ESGを題材に、急速にその取り組みが世の中で広がっている背景や、しげさんがなぜESGに興味を持ったのかの物語について話しました。
◆参考リンク
ESG経営はどのように取り組むべき?導入メリットや課題とあわせて解説 コラム
「マテリアリティ」とは何ですか? CDPへの回答や統合報告書を作成する際に重要な点を教えてください。
責任銀行原則(PRB)の発足はサステナブルな社会をどう促進するのか
サプライチェーンとは何か具体例を交えて徹底解説|三井倉庫グループ
NPO法人 二枚目の名刺 | 自分を変える、社会を変える、笑顔になる。
インパクト投資ってなんですか?~社会変革推進財団(SIIF) 加藤さんに訊く(1)
◆パーソナリティ
しげ (Shigehisa Murakami) @cool_warm
株式会社ファインディールズ代表取締役/GOB Incubation Partners CFO/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。学生時代は経済学を専攻。金融機関で不良債権投資、プロジェクト
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SONOSTA 知ってもお金持ちにならないが、お金を知ることは楽しい遊び 投資、金融、経済を楽しみながら考えるポッドキャスト 第5回です。
今回のテーマとしてはですね、今回は意外と自分事なESGというテーマで語っていきたいと思います。
語るのは私、まさきと、しげです。はい、よろしくお願いします。よろしくお願いします。
はい、今回はESGというキーワードを取り上げたんですけど、ちょっとですね、ESGって言われても、いきなり聞いてパッと何のことだか説明できる人たま多くないと思うので、軽くしげさんからお話をいただいてもいいでしょうか。
そうですね。ESGという言葉自体は結構ニュースや新聞で見かけるケースが特にこの半年から1年ぐらい増えたんじゃないかと思います。
ESG自体は略語ですね。EがEnvironmentという環境ですね。Sが社会、ソーシャル。最後のGがガバナンスと、いわゆるコーポレートガバナンスとかと言われるような会社の経営におけるガバナンスというもの。
この3つですね。これがESGの略になっています。そもそもESG何なんですかというときに、いわゆる世間で言うESGっていうのは多く分けて2つあって、ESG投資というのとESG経営というのがありますね。
もともとの出発はESG投資という、いわゆる投資家です。機関投資家、株式とか不動産とか債券に投資をしている投資家の人たちが、2006年にPRIというそういった責任投資原則というのがあって、
この投資をする際に今説明したEとSとGというのを投資判断に組み込もうという原則ができて、これは別に法律とかでも何でもなくて、機関投資家のコミュニティにおける推進している原則ですね。
それに署名をするというのがずっと増えてきて、今で言うと直近確か1兆2000億ドルぐらいの署名している投資家たちの資産運用額になっていると。
だから日本円にすると1系とかなんですね。1系3000を超えるぐらいなんで、実際もうほぼ今の世の中のいわゆる投資家っていうのは、このEとSとGを考慮した投資をしているというような大きな流れがあるというものが一つ目のESG投資ですね。
ちなみに次細かいツッコミですけど、1兆じゃなくて120兆ドルぐらい。
そうすると1系円ぐらいになりますよね。
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でかすぎてもはや意味がわかんない。
僕もちょっとでかすぎて混乱しているんですけど、120兆ドルですね。だから1系ですね。
1系とか出ないですよね、普通。
小学生の時にね、ギャグで。
お前桁どこまで知ってるみたいな、あれですよね。
そうですね。
BGSではまず出てこない数字のレベルですよね、1系とかになってくると。
出ないですよね、だって今世界で一番時価総額の大きいアップルだって100兆とか200兆円ぐらいですもんね。
だからドルで言えばせいぜい2兆ドルとかだから。
まあまあドルってか、円換算で言うと今回の話は1系円ぐらい。
ぐらいの投資家たちの資産運用の、これ全部ESG投資の金額ではなくて、
そういったぐらいの資産投資、だから基幹投資家ってお金を預かって投資をするっていう仕事をしてるんで。
で、たくさん自宅をしてるんですけど、それをPRIに署名してる、責任投資原則に私も合意しますと。
EとSとGを踏まえた投資をしてますっていう人たちの投資家がだいたい4000ぐらいいて、
投資家の資産運用額を全部合わせると1系ぐらいになってるっていう、そういう感じですね。
だから全体でESGっていうものにある程度賛同してる人たちの運用してる総額が1系円ぐらいあるから、
まあそういう裸感って言われてもデカすぎてわかんないですけど、
ざっくりそういう認識を持ってればそんなに間違ってないと。
そういうふうなお金を運用している金額の人たちがこのESGの投資の原則EとSとGを考慮した投資をするっていうことに署名してるっていうのが今の世界の状況ですね。
これが15年かけて徐々に増えてきたっていうので今に達してるっていう感じですね。
だから昨日今日の話じゃなくて15年かけて増えてきたっていう流れですね。
あ、そっか2006年からですね。
元々は2006年にそういうあったっていうのがESG投資ですね。
ちなみになんか基幹投資家っていうワードってあんまりこれも聞き慣れないのでちょっとだけ補足してほしいんですが、
あれですよね。僕の認識で言うとそのものすごい大きい額の単位でまとまって投資することを仕事にしてるというかもうそういう会社とか組織のことをやってます。
こうおっしゃるとこですね。基幹投資家具体的に言うと例えばその政府とか年金基金とかですね。
政府っていうのはねあの生命保険の加入者からお金を預かってそれをお金運用をしてるっていうのもありますし、
日本で言うとGPIFっていう国民年金のお金を運用してる人たちっていうのが代表的な基幹投資家っていうふうに言われてます。
後期の基幹投資家で言うと金融機関、普通の銀行とか信託銀行とかもうお金たくさん持ってるんでそれを運用するっていうのも後期では基幹投資家って言われますし、
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事業会社がお金集まって一部ちょっと運用するみたいな言い方も業界によっては基幹投資家っていうような表現をしたりします。
例えばベンチャーキャピタルとかプライベートエキティファンドみたいなファンドっていうのがあってこの裏には基幹投資家がお金をベンチャーキャピタルとかプライベートエキティファンドに預けて、
そういったベンチャーキャピタルやPファンドが投資を運用してるっていうそういった流れにおけるお金の出し手がいわゆるその基幹投資家って言われるものですね。
なのであれですよね、だから基幹投資家って聞いたらなんかすごい自分個人とは関係ないすごい大きな会社とか組織の人なんでしょってちょっと思いがちだけど、
例えばその年金で言えば僕らも毎月何万円かとかその年金を言い方悪いけど取られてるわけで、取られてるっていう悪いですけど、
国によって義務だからと言って年金月何万か、でもそれをただ貯めておくだけじゃなくて、ちゃんと貯めるだけではなく少しずつ増やすような形で運用しますっていうことがもうそれは決められてるんですかね、法律とかで。
そうですね、ある年金資産っていうのがあって、これは基本的には世代間の再配分ですから、我々のお金っていうのは今の高齢者のお金だし、
我々が高齢者になってるとその若い世代がお金を払うんですけども、そこのギャップが当然あるわけなんですよね、金額。そういったところのあと余ってるお金もあったりするので、それをGPIFといった基幹が運用する。
これ別に日本だけじゃなくて海外、例えばカリフォルニア州、アメリカカリフォルニア州のカルパスは有名な年金基金とかですし、世界中にシンガポールとかもありますし、いろいろ政府系ファンドと言われるようなものですね。
なるほど、だから世界中の国、全ての国ではないけど、年金とかそういう世代間でお金を融通していくような仕組みを持っている国においてはほぼそのような年金運用の組織が必ずあって、この人たちが莫大な金額を投資先を決めて運用してるっていうふうに考えればいいということですね。
そうですね、例えば今言った生命保険とかもね、お金を保険管理者から集めて、そのお金をただに再配分するわけじゃなくて、一旦プールしてる金額っていうのは株再建、不動産とかに投資をするし、あと大学ですね、特に日本よりも海外なんですけども、ハーバードとかELっていうのはすごく大学としてある意味基幹投資家みたいな感じで、
多くの資産を持っている。なぜかというと寄付をたくさんもらっているからなんですね。それをすごい高い利回りで運用していくっていうようなことをやっているところもあります。
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当然GPIFが自ら運用するだけじゃなくて、それをアセットマネージャーと言われる、例えば資産運用会社とか信託銀行とかに一部預けて、彼らにまたプロに運用してもらうというような動きもあったりはしますね。
なるほど。いずれにしても、基幹投資家って聞いたときにイメージしたらいいのは、どこか関係ない人たちというよりも、自分たちが何らかの手法で出して、銀行預金なのかもしれないし、年金かもしれないけど、そういったお金をすごい規模とかで運用している人たちだから、
その人たちが何をしているかとか、どういう成果を出しているかっていうのは、普通の市民というか国民というかは知っておいたほうがいいんじゃないかっていう。
そうですね。例えばアービノミクスのときに株価が結構上がったというときに、全然一般庶民向けないですよっていう、一部の株を通している金持ち的には儲かっているんじゃないですかっていう考え方も当然それはあるんですけど、
そこでやっぱりGPIFも当然株価の上昇の恩恵を受けて、それは結局国民年金で加入している、加入はもう義務なので国民全員、年齢は当然ありますけどね、っていう中での運用になってくるっていうので、実は我々も間接的に恩恵を受けているっていうのはありますね。
了解です。あ、なるほど。分かりました。ちょっと最初は基幹投資家っていうのを話しちゃいました。まあでもここを認識しておくの結構大事だと思うので。
そうですね。はい。
じゃあちょっとそこが、まずそういう基幹投資家が取り組みしている、でそのESG投資とESG経営っていうのがあるってさっきお話でしたけど、まあ投資については今のような話で関係あるよっていうことなんですよね。
そうですね。で次ESG経営なんですけども、さっきは投資家目線、主に基幹投資家の視点でしたけども、基幹投資家がEとSとGを考慮に入れて、企業の株式に投資をする、まあ上場価をとらない投資をするっていうときに、いわゆるその株主になりますので、基幹投資家が。
株主からいろいろですね、株主視点で経営に対してコメントをもらったりはするんですけども、当然だから上場している会社を中心に株主の状況を踏まえる必要があると。なので、やっぱりEとSとGに対応するっていうことは、企業の経営においても極めて大事なマターになってきますと。
というので、EとSとGを考慮に入れた経営を行っていくっていうところが、世間一般におられるESG経営というものですね。
ちょっと質問としてはですね、そのESG経営っていうのは、自分たちの会社の事業の中身そのものがESGっていうことなのか、それとも事業の内容はあって、それをやる上でESGは考慮するっていうのはどっちなんですかね。
なるほど、とてもいい質問ですね。両方あるんですけども、今の文脈でいうと結構後者が大きいかなと個人的に思ってます。
ESG経営って具体的に何をすればいいんですかっていうときにはピンとこないと思うんですね、多くの人が。そのときに今よく使われているのがマテリアリティっていう概念ですね。横文字が多いんですけど。
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マテリアリティっていうのは重要課題というところで、EとSとGそれぞれにおいて企業によって課題が変わってくるんですけども、自社にとってEとSとGの観点における重要な課題は何なのかっていうのを横軸にとって、縦軸にステークホルダーにとって重要な課題は何なのかっていうところをとった上で、
自社においてこのEとSとGで特にどこがまず重要なのかっていう優先順位をつけましょうと。その上でその課題に対処していくと。これ具体例で言うと、例えばサプライチェーンで言ったときに自動労働とかですね、労働環境が悪いっていうのはソーシャルSの課題になってきてはいるので、
当然企業が対処すべきものであると。逆に言うとそれを適切に対処しないと過去ですね、Nikeで不売運動が起きたみたいな感じで、社会にとっても良くないと。なのでそういったところをまず見直していくであったりとかですね。
例えばその環境プラスチックをすごく使うビジネスをやっているときに、これ本当にプラスチックで課題じゃないのか。我々にとってやっぱり見直す必要があるんじゃないかというところで、例えばもうコーヒーチェーン店がストローをプラスチックから紙に変えたとか、そういったような感じでEとSとGの課題っていうのを対処していく。
そうすると、さっき申し上げた通りESG投資っていうのは、基幹投資家がEとSとGを踏まえた上で投資判断をしていくっていうことではあるので、企業がきちんとそこを開示をすることによって適切に投資をしていく。逆に言うともうEとSとG、何も情報開示していません。全く知りませんとかなっちゃうと、ESG投資家からすると、ダメですねっていう楽に押されてしまうリスクがあるという、そういう感じですね。
ダメですねっていう楽に押されることの問題、問題というかそうすると因果関係に次に来るのは、なんとかっていう会社にはその基幹投資家たちが投資しませんと。
そうですね、まさに。
そうなると、その会社にとって具体的に何が悪いことが起こるんですかね。
まず一番多いのは株価が下がるということですね。基幹投資家はすごく株式を持っている、投資をするので株価が下がってしまうということは、やっぱりその企業として注目されなくなってしまう。
株価が下がるということは、例えば株式で調達をするときに安い価格でしか調達できないのでネガティブになってしまうというのもありますし、
例えば企業を採用しようと思うときに株価がすごい低い企業だとなかなか人が取れなかったりするとか、逆にあとはEとSとGって究極課題なんですね。将来に対する課題。
それに適切に対応していないというところで、投資家からお金を集められなくなってすごく厳しくなってくるというところがありますね。
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一個それで思ったのは、上場してない会社っていうのも世の中いっぱいあるじゃないですか。
素晴らしい視点ですね。
小さい会社、例えば僕もしげさんも自分の会社やってますけど、当たり前だって言っちゃうと失礼かもしれないけど、上場してない会社じゃないですか。
でも世の中、例えばサントリーとかも上場してない会社ですよね。
そうですね。親会社はしてないですね。
そのすごい大きい会社からすると、ESGっていうことを意識してもしなくても株価っていうものがほとんど関係ないわけだから、しかもそれで借金とかもしてないで経営できるんだったら別に気にしなくてもいいじゃんっていう風になりそうな気がするんですけどね。
さすがですね。とても素晴らしい視点で、私もそれはまさに同じ疑問を持ってたんですけれども、いくつかそれに対する回答はあります。
まず1点目にですね、先ほどPRIという風に申し上げたんですけども、これですね、Principles for Responsible Investment、すなわち借金投資原則というところで、まさに機関投資家が投資する際の原則っていう意味合いなんですけども、
これ2019年にですね、PRBっていうのができたんです。PRBっていうのはPrinciples for Responsible Bankingの略ですね。
なので、責任銀行原則みたいなところで、銀行が融資をする際にこういうのをちゃんとコーディネートしないとダメですよっていうところですね。
となるともう銀行と取引がないっていうのはあんまり大規模でほとんどないので、そういったところになると銀行から厳しい視点が入る。
例えば、分かりやすい例でいうと、石炭火力とかっていうのはもう今のメガバンクって新規の石炭火力の設備投資に対しては有償しないっていう風に言ってはいるんですよね。
そういうところが調達できなくなってしまうっていうのがまず1点目ですね。
なので非常上でも銀行との取引を考えると必ずしも逃れられないと。
先ほどまさきが言うと無借金系があるんじゃないかと、実際に金融機関と付き合いがないところもあるんじゃないかっていうのもあります。
これどうなるかっていうと、これは取引先としても選ばれなくなってしまっているのがあるんですね。
例えばAppleっていうのはApple監査といってAppleのサプライチェーンの取引で、
その労働環境とかすごい40何項目の細かい規定が決まっていまして、
これを満たさないと御社とは取引しませんっていう風にもう明言してるんですね。
となった時に今後この動きが増えてくると、いわゆる大企業とか大きな企業とかで、
いわゆるEとSとGに対する配慮ができてない、考慮ができてないっていう風になってくると、
結局中小企業とかでもうまく取引ができないっていうようなことに今後なってしまうっていうことはあり得ると思います。
なるほど。一応サプライチェーンっていうワードをちょっとだけ補足しておくと、これは調達ってことですよね。
18:02
例えばAppleのiPhoneで考えると外装のアルミであるとかガラス板であるとか、中のCPUであるとか電池であるとか、
そういった諸々のパーツ類とか、あとはアセンブリする、組み立てるっていうこともAppleから見れば調達になっているわけですけど、
例えばその中で環境のこと全く考えない方法で取ってきた材料で作ってる会社とか、
あとはその工場で働かせてる人に、すごい非人道的な環境で使ってるような工場からはAppleは買いませんってなると、
なるとっていうか、今の話だともうしてるってことですもんね、Appleはね。
Appleもしてますね。
あとなんか電力とかもそうですよね。
そうですね。
再生エネルギーのところ、調達先も再生エネルギーにするぞとか言ってるしやってるのかな。
そうですね、最近の方はそういうふうになってますね。
そうですね。
ってなってくると、さっき言った非常上でもAppleとかそういうところと、
てかそもそも他の会社と取引のない会社っていうのはほぼ存在しないわけだから。
売り上げ立たないですからね、基本的にはどっかとお付き合いがありますから。
そうですね、それこそAppleに何かを売るとかしてると、
Appleさんがそういう原則で動いてるんだったら上場してようがしてなかろうが、
そこに合わせていくっていうことは、もうその会社の存続成長には絶対必要になるよねっていう、
今後は特になるよねっていう。
そうですね。
これは本当にエスカル消費と言われる消費ですね、
そういったもののときにちゃんと原材料の確認をするみたいな感じで、
消費者自体もすごく目線が厳しくなってきてるので、
ESGっていうことを表に出さなくても、いわゆるEとSとGに対する配慮が全くないような感じは、
そもそも消費者が選ばれなくなるっていうのはあると思いますね。
例えばすごく自動労働とか労働環境が悪いところで激アツの服があったとして、
それ皆さん買うんですかっていうときに、やっぱりそれはもう買わないですっていうような態度を
消費者が取るようになってきてるっていうふうにも、
結局ESGの影響っていうのがあるかなと思いますね。
なるほど。じゃあ今の話で言うと、
大きい機関投資家とかもあるし、
Appleみたいなスーパー大企業もあれば、
そこにものを納入しているような企業もあれば、
あとそれを消費する個人とかもあって、
結構全体的にESGというか、
そういう軸でつながって経済が回り始めてるっていう理解をしたほうが良さそうってことですね。
まさにそれが今回、先ほどね、
あったような今回のコンセプトといいますか、
っていう話にもつながるかなと思いますね。
意外と自分ごとっていう。
そうですね。
なんとなくESGのことが分かってきたというか前提を話しつつ、
しげさんはどうしてこのESGに興味を持っているとか、
こういうのがあるみたいなことを教えてほしいなと
21:00
なんとなく思っているんですか。
そうですね。
私は今のこのESGの潮流はすごく関心がありますね。
この金融の業界で15年以上ですかね、
仕事をしてきたんですけど、
今は個人的に最も熱いと感じるぐらい関心があります。
その背景ですね。
なんでなんですかというところなんですけども、
まさきさんもそれ関係あるかもしれない。
私の場合は2つあって、
1つは2008年のリーマンショックですね。
もう1つが2011年3月の東日本大震災。
この2つがやっぱり私の価値観に大きく影響を与えたのは間違いないです。
リーマンショックの話からすると、
まさきさんが2009年に社会人になったのが、
おそらくそこまで社会人としてのリーマンショックを経験されたので、
学生でいうと多分なんか、
その頃も就職決まってたと思いますんで。
そうですよ。
1年遅かったら就活危なかったみたいな、
はっきり言うとその程度の認識しかなかったですよ。
だから当時言うと、まさきさんはニュース読んで、
なんか株が下がってるな、でも別に株通してないし、
そういう感じですかね。
そうですよね。
学生時代にリーマンショックを経験した人は多いと思います。
私とかはもうモロだったんですね。
2006年に社会人になって、
2007年にサブプライム、2008年にリーマンショック。
これちょうど1回目の放送に似たような話をしましたけど、
私はすごくこれが非常に大きな影響を与えまして、
なぜかというと、私はいた部署が、
サブプライムローンというリーマンショックの引き金になったところに、
投資をしている部署にいたんですね。
私は自ら投資はしなかったんですけども、
他のチームの外国人の方がサブプライムローンというのを投資をしていましたし、
当時ちょっと細かいですけど、
私は商権化という商品の部署に、
投資をする部署とか、蘇生をする部署という、
金融商品を作ったり買ったりする部署にもおったんですけれども、
当時は商権化というのはすごくいいものだと思っていたんです。
いいものというか、金融技術として素晴らしいというふうに
正直思っていましたし、
2004年の大学の卒論が商権化だったんですね。
そういう意味で今後の金融の仕組みというのは、
商品がとても大事だと思っていました。
ごめんなさい。ちょっと商権化というところを
確認すると、
僕の理解でいうと、
商権にするということは、
それまで金融の商品として流通できなかったものを
そこに載せられるようにするというような理解ですよね。
おっしゃる通りですね。
例えば、我々株式とか債権というのを買うことは、
前からできたんですね。
企業で株式を発行してという。
例えば、不動産を買うというときに、
例えばビル1棟があったときに、
ビル1棟を買うしかないじゃないですか。
例えば、あたかもビル1棟というのが
24:02
複数で株式みたいに
たくさんの株を発行してですね、
それを商権として買えるみたいなことができるんじゃないか
みたいなことが商権化という技術でして、
住宅ローンというのは銀行がたくさん出すんですけど、
住宅ローンをバッと束ねたときに、
それを細分化して金融商品にして売ると、
住宅ローンを出していない個人でも商品を通じて
住宅ローンを投資できる。
実際個人ではなくて、基幹投資家が買うんですけど、
基幹投資家が、例えば不動産とか商業ビルとか
住宅ローンとか、そういったいろんな商品に対して
投資ができるようになるという仕組みを作るのが
商権化という仕組みですね。
サンプライムローンというのは、いわゆる低所得層向けの
住宅ローンというのを金融商品に仕立てて、
基幹投資家が買うということがあったんですけども、
それが非常に悪質だったと。
悪質というのは、金融商品として
キャッシュフローを生まない商品でしたと。
いろいろあって、リーマンショックという
100円に1人を受ける金融危機というのが起きましたと。
それまで2005年、2006年とか
金融資本主義というので、お金を稼ぐと
ことが素晴らしい、素晴らしいという言い方があるんですけど
価値観として、それがいいんだ
みたいなのがあったんですよね。
例えば、それってプロ野球選手とか
プロサッカー選手というのが非常に年俸が高い
みたいなところっていうのは
いいよねっていう夢があるよねみたいな、普通にある話だと思うんですね。
それに近しい感じで
投資銀行業務とか金融機関で働いて
たくさんの年賞をもらうっていうことは、キャラとしてかっこいいし
たくさん利益を稼ぐことが素晴らしいんだみたいな
っていうのは、価値観として、いいか悪いか別だし
あったんですね。それが特に
2005、6とかって強かったんですけども、リーマンショックを経て
それおかしいんじゃないかっていう価値観っていうのもだいぶ生まれてきたし
私はまさにそういうビジネスを
直接社会人の若い頃ですけどやってたっていうのがあって
やっぱりその利益を追求だけするっていう時に
社会課題を引き起こすような利益っていうのは
あるんじゃないかっていうところを通じて
非常に社会課題っていうことに関心持ったっていうのがありますね。
なるほど。それがリーマンショックの時。
リーマンショックの時ですね。
東日本大震災。東日本大震災ですね。
東日本大震災が早いものでも3年後ですよ。
2008年9月にリーマンショックが起きて
それの2年半後ですけど
2011年3月に東日本大震災が起きて
当時まさきさん東京にいらっしゃいました?
僕は当時別に隠すことじゃないですけど
任天堂というゲーム会社に勤めておりましたので
京都にいました。
そうなんですか。知らなかったです。
本社は京都ですもんね。
ちょっとだけ揺れたけど
27:00
全然そんな大災害だと思わなかったんですよ。
これあれなんですよね。
東日本大震災を加えて阪神淡路大震災
95年の関西阪神での震災
両方被災した立場なんですけど
結構当事者からすると
いろんなショックが大きかったんですけど
当時まさきさん京都にいらっしゃると
どういう感じなんですか?
正直関西にいる人たちは
主語が大きいんですけど
でもちょっと遠い世界の話っぽい感じはしてましたね。
なぜならそんなに揺れてないから。
そうですよね。確かに。
し、帰宅困難とかにも直面してないんで。
テレビの世界っていう感じですよね。
そことか私まさきさんに帰宅困難
歩いて帰りましたけど
たまたま家近かったんで間違えても2時間ぐらいかかりますけど
家から2時間で帰ったりとか
当時コンビニとか電気全部喰らわれて
オフィスも基本全部電気消すんですよ。
そういう環境の中で
インフラっていうのは当たり前じゃないっていうのもありましたし
そもそも原発っていうすごくリスクを抱えてるっていう中で
自分の無力さを感じるとともに
東日本が大変な時に
自分がやってる仕事って何か関係あるんだっけって感じるわけなんですよね。
これって今これ我々やるべきですかって感じちゃうわけなんですよ。
そういった中で
仕事だけじゃなくて自分が持ってる
リソースっていうのをいかに
社会課題に解決に向けられるかっていうところに
私に極めて関心を持つようになりましたし
金融っていうビジネス自体がバブル崩壊とかリーマンショック
っていうことを含めてむしろ社会課題を生んできちゃったような
ところがあったので
そういうことに対してきちんと真っ当に
そうじゃなくて社会課題をきちんと解決していく
それをビジネスでやっていくっていうことに
すごくこの2つの出来事を通じて
関心を持ったっていうのがありますね。
なるほどですね。そういうことか。
それから具体的に例えば
仕事を通じてそれに実現しようと思ったこととか
仕事外でそこの方向にとかなんかあるんですか?
そうですね。まずリーマンショックが終わった後に
やっぱり私自身経済学研究科に行って
経済学も研究してて証券化とかを
理論としても学んで人生までやってて
すごく恵まれた環境にいたんですけど
リーマンショックを受けたときにやっぱりそもそも理解しなかったっていうのは
痛感したんですよ。経済の仕組みとか経済学とか
実務と理論と平たりっていうのを痛感して
それきっかけでやっぱり2009年の11月に
勉強会っていうのを有志で始めて
それ今もやってるんで12年ぐらいやってましたね。
それを踏まえてそれに関係あるんですけど
2010年前後からNPOの絡みを結構やるケースが増えてきて
2枚目の名刺とか
30:00
リビングインピースっていうマイクロファイナンスの
取り組みとかですね。あと私が今CFを務めるGOB
GOBラボっていうのがあってこれ結構若者に火をつける
っていうような取り組みだったんでそれを
NPO的にプライベートの時間を使って
妻と一緒に活動するってことはやってましたね。
なるほど。
そういう風な活動をやられてる中で
でもその時にはESGとかまだ知らなかったってことは
もう知ってたんですか?
いや当時はESGは知らなかったですね。
ただ当時
2010年代前半から
むしろ私インパクト投資とかの方が先に知ったんですよね。
インパクト投資?
社会的インパクト投資っていうものがありまして
インパクトって影響とか成果って言うんですけど
社会にとっていい影響なり成果なりインパクトを出すような
そういった金融仕組みっていうのが社会的インパクト投資
っていう風に言われてて。ESG投資も
抗議で言うとインパクト投資を包含してるって考えられているんですけど
そういうのに関心持ったりとか
ROIっていう考え方がありまして
リターンオンインベストメントですね。
投資に対してどれだけ収益を得られるか
事業会社ならずっと考えてる話だと思うんですね。
それに対してちょうど2010年前半くらいに
SROIっていう概念が結構流行ったんです。
SROI。つまりROIの前にSがつく。
これ何かっていうと
ソーシャルリターンオンインベストメントなんですね。
投資に対してソーシャルリターンがどれだけあるんですか
ソーシャルリターンって何なんですかっていうところは
例えば社会的リターンで
コミュニティとか含めてそういった社会的リターンとか
っていうのがあったりすると思うんですけど
そういうのは利益として
お金が儲かったっていう話ではないけれども
社会的な価値は生んでますよねっていう
そういうところの取り組みに個人的に非常に
関心を持ったっていうのがありましたね。
なるほど。そういった中で
ちなみにしげさん
銀行にお勤めだったのはいつまででしたっけ
銀行は2018年までですね。
銀行の中にいて
今言ったそういったインパクト投資とか
ESGとかソーシャルリターンとか
そういったことを感じたことあります?
直接はそこまでないですね
ただこれも本当に私はもうラッキーだと思っているんですけど
2013年から部署を移動しましてですね
再生可能エネルギーのプロジェクトファイナンスの部署に
配属をされました
具体的に太陽光ですね
太陽光の発電所に対して
融資をするっていう部署に行きまして
当時やっぱり2013年っていうのは
震災をきて原発の稼働を
33:00
止めつつ再生可能エネルギーを増やしていくことが
日本の国策としても
エネルギーミックスって言うんですけど
日本っていうのは熱弾火力とか
石炭火力とか
いろんな火力発電所とか再生可能エネルギーとか風力とか
水力とか原発とかあるっていう
それをどう組み合わせるかっていう文脈で
再生可能エネルギーが非常に注目されたっていう文脈の中でも
エネルギーミックスとか言われるような
そうですねまさにエネルギーミックスですね
そこで再生可能エネルギーに取り組んで
今思うと当時ESGとかいう言葉はあんまり僕は知らなかったんですけど
やっぱりすごく社会的に意義があることとして
やりがいはあったと
ただ太陽光は太陽光で別に課題はあるというか
例えば20数年使った後の太陽光パネルって
どうやって処分するんですかそのお金がかかるとか
先日あった土砂災害の時に太陽光パネルが山を切り崩して
やることによって地盤が緩んでしまって
事故が起きたんだみたいなところもあったりするんで
一概に100%これが正しいっていうのではない
人によってあるかもしれないんですけど
比較的目的がわかりやすかったんでやりがいはありましたね
今後というかこのESGという
流れとかに関する中で
自分としてこの辺やっていきたいとか
なんかあるんですか
そうですね個人的に一番関心があるのは
ESGとかSDGsっていう言葉が
結構一人歩きするというかよくわかんないっていうのと
社会との遠さを感じるっていうことだと思うんですけど
結局その一人一人の行動っていうのは
結構大事かなと個人的には思ってはいるので
そういったところをいかに身近に感じられるかっていうところを
なるべく言語化して文章で伝えるとか
なんでそもそもESG投資なんだっけみたいなところを
ファイナンス的から通訳するみたいな
いうところに結構関心があったりはしますね
僕もしげさんも関わってる見てもという会社の
ディーパーという自社メディアがあるんですけど
そこにね記事をちょうど
今日までで3回の連載というかシリーズでね
後でリンク貼っとくんで興味ある方は
見ていただけるかと思いますが
ESG投資とインパクト投資とかさっきおっしゃったような
それってどういうとこ目指してるとか何が違うとか
通じてるとかそういったことの発信をされてるとか
ですよね
そうですねまさきさんも寄稿されてると思うんですけども
そういったメディアがあったりする中で
自分が知ってることであったりとか
関心持ったこととかっていうのを通訳的に
やっていくということにはすごく関心がありますね
まさに最初の方の今日の話でいうと
個人化の単位で認識して行動していくっていう部分もあるし
大企業とか大きい機関投資家とかそういう中で
仕事してる人とか関わってる人が認識してたりとか
いろんなスケール感なり場面なりがあると思うので
36:04
そうですね
今まさきさんも大きい企業にいらっしゃって
個人の会社作られて私も硬い金融っていう世界にいて
会社作ってますけど両方メリットとエリメリットあると思うんですね
大きい企業にいれば大きい企業のリソースを使えるっていうのがあって
それは圧倒的なメリットですと
ただ一方でやっぱり少しやりづらさっていうのは情報発信とか
個人の発信個人の発言と企業の発言っていうのが曖昧になっちゃうんで
なかなか言えないっていうのがあったりすると思うんですけど
個人とか小数の会社働くとそのあたりっていうのは
比較的自由ではないですけど発言しやすいっていうのがあったり
発信しやすいっていうのがあったりして
そこもあんまりポジショントークを取らなくていい
ここでポジショントークっていうのは例えば企業が大きなこういう方針を抱えてるから
我々もこう言わなきゃいけないみたいなところが
多少なりともあるかなと思うんですけど
やっぱりこういうところ気にせずに
自分が本当に素晴らしいと思ったことを社会にダイレクトに伝えられることができる
っていうところには非常にありがたいと思ってますし
このポッドキャスト自体もそういう感じですよね
確かにそうですねこれも言われてみればそうです
だからさっき話した私のリーマンショックとか
東日本大震災の経験とかって
これ僕銀行行ったときにこのポッドキャスト取ってやると
多分銀行の人が聞いたら後から言われる気がする
言われるようなところがもしかしたらあるかもしれなかったんですけど
今のところはあまり気にしなくていいんで
社会にとって自分が本当にこれ良いと思ったところをステマとか関係なくて
発信できるのがありがたいなと思いますね
なるほどじゃあそういう方向でのアクションを引き続きやっていきたいという感じですかね
そうですね
ありがとうございます
じゃあ今回はここら辺までということで
一旦終わりようと思います
ではお聞きいただきましてありがとうございました
ありがとうございました
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