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2025-12-13 25:26

case⑯2021年、2022年のWADA報告が公開されました。

2021年、2022年のアンチ・ドーピングに関するWADAの報告書が公開されました。それについて解説しています。

サマリー

2021年と2022年にWADAが発表したドーピング違反に関する報告書が公開され、全体的に違反件数が増加していることが明らかになっています。特に、検体分析や居場所情報の提出義務に関する厳しいルールがアスリートに影響を与えていることが強調されています。WADAの2021年と2022年の年次報告では、ドーピング検査の進歩やバイオロジカルパスポートの重要性が深く探求されています。日本のアカデミック界におけるアンチドーピング技術の研究も紹介され、アスリートの安全を守るための努力が強調されています。

WADAの年次報告書の公開
皆さん、おはようございます。こんにちは、こんばんは。
一般社団法人ドーピング0会の代表理事の吉田です。
ということで、今回もゼロラジ始めていきたいと思います。
この番組は、世界で起こっているドーピング関連のニュースを中心に取り上げて、
専門家の私たちが分かりやすく解説する番組となっております。
本日も、内会の唐瀬山先生と一緒にお届けしていきます。
唐瀬山先生、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
ということで、今回何を取り上げるかということなんですけども、
私たちアンチドーピングに関わる者は、一番出てくる頻度が高いという組織がありまして、
それが世界アンチドーピング機構ですね。
ワールドのアンチドーピングエージェンシーでWADAと言っているんですけど、
言ったらアンチドーピングの元締めみたいな、総元締めみたいなところがありまして、
そこから2021年と2022年の年次報告書というのが出てきたというお話になっております。
これはですね、ワールドというふうに書いてある、世界というふうについていますので、
日本だとJAPAN、アンチドーピングエージェンシーJADA、
例えば韓国だったらKOREAなんでKADAとかですね、
その一番最初の文字が各国によって変わるみたいな感じなんですけど、
つまりは世界アンチドーピング機構で全世界的に各国の情報を吸い上げてレポートにしてくれるんです。
結構情報量がすごく多いので、タイムリーに更新されるというよりは、
今回のように数年間ブランクが開けて情報が収集されたものが上がってくるというようなものになっているんですね。
この世界のですね、ドーピング、アンチドーピングということもつながっていきますが、
ドーピングの現状を知るためにはですね、非常に重要なデータになっているんですね、このWADAのデータというのがですね。
ですので、そのデータについてもちろん触れていきたいなという話なんですが、
結果としてはですね、全体的に違反件数が増えているというような内容になっています。
はい、ちょっと残念なお知らせから始まってしまって申し訳ないんですけども、
ここについてですね、まずはこのゼロラジオではですね、ニュースを最初にからさま先生に読んでいただくことになっておりますので、
まずからさま先生、いつも通りニュースを読んでいただけますでしょうか。
はい、それでは早速ニュースの方を読ませていただきたいと思います。
お願いします。
世界アンチドーピング機構WADAが2021年および2022年のアンチドーピング規則違反に関する公式報告書を発表しました。
この報告書は世界各国のアンチドーピング機関からWADAに届けられた違反決定を集約したもので、
世界のアンチドーピング活動の現状を示す重要な指標となります。
全体の傾向として、違反件数は2021年、2022年ともに増加傾向。
2021年の違反総数は1388件。
続く2022年には違反総数はさらに増加し1652件に達しました。
検体採取数は前年と同水準を維持しており、違反の摘発がより効果的に行われている可能性も示唆されています。
違反の内訳を見ますと、検体分析による違反が大半を占めますが、
調査や情報に基づく非分析的違反も毎年300件近く報告されており、
アスリートだけではなくサポートスタッフの違反も含まれています。
これは検査だけではなく、情報活動や調査が不正摘発に重要な役割を果たしていることを示しています。
違反は特定の地域や競技に限定されず、両年とも100カ国以上、多様な競技で確認されており、
アンチドーピング活動が世界的な課題であることを改めて浮き彫りにしています。
WADAはこれらの結果が検査プログラムの成果であると同時に、
科学研究の進歩やアスリートバイオロジカルパスポートの有効性を裏付けるものであると評価しています。
今後も公正な競技環境を守るため、多角的なアプローチが求められます。
違反件数の増加
以上となっております。
はい、ありがとうございます。
さっきもちょっと先に喋ってしまいましたが、世界のドーピング違反の件数とかをですね、
WADAが取りまとめてくれていて、それの報告ということでした。
2021年は1388件、2022年はさらに増えて1652件ということで、
これはですね、コロナ禍で一時、検査員の派遣とかができなかったので、
検査ができなかった時期があるんですね。コロナの時はできなかったので、
一旦休止しているような状態になったんですけども、コロナが明けて、
そこで今は元通りになっているんですけども、
それで検査数が元の基準に戻っていったっていうところも影響としてはすごくあるんですけども、
ただやっぱり依然として、多くの違反がいろんな国で、いろんな競技で起きているということは事実としてはありますね。
ありがとうございます。
ちょっとニュースの詳細を少し吉田さんに聞いていきたいなと思うんですけど、
いわゆる禁止薬物が検出される違反というのは分かりやすいと思うんですけど、
ニュースにもあった非分析的違反というところなんですけど、少し解説をお願いできますか。
はい、ありがとうございます。これはですね、検査で陽性にならなくても違反になるケースですね。
ここは何があるのかということで、一番ニュースとかにも取り上げていて、ただ理解しにくいなというのは、
居場所情報の提出義務違反というのがあります。
実はですね、本当にトップアスリート中のトップアスリートの人たちっていうのは、
24時間365日、自分がどこで何をしているのかということをですね、報告しないといけないんですね。
報告する理由としては、そういったトップ中のトップっていうのは抜き打ち検査っていうのを受けないといけないんです。
その競技を代表するということで、そのトップの選手はいつその検査が来てもいいようにということで、居場所情報を提出しているんですけど、
さすがにね、選手も試合とかいろいろありますんで、1日に1時間、来るかどうかわかんないですよ、もちろん。
ほとんど来ないんですけど、その24時間のうちに、この1時間をですね、現実的に起きている日中ですね、朝からある程度の時間ですけど、
その時間の中で1時間は確保しなさいよっていうのが決まっています。
この1時間にほとんど来ないんだけど、確保はしないといけないというようなかなり厳しいルールが課されています。
この居場所情報っていうのは、もちろんいろんな理由で、その場所にいなかったりとかすることももちろんあるので、
1回その場所にいなかったらアウトかっていうとそういうわけではなくて、1年に3回累積をしてしまうと資格定処分になってしまうというようなルールになっています。
ですので、そういった提出していたのにその場所にいなかったよねということが1年間に累積3回になる。
もしくはそもそもその申告をしていないっていう。
3ヶ月に1回ですね、市販機ごとに1回期日までに提出しないといけない。
自分がどこで何をしているのかっていうことをですね、この1時間だったら空いてるから、もし検査来るんだったら来てもいいよっていう時間がですね、
出してこないといけないんですけど、それを出し忘れたりするとそれも累積になってしまうので。
なので検査を受けたわけではないですね。検査が例えば血液とか尿を取ってそこから菌糸物質が出たよっていうことではなくて、
その検査を受けるっていう時間、場所にそこにいなかったっていうことでも実はダメになっちゃう。累積3回ダメになっちゃうっていうような。
これがちょっとニュースには取り上げられるんだけど、あんまり知識がないとなんでなんみたいな。
アスリートの責任
めちゃくちゃ厳しいよね、ドーピングのルールってみたいな話をニュースのコメントとかでもあるんですけど、よく見るんですけど、
それはあんまり分かってなくて、一発で決まるわけではなくて、3回累積だよっていうことも多分ご存じないような方が厳しい厳しいっていうことを言われてたりはしますね。
そこは3回そういったチャンスというか猶予あるんだよっていうことはここで改めてお話しさせていただきたいなと思いました。
こんな感じでどうでしょうか。
ありがとうございます。
なので、体から禁止物質が検出されなくても、そういう日々守る姿勢だったり、監視されているようなルールがあって、選手側も常に意識させられるような感じにはなっているということですね。
そうですね。本当にこういう抜き打ち検査って連続することもあったりするんで、その辺りは本当に逆に全然来ない選手もいるし、この辺り難しいところでは正直あるんですけど、
いつ来るかわからないっていう。報告するとかって意識しますよね。絶対そのルールを。実際検査がなくても。なので本当にそのルールを意識せざるを得ないような状況にトップアスリートっていうのは置かれているんだっていうことですね。
他にも、わかりやすくはないんですけど、どういう事例があるかというと、禁止物質を持っているだけでもアウトですよっていうケースがあります。どういうことかっていうと、先日、これも前回も喋ったような気もするんですけど、日本でも結構びっくりする事例がありました。
これはボディビルの選手が自分が大会に出ていない大会に観客として応援として来場した時に客席に忘れ物をしちゃったんですね。自分のカバンを。
大会の関係者が忘れ物あるわということで中身を確認したら、いわゆる禁止物質が出てきたっていう。その方はちょっと抜けてるところがあったのが、禁止物質と言ったら身分、氏名とかが分かるようなものを全部一緒に入れてたんですね。
なので、その時に禁止物質をその人が持っていたっていうことが分かってしまったっていうことですね。
実はそのルール上、禁止物質が血液、尿検体から出なかったとしても、所持しているだけで、正当な理由なく所持をしているっていうことだけで、実は視覚的処分になるんですね。
ですので、その日は応援で、その方は試合には出ていなかったんだけども、正当な理由なく禁止物質を持っていると、所持っていうことだけで、それは一発で違反になってしまうというようなことも分析はしていないんだけども、持っているだけでそういったことがあるというようなルールがあるということですね。
ありがとうございます。
なので、観客として来ていても、そういう注意しないといけないこともありますし、それって毎日の行動の提出義務だったり、検査に対応する時間の提出であったりとか、
なので、もちろん禁止物質が検出されないというのは当然のことですけど、それ以外にもいろいろルールがあって、アスリートの責任の重さとかっていうのを痛感するという感じですね。
そうですね。いわゆる検査っていうと出た出ないみたいな話がどうしても注目されがちなんですけども、このWADA、世界アンジュドッピング機構の報告書を見ると、いわゆる検査をして出た出なかったっていうことだけではない違反っていうのも、やっぱりしっかり見える化してくれるので、ルールを知らなかったっていうことでは済まされないっていうことですね。
このクリーンなスポーツを守るために日頃の行動も含めて、やっぱり見られるようなルールが作られているっていうことですね。この辺りは知っておかないといけないということがあります。
やっぱり責任の重さっていうところがあるんですけど、それはアスリート本人っていう責任の重さでは実はなくて、これは競技を背負っているというか、競技のためにトップアスリートの方が代表して検査を受けているっていうニュアンスの方が、私はすごく近いと思っていて。
責任の重さって、さっきからさま先生が言ってくれたんですけど、本当にその通りで、個人じゃないんですよ。責任が。個人ではなくて、その競技全体のクリーンさをその方が代表して検査を受けて証明しているっていうような構図なんで、もう責任が重いんですよ。
WADA報告の内容
何の回か忘れちゃったんですけど、本当にそれが光栄なことなんですって言われるアスリートの声を聞くまでは、やっぱりなかなか僕も大変だっていう思いが先行してしまっているところが正直ありました。
でもそこでね、トップアスリートの方が、いやいや、これで僕が受けて検査結果で陽性でなくて陰性、もちろん陰性ですっていうことを続けていれば、その競技自体はクリーンなスポーツであるっていうことが証明できるんで、めちゃくちゃ光栄なことなんですよ、吉田さんっていう声が僕は聞けて、何か価値観はすごく変わったように思いますね。
ありがとうございます。
あと僕もこの報告書を読ませてもらって、いわゆる今の非分析的違反っていうところは気になったのと、もう一つ最後の方に科学技術の進歩とか、それによる多角的アプローチっていうところは非常に気になりまして、
特に最後に述べられていたバイオロジカルパスポートっていうところですね。
なのでちょっとそこもまた吉田さんに解説いただけたらと思うんですけど、お願いできますか。
はい、そうですね。
最近ですね、やっぱり出てくる薬っていうのはすごくいい薬が多いんですよ。
体に与える影響っていうのを与えて、早く体の中から消えるみたいなですね、そういった挙動を示す薬っていうのがすごく増えています。
何が痛いかというと、ドーピングをその薬で例えばスポーツにとってプラスになるようなことがもしあれば、これ以上ない薬になるわけですよね。
見つかりにくいし、体にはしっかり影響を与えてくれるっていうような薬になるので、科学技術が進歩していくと、見つかりにくいっていうことがやっぱり出てくるんですね、実際問題。
なので、新しい薬が出たときに、スポーツの領域にある意味でドーピングとして使われてしまうようなものがあったときには、やっぱりまず血液とか尿とかそういったものからその禁止物質が出るような技術っていうのは
まずは最初に分析レベルを上げていくっていうことになるんですけど、それをやっていくっていうのが普通のアプローチです。
ただ、やっぱりなかなかいたちごっこみたいなところがあって、新しい薬が出て、これドーピングに転用すればいいんじゃないかみたいな悪い人が出てきて、じゃあその悪い人がその薬をスポーツ向けに使ったとして、しばらくは見つけられないんですよね、それが。
でも明らかにこれなんかおかしいぞというときに、じゃあどうやってその人がドーピングをしているかっていうのを見つけられるんだろうってなったときに、このバイオロジカルパスポートというのがちょっと出てくるよっていうところですね。
何かっていうと、トップアスリートの血液検査のデータっていうのをずっと観測し続けるんです。
観測し続けて、とあるときに今までの血液検査のその人のデータと照らし合わせると、なんかピョコって例えば出てたりとかピョコっと下がっていたりとかいうようなことが出てきたときに
あれ?なんか菌糸物質は出てないんだけど、検体からですね。出てないんだけど、明らかになんかこう挙動がおかしいぞっていうときに、検体からは出ていないんだけど、いやこれちょっと怪しいぞっていうときにショッピーって来れるのがバイオロジカルパスポートっていうところですね。
なので、日頃から自分の血液検査のデータがどんどんどんどん蓄積されてるんですね。
で、その値から逸脱したときに、これはちょっとやってたよねっていうことで、あなたちょっとなんかやったんじゃないのっていうことで違反を問われるっていうようなものがバイオロジカルパスポートっていうことになります。
なので優先順位っていうか、順番として検査技術で、やっぱりその検体にあるかないかっていうものの方が、角度っていうか、分かりやすいですよね。やってたっていう証拠が出てくるわけなので、それが一番いいんですけども。
ただ、それだけでは補いきれないぐらい技術が進歩してるっていうようなところがあるんです。
ですので、その補うためにバイオロジカルパスポートっていう制度ができて、実際にゼロラジとかでも取り上げたことあったと思うんですけど、バイオロジカルパスポートによって、確かITAの話だったかと思うんですけど、
日本のアカデミック界の貢献
その時におかしいよねっていうことで、視覚的処分になっているっていうような例っていうのも実際に出てきているということですね。
ありがとうございます。
薬はどんどん良くしていこうって言って研究されていくのはもちろんですけど、それが良い方向にもちろん使われるのが当然という気はしますけど、中にはそれをちょっと悪用してしまう方もいると。
だからこそ検査技術も、ちょっとネガティブな意味になるかもしれないですけど、検査技術も上げざるを得ないというか、そういうところが今回の検査技術の進歩もしていかないといけないみたいな報告にはなっているのかなという意味合いも感じましてですね。
ちょっと複雑な気持ちというか、そういうところはちょっとありますね。
ありがとうございます。
日本の大学、アカデミックのアカデミアにいる先生方っていうのが、このアンチドーピングの技術に一生懸命研究されている先生方も、著名な先生方も何人も実はいらっしゃるんです、日本って。
なので、そういったところの技術を高めようということで、一生懸命検査技術の確立であったりとか、なかなか難しい話になっちゃうんですけど。
代謝産物、菌子薬物が壊れて、そのものではないんだけど、それを特定するためにはこの断片があったらこいつだよねっていうような、そういったところであったり、いろんな技術を駆使して何とか痕跡をたどろうみたいなことをやっている先生方もいるので、
ぜひ日本の方であれば、そういった一生懸命アスリートのために、アスリート負担をちょっとでも軽減できるようなやり方がないのかって考えてくれている先生もいたりしますし、こういった存在を知っていただいて、
ぜひこういった技術を支える先生方がいるんだということも合わせて知っていただきたいなというふうに私から思いましたので、最後に付け加えさせていただきました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。ということで、今日はですね、このWADA、世界アンチドーピング機構のこの年次報告、2021年と2022年の年次報告の内容についてお話をさせていただきました。
ゼロラジはですね、こんな感じで世界で起こっているドーピング関連のニュースを中心に取り上げて解説する番組となっています。
ですので、こういうちょっと難しい、なかなか日常生活では触れないようなことを、私たちはどういうふうに見ているのかということを少しでも感じていただけたら嬉しいですし、
何かドーピングとかアンチドーピング、ドーピングを防ぐ活動について興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ引き続き聞いていただけると大変嬉しく思います。
はい、ということで、今回はこんな感じで終えていきたいと思います。またね、聞いていただけたら大変嬉しいです。それでは、こちらで失礼したいと思います。さよなら、失礼します。
ありがとうございました。
25:26

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