教育への熱意
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。
この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、
Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、
教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員室のスタッフ同士で行われる教育談議のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。
なぜ探究学習に、自分の学校や周囲の学校は本気で取り組んでいかないのだろうというフラストレーションを、
ずっと個人的にもやもや抱えているんですが、その理由が何となく分かったかもしれないです。
先週、宮城県まで生成AI研修の講師として出張してきたのですが、
その学校の先生や生徒の雰囲気が、全然自分の住んでいる首都圏の学校とは、
良い意味で違うなぁといろんな場面で感じさせられたんです。
もちろん隣の芝生は青いというもので、毎日べったり過ごしていれば嫌な面も見えてくるので、
まあうまくいかないこともいっぱいあるんだとは思いますが、
自分の近郊や周囲の学校も、外から見れば羨ましがられるような面はいっぱいあるとは思います。
ただ、それでも子供を育てるってことは何だろう、教育って何を目指すべきなんだろう、というようなことを考えた時に、
今回の出張で見えてきたものには、いろいろな面で良さを感じています。
このポッドキャストの第18回の放送で、福井県の若狭高校の話をしましたが、
その時に感銘を受けたのと同じようなことを、またそれとは違った感動もあって、
今改めて教育とは何なんだろう、ということを考えています。
今回の配信では、そんな教育や探求の学びとはどういうことなんだろう、ということについて改めて考えて整理してみるような、
そんな話をしてみたいと思います。
生成AI研修の目的
理屈というよりも感情に訴えられることも多くて、あまり整然と話せないかもしれませんが、
この心の揺れを、ぜひリスナーのあなたとも共有していきたいというふうに思っています。
さて、ここから本題を話していきたいのですが、
どう話したものかな、何を言ったらいいかな、というのが正直迷っているところなんですよね。
とりあえず今回の研修をやることになったきっかけなんですが、知り合いの先生からの紹介なんです。
知り合いの先生の知り合いの先生が、かなり一生懸命教育活動に取り組んでいる方で、
生成AIの研修をやりたいという熱意を持って、研修を企画していたそうなんですよ。
ただ、その先生が年度末で異動になってしまったので、今回は直接お会いすることはできなかったんですよね。
残念です。いつかお会いすることができるかもしれないですね。
そうして、新しい先生が自分の研修についての運営を引き継いでいただいて、
ずっと打ち合わせをやってきたんですけれども、
未完成距離が遠いところからお伺いすることになるので、
いろいろな面で手続きも大変で、かなりお迷惑やご心配をおかけしました。
それでもめげないで、粘り強く企画を進めていただいたので、今回訪問することができて非常に感謝しています。
実は企画自体は年度末の3月ぐらいから打ち合わせが始まっていたんですけれども、
途中で担当の先生が変わったということもあって、方向性に関してはちょっと動いたりということもあって、
何度か打ち合わせし直したりみたいなこともあったんですよね。
今回の研修は本当に入門編からということだったのですが、
働き方改革や授業のことも具体的に知りたいということも熱心にリクエストをいただいたので、
また多くの先生を巻き込んで、ジェミニーの使い方をしっかりと理解してほしいということを熱を持ってお話されていたので、
これはもうかなり頑張って準備しなきゃいけないなというふうに感じていたんですね。
ある意味で自分の勤務校なんかよりもよっぽど自分に期待してくれているので、
これはもう期待応えなきゃダメだなっていうつもりで、
自分としても結構一生懸命力を入れて資料だらかもかなりたくさん準備して、
当日迎えられるようにしていたんですよ。
ただ一方で思っていたのが、なんでこんなに熱心なんだろうなっていうところも不思議だったんですよ。
生成AIの研修というと、やっぱりお呼び越しになってしまって、
あんまりやりたくないなみたいなことは結構あるはずなので。
しかも担当の先生変わっているということがあるので、
前の先生が勝手によくわからない人を連れてきて、
その話に無理やり付き合わされてみたいな形になっちゃうっていうケースもないわけじゃないと思うんですけれども、
明らかに自分みたいなよくわからない人間から、ああでもない、こうでもないというふうに言われるのに、
それでもかなりお気遣いいただいて、お膳立てしていただいたなっていうのをすごい思ってるんですよ。
なんでこんなに頑張って配慮していただけるんだろうっていうのが、まずとっても疑問として持っていましたね。
で、やっぱり細かい手続きのところで自分は結構うるさいんですよ。
学校現場を相手にしているからこそ、お互いに甘えがったらいけないなっていうふうに思うんですよね。
個人的には、ロハでやっても全然構わないなというふうには思うんですが、
自分が教員で学校の嫌なところを見ているので、
そうやってロハでやってしまうと、学校の悪癖みたいなところを増長することになるので、
ちゃんとしっかりしなければいけないなというふうに思って、
そういう細かい手続きの話なんかも何度もやりとりするようなことになってたんですよ。
正直かなりご迷惑かけたなと今となっては反省はしてるんですけど、
ただまあそういういろんな事情があったりはします。
そういういろいろな打ち合わせであるとか、調整だとか、めんどくさいことを乗り越えて、
やっと先週実際に訪問することがあったんですね。
学校に訪問してみると、
ああなるほど、本気でここでどうにかいろんなことを学びたいんだというふうに思っている、
その理由というのがよくわかりました。
その理由の一番のところは、先生たちが自分の学校や教育に対して、
熱意や誇りのようなものをすごい持ってるんだなというような雰囲気が、
もう学校から伝わってきましたね。
たぶんご本人たちはそんなことはないというのかもしれないんですけれども、
実際に研修始めてみると、職員同士の関係性もすごい風通しが良くて、
一応グループワーク形式みたいな感じでやったんですけれども、
年齢が高い先生から若手の先生をご座禅してくださいというようなリクエストで、
ちょっとやらせていただいたんですけれども、
そういう人間関係をパッと見ても全然違和感というか話しづらいみたいなこともなくて、
同僚同士でよく混ざり合ってグループワークも取り組めていたので、
普段から関係性の良い職員数なんだなというのはすごい感じました。
研修が始まると、非常に意見を活発に言い合っていましたし、
ベテランの先生であっても若手の先生に全然忌憚なく、
どうやるのっていう風に聞いている様子もありましたし、
若手の先生もこういうアイデアありますよねみたいなのを
どんどんどんどん提案しているみたいな雰囲気があったので、
いい学校だなという風に思いました。
それに、研修が終わった後に個別に質問があれば、
時間の許す限り答えますよという風に呼びかけたら、
多くの先生から個別に質問をいただくみたいなこともあって、
非常に学びに対する積極性や好奇心というものの強さというのを感じる学校でした。
こういうような雰囲気を持っている一つの理由ってどこにあるのかなと思うと、
やっぱり学校自体が伝統のある学校で、
お話しあとから聞くと、県内でも4番目、5番目ぐらいに古い学校なのだそうです。
そういう学校ってやっぱり地元からの期待をすごい受けるんですよね。
実際地元に住んでいる人たちもその学校の卒業生でっていう人たちがいっぱいいるっていう、
だからその期待に応えようとして日々努力する気持ちを持っているんだなという風に
ちょっと思ったりはします。
自分自身もそこそこに古くて伝統のある県立高校出身なんですが、
卒業生からの期待ってやっぱり学校のピリッとした雰囲気にもつながるので、
伝統のある県立高校の良さはそこにあるなというのは思ったりします。
以前に訪問した福井県の若狭高校もやっぱり伝統校でしたから、
地域からの期待は大きいし、それに伴って地域から得られる支援もすごい大きかったんだなっていうのはちょっと思い出すところですね。
だから学校の雰囲気だとか、学校の先生たちの様子というのはとっても非常に良かったんですけれども、
ただそういうプラス面だけではなくて、もっとシビアな問題というところも同時に見えてきたなという風に思います。
率直に言ってしまえば、本当に人の数が少ないです。
本当に駅前にほとんど人はいないみたいなそういう状況で、
それに番をかけて圧倒的に子どもの数が少なくて、
教育が変わらないとまずいというような、そういうような強烈な危機感みたいなものが学校にあったように思いますね。
だからおそらく生成AI研修についても、
より新しくて良い学びを生徒に届けて、
その若者の力でどうにか地域を良くしていきたいみたいな、
そういう潜在的な先生たちの願いや祈りみたいなものがあるようなことを、
実際に現地に行ってみて、すごい感じました。
地域活性化の取り組み
人手やリソースが全く足りない中で、
AIがどれだけ支援の可能性を持っているか、
リソースがたくさんある首都圏の学校とは全く違う
カフロからの危機感や興味の持ち方を持っているんだなというのは、
ちょっとすごい思ったところですね。
なので今回の自分の生成AIの研修は、
本当に思えへんしかできなかったんですけれども、
職員室に帰った後に、
明日からちょっと反復して使ってみたいみたいなことを
かなりおっしゃっていただいてたようなので、
刺激になったなら嬉しいなとは思っているんですが、
そういう危機感を持っている学校であれば、
またちょっとぜひお邪魔をして、
こういう可能性もありますよとこういうことをやれば、
もっと学びの可能性を広げますよというような話を
続けていきたいなと思うような、そういう雰囲気の学校でした。
そういうようないろいろな危機感だとか、
逆にその危機感を踏まえてでも、
プライドを持っているなと感じた学校なんですけれども、
たまたま探求についても先生たちから話を聞くことができたんですよ。
それはどういうタイミングだったかというと、
お昼ご飯をどこに食事に行きましょうかみたいなことを話しているときに、
先生方の方が、
あの生徒が探求で地域のお店のことについて紹介動画を作って、
いっぱいよく知っているんだみたいなことをお話ししてくれて、
その生徒を休み時間のときにわざわざ連れてきてくれて、
生徒と話すというようなチャンスをくださったんですね。
その生徒は地元のお店に出かけて行って、
地元のお店を紹介する動画を丁寧に作って、
探求学習で地域を活性化するんだみたいなことを考えていた生徒だと言うんですけれども、
実際に話してみると、もうその生徒のお話がめっちゃ上手なんですよ。
もう自分の好きなことをずっと話しているみたいなそんな雰囲気ですね。
ここのお店はこうなんですよとか、ここのオーナーはこういう人でみたいなことを、
地域の学校の取り組み
本当に自分で聞きに行ったからこそ話せる言葉を自分の言葉で、
しかも初めて来た誰だかよくわからない大人に対して自信満々に話すんです。
あのプレゼン力というのはもう話の上手い下手とかいうところではなくて、
魅力があるというふうにしか言えない話し方をしてくれてるんですよ。
きっとこの子自分の地元のことが好きなんだなぁみたいなことが、
本当に伝わってくるそういう話し方をするんですよ。
後から話を聞くと実は地元ではないらしいんですけれども、その子。
別のところから通ってきても自分のある学校の地域のことをすごい好きになって、
とことん突き詰めて取り組んでるっていうのが、
本当に雰囲気からしていいなというふうに思ったんですよね。
そういう探求学習に自分自身で取り組んでるからこそ、
この動画はどういう過程で作ったんだとかいう話だとか、
誰から協力を得てこういうことに取り組めてるんだみたいなことを、
本当に詳しくお話ししてくれるんですよね。
そういうような自分のやりたいことを自信満々に話す子どもの姿って、
勇気づけられますよね。
なのである意味でこの宮城県での出張で一番自分が得た感動って、
この生徒と出会えたことかもしれないですね。
本当に若者の力って勇気を与えるんだなっていうふうに思います。
若狭高校に訪問したときにも感じたんですが、
圧倒的に地元や自分の足元が何に支えられているかということに、
子ども自身が自覚的で、すごい立ち振る舞いが大人なんですよ。
偏差値なんかの話じゃなくて、本当に頭がいいなって思うんです。
早く大人っぽくならないといけない理由は、
多分人手がいないからこそというようなシビアな理由はあるとは思うんですけれども、
ただ自分自身のことをよくわかって、
何をやりたいかというふうに自信満々に話す子どもの姿というのは、
なるほど、教育ってやっぱりこういうところを目指さなきゃいけないなっていうふうに思いますね。
そうしてそういう生徒が育つ背景ってどこにあるんだろうなっていうのをよく考えてみると、
先生方が子どもの数が少ないということはあるとは思いますが、
生徒のことよくわかってるんですよね、これが。
今回お話しさせてもらった生徒についても、
どういう生徒で何に関心を持っていて、
どういう進路に行きたいかみたいなことを、
全然違う学年の先生が全然異なる角度から、
この生徒はこうなんです、この生徒はこうなんですってどんどんお話ししてくれるんですよ。
これってすごくないですか。
どれだけ自分の学校に通う生徒のことを、
いろいろな角度からいろんな先生が丁寧に見ているのかっていうような、
そういう衝撃が自分に走りましたよ。
自分の勤務校は学年に今750人ぐらいいるんですよ。
全く同じ学年なのに、
誰が誰だかよくわからないみたいなことになっちゃってるんです、実際。
だからそんな雑な自分の仕事の仕方に対して、
この学校の先生は本当に生徒一人一人を文字通り大切にしてるなっていうのを考えたんですよ。
もう自分の仕事反省しなきゃダメだなっていうふうに思いましたね。
だから本当に今回の研修での出張で、
衝撃を受けたことはいっぱいあったんですけれども、
教育の本質ってなんだろうというふうに思うと、
子供の姿をまずはよく見るということなんだなっていうふうに、
改めて思い知らされましたね。
そして、社会に向けてどういう子供を育っていってもらえるのか、
そのために先生たちは何を学んで、
何を日々の授業でやらなきゃいけないかということをとことん追求していくことが、
本当に大切になるんだろうなみたいなことを改めて考えさせられました。
教育の本質
振り返って、
普段の自分がどこまで本気で授業やってるんだろうみたいなことを考えざるを得ない機会になりましたね。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
勢いに任せて話してきてしまいましたが、
ちゃんと自分の感動伝わってますかね。
やっぱりないものネタリーすがちなので、
自分の勤務法でないからこそ、
よさがよく見えてしまっているだけなのでしょうか。
自分は探求担当ということもあって、
時々いろいろな学校に視察に行ったり、
個人的な自分の趣味でよその学校にお邪魔したり、
今回のように講師で言われたりするわけなんですが、
やっぱり首都圏の学校と地方の学校では全然問題意識が違いますね。
そして首都圏の学校は見学させていただいておいてこんな言い方をするのもアレなんですけど、
まあ質を揃えた、豊富な資本も生かしたパワーのある教育をやってんだなっていうのを改めて思いますね。
とても悪口のように聞こえるかもしれませんが、
全然そんなつもりはなくて、
豊富な資本があるからこそできる理想を求めた教育ってやっていて、
それはそれですごいなと思うんですよ。
いろいろなものを持ってるからこそできるチャレンジで、
そういうチャレンジはいろいろなものを切り開かなければならないので、
やってる先生方も政府ともタフなはずなんですよ。
それもできるのはすごいなって思いますよ、本当。
でも今回の宮城県の学校や若狭高校や、
あと、前に高知の土佐塾も言ったんですが、
本当に今、教育や学校が本気にならないと何かが大変なことになるという危機感のある地域の学校の取り組みは、
一つ一つの必須さというのが全然違うんだなというふうにちょっと思ってます。
逆に言えば、自分が普段どれだけ恵まれた環境で豊富な資源を持って授業をやっているのか思いすぎます。
こんな贅沢な環境なのに、あれができない、これができないなんて言ってたらダメだな、
もっとできることを伸ばしていかなきゃなと、せっかくの授業をもったいなく思うんです。
夏休みがそろそろ近づいてきましたが、思いっきり勉強しなければいけないな、
今年の夏も楽しみになってきました。
ここまでお聞きくださりありがとうございました。
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