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2025-10-06 20:09

#063 一般選抜のリアル ~志願者増の裏で何が起きているか~

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第63回配信!

今回の配信では「#063 一般選抜のリアル ~志願者増の裏で何が起きているか~」と題し、大学入試のメインストリームである「一般選抜」の最新動向を深掘りします。競争緩和ムードから一転、なぜ2025年春の一般選抜の志願者数は増加したのか?その背景にある「大都市志向」の復活と、易化した共通テストが受験生の心理に与えた「チャレンジ志向」を徹底解説。多様化する私立大学の入試戦略から、国公立との違い、そして2026年度入試に向けた現実的な注意点まで、現場の視点から冷静に分析します。

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サマリー

2025年の一般選抜では、少子化の影響により一時的に志願者が増加し、特に首都圏や近畿圏の大学で顕著な競争が再発生しています。また、大学入学共通テストの平均点上昇が志願者の強気な戦略に影響を与えるなど、入試の動向が変化しています。一般選抜における志願者の増加は、多様な対策や戦略が求められる状況を浮き彫りにしています。受験生は変化に柔軟に対応しながら、自分に必要な勉強に集中することが重要とされています。

一般選抜の概要
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティのKasaharaです。この番組では、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、教育にまつわる様々な話をしていきます。
さて、大学入試シリーズ第4弾。これまで、年内入試である学校推薦型選抜と総合型選抜の話をしてきましたが、今回はいよいよ大学入試のメインストリームである一般選抜についてお話しします。
入学者の割合から考えると、もはやメインストリームと言って良いのかは議論があるところですが、受験者の延べ数を考えると特別選抜が50万人ぐらいであるのに対して、一般選抜は国公立大学で23万人ぐらい、私立大学に至っては延べ300万人ぐらいの受験者数になるので、やっぱり規模が違います。
延べ数なので、実際にどこまで会場に行って受験しているかというところは微妙なところありますが、大学受験をする多くの人はまだ一般選抜を経験していると考えて良いでしょう。
ここ数年少子化で競争は緩やかになってきていると言われていましたが、2025年の春は少し様子が違いました。
18歳人口の一時的な増加やコロナ禍からの回帰ということもあって、特に首都圏や近畿圏の大学では志願者が増え、競争緩和の流れが一旦ストップしたんです。
今回の配信では、この一般選抜をめぐる最新の動向についてざっくりとしたデータを紹介しながら、学校現場から見える大学側の授業や受験生のシーンについてのお話をしていきます。
一般受験だから今も昔も変わらないんでしょうと思われる保護者世代の方はいるのですが、実は結構変わっています。
一般選抜についても色々と知っておくことが必要となっています。
また毎回大学ニュースシリーズではお願いしていますが、ニュース情報は必ずご自身で一時情報を確認してから行動するようによろしくお願いします。
さてここからが本題です。
2025年春の一般選抜を振り返ると、まず志願者の増加という大きな変化がありました。
近年続いていた少子化による入試競争緩和の流れがちょっと弱くなった形ですね。
まあ極端に難易度が変化したかというとそういうわけでもないのですが、コロナからの数年に比較するとちょっと競争が厳しくなった大学が戻ってきたなというそういう肌感覚があります。
この変化にはいくつか要因があって、それが結構今の入試の特徴に紐づいてるなって思うんですね。
今回の増加の最大の要因は18歳人口の変化です。
人口そのものが増えているので受験生の母数そのものがかなり増えました。
子供の数というのはリアルに受験者数に直結しています。
そしてその増えた受験生がどこを目指したかというと、コロナ禍の収束に伴って大都市志向というのが明確に復活しました。
これはちょっとマニアックな話になりますが、コロナ前には大都市圏の大学には私立入学者定員減格化という制度があって、
入学者や学生数の管理というのがかなり厳密に上から命令されていて、大都市圏以外の大学も受験しないと厳しいみたいなそういう流れがちょっとあったんですね。
ただこれはコロナ禍などもあって定員管理がかなり減格化が緩和されてしまって、また大都市圏の大学にとっては受験者集めやすいみたいな状況ができたんですよ。
だから首都圏や近畿圏の大学では4年連続で志願者を増加させている一方で、北海道、東北、中国、四国といった地方では減少が続いているんです。
受験生が都市の大学に吸い寄せられているという状況がはっきりしています。 この動きに拍車をかけたのが大学入学共通テストです。
国語などで出題形式の変更が今年ありましたが、共通テストの平均点は3年連続で上昇して、全体としては簡単になっています。
大学入学共通テストの平均点が高いときは結構入試に顕著に影響しますね。 自己採点の結果、思ったよりも点数が取れたと感じた受験生が増えて、
これならもう少し上の大学も狙えるかもしれないという強気のチャレンジ思考が確実に生まれています。
例えば国公立大学の閉館で私立大学の共通テスト利用入試に数多く出願したりだとか、私立専願者に関しても共通テスト併用型での出願校を増やしたりという動きがされやすくなります。
共通テスト利用型に関しては共通テストの結果が出るよりも前に出願しなければいけないこともあったりはするんですけれども、
ただ閉館型であれば共通テストの自己採点の後に出願できるということもあって、こういう流れが出てるんだろうとは思います。
特に今年は文系科目の平均点が高い傾向にあるので、私立大学は文系学部が多いこともあって、
志願者が増えやすい条件は整ってましたね。
2025年は新課程初年度で新しい科目の情報も導入されました。
国公立大学では科目数が増えましたが、これによる混乱というのはあまりなかったですね。
私立大学の多くが情報を必須としないで選択科目に留めたり、そもそも利用しない方式を取ったというのが受験生にとっては大きかったですね。
ただそれどころか情報の平均点がかなり高かったということもあって、共通テスト利用の科目に情報が入っているような場合だと、
それで合格が見込めそうだみたいなことが起こって、ちょっと強気の出願につながっていったという面もあるようですね。
近年の入試のセオリーとして、最後まで受験を諦めるな強気で行けというのが、ここに来て受験生全体にそういうような意識が共有されてるんだなぁと、そんなことを感じます。
しかしもう一方で新課程への不安から来る根強い安全志向というのも見え隠れしています。
前回までで解説しましたが、年内に合格を確保したいという現役合格志向から、推薦総合型選抜の志願者も国公立、私立大ともに大幅に増えています。
私立大学の動向
ただこの年内入試の競争の激化の結果、そこで不合格になった受験生が一般受験に流れ込み、閉館する大学の数を相当数受けるため、
結果として一般選抜の志願者増に拍車をかけるみたいなことに繋がったんだろうと見えます。
私立大学の動きをより詳しく見ていきましょうか。
2025年春、私立大学の一般選抜の志願者の数は全体で大幅に増えています。
この増加の要因というのは割とはっきりしていて、増えたのは共通テストを利用する方式です。
ちょっとカウントの仕方が難しいので数字が見る資料によって違っているかもしれませんが、
大学独自の試験のみの方式が6%しか受験生増えていなかったのに対して、
共通テストの成績のみで合比が決まる方式は10%1割増、
そして共通テストと大学独自の試験を組み合わせる国公立の試験に似ているような併用型に至っては16%増と驚異的な伸び方をしています。
さっきも少し触れましたが、共通テストの平均点の影響もありますし、受験者は受験がしやすいところに集中しやすいんですよね。
決して普通の会場で受ける試験が人気復活しているというわけでもないというのが今の入試の特徴ではあります。
共通テスト利用でも共通テストの成績のみで合比が決まる方式は、ちょっとここに来て人気に限りが見えてきていますね。
例えば上智大学ではこの協定のみというような志願者の数が結構減っていまして、大学全体の志願者も減っているという形になります。
これは前年に合格者数を相当絞った反動という見え方もありますね。
宝くじを買うような質感では受からないということがデータではっきりとしてきたこともあるので、実力層の生徒がしっかり受けるようになってきたというのが妥当かなという気がします。
こうした入試方式の多様化が進む背景には、もう繰り返し話していますが、大学全入時代という大学側の切実な事情があります。
とにかく子どもがいないんです。だから入試方式を多様化させることによって、とにかく受験生を囲い込みたいという大学の思惑が強いんです。
経済的なメリットを強調する大学も多いですね。
例えば複数の学部を閉館すると受験料が割引になるという制度は一般化してますし、一定額で複数の学部に出館できる定額制を導入する大学も結構増えてます。
これは一人の受験生が延べ出願数を増やすということにつながって、見かけ上の志願者の数を押し上げる効果もあります。
受験者の数が大幅に増えると人気の大学のように見えますし、ニュースなどでも名前が出てくることになるので、人を集める好循環を生むことになるわけです。
目先の受験料収入よりも人に来てもらうということに対する必死さがちょっと伺える事例ですね。
生徒も保護者も進路指導で強く言わないと、テレビ、マスコミで名前を聞いたことがあるような大学にしか本当に見学行かないんです。
下手すると閉館で受けてほしいと言っても、そんな大学は知らないから受けたくないみたいなことを言ったりもするので、
名前があるかどうか、名前が聞こえてくるかどうかっていうのは大学にとっては結構な資格通問題なんですね。
逆に言うと名前が出ているということはそれだけで強みになるわけです。私立は私立でかなり大変なんですね。
では、国立大学と私立大学の一般選抜にはどのような違いがあるでしょうか。
国公立大学は基本的に共通テストと二次試験という二段階で選抜されるのが基本です。
前期・後期で1校ずつしか出願できず、総合的な学力と一発勝負をしなければいけないというプレッシャーを与えられる入試になっています。
しかも大変なことに、前期・後期、公立大学に至っては中期入試もありますが、
実は国公立大学の前期・後期・中期の出願は共通テスト後に全てまとめて同時に出願になります。
これがかなり悩ましいんですね。
例えば前期入試である大学が不合格になったから、後期は国公を出そうみたいな、そういうような戦略の立て方ってできないんです。
一方で私立大学は2から3科目ぐらいに絞った個別試験が中心で、
試験日も大学学部ごとにかなり異なるため、閉館して受けていくことがしやすいというのが最大の特徴です。
2025年の国公立大学の動向で興味深かったのが災難管大学周りの動きですね。
東京大学や一橋大学など首都圏の災難管大学で志願者が減りました。
これはそもそも第一段階選抜、つまり足切り、大学に来て試験を受けていいですよという人の数を絞り込んだということの玉付き事故ですね。
そもそも個別試験を受けられないというのでは困ってしまうので、安全志向が働き、災難管ではなくてその次のレベルを目指すという動きはちょっと乱れましたね。
また共通テストで高得点を取れたがゆえに、もう失敗はできないという心理が働いて、
より確実に合格できる純難管大学へ志望変更する安全策を取った受験生も入試動向を見ていると見えてきますね。
逆に地方の拠点大学や純難管大学に関しては共通テストで平均点が高くなったので、
じゃあチャレンジしてみようみたいな流れができたので競争が結果的にそのレベル帯に相当集中したというそういう現象が見られました。
去年は自分の担任する学年がまさにこの台でしたが、
久しぶりに地方も含めて国公立大の二次試験がもつれこむ結果になったなという印象を受けています。
さて私立大学に目を移すと志願者のトップ争いがかなり過激になってましたね。
11年連続全国一位だった近畿大学を抜いて、
2025年度はついに千葉工業大学が初の全国一位になりました。
これは5年連続で共通テスト利用の入試方式の受験料を無料にして、
志願者の動向と受験制度の変化
さらに併用型の新方式まで導入するなど、受験生にかなり都合の良い制度をめちゃめちゃ増やしている結果、やっぱり人が集まったって感じですね。
受験を指導する立場からしても、無料だからとりあえず出願してみたらっていう指導はしやすいですしね。
そういうふうに自分自身でも無料だから受けてみようというのを見つけてくる可能性は高いでしょうし、
学校や塾から無料なら出しておけばと勧められれば、人ってやっぱり集まりますからね。
さてここまでの話を踏まえた2026年度の入試への展望を少し話してみようと思います。
次年度については18歳人口は横ばいのため、志願者の総数は今年並みと予想されています。
しかし注意すべき点が3つあります。
第一に共通テストの難化です。
平均点が高止まりしてきた反動で、2026年度は難易度の調整が入る可能性が高いということはいろんなところで言われています。
特に導入2年目となる情報は本格的な難易度の問題が出されて、対策の差がつく科目になる可能性が高いというのはよく言われていますね。
ただこれに関しては必要以上に警戒しすぎたり、受験そのものを敬遠したりする必要はないだろうなと個人的には思います。
一つは共通テストの平均点が下がりすぎると、そもそも共通テストの志願者の数が減ってしまい、
今の制度が破綻する可能性が出てきちゃうんですね。
なのでそういう現実的な問題もあるので、私立大学を第一志望とするような受験生を睨みつつ、うまく調整はしてくるような気はします。
また全体的に平均点に大きな穴ぼこが開かないようにしつつも、
例えばいくつかの科目で難易度を少しずつ上げていくみたいな調整は、
実際に過去のセンター試験共通テストの流れを見るとそういう方法を捉えているところもあるので、
2年目で極端に下がるみたいなことばかりではないということは考えておいてよいかなというふうに思います。
まあ、とはいえ、いずれにしても難関の流れは避けられないだろうという気はしています。
第2位、新課程への本格的な対応ですね。
第2位、新課程への本格対応です。
各大学の個別試験でも、数学などで旧課程履修者への経過措置がなくなり、
新課程の内容を前提とした思考力を問われる問題もかなり増えるだろうと予想されます。
学問だけでは傾向が捉えきれない可能性もあるので、さまざまな勉強の仕方の工夫が必要になるかなと思われますね。
第3位、受験生の動向としては、引き続き安全策とチャレンジの二段構えが主流になるだろうということです。
そして年内入試、もう出願始まっていますが、それらの競争というのは激しいままでしょうし、
一方で共通テストを利用した閉岸戦略というのは、より広がってくる可能性はあると思います。
そして第一志望は強気に出していくという方向性が、おそらく維持されてくるんだろうなという気がしています。
2026年度入試も変化の多い厳しい戦いになりますが、変化を楽しめる人にはチャンスの広がる入試になるんじゃないかなというふうに思います。
受験生へのアドバイス
今回の配信はいかがだったでしょうか。
2025年春の一般選抜は、競争緩和ムードが少し変化したかなという結果になりました。
その背景には、共通テストの難易度に後押しされた受験生への強気な心理や、受験機会を増やしている大学側の生存戦略が絡んでますね。
2026年に受験を迎える皆さんは、今年の動向を参考にしつつも、来年は違うかもしれないという意識を持って、基礎固めを怠らず幅広い対策をするのが一番良いと思いますね。
何か楽して得して合格できる、都合の良い入試制度があると思ってそこにゼンフリーするみたいな受験生たまにいますけど、そんな都合の良い受験はないです。
自分にだけ都合が良いと思い込んで受験する受験には、大体多くの受験生が殺到していて、倍率も難易度もえぐいことになってます。
人が嫌がる科目数が多くて記述が多い大学の方が、結果的にちゃんと合格しやすいなんてよくある話です。
そもそも勉強するために大学に行くのですから、楽な方式を探すよりもしっかりと必要な勉強をしましょう。
あと今回の配信では触れられませんでしたが、実は今の入試は英語ができると相当有利です。
だから英検利用方式の受験において準一級以上英検を持っているとかなり有利になるケースも多くてみたいな話はまた今度別の機会にお話ししようと思います。
本日のポッドキャストの裏話は私のボイシーで6時半から配信されています。
今日の配信を聞いてくださった方は概要欄のリンクからぜひ続きをお聞きください。
ここまでお聞きくださりありがとうございました。
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次回の配信もお楽しみに。
では、また。
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