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2026-02-14 05:41

【令和8年度改定】入院時の食事療養が変わる|嚥下調整食の新評価と特別料金の2つの見直し

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令和8年度診療報酬改定では、入院時の食事療養の質の向上を図るため、食事療養に関する制度が見直されます。今回の見直しは、嚥下調整食を必要とする患者への対応と、入院患者の多様な食事ニーズへの対応を目的としています。この記事では、個別改定項目「Ⅰ-1 ③入院時の食事療養に係る見直し」の内容を解説します。

今回の改定では、主に3つの変更が行われます。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象として新たに追加されます。第二に、特別メニューの追加料金について、1食あたり17円の標準額が削除され、医療機関が柔軟に金額を設定できるようになります。第三に、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事も、特別料金の対象として明確化されます。

嚥下調整食が特別食加算の新たな対象に追加

今回の改定の最大のポイントは、嚥下調整食が特別食加算の対象に新たに追加されることです。これまで特別食加算の対象は、腎臓食や糖尿食などの「治療食」に限られていました。嚥下調整食は対象外であったため、摂食機能や嚥下機能が低下した患者に提供しても加算を算定できませんでした。

嚥下調整食が加算の対象外であったことには、実態との乖離がありました。嚥下調整食を必要とする患者は各入院料において一定数存在しています。しかも、嚥下調整食は普通食よりも食材費が高く、最もコストのかかる嚥下調整食と普通食の1日あたりの食材費の差は76円に上るとの報告があります。こうしたコスト負担が、医療機関の持ち出しとなっていました。

嚥下調整食の質の向上は、患者の栄養状態やADLの改善に直結します。見た目を改善し適切な栄養量を確保した嚥下調整食を提供した研究では、1日あたりエネルギー273.8kcal、たんぱく質12.4gの摂取量増加が認められました。さらに、この栄養強化群ではADLの改善も確認されています。

今回新設された算定要件では、嚥下調整食は「治療食」とは別の区分として整理されています。具体的には、摂食機能または嚥下機能が低下した患者に対して、医師の発行する食事箋に基づき提供された、適切な栄養量および内容を有する嚥下調整食が対象となります。従来の治療食が「疾病治療の直接手段」と位置づけられているのに対し、嚥下調整食は「摂食・嚥下機能の低下への対応」として独立した位置づけを持つ点が特徴です。

特別メニューの追加料金に関する2つの見直し

入院患者の多様な食事ニーズに対応するため、特別料金の支払いを受けることができる食事についても2つの見直しが行われます。ひとつは追加料金の標準額の削除、もうひとつは対象となる食事の明確化です。

標準額の削除と柔軟な料金設定

1つ目の見直しは、特別メニューの追加料金における標準額の削除です。これまで、基本メニュー以外のメニューを患者が選択した場合の追加料金は、1食あたり17円を標準として設定されていました。この標準額が削除され、保険医療機関が柔軟に妥当な額を設定できるようになります。

標準額が見直された背景には、現行の17円という金額が現状に合っていないとの指摘がありました。食材費や人件費の高騰が続くなか、17円では基本メニュー以外の選択肢を準備するための追加コストを賄えない状況が生じていたためです。今後は各医療機関が、実際のコストに見合った「社会的に妥当な額」を自ら設定できるようになります。

行事食・宗教配慮食の対象明確化

2つ目の見直しは、特別料金の対象となる食事の拡大です。患者の自由な選択と同意に基づき、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事を提供した場合も、特別の料金の支払いを受けることができることが明確化されます。

この明確化の背景には、すでに多くの医療機関が追加料金なしでこれらの食事に対応している実態がありました。約8割の医療機関が行事食を追加料金なしで提供し、約2〜3割の医療機関がハラール食などの宗教配慮食を追加料金なしで対応していました。今回の見直しにより、こうした食事提供にかかるコストを、患者の同意のもとで適正に収受できる道が開かれます。

まとめ

令和8年度改定における入院時の食事療養の見直しは、3つの柱で構成されています。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象に追加され、摂食・嚥下機能が低下した患者への質の高い食事提供が評価されるようになります。第二に、特別メニューの追加料金について標準額が削除され、医療機関による柔軟な料金設定が可能になります。第三に、行事食やハラール食などの宗教配慮食が特別料金の対象として明確化されます。いずれも、入院時の食事療養の質の向上と、入院患者の多様なニーズへの対応を目指した改定です。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定により、入院時の食事療養が大きく変わります。嚥下調整食が新たに特別食加算の対象となり、患者の栄養状態とADL改善に貢献することが期待されます。また、特別メニューの追加料金の標準額が撤廃され、行事食や宗教配慮食も特別料金の対象として明確化されることで、医療機関は多様なニーズに応じた質の高い食事を柔軟に提供できるようになります。

入院時の食事療養の転換点
さて今回は、2026年度から変わる【入院時の食事】というこれ、誰にとっても身近なテーマをじっくり見ていきましょう。
いただいた資料は、この診療報酬改定を解説した記事ですね。 正直、病院食というと、こう味が薄いとか決まったものしか出ないとか、まあそんなイメージがまだあるかもしれませんが。
実は今、大きな転換点を迎えていると、今回の変更があなたやあなたの家族の入院体験をどう変える可能性があるのか、一緒に探っていきましょう。
そうですね。これはあの単なる料金変更の話っていうことではないんですよね。 患者さん一人一人の状態とか、あとは希望により決め細かく答えようという、医療の質そのものを上げるためと、そういう重要な一歩だと捉えるべきですね。
嚥下調整食の特別食加算対象化とその効果
なるほど。では、その確信にある3つのポイントを早速見ていきましょうか。 まず最初のポイントですが、これが一番大きいかもしれませんね。
塩化調整食、つまり食べ物とか飲み物をうまく飲み込めない方向けの食事。 これが新たに特別食家さんの対象になると、これまでは治療のための腎臓病食なんかは対象でしたけど、塩化調整食は違ったんでしたよね。
その通りです。塩化調整食って食材を刻んだり、ペースト状にしたり、普通食よりずっと手間もコストもかかるんです。
ああ、そうですよね。
資料によると食材費だけでも1日当たり最大で76円の差額が出ていて、これが病院側の負担になっていたと。
なるほど。今回の改定でその手間とコストがようやく正当に評価される形になるわけです。
なるほど。
で、その効果がすごいんですよ。資料にあった研究データですけど、質の高い塩化調整食に変えたら、患者さんの1日のエネルギー摂取量が平均で273.8キロカロリーも増えたと。
へえ。
タンパク質も12.4グラム増えたそうです。これって毎日おにぎり1個半とゆで卵2個分くらいの栄養を追加で取れるってことですよね。
まさに。
これも単なる食事じゃなくて、食べる栄養療法と呼ぶべきレベルじゃないですか。
おっしゃる通りです。栄養状態が良くなれば当然回復も早まりますし、ADLつまり日常生活動作の改善にもつながる。
はい。
この塩化調整食が単に食べやすくした食事っていう位置づけじゃなくて、摂食塩化機能の低下に対応する独立した治療的アプローチだと。
ああ。
この考え方の転換が非常に大きいんです。
なるほど。飲み込みが難しい方へのケアが手厚くなるのはよくわかりました。
特別メニュー追加料金の柔軟な設定
一方でもっと積極的に美味しいものを選びたいっていう患者さんの希望、これはどうなるんでしょう。
ええ、それが2つ目のポイントですね。
はい。
これまで患者さんが選べる特別メニューの追加料金は原則として1食70円という非常に低い額に決められていたんです。
70円ですか。
ええ、物価とか人件費がこれだけ上がっている中で、この金額では病院側はもう赤字覚悟で提供するしかなかった。
この17円という縛りが今回の改定で撤廃されます。
撤廃、ということは病院が自由に値段を決められるようになると。
そういうことになります。
でもその社会的に妥当な額って誰が決めるんでしょう。病院によって値段がバラバラになって、かえって患者さんが混乱したり、不公平感を感じたりするリスクはありませんか。
それは重要なご指摘ですね。確かに価格差は生まれるでしょう。
でもそれは裏を返せば、病院側が創意工夫を凝らした質の高いメニューを適正な価格で提供できる自由を得るということでもあるんです。
例えば地元の新鮮な素材を使ったメニューとか、有名シェフが監修したメニューとか、そういう付加価値の高い選択肢が今後は増えるかもしれませんよ。
なるほど、選択肢が広がるという話で言うと3つ目のポイントも関連が深いですね。
行事食・宗教配慮食の特別料金対象明確化
これまでちょっとグレーゾーンだった食事が、はっきりと特別料金の対象になると。
そうなんです。お正月のおせち料理みたいな行事食とか、あとは宗教上の理由で配慮が必要なハラール食などですね。
ああ、なるほど。
これ驚くことに、資料によれば約8割の病院が行事食を追加料金なしで提供してたそうなんです。
えー、8割もですか。
えー、患者さんに喜んでもらいたいという現場の努力が経営を圧迫していた実態があった。
これからは、そうした特別な対応にも適正な価格を設定して、患者さんの同意を得て提供できるようになります。
改定の全体像と今後の患者の選択
こうしてみると、今回の変更の全体像がはっきりしますね。
まず、塩化調整食を正当に評価する。
次に、特別食の価格を現実に見合った形に柔軟化する。
そして、行事食や宗教食など多様なニーズへの対応を明確にする。
と、入院中の食事を単なる栄養補給からQOL、つまり生活の質を高めるサービスへと進化させようという強い意志を感じますね。
えー、そこで最後にあなたに一つ考えていただきたい問いがあるんです。
はい。
この価格の自由化と選択肢の拡大は表裏一体です。
病院が自由に価格を設定できるようになることで選択肢が広がる一方、
病院間の食事格差が生まれるかもしれない。
あー、なるほど。
この新しい自由度が、あなたにとって本当に価値のある食事の提供につながるのか、それとも単なる医療費の上昇に追わるのか。
今後、ご自身やご家族が医療サービスを選ぶ上で、病院の治療方針だけじゃなく、食事がどうかというのも一つの新しい判断基準になっていくのかもしれないですね。
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