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【中医協】DPC高額薬剤7成分が出来高算定へ|令和8年4月8日総会の結論
2026-09-23 06:13

【中医協】DPC高額薬剤7成分が出来高算定へ|令和8年4月8日総会の結論

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令和8年4月8日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会は第649回会合を開き、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題としました。新規に薬価収載された医薬品は、DPC/PDPSの診療報酬点数表に反映されないため、包括評価のままでは高額な薬剤費が病院の負担として残ります。本稿は、今回示された高額薬剤判定の結果を、DPC対象病院の実務で使える形に整理します。

中医協は、7成分を包括評価の対象外として出来高算定とし、2成分を定義告示の既存分岐に反映する案を示しました。判定の基準は、1入院当たりの標準的な薬剤費が、診断群分類ごとの包括範囲薬剤費の84パーセンタイル値を超えるかどうかです。出来高算定の対象となるのは、テゼスパイア、トレムフィア、キイトルーダ、ベスレミ、アクイプタ、ラヴィクティ、エキシデンサーの7成分です。定義告示に反映されるのは、エキシデンサーとツカイザの2成分で、いずれも類似薬の分岐に追加されます。

1. 高額薬剤判定は、技術革新の導入を妨げないための仕組み

高額薬剤判定は、新規の高額薬剤を一時的に包括評価から外す運用です。この運用は、年4回、新薬の薬価収載に合わせて実施されます。判定作業は、高額薬剤告示への追加と定義告示への追加という2つの作業から構成されます。

高額薬剤判定が必要になる理由は、DPC/PDPSの包括点数が過去の使用実績データにもとづいて設定される点にあります。新たに保険収載された医薬品には、この使用実績データがまだありません。データが不足したまま包括評価を続ければ、医療の技術革新の導入が阻害されかねません。そこで厚生労働省は、一定の基準に該当する薬剤を使用した患者について、十分な使用実績データが収集されDPC包括評価が可能となるまでの間、包括評価の対象外としています。

包括評価の対象外とするかどうかは、個別の診断群分類ごとに判定します。この判定では、対象の医薬品を入院初日から退院まで添付文書どおりに投与した場合の投与回数(仮想投与回数)を求めます。次に、仮想投与回数から1入院当たりの薬剤費を算出します。算出した薬剤費が、その診断群分類で使われている包括範囲薬剤費の84パーセンタイル値を超えていれば、当該医薬品を高額薬剤として指定します。前年度に使用実績のない医薬品では、併用する医薬品を含む標準的な使用における薬剤費の見込み額を、当該医薬品を使用していない症例の薬剤費の84パーセンタイル値と比較します。

判定の対象となる医薬品は、3つの区分に分かれます。第1の区分は、新たに薬価収載される新薬です。第2の区分は、効能効果・用法用量の一部変更が承認された医薬品です。第3の区分は、事前評価済公知申請が受理された医薬品です。今回の議題では、令和8年2月19日に効能または効果および用法または用量が追加された医薬品、令和8年1月29日に公知申請が受理された医薬品、令和8年4月15日に薬価収載を予定している医薬品が検討対象となりました。

2. 出来高算定の対象は7成分

高額薬剤告示に追加され、出来高算定の対象となるのは7成分です。内訳は、令和8年2月19日に効能効果・用法用量が一部変更された4成分と、令和8年4月15日に薬価収載を予定している新薬3成分です。これらの薬剤を使用した患者のうち、対応する診断群分類に該当する患者については、次期診療報酬改定までの間、出来高で算定します。

対象となる7成分の概要は、次のとおりです。一部変更の4成分を先に、新薬の3成分を後に並べています。

■ テゼスパイア皮下注210mg(テゼペルマブ)

* 区分:効能効果・用法用量の一部変更

* 効能・効果:鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎

* 対象の診断群分類:030350 慢性副鼻腔炎

* 1回投与当たりの標準的な費用:169,058円

■ トレムフィア皮下注(グセルクマブ)

* 区分:効能効果・用法用量の一部変更

* 効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎

* 対象の診断群分類:060185 潰瘍性大腸炎

* 1回投与当たりの標準的な費用:導入療法678,506円/維持療法325,040円

■ キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ)

* 区分:効能効果・用法用量の一部変更

* 効能・効果:局所進行頭頸部癌の術前・術後補助療法

* 対象の診断群分類:03001x 頭頸部悪性腫瘍

* 1回投与当たりの標準的な費用:398,924円(併用薬の費用は別途)

■ ベスレミ皮下注(ロペグインターフェロン アルファ-2b)

* 区分:効能効果・用法用量の一部変更

* 効能・効果:真性多血症

* 対象の診断群分類:130050 骨髄増殖性腫瘍

* 1回投与当たりの標準的な費用:初回272,587円/2週後以降518,246円

■ アクイプタ錠(アトゲパント水和物)

* 区分:新薬

* 効能・効果:片頭痛発作の発症抑制

* 対象の診断群分類:010240 片頭痛、頭痛症候群(その他)

* 1回投与当たりの標準的な費用:1,461.6円

■ ラヴィクティ内用液(フェニル酪酸グリセロール)

* 区分:新薬

* 効能・効果:尿素サイクル異常症

* 対象の診断群分類:100335 代謝障害(その他)

* 1回投与当たりの標準的な費用:41,455.4円(3日分)

■ エキシデンサー皮下注100mg(デペモキマブ)

* 区分:新薬

* 効能・効果:気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎

* 対象の診断群分類:030350 慢性副鼻腔炎、040100 喘息

* 1回投与当たりの標準的な費用:1,143,284円

7成分のうち、最も単価が高いのはエキシデンサー皮下注100mgです。この製剤は、1回100mgを26週間ごとに皮下注射する薬剤で、1回投与当たりの標準的な費用は1,143,284円に達します。同じ1回投与で、慢性副鼻腔炎の84パーセンタイル値7,380円(令和6年度告示番号441)や、喘息の84パーセンタイル値381,534円(同593)を大きく上回ります。

単価が低くても高額薬剤に該当する例が、アクイプタ錠です。この内服薬は、1回投与当たり1,461.6円にすぎません。しかし、片頭痛の診断群分類では仮想投与回数が5回とされ、1入院当たりの標準的費用は7,308円となります。この金額が84パーセンタイル値6,030円を上回るため、高額薬剤として指定されます。判定が薬価の絶対額ではなく診断群分類ごとの相対比較で決まる点を、この例が示しています。

投与方法によって費用が変わる薬剤にも、注意が必要です。トレムフィア皮下注は、導入療法で1回678,506円、維持療法で1回325,040円と、局面ごとに費用が異なります。ベスレミ皮下注も、初回272,587円、2週後以降518,246円と用量調整に応じて変動します。キイトルーダ点滴静注は、1回投与当たり398,924円に加えて、併用薬の費用が別途かかります。

3. 定義告示に反映する2成分

定義告示への反映は、エキシデンサーとツカイザの2成分です。いずれも令和8年4月15日に薬価収載を予定している新薬で、類似薬効比較方式(Ⅰ)により薬価が算定され、比較薬に特化した診断群分類がすでに設定されています。この場合、新薬を既存の分岐に追加し、比較薬と同じ扱いにします。

エキシデンサー皮下注100mgは、喘息の診断群分類に反映されます。この製剤の類似薬はメポリズマブです。そのため、診断群分類040100 喘息に設定されている「メポリズマブ」の分岐に、デペモキマブが追加されます。

ツカイザ錠は、乳房の悪性腫瘍の診断群分類に反映されます。この錠剤は、化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能または再発乳癌に対し、トラスツズマブおよびカペシタビンとの併用で1回300mgを1日2回経口投与する薬剤です。類似薬がトラスツズマブ デルクステカンであることから、診断群分類090010 乳房の悪性腫瘍の同分岐に追加されます。なお、ツカイザ錠は、出来高算定の対象として高額薬剤告示に掲げられた7成分には含まれていません。

4. 医療機関に求められる実務対応

医療機関には、3つの実務対応が求められます。第1に、対象薬剤と診断群分類の組み合わせを確認します。第2に、算定システムのマスタを更新します。第3に、正式な告示の内容で最終確認します。

対象薬剤と診断群分類の組み合わせの確認が、最初の作業です。出来高算定となるのは、対象薬剤を使用したすべての患者ではありません。対象となるのは、当該薬剤に対応する診断群分類に該当する患者に限られます。今回の資料では、同じ薬剤でも診断群分類の枝番ごとに84パーセンタイル値が異なるため、14桁コード単位での確認が欠かせません。

算定システムのマスタ更新が、次の作業です。今回の資料には、令和6年度の診断群分類番号と令和8年度の診断群分類番号が併記されています。令和8年度診療報酬改定で番号が変わるため、更新時には参照する年度を取り違えないよう注意します。運用開始の時期も、薬剤ごとに確認が必要です。新薬3成分は令和8年4月15日に薬価収載が予定される一方、一部変更の4成分はすでに収載済みで、令和8年2月19日に効能効果・用法用量が追加されています。

正式な告示での最終確認が、最後の作業です。本稿で紹介した内容は、令和8年4月8日の中医協総会に提出された事務局案にもとづいています。実際の運用は、高額薬剤告示および定義告示の改正内容で確定します。厚生労働省から発出される告示と関連通知を、必ず原文で確認してください。

まとめ

令和8年4月8日の中医協総会には、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応が議題として示されました。判定の基準は、1入院当たりの標準的な薬剤費が診断群分類ごとの包括範囲薬剤費の84パーセンタイル値を超えるかどうかです。出来高算定の対象となるのは、テゼスパイア、トレムフィア、キイトルーダ、ベスレミ、アクイプタ、ラヴィクティ、エキシデンサーの7成分です。定義告示に反映されるのは、エキシデンサーとツカイザの2成分で、それぞれメポリズマブとトラスツズマブ デルクステカンの分岐に追加されます。DPC対象病院は、14桁コード単位で対象を確認したうえで、正式な告示にもとづいて算定準備を進めてください。



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サマリー

DPCは定額制のため、新薬の費用が病院の負担にならないよう、一定の基準を超える薬剤を出来高算定にする仕組みが説明されます。判定には診断群分類ごとの84パーセンタイルが用いられ、約114万円のエキシデンサーだけでなく、1回約1,461円のアクイプタも、入院中の合計額が基準を超えるため対象になります。既存の分岐に薬剤を組み込む場合や、効能追加日と薬価決定日の違い、14桁コードと年度別マスタの確認など、病院の請求実務上の注意点も取り上げます。最後に、個別化医療で高額治療が増えた場合に、定額制をどう進化させるべきかが問いかけられます。

DPCと出来高算定の仕組み
みなさん、今回の深掘りへようこそ。 あの病院の予算を完全に狂わせてしまう薬って聞くと、どんなものを想像しますか?
そうですね。普通は、あの一回何百万円もするような最新の抗がん剤とか、そういうのを思い浮かべる方が多いんじゃないでしょうか。
ですよね。でも今回読み解いていく令和8年4月8日の注意協奏会の資料によると、なんとたった1400円の頭痛薬がその原因になるかもしれないんです。
ええ、これは非常に興味深いトピックです。 今日はそのDPCにおける高額な新規薬品の対応について徹底的に解説していきたいと思います。
はい、よろしくお願いします。 でまずそのDPCというシステムなんですけど、これって要するに医療費の定額制パッケージみたいなものですよね。
その通りです。あらかじめ決められた定額制の支払いシステムなんですが、そこに過去に例がないような超高額な新薬をそのまま入れてしまうと、まあ病院が赤字になってしまいますよね。
ですよね。なんか3000円の食べ放題レストランで、いきなりメニューにない仕入れ値10万円の超高級和牛をお客さんに出すようなものっていうか。
ああ、それはすごくわかりやすい例えですね。店がすぐ倒産してしまいます。だからこそイノベーションを止めないための安全網として、出来高算定という特例があるんです。
出来高算定、つまりその薬だけ別料金として計算するってことですね。でもそれって何でもかんでも別料金になるわけじゃないんですよね。
84パーセンタイルによる高額薬剤判定
ええ、もちろんです。そこで出てくるのが、資料にある84パーセンタイルという重要な壁なんですよ。
84パーセンタイル、なんか難しそうな言葉が出ましたけど、これ現場の感覚としてはどういうことなんでしょうか。
あの、同じ病気で治療を受けた患者さんを100人、薬代の安い順に一列に並べたと想像してみてください。
はい、100人並べます。
で、その84パーセンタイルというのは、最も高額な上位16人の手前に引かれた境界線のことなんです。新薬のコストがこの線を超えた場合のみ、特例として別枠請求が認められます。
えっと、ちょっと待ってください。それって裏を返せば83人目までのコスト増は、結局のところ病院側が自腹を切るってことですか。
まさにその通りです。完全な補填ではなくて、あくまでこれ以上は病院が耐えられないっていう極端なハズレ値だけを救済するためのかなり厳格なフィルターなんですよね。
なるほど。少しでも良い新薬を使おうとすると病院の利益が圧迫される、結構厳しいシステムなんですね。
エキシデンサーとアクイプタの判定例
まあでも、極端なハズレ値を救済するっていうなら、今回のリストにあるエキシデンサーでしたっけ。
ええ、エキシデンサーですね。1回の非過注射で約114万円もする薬です。
そうそう、そういう薬が対象になるのはすごく納得できるんです。でもここでさっきの疑問に戻るんですが、あのアクイプタっていう頭痛の薬?
はい、一回りわずか146円の薬ですね。
そうです。たった140円ちょっとの薬が、なんで100万円超えの薬と同じ高額薬剤の網にかかるんですか。なんか全然納得できなくて。
そこがDPCの面白いところなんですよ。実はこれ、絶対的な価格ではなくて、相対的な基準額で決まる仕組みなんです。
相対的ですか、どういうことでしょう。
アクイプタの場合、糖尿病治療において1回の入院で5回投与されると想定されています。そうすると合計で約7308円になりますよね。
えっと、1461円の5回だから、確かに7300円くらいですね。
一方で、この病気グループにおける薬代の84パーセンタイル、つまり先ほどの境界線ですね。これが6030円に設定されているんです。
あー、なるほど。だから7308円だと、その6030円の基準を超えちゃうから、高額薬剤として指定されるってことですか。
その通りです。絶対的な金額の大きさではなくて、あくまでその病気のカテゴリーに割り当てられた予算をオーバーするかどうかが問題になるわけです。
なんか会社の出張経費みたいですね。5000円の航空券なら激安ですけど、5000円の朝食代を経費で落とそうとしたら、高すぎるって経理にはじかれるみたいな。
薬剤の分岐反映と請求実務
まさにその感覚です。ちなみに全く新しい枠組みを作るだけじゃなくて、エキシデンサーや、あとは今回は告示から外れましたが、使い座なんかもそうですが、既に似た評価基準がある場合は既存の分岐の中にうまく組み込まれるケースもあるんです。
なるほど。でもこれ、病院の請求担当者にとっては相当な悪夢なんじゃないですか。だって、ただこの薬は高いって覚えるだけじゃ済まないですよね。
ええ、現場の負担は深刻ですね。ここで最大の摩擦になるのが、タイムラインのズレなんです。
タイムラインのズレっていうと具体的には何がズレるんですか?
薬に新しい効能が追加された日と、公的に薬価が決定される日が異なる薬が混在しているんです。だから、システムに入力するタイミングを間違えると大変なことになります。
え、間違えるとどうなるんですか?
請求がすべてはじかれます。対象となる薬と病気の組み合わせは14桁のコード単位で緻密に設定されているので、もし病院のシステムが誤って令和8年度じゃなく、令和6年度の古いマスターデータを参照してしまうともう大惨事です。
うわー、それは恐ろしいですね。注意供の案だけじゃなくて、正式な告示の原文とかもしっかり確認してマスター更新しないといけないと。
はい。本当に細かい確認が求められます。
いやー、私たちが新しい薬の恩恵を受けられる裏で、医療事務の方々がこれほど複雑なパズルを解いているとは驚きでした。
個別化医療と定額制の将来
そうですね。84パーセンタイルという緻密な計算を使って低学生の枠組みを維持しながら、病院経営と医療の進化のバランスをギリギリのところで保っているんです。
本当に精巧なシステムですよね。さて、最後に一つお聞きいただいているあなたに考えてみてほしいことがあります。
はい、なんでしょう。
今後さらに個別化医療が進んで、患者一人一人に合わせた特殊で高額な治療が当たり前になったとき、私たちの医療制度の根幹にあるこの低学生という概念自体、どう進化していくべきなのでしょうか。
次回に病院の会計窓口に並ぶとき、ぜひ少しだけ思いを巡らせてみてくださいね。
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