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【令和8年度改定】薬剤総合評価調整加算が160点へ|情報連携が算定要件に
2026-09-07 05:36

【令和8年度改定】薬剤総合評価調整加算が160点へ|情報連携が算定要件に

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病院薬剤師は、入院中のポリファーマシー対策を薬剤総合評価調整加算(A250)で評価されてきました。この加算は、転院先の病院への薬剤情報提供を評価の対象としておらず、転院後に元の処方へ戻る「処方の先祖返り」を防ぎきれていません。本稿では、この課題に対応した令和8年度診療報酬改定の見直し内容を、算定準備の観点から整理します。なお、診療報酬とは、医療サービスに対して医療機関に支払われる対価です。

令和8年度改定は、薬剤総合評価調整加算を「施設間の薬剤情報連携までを含めた評価」へ組み替えます。第一に、評価は退院時1回100点から160点へ引き上げられます。第二に、算定要件には、転院時又は退院時における施設間での文書による薬剤情報連携が追加されます。第三に、退院時薬剤情報管理指導料(B014)の退院時薬剤情報連携加算60点は廃止されます。

1. 評価の引き上げ:100点から160点へ

評価の引き上げは、退院時1回100点から160点への60点増となります。加算区分そのものは新設ではなく、既存のA250の点数改定です。上乗せされた60点は、後述する廃止加算の点数と一致します。したがって、この増点は純粋な引き上げではなく、機能の統合に伴う再配分と読むのが妥当です。

増点の対象となる算定要件は、従来のイとロの2区分を維持します。イは、入院前に6種類以上の内服薬が処方されていた患者を対象とする区分です。ロは、精神病棟に入院中の患者であって、入院直前又は退院1年前のいずれか遅い時点で抗精神病薬を4種類以上内服していた患者を対象とする区分です。いずれの区分も、処方内容を総合的に評価した上で処方内容を変更することを前提としています。

なお、薬剤調整加算150点については、本項目の改定案に見直しの記載がありません。薬剤調整加算は、薬剤総合評価調整加算の要件を満たした上で2種類以上の減薬を達成した場合に上乗せされる評価です。薬剤調整加算が現行どおりであれば、両者を合わせた最大点数は改定後に310点となります。ただし、他項目での取扱いを含め、最終的な点数は告示で確認してください。

2. 算定要件の追加:施設間の文書による薬剤情報連携

算定要件には、転院時又は退院時における施設間での文書による薬剤情報連携が追加されます。改定案では、イとロの双方の末尾が「療養上必要な指導を行った場合」から「療養上必要な指導及び情報連携を行った場合」へ改められます。情報連携は、加算のオプションではなく必須要件です。

この必須化により、算定のハードルは実質的に上がります。従来のイとロは、告示上、処方内容の総合的評価、処方内容の変更、患者への療養上必要な指導の3点を求めていました。改定後のイとロは、これに施設間の文書による薬剤情報連携を加えた4点を求めます。処方を見直しても文書を交付しなければ、増点後の160点はもちろん、従来算定できていた100点も算定できません。なお、通知では、持参薬の確認、多職種による評価、ポリファーマシー対策の手順書の作成なども現行から求められています。

連携の範囲は、「施設間」という文言により転院先の病院や施設まで広がります。従来、病院薬剤師が転院先へ薬剤情報提供書を交付しても、診療報酬上の評価はありませんでした。中医協の資料でも、転院元からの薬剤情報提供がない場合に問い合わせの手間や処方の先祖返りが生じるリスクが指摘されています。改定後は、この転院時の連携が加算の要件として明確に位置づけられます。

連携のタイミングも、「転院時又は退院時」として拡張されます。従来の評価は、退院時の保険薬局への情報提供に限られていました。改定後は、急性期病院から回復期・慢性期病院への転院という切れ目でも、連携が評価の対象となります。急性期の短い在院日数では減薬まで到達しにくいという課題に対し、施設をまたいだ長期的な介入を促す設計です。

3. 退院時薬剤情報連携加算の廃止

退院時薬剤情報連携加算60点は廃止されます。この加算は、退院時薬剤情報管理指導料(B014)の注2に置かれ、入院前の内服薬を変更又は中止した患者について、保険薬局へ文書で理由や変更後の状況を提供した場合に算定できました。改定案では、この注2が削除されます。

廃止の影響は、算定パターンによって3つに分かれます。両方の加算を算定してきた医療機関は、合計160点が改定後の160点に置き換わり、点数は変わりません。薬剤総合評価調整加算だけを算定してきた医療機関は、情報連携を実施すれば100点から160点へ増える一方、実施できなければ100点を失います。退院時薬剤情報連携加算だけを算定してきた医療機関は、60点の算定先を失い、入院前6種類以上という患者要件を満たさない限り代替の評価を得られません。ただし、いずれの場合も、退院時薬剤情報管理指導料の本体90点は残ります。

算定回数の実績は、3つ目のパターンの影響が小さくないことを示しています。退院時薬剤情報連携加算の算定回数は、令和6年8月審査分で12,327回でした。薬剤総合評価調整加算の算定回数は、令和5年6月審査分で7,793回でした。集計時点が異なるため単純比較はできないものの、いずれも1か月あたりの回数であり、連携加算のほうが多く算定されている点は押さえておくべきです。薬剤総合評価調整加算については、集計対象となった7,985施設のうち算定ありが1,333施設(16.7%)にとどまるという調査結果(令和6年11月審査分・NDB)もあります。保険薬局への情報提供を単独で実施してきた施設は、算定要件の組み替えによる減収を試算しておく必要があります。

4. 医療機関に求められる実務対応

医療機関に求められる対応は、文書の様式整備と算定フローの見直しに集約されます。改定後の加算は、退院時の患者指導と施設間の文書交付をセットで求めます。どちらか一方が欠ければ算定できないため、退院支援の手順に文書交付を組み込む必要があります。

文書の様式整備では、診療情報提供書とは別建ての薬剤情報提供書を準備します。記載すべき内容は、処方変更の理由、変更又は中止した薬剤、変更後の患者の状況が中心となります。中医協の資料でも、薬剤情報提供書を独自に作成している病院の取組が紹介されています。

算定フローの見直しでは、6種類以上の内服薬を持つ患者を入院時に抽出する仕組みを確認します。抽出後は、多職種による総合的評価、処方変更、患者指導、文書交付という順序で進めます。ポリファーマシー対策に関する手順書の整備は現行から求められており、この手順書に施設間連携の項目を追記しておくと運用が安定します。

まとめ:情報連携を前提とした加算へ

令和8年度改定は、薬剤総合評価調整加算を情報連携込みの評価へ組み替えます。点数は退院時1回100点から160点へ引き上げられます。算定要件には、転院時又は退院時における施設間での文書による薬剤情報連携が追加されます。退院時薬剤情報連携加算60点は廃止され、機能が薬剤総合評価調整加算へ統合されます。増点分を確実に受け取るには、薬剤情報提供書の様式と交付手順を改定施行までに整えておくことが要となります。



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サマリー

現在の医療現場におけるポリファーマシーと、転院時の「処方の先祖返り」という深刻な問題が議論されています。2026年に導入される薬剤総合評価調整加算の改定では、点数が100点から160点に引き上げられ、施設間の薬剤情報連携が必須要件となります。これにより、患者の安全な薬の引き継ぎがシステムとして保証され、不必要な薬の服用を防ぐことが期待されます。

薬の情報連携の現状と課題
えっと、病院に入院して退院して、また別の施設へ移る。 そういう時って、あなたやご家族の薬の情報は、あの当然完璧に次の病院へ引き継がれているって、まあ思いますよね。
ええ、そう期待されるのが普通ですよね。でも実はそうじゃないんです。 ですよね。実は病院のドアを一歩出ると、その薬の管理が、あの途端にブラックボックス化してしまうことが多いんですよね。
よし、今回はこの問題を紐解いてみましょう。
はい、これはとても身近で、えっとかつ深刻な問題です。
今日の深掘りでは、2026年に導入される新しいルール変更を分析します。最初はただのまあ退屈な書類書ごとの変更に聞こえるかもしれないんですけど。
ああ、そう聞こえがちですが、実は全然違いますよ。
はい、実はこれ、病院が古い処方箋を元に、あなたにうっかり薬を飲ませすぎるのを防ぐための、いばば秘密のミッションなんですよね。
その通りです。専門的には薬剤総合評価調整加算の見直しと呼ばれるものですが、一緒にその裏側を見ていきましょう。
ぜひお願いします。
ポリファーマシーと処方の先祖返り
そもそもですね、今の医療現場ではポリファーマシー、えっとつまり必要以上に薬をたくさん飲みすぎてしまう問題が起きていまして。
はい、最近よくニュースでも聞きますね。
ええ、これまでは入院中に医師や薬剤師が一生懸命薬を減らして調整しても、その情報が次の転院先へしっかり伝わらないというシステム上の大きな穴があったんです。
なるほど、資料にあったあの処方の先祖返りという現象ですね。
はい、まさにそれです。これ例えるなら、せっかく古い家で断捨離してすっきりしたのに、引っ越し業者が勝手に捨てたはずの古いゴミを新鋭に持ち込んで、また元のゴミ屋敷に戻ってしまうような状態ですよね。
それはすごくわかりやすい例えですね、まさにその通りで。そのゴミの持ち込みをシステムとして防ぐのが今回のルール変更の革新なんです。
加算点数の引き上げと情報連携の必須化
具体的には、病院側が薬の調整を行った際の評価が、これまでの100点から160点へと引き上げられました。
ちょっと待ってください。医療の世界の点数って確か1点が10円ですよね?
はい、そうです。
つまり、患者さん1人当たり1000円から1600円の評価に増えたってことですか?
金額としてはそうなんですが、これは単なる病院へのボーナスではないんです。
違うんですか?
はい。実はここが最大のポイントでして、今まで別々に存在していた、退院時に薬の情報をただ送るだけでもらえていた60点のルールが廃止されて、この160点の中に丸ごと統合されたんですね。
ちょっと待って。ただ情報を送るだけのオプションがなくなったんですか?
そうなんです。
それって、つまり薬を減らす努力と、その結果を専用の文書で次に伝える責任がセットになって、初めて評価される必須要件に変わったってことですか?
ええ、まさにそういうことです。今までは入院前に6種類以上の薬を飲んでいるといった厳しい条件を満たしていなくても、とりあえず情報提供さえすれば60点をもらえていた病院がたくさんあったんです。
ああ、なるほど。とりあえず出しておけばみたいな。
ええ、でもこれからはしっかりと処方を見直した上で、専用の薬剤情報提供書という細かい文書を作って渡さなければ1点も入らなくなります。
医療機関への影響と改定の意図
うわ、それって現場の病院にとってはかなり大変じゃないですか?今まで最低限の書類しか出していなかった病院は、代替手段がなくていきなり減収になるリスクがあるわけですよね。
そこ、すごく鋭いご指摘ですね。おっしゃる通り、現場にとっては算定のハードルが実質的に上がりまして、かなり厳格化されました。
はい。
でも、医療全体の大きな見取り図を埋めると、なぜ国がここまである意味強引にルールを変えたのかが見えてきます。
というと。
今回、情報共有の相手がこれなれの薬局だけでなく、定員先の病院や施設にまで広がったんです。
確かに。でも、なんでわざわざ長期滞在するような施設まで範囲を広げたんですか?
9世紀と呼ばれる命に関わる状態を治療するための短い入院期間だけでは、どうしても複雑な薬を減らしきれないという現実があるからなんです。
入院期間が短すぎて時間が足りないわけですね。
はい。だからこそ、短い入院期間の枠を超えて、次の施設に移動した後も長期的に患者さんをフォローできるような強い連携を強制的に促したかったわけです。
患者の安全確保と医療現場の課題
なるほどなぁ。病院側としては、専用の書類の準備とか手続きの見直しで大あだれかもしれないですけど。
ええ、現場は大変だと思いますよ。
でも、私たちにとっては、自分や家族が病院を移るときに、薬の安全な引き継ぎがシステムとしてしっかり保障されるってことですね?
その通りです。この60点という点数の統合は、医師たちの行動を促して、最終的にあなたの見ろ安全を守るための目に見えない意図のような役割を果たしているんですよね。
経済的なインセンティブを使って病院同士を無理やり連携させる、まさにカンフル剤ですね。ただ最後に少し考えさせられます。
問いますと。
もしお金のルールを変えないと病院同士の必須な情報共有が進まないのだとすればですよ。
はい。
今の医療現場には点数がつかないからという理由だけで見過ごされている重要なコミュニケーションが他にもたくさん存在しているんじゃないでしょうか。
次にあなたが病院の待合室に座るときは、少しそんな視点で医療の裏側を想像してみてください。
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