういうのもちょっと感じましたね。
なるほど。ありがとうございます。とにかくまずはどういうことだったのかっていうのが、もう少ししっかり情報を見て、また私たちがこの事例から何を学んで生かすのかっていうところをもう一度お話ししたいなっていうには思ってます。
一旦今日はここまでにしたいと思うんですけど、やっぱりアンチドーピング規則違反っていうものが、薬物が陽性っていうことからどういうふうな可能性があるのかみたいな、逆算の話をちょっとさっき触れさせていただいたので、
この辺りですね、選手本人だけではないんだなっていうことであったり、また単純に教育して終わりっていう話でもないだろうなっていうこともなんとなく感じていただけたかなっていうふうに思いますので、
じゃあ自分だったら今回の件どうすればいいんだったんかなっていうことを、それぞれが当事者意識を持って考えるっていうのがすごく大事だと私は思うので、ぜひ皆さんもこの事例に自分が関与していたらみたいな立場でですね、もう一回ニュースを見ていただけると、また学びが深くなっていくように私は思いますので、
またよかったらこういった話を聞いていっていただけたらなと思っております。今回の事例を通して、スポーツの価値であったり公平性を考えていただきたいなと思います。
このゼロラジではですね、今後もこのような事例を話題、ニュースですね、そういったものを取り上げて、私たちのわかりにくい業界の知識とかをちょっと噛み砕きながら、自分たちはどんなふうに考えてこのニュースを見ているのかみたいなところをですね、2人で解説をしていきたいと思っています。
なのでまたですね、こういった機会作っていきますので聞いていただければ大変嬉しいです。またぜひ聞いてやってください。
次回の予告
金澤先生最後に何かございますでしょうか。
せっかく東京の世界陸上盛り上がりましたし、今後ちょっとこういう違反が出ないように、もちろん我々もこういうのが出ていかないようにというかですね、できることを一つ積み重ねていって、
いずれはこういった活動がもっともっと大きくできたらなと改めて思いました。
ありがとうございます。最後にね、いいフリをしてくださったんですけど、世界陸上やってる時にね、本当にこう、なんだ、冷水を浴びせるようなことをしてきた人がいましてですね、それについてですね、次回は触れていきたいなと思います。
次回はですね、とあるカーリー選手っていうですね、世界陸上やってる時にそんなことを言わなくていいじゃんっていうタイミングで言っちゃったっていう人なので、その話を取り上げていきたいと思います。
次回はエンハンスドゲームとカーリー選手ということで取り上げていきたいと思います。
それでは本日はこちらで失礼させていただきます。お疲れ様でした。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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