大学入試シリーズの振り返り
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。 この番組では、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ、私Kasaharaが教育にまつわる様々な話を配信していきます。
さて、今回で大学入試シリーズは最終回となります。 全5回にわたり、近年の大学入試事情を現場の視点から深掘りしてきました。
リスナーのあなたも、情報量の多さにきっと驚かれたのではないでしょうか。 現場の教員であっても、ニュース全体を理解する人はそれほど多くないですね。
実際問題、受験学年を持っているか進路指導部に所属しているかしていないと、入試情報に触れることがなくて、全然1年ごとに変わってしまうことも多くて、理解していくのが難しいんですよ。
そして、高校3年生の担任になって、その時に急に調べ出しても間に合わないような情報量なんです。
少子化、入試の早期化、複雑化、そして工学化。 この10年間で入試の景色はすっかり変わってしまいました。
いや、10年と言わず、実際には3年刻みぐらいで色々と変わっている感じがあります。
多分、今回の配信で話していることは、来年の入試には半分ぐらい変わってしまっているような気がします。
今回のシリーズではあまり触れられなかったのですが、今は少子化に伴って学部の階層・新設が増えているので、制度の変更はかなりあるので難しいところです。
今回で大学ニュースシリーズをお話しするのは、一段落つけようかなというふうに思っています。
ぜひ最後までお聞きいただければというふうに思います。 さて、ここからが問題です。
今回の配信については、今までお話ししたことをざっと振り返って話をしていこうと思います。
まず、シリーズを通じてお話しした最も大きな変更の一つが、入試の主役が変わったということです。
今は選ばなければ全員がどこかの大学に入れる前入時代と呼ばれています。 受験人口は保護者の世代の半分ほどまで減っていますね。
しかし実態としては有名大学とそれ以外の大学での二極化が進んでいて、人気の大学では倍率は高止まりしているというのが現実です。
一方でなかなかもう大学が潰れるという時代が来ている、大学を閉じていく時代が来ているというようなそういう厳しい現実もあるわけです。
そして大学入試全体の入学者数で見ると、年明けに行われる一般選抜よりも年内に、ちょうど今の時期ですね、行われる特別選抜、
つまり総合型選抜や学校推薦型選抜で入学する生徒の方が数としては多くなっています。
大学入学者の約6割ぐらいが特別入試組、もはや一般選抜の方が入学者の割合としてはマイノリティになりつつあります。
まあとはいえ受験者数はまだ一般受験の方が延べ数としては多いですし、変化している時期というのが過渡期というのが適切なのかもしれないですね。
こういう年内特別入試に人気が詰まっているもう一つの理由としては、一般選抜の投入門である共通テストの変更というのが大きいですね。
かつてのセンター試験とは違い、例えば情報一が加わって科目数が相当増えていて試験時間もかなり遅くまで引っ張ることになっている影響で、
受験の負担が増えて問題も知識だけではなくてその場で試行させる新傾向問題が多くなっていて難易度が確実に上がっています。
対策も以前と違って過去問を解いていければできるようになるという感じでもないので非常に対策ややこしいんですよ。
しかも私立を中心に受ける生徒にとっては私立大学の問題とは傾向が全くどの教科も違うので、共通テストの対策をやっている時間がもったいないみたいな話になっちゃうわけです。
2025年入試では新生徒の入試初年度ということもあって、共通テストの平均点が大方の予想通りかなり高かったんですよ。
だから結果的に多くの受験生に自分もいけるかもしれないというチャレンジ思考を後押しすることになり、首都圏や近畿圏の大学の志願者が増えるということにつながっていました。
特に私立大学の共通テスト併用型の入試がかなり人数増やしたということもあり、受験機会の多い入試方式というのにかなり注目が集まる感じになってますね。
割と注目しておいて良いこととしては、共通テストの点数のみで合比が決まる共通テスト型の入試方式はそれほど今年割合としては増えなかったんですよ。
まあ、共通テスト単独型は共通テスト前に出願になってしまうので平均点の影響はあまり受けないですし、
おそらくこの数年に共通テスト単独型は倍率がちょっと高くなりすぎているということもあるので、
妥当なレベルのところに必要なだけ出願するというような形に受験生の方も手堅くなってきたのかもしれないですね。
特別選抜が過半数を占める今、一般入試の勉強をしなくてもいいとか、楽に入れる入試があるというような誤解も広まっているようですが、
これはもう間違いなく勘違いなので早くやめた方がいいですね。
面接と選抜方法の重要性
これもシリーズの中で何回かお話したことで、もう少しちゃんと世間の認識としても共有されたいなって思ってるところです。
例えば学校推薦型選抜は指定高型なら年内合格というようなメリットは確かにありますが、
ただその選考って実質的には高校1年生からの学校の成績や活動のすべてが関わってきているので、
相当長期的な努力することになるんですよね。決して楽じゃないと思いますよ。
公募型や総合型選抜については、もはや大学院入試のレベルのような深い自己分析や明確な将来の学習計画というのが求められているように思います。
教員の仕事としても総合型選抜や学校推薦型選抜に寄り添うことって相当きついですよ。
これ多分本気で難関の特別選抜のフォローをしようと思ったら、1ヶ月以上それ以上に時間かかると思いますね。時間を持ってかれます。
メンタル的に不安定な生徒を受験の最後まで完走させるためには、相当に覚悟を持ってこちらも取り組まなければ厳しいだろうと思います。
志望留書についてもパンフレットを引き写したような表面的な内容では全然お話にならないで、放送の中ではラブレターを書くようにと例えましたが、
つまり大学を深く理解し、学問について詳しくなって自分の情熱をちゃんと伝えるみたいなことが必要です。
誰かに書いてもらったら?みたいな議論がありますけど、それこそ今、生成AIの時代なので、AI使えばちょっとした深いことを言ってるようなものはすぐ書けますけど、面接がありますからね。
どんなに面接練習をしても、自分の言葉を使って書いてない書類に関しては、面接すると割とすぐ分かります。
自分でものを考えないで書いたものは揺さぶりに非常に弱くて、全然面接で受け答えができなくなるんです。
逆に自分で一生懸命考えて書いたものであっても、面接練習が甘いと揺さぶられると答えられなくなっちゃうんですよ。
そうすると本当にこの子の言葉じゃないんじゃないの?みたいなふうな疑いが出てきてしまって合皮が厳しいんですよね。
だから面接練習も通り一遍とで終わらないという意味でも相当大変です。
書いた言葉を自分の言葉に落ち着かせて話せるようになるって結構手間と時間かかるんですね。
この身体感覚の難しさっていうところは、やった人しかわからないところですね。
それに学力もかなりちゃんといろいろな形で見られてますよ。
だから言うほど学校の勉強だとかこれまでの学力が否定される、軽く見られるというわけでは全然ないんですね。
特に総合型選抜では文部科学省の方針で学力の、もちろんこれ学力の3要素の意味の学力ですが、その多面的な評価というのが義務付けられていますし、
結果的に学力の3要素といってもわかりやすい知識技能に偏ってくるので、
英研や東フルだとか外部試験の提出を求められるケースだとかが増えてるんですね。
これは学力を担保した上で多面的評価をというような国立大学協会の方針ともやはり共一にしているところがあるので、今後もなくなることはないだろうなって思います。
それに、そもそも総合型選抜だと人気の大学では倍率が10倍超えることも平気であって、
安易に学力不満の一芸入試みたいな過去のイメージに飛びついてしまうのはとっても危険です。
だから不合格になる可能性が高いくらいの気持ちで、一般受験の準備を並行して進められるような、
そういう現実的な戦略を取れないと、総合型選抜にフルベッドするというのは相当危ないと思いますね。
そして総合型選抜というと、どうしてもその対策を専門とする塾が増えているという話題を避けることができないんです。
合格まで総額100万円ぐらい達することがありますよという紹介もしましたね。
企業は高額ですが、合格を保証するものでは決してないです、現状としては。
それが本当に対策になっているかどうかも誰もまだ証明できていない、論ずられていないところであるので、
それでも下者はかなり余額というものなので、なかなか大変な世界があるなっていう感じです。
特別選抜の対策を考える時には、今の状況であれば、あんまり安易に塾に課金すればどうにかなるとは思わない方がいいだろうなって思いますね。
現場の教員として強くお伝えしたいこととしては、とにかくまずは学校の先生使ってくださいということですね。
面接で聞かれるのは、高校生活でどんなことをやってきたかということは、
今、どうしても対策塾があるということを大学の先生も理解しているので、
学校生活で本当の姿を見せているその姿を聞きたいみたいな面接になりつつあるんですよ。
入試制度と経済格差
その答えは、生徒のことを一番よく知っている学校の先生との議論の中で見つかるはずなので、
ぜひ議論な先生から厳しいツッコミを受けて面接練習はしてほしいなって思うところです。
高額な費用を払う前に、身近にいる最高の無料リソースである先生というのを使い倒してください。
そして高額な費用負担という話では、このニュースシリーズの番外編最後として、英検の検定料口頭問題についても取り上げましたね。
これは単なる値上げの話だけではなく、今の入試制度が教育格差に、経済格差が教育格差に直結しかねないという深刻な問題だと自分は思っています。
2015年から2025年の10年間で、英検準2級や2級の受験料がほぼ2倍近く跳ね上がっていますし、
さっきの総合型選抜の塾の学費の話もそうですけど、いろいろな面で課金ができる経済力があるということで、影響が生まれてるんじゃないかなという感じはいられないんですよ。
特にとにかく英検は、大学入試で英検が出願要件や得点換算といった形で、目で見える形で優遇されている以上、無視できないものになっています。
だからこそ費用負担の壁がすごい重いんです。 英検は受けたい人が受けて、自分をプラスアルファで評価してもらうという試験だったものから、受けないともう確実に不利になる試験へと演出してしまっていることをちゃんと理解して、今の入試を考えた方が良いと思います。
合格した方が望ましいし、何回も受験した方が合格率を高められるのに、高額な受験料が兄弟がいる家庭や経済力に余裕のない家庭にとって致命的な負担となってますね。
確実に受験できる機会に差を生んでいるという現実があるわけです。 今回の入試シリーズに関して言うと、裏テーマは実は入試と金の話です。
金で勉強できることが差がつかないような、そういう社会になってほしいなと自分は思っているので、あえてあまり綺麗な話ではない金の話をちょっと突っ込んでるんですね。
結構ヤブヘビなところはあるかなって思ってます。 リスナーのあなたはどう思いますか?
ぜひ、入試と金のことには注目して今後もいろいろなニュースを見てほしいなというふうに思っています。
前5回にわたる大学入試シリーズの振り返り配信いかがだったでしょうか? 今の大学入試は昔と比べて格段に複雑になり、保護者世代の経験や常識が通用しない世界になっています。
しかし一方で、早期から目的意識を持って取り組んだ生徒には特別入試というような大きなチャンスが複数待っている、そんな時代でもあります。
この激動の時代を乗り切るために、最後にリスナーのあなたに伝えたい3つの行動指針をお話しします。
1つ目が一時情報を必ず確認するということです。 YouTube だとかネットの情報は本当玉石奔放です。
毎年の変化が大きいんですよ。必ず直近の入試要項などの一時情報を自分の目で確認して行動するようにしてください。
過去の成功者の話題ほど当てにならないものはない時代です。 2つ目が一般選抜の準備をしっかりするということですね。
特別選抜の枠は広がっていますが、それに前振りするにはちょっとハイリスクです。 不合格になった時に備え、一般選抜の基礎固めはちゃんと並行して行いましょう。
結局特別選抜も学力がちゃんと応えてくれるのでコツコツと勉強することは無駄には絶対にならないです。
3つ目が学校の先生を相談相手としてうまく使ってくれということですね。 高額な塾に頼らなくても先生たちは必ず力になってくれます。
自分を頼ってくれる生徒を裏切るほど無神経な人は先生になってならないですから。
以上の3つをぜひ思い出して有志に対して挑戦していってみてください。 本日のポッドキャストの裏話は私のボイスいて6時半から配信されています。
今日の配信を聞いてくださった方は番組欄の概要欄からぜひ続きをお聞きください。 ここまで聞いてくださりありがとうございました。
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