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デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。
この番組では、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ、私Kasaharaが教育にまつわる様々な話を配信していきます。
総合型選抜の増加
さて、今回は、近年の大学入試事情の第3回ということで、前回お話しした学校推薦型選抜に続いて、総合型選抜について詳しく話をしていきます。
前回も触れましたが、年内入試と言われる特別入試は大きく2つあって、学校推薦型選抜と総合型選抜があります。
前回は学校推薦型選抜の話をしましたので、今回は総合型選抜、いわゆる昔の英語を入試と呼ばれていたものに関して深掘りをしていきます。
実は、この総合型選抜こそが今の大学入試の変化を最も顕著に象徴している入試方式なんですよ。
志願者のデータを見ると、今年の春、2025年の国公立大学の総合型選抜の志願者の数は、前の年と比較すると116%、私立大学でも114%というような形で、毎年1割ぐらいずつ増えているようなイメージがありますね。
子どもの数が減っているのに、これだけ志願者が増えるという現象が起こっているわけです。
シリーズの第1回でも紹介しましたが、全体の志願者の数は、少子化で相当減少傾向にあります。
総合型選抜がこれだけ増えているということは、入試の在り方そのものが大きく変わっているということなんです。
東北大学が2050年までに、入学者選抜を100%総合型選抜にするという方針を打ち出したことも話題になりましたね。
そういうこともあって、総合型選抜は各所でかなり注目を集めているわけです。
さて、ここからが本題です。今回は、総合型選抜に関してその実態と準備の大変さ、そして最近増えている専門塾の話も含めて、現場の立場からいろいろ話をしていこうと思います。
なお、いつも通り、入試情報に関しては、必ずご自身の目で一時情報を確認するようにしていただければというふうに思います。
まず、総合型選抜とは何かというところからお話を始めましょう。
これは、前回話した学校推薦型選抜とは違って、原則として校長先生への推薦は不要です。
つまり、学校の成績だとか、学校での評価に関係なく、自分で出願できる入試方式です。
書類審査のところで学校の成績を見ている場合は多いんですけれども、
基本的には、面接、場合によってはプレゼンテーションや講義を体験してもらってレポートを書いて提出するなど、
いろいろな入所方式を取ることによって、受験生の個性や能力を多面的に評価する、それが総合型選抜の基本的な立て付けになっています。
以前は栄養入試、つまりアドミッションオフィス入試などと呼ばれていましたが、
2021年度の入試改革で総合型選抜という名称に変わりました。
でも、いまだに大学によっては栄養入試というような名前が残っている場合もありますし、
本質的なところに関しては大きくは変わっていないかなと思います。
ただ、学力評価の部分はちょっと変化していて、これについては後でお話ししようと思います。
志願者数の動向
そして、この総合型選抜の志願者数が本当に増えているんですよね。
冒頭でも触れましたが、直近のデータでは志願者総数自体は少子化の影響で減少しているにも関わらず、
総合型選抜の志願者は国公立大学・私立大学ともに伸び続けていて、志願者全体に占める割合も着実に上がっています。
そして驚くべきことに、大学入学者全体で見ると、
一般選抜よりも年内入試・総合型・推薦型選抜で入学する生徒の方が多くなっているのも事実なんです。
もうこうなってくると、特別選抜なんて名前ついてますが、特別ではなくなってきてるんじゃないかなと思いますね。
これが今の大学入試の大きな現実なんです。
一般選抜か特別選抜かの人数比というところは、学校によってだいぶ雰囲気は変わりますね。
自分の勤務校もまだ一般選抜の方が優勢ですし、おそらく自分の学校よりもちゃんとしている新学校は、もっと一般選抜の割合が高くなるはずです。
これは国公立大学の総合型選抜の割合がまだ私立ほど大きくないからっていうのが影響としては大きいですね。
ただ、自分の勤務校でもやはり年々総合型選抜の受験者の割合は増えています。
では、なぜこんなに総合型選抜が増えているのか、その背景にはいくつか要因があります。
まず一つ目は、総合型選抜に対する認知度の向上と心理的なハードルが世間的に下がったっていうことが大きいですね。
以前は募集の枠も大きくなかったということもあって、一部の得意なことのある生徒のものだった栄養ニュースが総合型選抜という名称になったタイミングの頃から、
国の方針としてもいろいろなニュースをしましょうというようなことに力が入れられたということもあって、比較的広がって、
周囲に栄養ニュース、総合型選抜の受験経験者が増えたということで、情報も得やすくなったという背景が大きいですね。
先輩たちの合格体験談がSNSで共有されたり、YouTubeでも対策動画みたいなのが公開されるようになって、
受験生や保護者が総合型選抜を現実的な選択肢として考えやすくなったということはありますね。
2つ目が、高校に探求学習が強調されるようになったことも大きいです。
総合的な探求の時間で、自分の興味関心を深めて探求をする、その経験がそのまま死亡理由書に書けるネタになったということが、総合型選抜を後押ししているところもあります。
逆に、総合型選抜に出したいから探求を頑張るという生徒も一定数いるんですよね。
個人的にはそれは探求なのかと思ったりもしますが、探求学習で培った自分なりのテーマを持つ生徒が増えて、
総合型選抜で自分の受験チャンスを増やしたいという生徒が増えたのは体感としてありますね。
3つ目は、大学側の様々な思惑はやっぱりありますね。
大学は多様な人材を確保したいというような積極的な採用方針というところもありますし、早めに定員を確保したいという比較的ネガティブに酔ったような思惑もあって、総合型選抜の人員を拡大しているみたいです。
年々総合型選抜の枠は手を変え品を変え増えてるなっていう印象がありますね。
ちなみに旧邸大や南韓の国公立大学では東北大、筑波大学、九州大学がもう2000年代の最初に栄養入手を導入した草分け的な存在です。
特に東北大学は今相当総合型選抜には力を入れていて、最初に話した通り2050年までに100%を総合型選抜にするという方針を言ってます。
東北大学はすでに入学者の3割を総合型選抜にしているということもあって、それは事ではないだろうなっていうのは感じさせられますね。
まあ2025年だとまだあと25年ありますので、どうなるかはわからないところですけどね。
入試制度の変化
今春の2025年度の入試でも新しい入試制度だとか試みがあって、毎年入試が変化しているなっていう実感があります。
特に私立大学はとにかく毎年動きが大きいですね。
ちなみに栄養入試、総合型選抜という観点だと、慶応義塾大学は最難関レベルの選抜をやっています。
めちゃくちゃ手間が生徒にもかかりますし、教員の負担もかなり多い入試なんですよ、慶応さんの入試って。
総合型選抜のイメージを持ちたいときには、まず慶応さんの度数要項を見ていただくと良いと思いますね。
さて、ここで多くの人が抱く疑問に答えたいと思います。
それは、総合型選抜は学力を軽視した楽な入試なのではというものです。
SNSだとそういう悪口よく目にしますよね。
でもこれは大きな誤解なんですよ。
文部科学省は2021年度の入試改革のタイミングで、全ての入所方式で学力評価をちゃんとやりなさいよという方針は出しています。
だから、総合型選抜でも必ず何かしらの形で学力を問うことが義務付けられてはいるんです。
この学力の意味がペーパーテスト偏差値という意味ではないです。
いわゆる知識技能、思考判断、表現、主体性の云々のところの学力の3要素と呼ばれるようなものなんですが、
ただ、知識技能の項目もちゃんと評価の項目に入ってくる以上は、ペーパーテスト的な学力も軽視はされていないということは注意した方が良いです。
具体的に知識技能の面の担保としては、出願要件として、英研だとか東フルだとかの英語資格試験のスコアを提出を求める大学ってすごい増えてるんですよね。
だから逆に言えば、総合型選抜や学校推薦型選抜のために英研の受験というのが空前のブームに今、こうこうってなってます。
英研を受験しないで大学行くのが難しいくらいの体感にはなってますね。
これもどこかで話そうと思いますが、なかなか英研の値上げの幅もえぐいことになっているのに、子供たちは受験しなければいけないというところは結構大変なんですよ。
学力保障の話に話を戻すと、国立大学協会も総合型選抜は一定の学力を担保した上で多面的な評価を活用するというような方針を出しているので、
国立大学では総合型選抜で、例えば学校の成績が4.0以上だとか、共通テストの点数を求めるみたいな基準を設けていることも多いです。
例外的に調査書も共通テストも不要なケースもいくつかありますが、かなり少数派ですね。その分かなり審査が厳しいです。
総合型選抜の理解
東北大学も栄養合格者には一般入試の合格者と同等以上の学力を求めて選抜していると明言していますし、
つまり栄養入試合格組が学力が低いというのはもう完全な偏見です。
むしろ総合型選抜の難しさは学力プラスアルファが求められるところにあります。
もちろん大学によって難易度や求められることはピンキリなので、一概に全てが全て難しいとは言えませんが、
ただ実際人気校における総合型選抜はかなり大変なレベルになっています。一般受験で入った方が確実に楽ですね。
まず死亡流症のレベルも非常に高いです。これが本当に大変なんです。
前回の学校推薦型選抜の話でもラブレターを書くようなものだと言いました。
でも総合型選抜に関しては学校の推薦、先生たちからの推薦文がない分、
より一層自分自身で自分のことをストーリーとして語らなければいけないんです。
最近は志願者が増えたことで選考も厳しくなってますね。
また生成AIのこともあって、大学の関係者に話を聞くと、
死亡流症はもう表面的なものでは絶対に通用しないで、
本当に自分で考え抜いた内容を自分の言葉で書いているかというのを厳しく見ているようにしているみたいな話は説明会だとかでよく言われますね。
単なる実績を盛るだけでは通用をもちろんしないです。
自己分析の深さというところや明確な将来のビジョンというのが必要となります。
高校時代の探求活動や課外活動で培った自分なりのテーマがあるかどうか、
これを死亡理由書や面接でちゃんと説得力を持って語れるかどうかというところがポイントになるわけです。
まあ一筋縄ではいかないですね。
大人が書類作成を手伝うのは前提として大学側も見ていますから、
ちゃんと自分の頭で考えているかというのは、面接などの審査で全部ちゃんと見抜かれます。
大学側も自分の大学とマッチングした学生を求める傾向を強めてますね。
一般選抜では見つけられない多様な採用を総合型選抜で確保したいというような意図は上位候ほど強く感じます。
だからなんとなくでは絶対に通用しないですね。
専門塾の役割
本当に自分が情熱を持って取り組んできたことがあるか、
それを大学でどう発展させて将来に役立てたいのかみたいな、
そういう見通しを明確に語れる必要がありますね。
前回も言いましたが、やはり大学院の因子に近いところが非常にあります。
そして人気の大学学部学科になると倍率も高いんですよ。
大学によっては10倍超えるようなこともありますからね。
志願者が増えているということは、
それだけ競争率が激しくなっているということも受験する際には忘れたくないことです。
こうした背景から、総合型選抜の対策を専門とする塾が今すごい実は増えてます。
首都圏を中心に様々な専門塾があるんですよ。
大手の予備校も面接指導や小論文講座を用意していますが、
総合型選抜の専門塾は、より手厚く専門的に面倒を見ますよというふうにアピールしている場合が多いです。
これらの塾のサービスの内容としては、
志望理由書や自己PR文の添削指導に加えて、
小論文、課題レポート対策、面接練習というような、
個別の試験でも問われるようなところをちゃんとフォローするようなパッケージングになってますね。
過去問演習へのフィードバックや出願書類のブラッシュアップというところは当然やってくれますし、
必要に応じて英語の資格試験のフォローまでやってくれるような塾もあるみたいです。
ただ、しかし、あんまり言いづらいことではあるんですが、
これらの塾の費用というのは正直言ってびっくりするぐらい高額です。
料金体系は全部で3つぐらいあって、
1つはコマ単位でのお支払いみたいな形ですね。
1コマ当たりいくらというような相場でだいたい2万円前後のところが多いですね。
なので、4回受けると8万円払うみたいなそんな感じです。
あとはパック制、コース制みたいなところもありますね。
志望校の合格までをトータルに面倒見ますよみたいな、
一括で最後まで面倒見るので料金もし払ってくださいみたいなタイプですね。
オンラインのある塾だと、書類から英語の対策、面接プレゼン対策までを含むフルサポートのコースで、
40万円みたいなところをちょっと見つけたりもしています。
月謝制だと普通の塾と同じように、毎月固定で額を押し払うみたいなことがあります。
ただ普通の学力の指導の塾よりも高くなっているケースが多いなっていう印象ですね。
場合によっては月謝で10万円超えるようなパターンも念にしています。
ある塾だと、高校3年生のこの時期から開校になって、
月4回の指導で月額が10万円を超えるようなケースを念にしたことも実は十分あります。
だから合格までの総額を見ていくと、80万円から100万円ぐらいになることもザラにあるみたいですね。
確かに費用は高額なんですが、受験生にとっては早期の合格によって入学金の二重支払いみたいなことを回避することができるので、
経済的にもうまくやると安くつく場合もあるみたいなんですよ。
実際総合型選抜で合格を勝ち取れば、一般入試に費やすはずだった時間も他の学びに当てられることがあるので、
お金を支払ってなんとかできるのであれば、それはそれとして一つの戦略だって考える場合もありますね。
一般入試とのバランス
でもこういう塾に関しては、私が現場で見ていて感じることとしては前回話した通り、
まずは学校の先生を捕まえていろいろと質問したおすべきだなということですね。
なぜかというと結局面接で聞かれるのは、あなたが高校生時代どういうことをやってきたのということが重いんですよ。
高校の先生はその生徒が日々どんな活動をしているのか、どんな成長をしたのかということをよく知っています。
だからこそ、そういう先生たちと議論を重ねながら自分の考えを深めていくことが、
実はやっぱり総合型選抜で聞かれることを深めるという意味では近道だろうと思っています。
大学側も塾で課外活動を上手に演出してくるということを何となく把握してきているために、
学校での授業での活動の深掘りをされるケースというのが結構このところ増えています。
先生と生徒が一緒に頭を突き合わせて、これはどういうこと?という議論をずっとやっていくことが合格の近道だというのは、
学校推薦型選抜と実は同じですね。
書類の準備、面接などの総合的な要素を考えると、近くにいる先生を使うというのがやっぱり一番合理的だなって思いますね。
もちろん塾が悪いと言っているわけではありません。
塾がある生徒も多いのが事実なので、それはそれでいいんじゃないかなと思います。
でも高額な費用をかけなくても、無料で相談できる学校の先生というリソースを使い倒してほしいんですよ。
学校推薦型選抜と同じで複数の先生を捕まえて、いろいろな観点からアドバイスをもらうということが、
やはり総合型選抜の本質である多面的な評価の対策にもなるだろうと思いますね。
あと最後にもう一つ大切なこととして、総合型選抜だけに欠けるというのは危険だということです。
総合型選抜って閉館で出願することもできるので、総合型選抜で大学行きたいなと考えている生徒は、
一般受験を始めから受けないみたいなパターンって結構あるんです。
ただ、不合格になる可能性の方が高いくらいの気持ちで、一般受験の準備も並行して進めておかないと結構危険かなって思いますね。
総合型選抜があるから一般入試の勉強はしなくていいみたいな考え方は本当に危険です。
2025年1月には、共通テスト前に半数の生徒が受験なしで合格しているみたいなニュースも報じられて話題になりましたけど、
ただこれって裏を返せば半数の生徒はまだ合格してないってことですよね。
SNS上では志望留書の書き方だとか、合格体験者の発信だとか、専門塾の講師による解説みたいなものがあって、情報が非常に溢れています。
受験生や保護者はそういう情報を見ると、受験をしないと自分だけ損しているみたいに感じる場合があるみたいなんですよね。
でも、情報に振り回されないことも大切です。
ネットの情報はいろいろありますし、成功体験は必ずしも自分に当てはまるとも限らないです。
自分の状況、自分の強み、やりたいことを見極めて、それに合った準備をするのが、大学に行くために一番の近道になるだろうと思っています。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
総合型選抜は今後ますます重要になる入試方式です。
東北大学の100%化というのは極端としても、多くの大学が総合型選抜の比重を増やしていくのは仕方ないところかなと思います。
でも、だからといって安易に飛びつくのは危険です。
しっかりした準備が必要ですし、何よりも自分が本当にやりたいことがないと、書類も面接も何も準備できないです。
総合型選抜の理解
総合型選抜は単なる1A入試ではなくて、いろいろな評価をされる、そして確かな学力が試される受験生の深い思考が求められる大変な入試方式なんです。
落誌で入れる入試というイメージは、一時期うまくいってなかった時期のものですね。過去のものです。
だからこそ、高校1年生から自分の興味関心を深めて、将来のビジョンを描いてきた生徒にとっては、大きなチャンスを広げてくれる入試として出てきたわけですね。
だからといって、総合型選抜があるから一般選抜の勉強はしなくていいみたいなことを高校生活でやっちゃうと、本当にニッツもサッチもいかなくなります。
一般入試の準備も並行して進めていく、そして高校生活なんでも頑張る、これがやっぱり現実的な戦略だろうなと思いますね。
本気で総合型選抜をやろうと思うと、3ヶ月ぐらいは一般受験の勉強って手が止まっちゃいます。
だから毎年、この10月頃から本当に夕方遅くまで、総合型選抜に達成とは頭を悩ませているなっていう、そういう様子を見ます。
自分と直面することになる入試制度ではあるので、いろいろ大変ですが、チャンスがあるなら活用してみるのも良いかもしれないです。
本日のポッドキャストの裏話は、私のボイスで6時半から配信されています。
今日の配信を聞いてくださった方は、概要欄のリンクからぜひ続きをお聞きください。
ここまでお聞きくださりありがとうございました。
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ではまた。