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ダイアログカフェ 筋書きのない対話から新しいアイディアと自分自身に出会う場所
この番組は様々なテーマで楽しみながらお届けします。
今日もゲストをお招きしておりまして、私の大学の先輩ですね、小笠原由佳さんをお招きしております。
よろしくお願いします。
小笠原さんは、開発援助とかそういったご経験を政府系の金融機関で経験されて、今はフリーランスなんですけど、インパクト投資に非常に詳しい。
そういうインパクト投資ってね、最近よく耳にしますけど、それってどういうことなの?みたいなのを、バズワード的なところもあるんで、教えていただきたいという趣旨で来ていただきました。
小笠原さん「勉強したいです。よろしくお願いします。」
インパクト投資って一言で、一言でなくてもいいんですけど、インパクト投資って何ですか?
イエスジイ投資とか最近よく聞くと思うんですけれども、インパクト投資、インパクトファイナンスって、財務的リターンと並行してインパクト、社会的環境的インパクトを出すことを、投資家サイドが意図を持ってお金を流しますというのがインパクト投資の定義というふうにグローバルでされていて、
その意図があるというのが結構クセものなんですけれども、例えば株を買います。まさにご出身のトヨタの株を買います。これは私結構よく使う事例なんですけど、ジョジョ株を買いましたと。
トヨタって何万人でしたっけ?雇用を生み出しているわけじゃないですか。これって社会的インパクトだよね。だから私がこのトヨタの株を買ったのは、さてインパクト投資でしょうか?
ということを聞いた際に、もしその雇用削出効果を自分、投資家として狙って買ったのであれば、それは実はインパクト投資になり得るんですね。ちゃんと測らなきゃいけないんですけど、本当に増えたかっていうの。
通常は単位株、百貨部とか買って、それを目的にする方っていないじゃないですか。だからトヨタの株を買った結果としてこれだけで雇用が生まれてますよね。これってインパクトじゃん。っていうのはインパクト投資には入らない。
だから投資の前からこのお金を流す行為は、もちろんリターンが目的だけれども、こういうインパクトを出すんです。環境的社会的インパクトも投資の目的としているんですっていう意図を最初に持っているかどうかっていうのが一つ大事なポイントになります。
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その結果として、単にこれ目的ですって言って投資をしてもそれだけになっちゃうので、通常は例えば投資ってちゃんと目的が4%のリターンを得ますってことは目的だとすると、終わった後ちゃんと本当に4に行ったのか行かなかったのかってチェックするじゃないですか。
それと一緒でインパクトに関しても意図したインパクトがちゃんと出たのかどうかってことを測定して、投資家なのでそれをよりよく大きくしていく。例えば普通のフィナンシャルの投資家でも4よりも5、5よりも6の方がいいわけじゃないですか。
それをより大きくしていくというインパクトマネジメントを投資家としてしていくっていうことも要件っていうのは強すぎるんですけど、特徴の要素の一つというふうにされています。
だからまとめると、投資家がインパクトを出す意図がある。それに従ってインパクトを測定し、より大きくしていくような働きかけを投資先にしていくっていうこの2つの特徴を持つ投資をインパクト投資というふうに呼んでいるということになります。
測定可能であるべきってことですね。
そうですね。メジャラブルインパクトっていうふうに。
社会的なインパクトってすごく幅広いというか、さっきも雇用の話もそうだし、ものすごく広義で捉えようと思ったらすごく限りなくできる気がするんですけど、具体的に何か例えばこういうものがあるみたいな。
メジャラブル、測定できるって言った瞬間に結構皆さん数字みたいなことを思うんですけど、それは必ずしもそうじゃなくて、
例えばですね、高校生向けにプログラミング教育を提供しているスタートアップがあるんですけど、彼らは自分たちをインパクトスタートアップだってすごい言っていて、
それは将来的にIT人材を日本に供給するみたいなことの目的なんですけど、どっちかっていうと高校生の自己肯定感を上げていくとか、やってみて何度も繰り返してみたいな、そういう効果がプログラミングにはあるとされていて、そこをやりたいんだっていうようなことで起業されてくるんですね。
その場合には、本当にそのプログラムを受けた後と、どういうふうに自己肯定感が上がったのかとか、そのプログラムに参加した後のかとかをトラックしていって、どういうキャリアに繋がったのかとか、そういうことを測定していくっていうことになっているので、必ずしも数字として何人ITの資格を取りましたとか、そういうことじゃなくてもよくて、
そこがちょっとややこしいんですけど、ちゃんと自分たちがやりたいことっていうのをインパクトパスっていうんですけど、そういうのを作って、こういう変化を起こしたいんだという。じゃあこの変化が本当に起きているかどうかっていうのをどういうKPIで測りましょうかっていうのを決めて、それをちゃんとトラックしていく。
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投資家投資家でそのインパクトに共感をして、もしくは投資家として何らか助けられるなというようなことを思ってお金を流していく。そんな感じになっている。
子育て館がガンダみたいなことでいうと、それは何らかアンケートとかで、そういう意味では数字に落とされてますよね。
そうですね。ただアンケートだけじゃなくて、アネクドートみたいなものをちゃんと集めたりとか、子どもたちの感想とか、そういうのを、すごい訂正的ですよね。
それでもいいんだ。
そう、だからアンケートとかももちろん取るんですけど、でも本当に解像度高くインパクトをちゃんと測定するので、参加した方のインタビューとか、追っていた後に本当にどういうプログラムが自分にどういう意味がわかったかみたいなことを言ってもらうとか、そういうことでも別に良しとされているという感じですね。
テーマはどういうものである必要という、そういう範囲っていうかあるんですか。
それはないんですよね。
ないんだ。
だからソーシャルって言った瞬間に何でも入るので。
言ったもん勝ちですね。
確かに。
それってすごいやっぱり深遠な問題で、何が社会的インパクトなんだって、すごい難しい問題なんですけど、やっぱりその時代時代で、
これって社会課題だよねって思うのって、変容していくんですよね。
例えばですけど、子どもの貧困とかって言われだしたのって多分10年くらい前なんですかね。
それまでは日本で子どもの貧困が社会課題だみたいなことって思われてなくて、だけど実はそういうことがあるんじゃないかっていうことをムーブメントを起こした人たちがいて、可視化されたっていうような歴史があるんですけれども、
そういう社会課題って多分変わっていくものなので、カタログ化してこれが社会課題です。
これにお金を流すのがインパクト投資ですっていうやり方もあって、実はEUなんかはそういうやり方してるんですね。
たくさんの民と言われるんですけど、こういうテーマに、例えば太陽光にお金を出したらインパクトコントですとかって決まってるんですけど、そうじゃないよねっていう考え方もあって、
日本とかアメリカは割とそっちの方が主流っていう感じですね。
SDGsとの関係ってどうなってるんですか?
SDGsってゴールじゃないですか。
だからインパクト投資される皆さんって結構自分たちが投資をするインパクトパスを書いて、この最終的な自分たちのインパクトってSDGsの何番目にリンクしてますっていうことを結構おっしゃる方が多いですね。
だからそこはインパクト投資の目的との紐付けをされる投資家さんが結構多いかなとは思います。
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インパクト投資とかがこれだけ増えてきてる背景にもSDGs的な考え方の流星っていうんですよね。
全然別のものってことじゃなくて、ビジネスも世界環境課題みたいなものを統合していかないと、コアビジネスもやっていけなくなるよねっていう危機感のもとから、経営とかの方法が変わってきてるっていうこととリンクされてるとは思います。
パーパス経営とか、もちろん投資ではないけれども、会社がそもそも社会に対してどういう意義を出そうとしているのか、どう考えているのかみたいなところの社会的意義みたいなところを見つめ直すこと数年あるじゃないですか。
そこともすごくリンクすると思いますね。
インパクト投資自体は起源が2008年ぐらいと言われていて、リーマンショックの後なんですよね。
一つは、いわゆるウォールストリート的な人たちがものすごくグリーディーにいろんなテクニックを駆使してお金を稼ごうとしたことの結果として危機感が起きてしまった。
インダストリーとしてすごく深い反省があって、こんなことしてちゃうとまずいよねっていうような反省があったりとか、
あと、いろいろ法的なセクターとか開発援助の世界でも、自分たちだけで援助国が経済的に伸びていくお金をすべて出せるってことはもうできないときに気がついちゃって、
いかに民間資金を呼び込むかみたいなことがあったりとか、いくつか起源があるんですけど、そういう形でインパクト投資みたいな言葉が2008年ぐらいにできて、
いろんな変遷を経て動いてきてるんですけど、さっきおっしゃった統合志向とかパーパス経営みたいな話も、世界的に資本主義行きすぎちゃったんじゃないかみたいなところから出てきてるので、
すごく大きなピクチャーで見ると多分起源は一緒っていうことになるかなと。
どっちかっていうと、企業サイドのコーポレートセクターの話で、ファイナンスの話じゃないですけど、今結構それがどんどん近づいてきてるような印象はあります。
ESG投資との関係性ってどうなってるんでしょう?
ESG投資はその企業に投資をすると、そのEとSとGの考慮がしっかりなされている企業は中長期的にリスクが低いがゆえに、中長期的なフィナンシャルリターンが高いであろうという仮説のもとにお金を流しているっていうのが一番メジャーな考え方なんですね。
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いろんな別の考え方もあるんですけど、あくまでもリスク低減であり、かつ目的としては財務的リターンの最大化、中長期的な最大化。
ESG投資ってリスクが少ないっていうことなんですね。財務的なリターンが追求しているっていうのは私も聞いたことがあったんだけれども、
私もそれを解釈すると、短期的なリターンではなくて、中長期で見たときの企業価値が最大化される、要はDCFの割引率が最小化されるっていう、そういう意味でのリスクの低さを実現するのがESGだよっていうことなんですね。
ESGは儲かるとかじゃなくて。
そこもいろんな考え方はあるんですけど、例えばその会社が自分の商品サービスを生み出すにあたって、バリューチェンジ上で環境の配慮をちゃんとしている企業とそうじゃない企業があったときに、
将来的にはちゃんとしている企業の方が企業価値が高まっていくだろうとか、Sもソーシャルですよね。人的資本にちゃんと投資をしている企業の方が中長期的には強いだろうとか、あとG、不祥事が出ないかとか、経営が独創しちゃったりとかってことのリスクが低いだろう。
だからEとSとGの考慮をしましょうっていうのが一応ESG投資なんですね。
なるほどって感じ。EとSはインパクト投資と近い考え方だけど、なんでGなのかなと思ってたんですよ。
そういうことね。それは結構納得感がある。
かつもう一個結構違うのが、ESGの場合、主に自分の会社で商品サービスを生み出すプロセス内部についての話なんです。
例えば豊田さんだったら、材料調達で下請けをちゃんとケアしてるかとか、人材をちゃんと事故がないかとかちゃんとやってるかとか、そういうところなんですよね。
だからSといっても、結構女性が上職何人かみたいな話が多いじゃないですか。
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でもインパクト投資の場合って、商品サービスが社会に対してどういう影響を与えたか、何を変容させたかっていう話なので、
例えば車でいうと、ノビリティが高まってどれだけ便利さが上がったかとか、どれだけ楽しさが上がったかとかっていう会社の外の話が主にはSサービスとかってことなんですよね。
事業を通して何を実現するかっていうことだけど、ESGはどっちかと言うと守りの、会社のリスク制限のために問題ないかみたいな、
二酸化炭素排出量が多いとか、それを減らしましょうとか、女性の管理職比率だったり、ガバナンスだったり、いかに社会を傷つけないかみたいな感じのところの方がメイン。
メインだってことなんですね。
面白いのが、テスラとJTでもフィリップ・モリスでもいいんですが、タバコ会社っていうのをESGのスコアリング会社が、ESGスコアって付けてるんですね。
AとかBとか付けるんですけど、それ見るとフィリップ・モリスのほうが全然高いんですよ。
ESGだと?
ESGスコアが。
スコアが?
ESG的にはそっちのほうが良い会社。
で、テスラは低いんですよ。
で、なぜかというと、テスラって結局今、例えば人をいっぱい一気に切ったりとか、Gもめちゃくちゃじゃないですか。
まあね、確かに。
で、経営もどうなんかわかんないじゃないですか。だからESGスコア的には下なんですよ。
へー。
でも、じゃあその会社が生み出したものが社会にどういう影響を与えてるかっていうことで考えれば、多分テスラのほうが電気自動車っていう意味で上ですし、タバコと電気自動車って比べたら多分インパクトっていう意味で言うとテスラのほうが上なんですよね。
なるほど。
なるほど。
じゃあ、
なんかすっきり、ちょっとすっきりしてきた。
ESG投資はやっぱりどういう会社が儲かるかとか、どういうフィナンシャルなリターンを確実に得ることができるかっていう投資の判断基準としてのESG投資なんだけど、
インパクト投資は利益も追求するけど、インパクトも追求するっていう、
おっしゃるとおりです。会社が生み出すインパクト。
直接的なんですね。インパクトに対して。インパクト出したら儲かるよじゃないってことですね。
そこもいろんなディフェンスがあって、インパクトに集中することでちゃんと財務的リターンが得られるんだよねっていうことを一生懸命証明しようとしてる人とかもいるんですけど、
現時点ではまだ成功はしてなくて、インパクトとフィナンシャルリターン、やっぱりそこは独立変数だと私は思ってるんですよね。
なので投資家としても、もちろん財務リターンは得るんだけど、このインパクトを上げていくってこと自体が投資の目的です。
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意図を持ってお金を入れますっていう。
すごい理解が。めっちゃ理解できた。
そこが一番の違いです。
なるほど。
いやでもね、結構ね、ESGについて私もこの1年ぐらいずっと考えてきて、もやもや感があったんですけど、すごいよく理解できました。
似た領域の人が何が違うんだろうっていうのがゴヤッとしてたので。
ただすごく、またこれ言うと物事を複雑にしちゃうんですけど、ESG投資はSTC投資ですごく進化してるので、
一つの説の中にはESG投資の中の一番最後にできてきたのがインパクト投資だって考え方もあるんですよね。
だからESG投資の中の一つとしてのインパクト投資で捉え方もあるし、ちょっと別なんだよって捉え方もあるんですけど、違いとしてはさっき言ってたと。
そうなんですよ。だからESG投資の話は結局やっぱり最終的なファイナンシャルリターンっていうものがやっぱり最終ゴールにあって、
その実現手段としてのEでありSでありGであるっていう整理だから、そうするとこのロジックって本当に結びつくのかなっていうのがすごい重要じゃないですか。
でもさっき小笠原さんおっしゃったみたいに、インパクト投資の場合は独立変質だっていうふうなスタンスに立てば、その方がスッキリする。私的には。
確かにESG投資のレポートとかでも、これこんだけ多様性が進んでる会社がこれだけ利益を出してますみたいな。
でもそれにムリムリ感を感じて。
だけどよくあるじゃないですか。
あるある。
それはやっぱりESG投資の目的は、財務的なリターンを最大化するよって言いたいからってことですね。
そうですね。
だからそこには多分多くの経営者にとってはスッキリしないところがあって、本当かよみたいな。
もっとグリーニーにいった方が。
今スタディも進んでて、メタスタディもあるんですけど、結局やっぱりよくわからないっていう状況になってるんですよ。
なんかこじつけ感がすっごくあるから。
1年くらい前まではESG株の方が上がってたので、いわゆる投資ってアルファとベータってあるじゃないですか。
ESG予想を考慮するということ自体がアルファに効くっていうのが結構大切だったんですけど、
この1年くらいはやっぱりすごい成績が下がっちゃってるので、それはちょっと違うんじゃないのっていう言説も出てきてるようなんですけどね。
でも一方で、例えばそのガバナンスとかってリスクであるけれども、財務的なリターンを最大化する、
リスク定義にはなるけどリターンを最大化するわけではないとか、
エンバイナメントに関しても、例えば規制だとか環境影響みたいなところを考えたときに、
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マイナスになるかもしれないけど、だけど財務的リターンを取り組んだからといって、
リターンが最大化するかって言ったら必ずしもそうじゃない感じもするので、
その辺が難しいな、達成しようとしていることとつながっているのかなっていう感じも。
そうですね。ESGの場合は、本当にいろんな施設がいろんなことを言ってるんですけど、
やっぱりあくまで中長期的な企業価値の財務化っていう言い方しかできないんですよね。
そうなんですよね。だからやっぱりある程度成熟した会社で、大企業でね。
永続的であること、その利益を長期的に維持し続けるとか、
そういうことを目指している会社においては割とフィットする考え方のような気がするんですよ。
今あるものを倍にすることよりも、やっぱり維持することに結構価値があるっていう。
でもスタートアップとかだと、維持じゃ成長を作っていかないと、
今ほとんど利益が出てなかったり赤字だったりする会社が守りに入っちゃっても、
結局何も生み出せないじゃんみたいなジレンマがあって、
ESGの文脈でスタートアップを語るのって結構無理があるなっていうのは感じるところがあるんですけど、
でもさっきのインパクト投資っていう観点に立てば、利益もきちんと事業的なものも
ちゃんと成長させながら、でも私たちの重要な目的の一つというか、
より上位の目的はインパクトを出すことですって、社会的なインパクトを出すことですって、
それは投資そのものの意図、まさに意図を、別に財務的なリターンを出すためだけに、
資本主義を利用しなくてもいいじゃないっていう、その考え方は私はすごく納得感があるし、
それは20世紀的ではないかもしれないですけど、そういう価値観に基づいた資本主義があるっていうのは、
個人的にはすごく納得感がある。
日本だとまだまだお金の出し手が少ないので、市場リターン以下でもインパクトが出ればお金を出しますよっていう投資家はほぼいないんですけど、
海外ではいわゆるロクテラ財団とか芸術財団とか、あの辺が結構インパクト投資してるんですよ。
彼は元々は助成金でやってました。助成金だけだと撒いて終わっちゃうってこともあるし、
やっぱり継続的に持続可能にするためには投資にした方がいいしっていうことで、
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そっちから入ってきてるインパクト投資の世界の人たち、あとファミリーオフィスっていわれる富裕層が持ってる財団ですね。
彼らは財務リターンはそんなに高くなくていいから、インパクトファーストでしっかり出してくださいっていうインパクト投資をやってるんですね。
まさにさっきおっしゃった資本主義をもうちょっと拡張するっていうか、
リターン再市場主義みたいじゃない投資家っていうのが少しは出てきてる。
年金基金とかも海外では結構面白くて、年金基金加入者にアンケートを取って、
こういうところには投資をしないでくれとか、こういう方針でやってくれってことを言えるような仕組みを取ってる年金基金ってオランダとかあるんですよね。
そういうところは、お金を出してる人の意見をちゃんと聞いていますということで、
いわゆる受託者責任と言われる、お金を運用する人がなぜインパクトできないのかっていう理由の中で、
必ず受託者責任、つまり財務的リターン以外のことを考慮に入れて運用してはいけないっていうような
一般的な法律の会社があるんですけど、それを言うんですけど、
さっきの年金基金とかだと、お金を預けてる人がそれはいいと言ってるわけだから、
多少リターンが悪くてもこういうものにお金を出すんです。
フォートフォーリーの一部をですね。っていうような年金基金も実はあるんですね。
年金基金ってさらに言えば、一個人がそれを持ってるわけじゃないですか。
投資をしているって言えますよね。
その人たちの意図っていうのを、どのように理解して、運用者じゃないですか。
年金基金もさらにそれを運用委託するわけだけれども、
運用者の最終受益者というか、最終受益者の意図っていうのは、
どうやって測るというか、どうやって解釈してるんですかね。
今、日本では?
日本でも世界でもいいんだけれども。
さっき申し上げたように、世界だとちゃんと聞いてる年金基金があるわけですよね。
日本とか、聞くことないでしょ。
そう、そう、そう。
持ってる人すらいないんじゃないかなって。
それまさに、つい最近も議論したんですけど。
やっぱり投資ということに関する知識があまり広まってないが故に、
例えば生命保険に入りましたとか、損害保険に入りましたとか、
年金にはもう気がついたら入ってますっていう、
そのお金って実は周り回ってどっかに投資されてるんですってこと自体をやっぱり、
それって投資のインベスティメントチェーンなんですけど、
全然一般人が知らない、理解してないっていう、今日本の状況なんですよね。
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なので、そのお金が本当はこういうことには使ってほしくないとかっていうのを
コレクティブに意見を集めて、こういうことに使ってくれって言ったら
結構大きなお金流れが変わるはずなんですけど、
そこまでにはまだちょっと日本が至ってないっていう。
どういう意見が、聞いたときにね、
でも私の年金、私の老後資金めちゃくちゃ大事だから、
いやもうちょっとでも儲けてくれっていうふうに、
それは説明の仕方かもしれないけど、
やっぱり多くの人に聞くとそういう答えが結局返ってくるのか、
それとも、めちゃくちゃ儲かる必要はないから、
しっかり、私の年金が守られさえすれば、
あとはやっぱり、戦争を生むようなことに扱わないでくれとか、
環境を破壊するようなことに扱わなくてくれって、
日本人は言うだろうか、どうなんだろうか、みたいなのは結構わからない。
どんな答えが出てくるのかわからないけど。
なんかね、事例、私が知ってる範囲では実は一個事例があって、
ひご銀行さんって小室の銀行さんの年金基金が、
結構ESGとかすごい積極的なところがあるんですけど、
そこは、だからひご銀行の法員が受益者なので、
アンケートを取ってるんですよ。
それで、EC投資をやってます、どう思いますか、賛成ですか、反対ですかとか、
市場リターンと同様だったら賛成しますか、みたいなのを結構ちゃんと聞いていて、
8割以上が同じリターンだったらもちろんESGがいいと。
ちょっとでもリターンが低くてもESG的な配慮をしてほしいって人も一定程度いたっていうことで、
聞いてみたら意外にちょっとだけリターンが低くても、
社会にいいことにお金を使ってよっていう人もいるかもしれないなっていう感じはありますけど、
ちゃんと説明すればね、そこはわからないね。
説明コストがね、結構日本って政治とかもそうだけど、
あんまり説明せずにいいから任しとけみたいなところがあるよね。
税金とかだって、本来的には納めてる側は、
どう使われてるかをしっかり理解したり要望する権利があるはず。
だけど、それを権利として認識してない人たちが多い気がするというか、
説明されればもちろんそうだと思うんだけど。
今、日本の最大の年金基金であるGPIFっていうところがあるんですけど、
そこは2015年にESG投資を始めたんです。
それで、ESG投資が他の年金基金さんとかも始めて、
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すごい盛り上がったっていうことがあるんですけど、
でも彼らはやっぱり、市販機のリターンが低いと、
すぐ新聞で叩かれるじゃないですか。
あれってもう世界最大の年金基金ぐらいなので、
市販機のリターンとかほぼ関係ないんですよ。
長期で見て、リターンとリターンが出てるかっていうのはすごく大事なんだけど、
一生懸命候補しても、リターンが出たときは何も取材してくれなくて、
ちょっとリターンが悪くなると、すごい叩かれちゃう。
あれなんでっていうか、逆にね、個人投資家とかね、
結構やっぱり市販機の業績にものすごく敏感に反応して、
日本の基幹投資家もそういう傾向はあるなと思うんですけど、
海外だったら、そういう市販機会議ってそもそもしないでしたっけ?
いや、してるところはしてますよね。
ただなんかわかんないけど、ここから先私はちゃんとエビデンスはないですけど、
やっぱり投資のリテラシーがすごくしっかりしてるから、
やっぱり詰め立てで長期でやっていくとかっていうのが結構当たり前になってる世界だから、
あんまりベイトレーダー的にっていうような、もちろんそこもいると思うけど、
一般人でも普通401Kとかかけてるじゃないですか、
そこはリテラシーの違いっていうのは大きいんじゃないですか?
そうなんですね。
どうなんですか?
なんかそのファイナンス教育みたいなのを、今ね、日本でもしようみたいな話になってるけど、
なんか結構本当に投資というか、
陶器的なものを子どもにも何か教えてるみたいな、
その資産運用を、ちょっとわかんないですけど、
その教えてる内容って本質的なの?みたいな話も聞いたりするんですけど、
海外だとちょっと違うのかな?
特にやっぱりヨーロッパ系の人たちは、
ポティブのやっぱりサステナビリティ意識がすごく高いので、
投資に限らずやっぱり少し高くても、
サステナブルな商品を買うとかっていうのは当たり前になってる世界なので、
それは自然にやっぱり投資の世界にも入ってきてるんだろうなぁとは思いますよね。
なるほどなぁ。
すごくよくわかりました。
このインパクト投資に、今小笠原さんがいろいろ教えていただいたんですけど、
どういう経緯でこのインパクト投資っていうのを、
もう社会人になってからある意味ずっとやってる。
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インパクト投資っていうキーワードは最近生まれたものかもしれないですけど、
2008年頃。
小笠原さんのキャリアの中では、
もう少しそこに、この間別の時におっしゃったの。
振り返ってみると、実はインパクト投資的なことを金融機関にいながら、
ずっと自分は関わってきたんだなって振り返ると、
そうだったなみたいな話を別のところで聞いたんですけど、
次回、小笠原さんのキャリアの歩みみたいなものを聞いて、
どうやってこのインパクト投資の達人になったのか、
プロになったのかっていうところの話を聞きたいなと思います。