ポッドキャスト1周年の振り返り
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティのKasaharaです。
この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、
Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、
教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員室のスタッフ同士で行われる教育談議のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。
今回の配信は、第53回目の配信で、このポッドキャストを開始して1周年です。
厳密には7月29日が初回配信なので、実は配信日の次の日にならないと1年は経っていないんですが、
まあ、誤差の範囲ということにしておいてください。
こうして振り返ってみると、1年間というのはあっという間ですね。
この1年間に登壇したり、視察に行ったり、イベントに参加したりと、やっぱり慌ただしく過ごしてきたなあという感じです。
そんなドタバタの中、大きく体調を崩さずに、ポッドキャストの毎週配信を続けられてきたことは、
運が良かった、ありがたい話だと思うところです。
教師の情報発信の意義
毎週台本を考えて収録をして編集をやっていると、なかなか時間はかかります。
まだまだ機材の操作などに慣れているわけではないので、これだけ時間をかけても、出力に失敗してアチャとなっていることもあります。
もうある意味で単なる執念です。
自分がやってみたいと思ったことをやってみたのだから、ある程度物になるまではやり続ける。
とにかくやってみて、自分の中で何か納得を得られるようになるまで続ける。
そんな感じで自分にできる発信を続けています。
7月からはボイシーのパーソナリティにもなったので、
もう毎日いろいろなことを喋り続けているのでアウトプット型になっている感じがありますが、
今回は記念すべき1周年の配信なのですが、今回は雑談会です。
自分がなぜ発信を続けるのか、そしてもっと社会に先生たちの発信が増えてほしいということを話していこうと思います。
さて、ここからが本題です。
先生たちが情報発信をすることについては、第30回の配信の時にも少し触れています。
その時にはデジタルシステムシップの実践としても、
適切に先生たちが情報発信の経験をする、チャレンジしていくということには非常に意味があるんじゃないかということの話をしました。
今でもその考え方は変わらないですし、ボイシーの配信でも同じようなことを何回か話しています。
実際、何か音声配信をしたり、ノートを書いたりすることは1日のうちかなりの時間を取られるので、
忙しい先生たちにとってはハードルとしては低くないということもよくわかります。
自分も文章を考えたりする時間を取るのがなかなか大変で、
言いたいことがあっても文章にまとめるという時間を取ることがすごい大変なんです。
キーボード叩いて出力して、そして出てきた文章を遂行してみたいな作業というのが、
慣れてるから早いとはいえ、時間としてはそれなりに持ってかれるわけです。
今の自分はボイシーを収録してノートを書いてとやっているとかなりきついので、
今月のノートの配信はボイシーの予告編みたいな感じのものだけになってしまっています。
8月はちゃんと読書メモだとか考えたことだとかを、
もっと文章として書き物として共有していこうと思いますので、ごめんなさい。
発信を続けることに負担感がないかというと、
今話したようにめっちゃ大変なところはあります実際。
ポッドキャストについては週に1回しか配信していませんが、
実際問題にやっぱり話すことがないなっていう週もあったりするので、
毎週配信するっていうことが結構ハードルとしては高いです。
文章を書こうとなると、雑に書くとしてもなかなかうまく構成が決まらないと、
せめて構成だけは決まらないと伝えたいことにならないなと文章にならないなということがあって、
そこの一歩が決まらないで苦しいなっていうこともまあまああります。
そもそもやっぱり発信したいことが常にあるみたいな状態になること自体が
すごい難しいことなのかもしれないです。
自分の日常生活に対して何かしらの問題意識を持って高くアンテナを張っておかないと
意味を見出すことって難しいですからね。
些細な出来事からこんなことを学んだんだというような言語化をするという練習は
かなり必要になるんだろうというふうに思うわけです。
自分も慌ただしくしていると全然振り返りで言えることがないぞみたいな形になるんですよ。
忙しくてバタバタしているということは一日中何かしていたはずなんです。
それなのに逆にそういう時に限って語ることがなくなっちゃうみたいな状態になるんですよ。
自分の問題意識にちゃんと網を張って、
一つ一つの慌ただしい中でも意味を見出していくみたいなことというのはかなり大変なんですよ。
自分が最近忙しくてサボりがちになっているのが、
本当は言いたいことを見つけたのであればそこからちゃんとリサーチをしてみるということですよね。
何か研究したり、ちゃんと考えまとめたりすることの一番基本的なおさほうなはずなんですけれども、
やっぱり手間がかかりますよね。
コミュニティの形成と仮想プラットフォーム
そして情報をリサーチしてみても、情報は読んだだけでは使えないですから、
それを整理したりだとか、言いやすい形に加工したりだとかやることは少なくないので、
リサーチしたものを発信にたどり着かせるまでということ自体もすごいハードルが高いわけです。
誰かに何か価値を提供できるようなコンテンツを作るということは簡単なことではないです。
何が正しいかということもわからないですし、
実際に一生懸命作ったコンテンツでも相手に刺さらないなんてしょっちゅうある話ですよね。
だからコンテンツを作り込むというのは本当に手間がかかる作業で、
ましてそれで何かリターンを得ようとしたら非常に厳しい戦いなんだなと思います。
自分はコンテンツ発信するのは好きですが、そこから何か得ようというのは全く思わないですね。
コンテンツから何か得ようと思うほど自分にその準備をする時間であるとか、
スキルであるとか、伝えたいことや表現したいことがあるかというと結構微妙だなというのは思っているところです。
ただ一方で、自分の見たことや感じたことをもっと多くの人が気軽に発信されることが増えてもいいんじゃないかなとは思うんです。
ある意味でX、旧ツイッターがそういう側面があって、インフルエンサーの教員が生まれてきたという歴史があるわけですが、
ツイッターやXは単分の投稿はできても、ある程度まとまった考え方や、じっくりと物事を落ち着いて考えるような場所にはなりづらいのも事実ですよね。
しょっちゅう炎上してますし。
Xなどよりは、もうちょっと手間のかかる発信が、その背景だとか前後に何があったかみたいなことを感じさせられるようなものになって、
そういうある程度、読み応え、考え応えのある発信が増えてほしいなというふうには思っています。
自分がそう思う理由を考えていくと、一つ目としては、職員数の教育力が下がっているということに対する危機感があります。
職員数の教育力が下がっているって断言してしまっていいかは、なかなか微妙なところではありますが、
実際問題として多くの学校で、年代にかなりばらつきがあったりだとか、
辞めてしまう先生、離職率が高まったことで、人が安定しないでじっくり学ぶにも、誰についていけばいいかも見えづらいみたいなことになってますよね。
そういう中で、何かじっくりと教員としての実力を高めるための仕組みがボロボロと弱くなっているような気がします。
だからイメージとしては、ポッドキャストのみんなのメンタールームですね。
多くの発信によって職員数で困っている先生が、誰かをメンターとして見つけて、発信から学べるような場所になったらいいなというふうに思うんですよ。
本当は職員数の雑談で、授業のことであるとか教育のことだとかについて、あれやこれやと議論できる場所になればいいんですが、
それがなかなか難しい人も絶対中にいると思うんですよね。
だからこそそういう人たちに発信が刺さることによって、誰かがメンターとして役に立てるような場所があればいいなというふうに思うんですよね。
それがかつては職員数であり教育サークルであったわけですが、今でもGEG、GoogleだとかCEC、Canvaだとかがあるわけですが、
コミュニティなどは簡単にアクセスできる先生ばかりではないですし、一度出来上がったコミュニティに入りづらいみたいに感じる先生がいるのも事実なんですよね。
なのでオンラインでいろいろな発信に触れられることになればいいんだろうなというのはちょっとイメージしています。
教職者専門プラットフォームUTLというサービスが今年になってできたのですが、こういうプラットフォームが育ってくれば状況は変わるかもしれません。
ただこのプラットフォームに関しても今のところはまだまだ多くの先生にリーチしている状態ではないので、
もっと手前の段階として先生方の情報発信自体が増えてきてほしいなというのは思うところです。
先生方のお話を聞いていると、公立の学校だと情報発信に関してはかなりガチガチに縛られているという話を聞くので、
そもそも情報発信をしたくてもできないみたいな状況なのかもしれないですね。
こればっかりは決められていることなので決まりなのでしょうがないところなんですが、
ただいろいろとイメージだけで語られるみたいな状況は残念なことになるかなと思うんですよね。
最近公立の先生とお話しするイベントに参加したのですが、何度も自分に対して私立はお金があって何でもできるでしょうとか、
教育現場における発信の重要性
私立だから先生たちがちゃんとやるんでしょうだとか、私立だから生徒を選べているからいろんなことできるんでしょうとか、
まあ枕言葉に散々私立だからとやられたんですよ。
よく聞きますよねこの手の話。
この実践は国立大附属だからできた○○高校だからできたみたいな言い方です。
これはちょっときつめの言葉で言いますが、全く生産性ないですよね。
議論すれば話し合いの番に出てきて、それを言ったらもう教育としては意味がないじゃん、おしまいじゃんと思います。
ただ、なんでこういう話を言えてしまうのかという背景を考えてみると、
お互いに交流の場がなかった、イメージが共有されていなかった、そういうことが背景にあるんだろうと思います。
考えてみれば私立高校の中でどんな授業をやっていたり、どんなイベントをやっていたり、先生たちはどんなことを考えているのだとか、全くイメージできないですよね。
自分の勤務校だってイベントで言われたように金があるからとか、生徒が優秀だからとか、全然そんなことないです。
だいたいトラブルや不平不満に巻き込まれていますし、金だって他のところにはいくらでも使ってくれても、自分のやりたいことには出してもらえないなんてザラです。
研修だって自腹でいくことになることは少なくないですし、生徒だって、生徒はとっても優秀ですよ、優秀かもしれないけれども、
必ずしもその授業に気分が乗っているかだとか集中力を持っているかというのは、全然いろんな条件で変わってくるわけですから。
でもそんな事情は誰も知らないわけですよ。だからもっとそれぞれの現場のイメージが近くに共有されたらいいなと思うわけです。
そうすると話し合いの場でなんとかだからできるみたいな言い方というのは、もっと減ってくるんじゃないかなという気はします。
社会とのつながりの形成
こういう観点から考えていくとポジショントークになりますが、炎上リスクも低くてほどほどの音質を確保できるならば、やっぱりポッドキャストや音声配信が一番手軽で先生たちにもチャレンジしやすいのではないかなというふうに思います。
日常的に喋ることを仕事にしているので、意外と慣れてくれば適応できるんじゃないかなというふうに思います。どうですか先生たち。
ポッドキャストで自身の仕事に関する思いであるとか怒っていることだとか発信してみませんか。
またこうやって話すこと自体が結構自分の話し方の修行になるっていうのは間違いないところなので。
自分も1年間ポッドキャストをやってきましたが、初回のあたりの配信に比べると今の配信の方が聞き取りやすい喋り方になっているんじゃないかというふうに思います。
自分の話し方の癖だとかが聞き直しているうちに分かってくるので、そういうところを直すようになりますしね。
教育系のポッドキャストが増えてくれたら、将来的には科学系ポッドキャストの日のように教育系ポッドキャストの日を実現できたら理想だなと思います。
横に繋がりが生まれていくというのはやはりかなり重要だと思うんです。
お互いにお互いのことを知り合うということも重要ですし、お互いのことを知って自分も頑張ろうというふうに思える、そういう状況が生まれるのがいいなと思うんですよね。
科学系ポッドキャストの日というハッシュタグで調べてもらうと、あの関係性というのが教育の業界にも生まれてきたら絶対に面白いことになるだろうなというふうに思っています。
ただ、今だと配信をアクティブに続けている教育系のポッドキャストの数がそんなに決して多くないので、イベントとしてはまだちょっと弱いかなという気がします。
だから、いつかね、やれたらいいなというふうには思って、その日が来ることを虎視眈々と狙って待っています。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
今回が1周年記念配信とは言いづらいんですが、何はともあれ1年間やってきたこともあるので、その実感を語るような形で今の発信活動に対する意味付けを考えてみました。
ニッチな話題を話していたり、雑談ばかり話していたりするので、自分のこのポッドキャストがそれほど何か伝わる配信になっているかは微妙なところですが、
配信の数が増えてくれば、それで変わってくる何かはあるんじゃないかと信じているところです。
教育現場は正規化、今時あまり正規化とは言わないかもしれないですけれど、外部から隠れたところで何かやっているみたいになってしまいがちなので、なんだか断絶したものはありますよね。
そういうむやみな断絶をもう少し歩み寄ることによって、調整できる部分、擦り合わせられる部分はあるんじゃないかと思っています。
ちょっと前の教育現場と今の教育現場ではだいぶ価値観は変わってきているかなと、自分が教員になってからの十数年の中でもかなり変わってきているような気がするので、
大人と子供の間で受けている教育は全然違うだろうなと、そういう違いに気づかないままにすれ違うのは悲劇でしょうし、
ちょっとでも先生たちからの発信が社会に届き、学校と社会が健全な距離感になればいいなと思うところです。
本日のポッドキャストの裏話は、私のボイスで6時半から配信されています。
今日の配信を聞いてくださった方は概要欄のリンクからぜひ続きをお聞きください。
ここまでお聞きくださりありがとうございました。
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この番組は毎週月曜日に1回配信されます。
次回の配信もお楽しみに。
ではまた。