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2025-09-15 18:10

#060 近年の大学入試事情その1

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第60回配信!

今回は、そろそろ始まる大学入試シーズンに向けて、今の入試制度について説明をしてみました。
今週から何回かにわたって、現在の入試がどのようなことになっているかということを紹介していきます。

【Voicyのアフタートークはこちらから】
077 大学入試の情報にご用心
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サマリー

近年の大学入試は少子化の影響を受け、全入時代に突入しています。大学受験の現状や新たな入試制度、特に大学入学共通テストの変更について解説し、教育の未来への危機感が共有されています。最近の大学入試事情では、総合型選抜や指定校推薦といった多様な選抜方式が注目されています。特に、年内の特別入試の増加が一般選抜の受験者数の減少に影響を及ぼしています。

00:01
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。
この番組では、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、教育にまつわる様々な話をしていきます。
9月が始まって、なかなか学校が新しいです。
9月というと、総合型選抜の入試の解禁日となっており、大学入試がいよいよ本格的に動き出す時期です。
自分の勤務校もその例に漏れず、総合型選抜の出願に向けて生徒が躍起になっているそんな時期です。
また、指定校推薦と呼ばれる入試の校内選考なども始まる時期であるので、多くの生徒がかなりそわそわと過ごしています。
今の大学入試は、だいたい2020年以降、大きくイメージが変わっています。
おそらく、教育に携わっている方でも、高校の現場か塾などで高校生の大学受験を指導したことがある人でなければ、どれだけ大きく変わっているのかイメージが持てないと思います。
ニュースなどで、いろいろな違いの話は流れてきます。
ただ、そういう大きな変更に対して割と煽り散らかした記事だとかも増えているので、なかなか正確な状況というのは共有されていないなと感じています。
今回からの配信では、自分が保護社会で話すような大学入試の今の状況をざっくりとお伝えしようと思います。
世の中の大学入試におけるいろいろな記事や言説が、結構入試の今の実態とずれていることもあるので、そういう勘違いされやすい点についても情報共有してみようと思います。
1回では話し切れないので、今回から何回かに分けて全体の外境とそれぞれの入試の状況についてお話ししようと思います。
ただ、あくまで正しい情報はぜひご自身で一時資料を見て調べるようにしてみてください。
さて、ここからが本題です。
少子化と大学入試の現状
まず、大学入試を語る上で外せないことが何かというと、少子化です。
すでに大学定員に対して受験生の数の方が少ないという、いわゆる全入時代に入っています。
つまり、選ばなければ全員がどこかの大学には入学できるというような、そういう状況になっているんですね。
受験人口の数が今の保護者世代、この世代がだいたい受験人口のピークですが、そこに比べると5割強ぐらいの人数しかいないので、必然的に全体の入試倍率は下がっているわけです。
ただ実態は、人の数が減ったとはいえ、人気のある有名大学と、そうではない大学とに二極化しているというのが実態ですね。
あらゆる入試制度を使って必死に学生を集めても、それでも定員を埋められない大学と、高倍率で多くの受験生を集めて選び放題している大学とに分かれます。
いわゆるGマーチと呼ばれる大学以上の高偏差地帯の大学については、今でもかなり倍率は高いですね。
逆に言えば、今の受験人口の状況だと、いわゆる日東駒仙レベルであっても、東洋はちょっと例外ですけど、
募集に苦労し始めている大学はちらほらと乱れ、学力試験から年内の特別入試に軸足を変えているところも見かけるところです。
これはちょっと本論の入試の話からずれますけど、これだけ大学に行く高校生の数が減っているってことは、日本の今後を想像するとかなり恐ろしいことですよね、これ。
大学生がいないということは、その先に就職する人もいないということですから、高等教育を受けて社会で働く人の数が減るって確実に社会にダメージを与えていきますよね。
そしてさらに言うならば、今の受験生たちの生まれた頃には年間100万人ぐらいの子供が生まれていたんですが、最新の2024年度については68万人しか生まれてないんですよ。
30万人の人口が消えているわけです。
大学の進学率が今の水準のだいたい5割というので推移したとしても、受験人口は今の50万人くらいからゆくゆくは25万人ぐらい、20万人ぐらいまで減っちゃうわけですよね。
だから今の大学のこの数で運営していけるわけが絶対にないんですよ。
もちろんそれは大学より手前の小中高校も事情は同じで、地域から学校が消える日が来るというのが10年以内にリアルに起こるというわけです。
本気で教育をどうするのかを考えておかないと、ある日突然に社会が止まるみたいなことが起こっちゃうわけです、これ。
この推移を見ていると、教育に携わる立場としては、今まで通りの自分が教えてきたことを繰り返し教えるっていう教育だと、絶対に無理だなぁなんてことは思ったりもします。
さて、話を大学入試の話に戻します。
大学入学共通テストの現状
大学入試というと、まず多くの方が東流門的にイメージするのが1月の大学入試センター試験。
今は大学入学共通テストと名前を変えていますが、この試験をイメージする方は多いのではないでしょうか。
毎年ニュースになってますよね。
実際に今でも受験生の大多数は大学入学共通テストを受験します。
特に国公立大学受験であれば今でも必須ですし、私立大学でもかなり多くの大学が共通テスト併用型の入試をしているので、
大学受験をする時には受けておいた方が色々と便利という実態があります。
ただ、この大学入学共通テストは保護者世代が受験してきたセンター試験とはかなり試験としてはもう別のものになっています。
特に受験の負担感という意味では、全くルールが変わってしまった、別の試験になってしまったということを知っておいた方が良いです。
まず、科目構成がとても複雑です。
今の学習指導要領に対応した形での試験科目になっていますが、相当面倒なことになっています。
センター試験の時代であれば、2020年代に入るまでは文系だろうと理系だろうとそこまで大きな違いがあったわけではないんです。
でも今は科目の組み合わせが相当面倒になっています。
特に理科と社会は選択を間違えると大学の出願資格さえ失うのに、科目数が多い上に選び方が難しいんです。
また、これはニュースで話題になっているので知っている方も多いと思いますが、新しく情報という科目が追加されています。
だから標準的な国公立を受験する生徒の場合、6教科8科目受験になるんです。
そんなわけで、多くの受験生が2日間の受験で2日目の18時過ぎまで試験に拘束されるというかなりの負担が強いられる状況なんです。
そして試験の難易度についてもセンター試験とは全く話が違います。
自分なんかが受験生だった頃は、それこそセンター試験の勉強をしなくても国公立の二次試験の勉強をしていれば、
別に学校の定期テストを受けるような感覚でそこそこの点数は取れましたけれども、今の共通テストはそうはなっていません。
大学入試センター自体が共通テストの目標平均点をセンター時代の6割から5割に下げるという方針を出していますから、
そもそも入試の難易度が違いますし、共通テストは今の学習指導要領の内容が反映されていて、
いわゆる新傾向と呼ばれるような大量の資料や文章を処理するというような問題が出てきます。
ただ知識を暗記していたり問題演習を多くやっていたりすれば対応できるようなそんな問題ではないんですね。
その場の思考力で、読解力で解かなければいけないみたいな問題が相当手強いわけです。
細かい話はしませんが、とにかくひたすらにもう読まなければいけない、処理しなければいけない文章や資料の量が多いです。
だから本当に粘り強く勉強してきていないと、試験の途中で気持ちが切れちゃうんですよ、実際。
共通テスト対策がややこしくなって、全体的に生徒の受験勉強が圧迫されている感じがありますね。
そういうこともあって、私立を第一志望にする生徒がだんだんと共通テストを受けなくなってきている傾向もあります。
ただ一般的な学校の指導としては、共通テストを出願させておくみたいなことはセオリーとしてあるので、
去年までは少なくなったとはいえ、コロナの影響を除けば、そこまで大きな減少にはなってなかったんです。
しかし今年からちょっと状況変わる可能性、これあるんですね。
というのも、大学入学共通テストの出願がオンライン申し込みに今年からなるんです。
今までのセンター試験、大学入学共通テストは、現役制であれば学校の先生が一括で学校ごとに申し込むというような出願方式をしていたのですが、
それのおかげである種の強制力がかかりやすかった面はあるんですが、
今年から共通テストはオンラインでの出願になるので、学校が関与できる余地がほとんどなくなったんですね。
おそらく指導としては出願しなさいということを繰り返し話すことになるとは思いますが、
現物を目の前で扱わない以上、おそらく例年以上に出願をしないという生徒が増える気がします。
学校の教員が出願状況を確かめる方法はありますが、各課程でとなれば一定数は出願しないと思いますね。
これは私立が第一志望だから共通テストがコスパが悪いという話だけではなくて、
私立大学の受験の5割以上が年内入試に軸足をシフトしているということもあります。
年内入試と特別入試の変化
ここで今の入試制度について説明しておくと、今の大学入試の種類というのは全部で3つあります。
いわゆる年明けに行われる各大学に受験しに行く学力試験は一般選抜と呼ばれるものであり、
出題傾向の違いや英語外部検定試験の利用だとか、そういう細かいところでの変化はありますが、
この試験に関しては大人世代からそこまで大きく変わっているものではありません。
しかし残りのあと2つ、いわゆる年内入試や特別入試と呼ばれるものの事情が大きく変わっているんです。
1つが総合型選抜で、学力試験のみならず様々な面から評価する入試をしましょうでという試験です。
昔の英語入試に当たるもので、試験内容としては大学によって相当幅広くいろいろなことをやっています。
だから本気で受験しようと思ったら事前のリサーチが非常に大切になります。
9月以降に出願が解禁されて、11月以降に合格発表がされます。
もう1つの方法が学校推薦型選抜と呼ばれるものです。
総合型選抜との違いとしては、必ず学校長からの推薦が必要で、推薦書を学校の先生から発行してもらわなければいけない入試というものになります。
これには2種類の階分類があって、1つが公募型と呼ばれるものですね。
大学入試の選抜方式
これは推薦書がある以来は、総合型選抜とほぼ似ているようなものですね。
総合型選抜ではなく、公募型の学校推薦入試をする大学に関しては、基礎学力を重視するようなイメージがありますね。
もう1つが、これが生徒や保護者がかなり気にして話題にしている指定校推薦と呼ばれるものです。
指定校推薦は、各大学から特定の高校に学部学科ごとに何人かの枠をくれるんですよ。
その枠の中であれば、基本的に高校から推薦されて受験してくれた生徒は、一部の例外を除いてほぼ確実に合格させますよという、そういう入試になっています。
指定校推薦も試験は一応ありますが、面接や小論文がほとんどですし、白紙で出すとか、何か極端な失敗をするということがなければ、それらの試験もほとんど形式的なもので、しっかりと合格できるような試験になっています。
ほぼ安心して受験できるものなので、とにかく安心安全に受験したいという保護者や生徒は、何が何でも指定校推薦が欲しいというケースはありますね。
ちなみに医学部の指定校推薦というものもありますが、医学部医学科の場合に関しては、この限りではない場合が多いですね。
学校推薦型選抜は、11月以降に出願解禁となって試験があり、12月1日以降に合格発表が解禁となるという流れになってきて、年内に決着がつく場合が多いです。
総合型選抜等指定校推薦を合わせて、年内入試とか特別選抜とかいう言い方をします。
今のニュースでは、この特別入試での入学者が6割ぐらいを占めていて、むしろ一般選抜での入学者の方がマイノリティみたいになっているところもあります。
こういう状況なので、大学入学共通テストのコスパが悪くなっている以上、出願者の数が減り続けているというのはそういうわけなんです。
じゃあ、年内の特別入試が増えているから、一般選抜を受けないからといって、学力が下がってきているか、だけな入試で簡単に大学に行けるようになったとかいうと、
そういう考え方が実は大学入試をめぐる大きな勘違いの一つなんだろうと自分は思っています。
本日の配信はだいぶ長くなってきてしまったので、次回はこの勘違いとはどういうことなのかということを、それぞれの入試方式の特徴を深めて話しながらお話をしようと思います。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
大学受験の話をし始めると、とてつもない情報量になるのがお分かりいただけたかと思います。
本日の配信だと、まだ受験人口の話と共通テストの話と受験方式の話しかしてないですからね。
具体的に受験生がどんな受験勉強をしているのだとか、それぞれの一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の試験内容の具体的なことだとか、対策の仕方だとか、全然話せていません。
今の受験を考えていくときに、この入試方式の特徴の違いがもうそれこそ高校3年間の過ごし方すら変えてしまうんじゃないかというぐらい影響力があるので、
テーマとして今回の尺では話し切れないなと思いました。
学校がどこまで受験指導に力を入れているかによって減られる情報にもかなり差が出てきてしまっています。
保護者が大学受験を経験していたとしても、むしろその体験談みたいなものが全部裏目裏目に出てしまう可能性があるくらいに精度が変わっています。
正しい情報をどうやって得るのかが受験の一つのタスクになってしまっていること自体がちょっと異常だよなーって思うところも個人的にはあります。
詳しい人がこまめに調べておかないと、全体像を把握できない入試のあり方って決して良くはないよなーと環境に左右されて進路の選択肢が変わってしまうというのは、あまり公平な気がしません。
自分の発信をきっかけに大学に進学したいと考えている方がいろいろな情報に興味を持っていただければと思います。
自分で一時情報を調べないと後悔の残る入試制度になっています。
来週は入試の種類について話をしていこうと思います。
本日のポッドキャストの裏話は私のボイシーで6時半から配信されます。
今日の配信を聞いてくださった方は概要欄のリンクからぜひ続きをお聞きください。
ここまで聞いてくださりありがとうございました。
今回の配信を聞いて何か参考になったことがあればいいねを押してもらえると番組作成の励みになります。
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この番組は毎週月曜日に1回配信されます。
次回の配信もお楽しみに。
ではまた。
18:10

コメント

生徒減で教育界はガラッと変わりそうですね.共通テストも複雑化、高度化しているので、受験者が減るだろうと思っています。余り裕福でなかった私の家庭だと、多分地元の就職率の良い大学で推薦で決めて、共通テストを受験せず、アルバイトしながら学費を稼いで自宅から通学・・・となったかもしれません。時代の変化がもう急激だな、と思っています。教育も変わらないと・・・

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