近年の大学入試の変化
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ。パーソナリティのKasaharaです。この番組では、Google for Education認定トレーナーとコーチの資格を持つ私、Kasaharaが、教育にまつわる様々な話を配信していきます。
さて、今回も前回に引き続き、近年の大学入試事情の第2回目ということで、この数年間の大学入試の実情を現場の立場からお話ししていきます。
前回も少し触れましたが、この数年の入試は、保護者世代の大学入試と比べて非常に大きく変化しています。
前回も紹介したように、子どもの数が激減しているということや、入試制度が複雑化し、そして早期化していることが大きなポイントです。
今回からは、この入試の複雑化の一因ともなっている、年内の特別入試のこと、つまりは学校推薦型選抜と総合型選抜についてお話をしていこうと思います。
この2つの入試制度については、難易度も必要になる準備も大学によって全然異なるので、全部をまとめて話すことは難しいです。
だから、かつての入試のイメージから大きく変化していることを取り上げて紹介していければと考えています。
多分、この年内入試の話だけでも語るべきことが山ほどあるので、まず今回は学校推薦型選抜の話を中心に紹介していきます。
学校推薦型選抜との違いで、総合型選抜のイメージも浮かまわる部分があるので、とりあえず今回は学校推薦型選抜を深掘りしていきます。
学校推薦型選抜には指定校型と工房型があって、なかなかこの辺りの話はセンシティブな話やライブなことがあるんですが、歯切れが悪くなったらいろいろとお察しいただければという感じです。
先週に引き続きにはなりますが、必ず入試情報はご自身で一時資料を確認してから行動するようによろしくお願いします。
さてここからが本題です。今回中心的に話していく学校推薦型選抜という大学入試の一つの選抜方法は何度か話していますが、指定校型と工房型の2種類あります。
2つの全く事情の異なるものが同じ名前で呼ばれているので、ちょっとややこしいですね。
指定校と工房と呼び分けることが多いですね。それぞれの入試方式の特徴について説明していくと、指定校型は大学から各高校に人数枠が与えられ、その枠内の人数の生徒が学校長の推薦を受けて受験することになります。
で受験するとほぼ確実に合格するという仕組みです。 指定校型の入試はほとんど私立大学で行われている入試制度です。
国公立大学については公立大学の一部に指定校推薦制度がある程度で、ほぼ存在しないと考えて良いです。
安全志向が強まっている世の中の流れもあって、生徒や保護者に指定校推薦を考えているケースが非常に多くなってきているわけです。
指定校推薦で受験をすると出願と試験がだいたい11月中になり、合格発表が12月1日以降なので、年内で入試にほぼ決着がつくというような、そういうスケジュールなので精神的にもかなり楽です。
時間的な余裕を持てるので、私立大学への進学ができる経済力があるということや、自分の志望する学問系統の枠があるならば選択肢としてはかなり魅力的なんですよね。
指定校推薦で早めに進路を決めてしまえば、一人暮らしをするような場合であれば、物件探しなども余裕を持ってできますし、進学する学問系統に合わせた勉強、例えば、統一区だとかの受験の準備をしたりと、自由に自分のために時間を使うというケースがやっぱり生徒には多いみたいですね。
指定校推薦は各大学から高校に向けて枠が来るというものであるので、自分の所属している高校に自分の行きたい大学、行きたい学部学科の枠がなければ、そもそも出願ができません。
また、例えば学校に来た枠が1名で、校内の希望者が2名以上いた場合は、校内選考がもちろん行われます。
校内選考に通らない場合は出願すらできないというわけです。 指定校推薦については、主に学校の成績で出願できるかどうかが、つまりは学校長推薦が得られるかどうかが決まります。
そのため、最近は指定校推薦を考えているご家庭は、1年の頃からしっかりと勉強も学校生活も取り組むというような、そういう動きになってますし、
担任の先生に指定校が欲しいですみたいなことを宣言される場合も増えてますね。 校内選考の基準などは、それぞれの高校によってまちまちですし、何を基準に決めているかということは、絶対に主比義務があるので話すことはできないのですが、
一つ言えることとしては、誰かの個人の意向で決めるということは絶対にできない仕組みになってます。 必ず複数名以上の目で客観的に生徒を評価して決める場合がほとんどですから、あまり卑屈にならないで、のびのびと高校生活は先生の目を気にせずに楽しく過ごしてもらえば良いんじゃないかなというふうに思いますね。
ちなみに指定校推薦については、医学部医学科からも来る場合がありますが、 基本的に医学部医学科だけはしっかりとした学力試験です。
学校長推薦があっても、当日の試験でかなり高い水準の学力がなければ合格は出ません。 医学部なのでしょうがないかなっていうところです。
また、医学部医学科以外の指定校推薦に関しても、合格の確約ではないという点は注意が必要です。 ほぼほぼ高い確率で合格は出ますが、やはり数年に一度不合格が出るようなケースは聞いてます。
指定校推薦での応募の状況だとか、本人の当日のパフォーマンスが著しく低い場合は不合格がしっかり出る大学もあるので、校内選考で出願許可をもらってもしっかりとその後、
工房型推薦の挑戦
担任の先生や学校の先生と準備をして、当日にミスがないような形で迎えられるような準備は必ず必要ですね。
さて、次の公募型推薦ですが、これは学校長の推薦、つまり学校の成績に加えて、課外活動の実績や志望系統の学問への理解や共通テストの学力なども求められるような、そういう複雑なものになっています。
多面的と言った方がいいですかね。 公募型の推薦入試を、高校入試の推薦入試と同じイメージを持っているご家庭は少なくないのですが、
その考え方は大学入試の公募推薦の場合、かなり危険です。 大学によって公募型推薦の難易度や準備の手間だとかは、天と地ほどの差があるので、一概にどういうものだというのは難しいのですが、
例えば国公立大学の公募推薦は、東大や京都大なども公募推薦やってますけれども、
さすがに旧定代レベルとなると、出願資格からして、例えば英研準一級以上だったり、全国国際的な学会コンテストでの入賞があったりと、普通の学校生活を送っているだけだと、なかなか手が出ないようなケースもありますね。
そして準備する書類についても、まるで大学院の飲酒を受けるような準備が必要です。 これは次回解説するつもりの総合型選抜でも事情はほぼ同じですね。
自分が大学院飲酒を受けているので、まあ書類がどういう形かって覚えてますけれども、それによく似てるなぁなんてことは思ったりしますね。
簡単に言えば、大相撲の心電子検査みたいなところがあって、必要最低限の学力保障の資料と、あとはその大学学部、もっと言えば研究室レベルで相性がよくやっていけるかどうかみたいな、そういうチェックをしているところがあります。
だから最近の受験指導、特に推薦入試についての志望留書作成だとかをインターネットで検索してもらうと、何とか研究室の何とか先生のところで何とかをやりたいみたいな書き方を推奨するテンプレートみたいなのが山ほど出てきます。
まあそういう入試になっている面があるんだなと見てもらえればいいんですが、ただ志望留書作成を毎年何十人も見ているとわかるんですけど、ネットの手本通り書いていたら確実に個性がなくなって、相手に興味を持ってもらえる確率の低い書類にはなりますね。
やりたいことや語りたいことがないのに、先にテンプレートがあるとテンプレート通りに書けているからオッケーだろうみたいな感じになっていて、あんまり良くないなって思っています。
あまり書類の書き方の具体的なことについては公の場で語るのははばからえるので、細かいことは言いませんが、イメージとしてはラブレター書くのと話は似てるんですよ。
まあ自分はラブレーター書いたことないですけど、相手のことをちゃんと理解しているということ、他の人よりもあなたが特別だって深掘りできているということを伝えつつ、自分がどんな人間でどんなに信頼に値する実績があって、どんなことがこれからできそうなのかという展望を丁寧に説明できるということが絶対に必要なんですよ。
表面的に何とか研究室で○○学やりたいですみたいなことを書いたら、それってあなたの着ている服が好きだとか、あなたの持っているバッグが良いものだから好きみたいな、そんなラブレーター書いているのと同じなんですよね。
基本的に恋愛にコスパを持ち込む人っていないですよね。工房型推薦についてもコスパで論じるならばめちゃめちゃ時間を取られる上にリスクが高いので、一般受験の準備をした方がわかりやすく、指標がある分だけやりやすくてコスパがいいですよって話になっちゃいます。
だからやりたいことがあって、そのやりたいことを研究者というプロに本当に話を聞いてもらいたい、自分の考えを聞いてもらってフィードバックが欲しい、たとえ不合格になったとしても自分の考えに研究者からコメントをもらえることに価値があるみたいな話を聞いてもらえると嬉しいくらいな前のめりなメンタリティでないと受験の前後で結構大変な思いをするんじゃないかなと思います。
とはいえ、今は工房型推薦の枠が増えているので、今話したような、ある意味で例外的な高校生離れした生徒のためだけの入試というわけでもなくなっては来てますね。
保護者世代の大学受験の時代にも、実は工房型の推薦試験というのはごくごく小さい枠があったんですが、ただ今はその枠が1割は優位に超えてくるぐらいにはなっているので無視できないくらいの一般的な入試形態にはなっては来てるんです。
だから生徒も保護者もチャンスがあるならば受験してみたいという人はいるのですが、さっき言った通り求められることのレベルが大学院の院士のようなところがあるので、かなりちゃんと自分のやりたいことを突き詰めて自分の大学生活を語れないと厳しいんですよ。
ここの意識のギャップをどうやって埋めていくのかということも、学校現場には結構頭の痛い問題ですね。
実は教員館でも受ければワンチャン受かるんじゃないみたいな軽いノリで生徒に話してしまう人もいるんですが、個人的には先に話した通り宝くじを買うようなノリで出願しない方が良いと思っています。
この放送を高校の先生が聞いていたとしたら、絶対に甘いワンチャンあるみたいな進め方を生徒にはしてほしくないなって思います。
工房型推薦と学校の相談
工房型推薦については、大学入学共通テストを課すというような場合もあり、いくら志望系統とマッチングしていたとしても共通テストで何割か点数取れないと不合格みたいなことってあります。
意外とそのハードルというのが学力的に低くない場合があって、ペーパーテストの点数をきっちりと試してくるケースもあるので注意は必要です。
ちなみに学校のカリキュラムによって、例えば理数科、スーパーサイエンスハイスクールみたいな学校は特定の学問領域をやっている大学と相性が良くて、毎年毎年合格者が相当出ているみたいなこともあります。
そういう場合に関しては、学校の先生が事情をよく知っているので、先生とよく相談して戦略を立ててみると本当にチャンスがあって良い方法かなって思いますね。
なお、工房型推薦については、大学学部によっては学校ごとの出願数に上限を定めているケースがあります。
例えば東大の推薦入試は、学校で4名かつ男女それぞれ上限3名というようなルールがあります。
自分勝手に出願はできないので、よく学校の先生と相談しておかなければいけないことなので、早め早めに準備してもらうのがいいかなと思いますね。
最近、こういう工房型推薦や総合型選抜の対策の塾も増えています。
それは結構な学の費用がかかるんですが、それはもう各自の商売なので、自分がそれに対して何か言うことはできませんが、
もしこの放送を聞いている生徒保護者の方がいるならば、塾に頼る前に、高額な費用を払う前に、一度学校の先生を複数人捕まえて、質問したおして、どこまで対応してくれるかを確かめてからのほうがいいかなと思います。
結局、面接の時に使うことになる推薦書なども、学校の先生が書くことになるので、生徒の志望理由について一緒に毎日顔を合わせて考えている人じゃないと、かなり難しいんじゃないかなというふうに思います。
先生と生徒が一緒に頭を突き合わせて、これはどういうこと?って議論を白く受注するようなことが合格に近づく一歩だと思います。
書類を見てくれるだけのところにお願いするのは、やや準備不足になっちゃうかなという気はします。
書類の準備、面接などの総合的な要素を考えると、自分のことを3年間見てくれている学校の先生をぜひ信頼して、そういう先生に対策してもらうのが一番いいんだろうなと思います。
大学入試の安全志向
今回の配信はいかがだったでしょうか? 生徒保護者の安全志向の強さがかなり近年は強くなっていて、実は高校入試の段階で、高校の持っている指定校推薦の枠の数についての問い合わせが増えてるなっていう印象があります。
有名大学に行ける指定校の枠が大きければ、その高校は人気になりやすいですし、偏差的に難しくても、
指定校推薦をあまり使わない学校だと敬遠されたり、みたいな動きはちょっと見えますね。
高校入試をする前に大学入試の心配をするというのも、自分の感覚としては、高校で頑張って自分の可能性を広げてくれたらその方が嬉しいなと思うので、少しもったいないなぁとは思うものの、
それだけ今の大学入試事情が安全志向に向かって動いているということの一つの証拠だと思ってもらえればと思います。
指定校推薦にしても、工房型推薦にしても、基本的に高校1年生からのいろいろな記録が影響を与えるので、本当に高校1年生から長期的な視点で頑張ってきた生徒しか参加できない入試ではあります。
だからこそ、入試の本質や実情についてしっかり理解を深めて、悔いのない受験をしてほしいですね。
どうしても書類の準備が辛いので、出願したら自分が合格できてしまうような錯覚になるんです。
工房型推薦は倍率がついて、不合格者の方が多い場合もケースとしては多いですから、楽観して受験しないように周りの大人は慎重にアドバイスしてあげることが大切になります。
特別入試は自分自身のことを学力ではなく人格のようなものを評価されるので、合否の感情の浮き沈みは大きいので、大人のサポートは絶対に必要です。
しっかりと大人が支えていきましょう。 本日のポッドキャストの裏話は私のボイスで6時半から配信されています。
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