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令和8年度診療報酬改定|腹膜透析の医療機関間連携をやさしく解説
2026-06-08 05:19

令和8年度診療報酬改定|腹膜透析の医療機関間連携をやさしく解説

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腹膜透析を管理できる医療機関は、二次医療圏によって偏りがある。この偏りのため、基幹病院から遠い地域の患者は、質の高い腹膜透析管理を受けにくい。本稿は、この課題に対応する令和8年度診療報酬改定の項目「医療機関間連携による腹膜透析管理の推進」を解説する。

今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院と、患者の身近で管理を行うかかりつけ医との役割分担を、新たに評価する。具体的には、在宅自己腹膜灌流指導管理料を「管理料1」と「管理料2」に区分した。さらに、管理料2(1,500点)を新設し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行った場合に算定できるようにした。ただし、管理料2の算定には、施設基準の届出と「一連の治療につき2回まで」という制限が設けられている。

なぜ連携が必要か|腹膜透析管理の地域格差

腹膜透析の管理には専門的な体制が必要であり、その体制を備えた医療機関は地域に偏在している。

腹膜透析は、患者自身の腹膜を使って血液を浄化する在宅治療である。患者は、おなかに留置したカテーテルから透析液を出し入れする。この入れ替えを自宅で続けることで、透析が成立する。腹膜透析は、通院回数が少なく、生活の自由度が高いという利点を持つ。一方で、感染症や合併症を防ぐため、専門的な指導管理が欠かせない。

こうした専門的な管理を担うのは、腹膜透析の導入から指導までを行う基幹病院が中心である。しかし、基幹病院は都市部に集中し、腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい二次医療圏は多い。その結果、基幹病院から遠い地域の患者は、頻繁な通院が難しく、適切な管理を受けにくい。この医療アクセスの課題を解決する手段が、基幹病院とかかりつけ医の連携である。

改定の具体的内容|管理料の区分と管理料2の新設

今回の改定は、在宅自己腹膜灌流指導管理料を2つに区分し、連携を担う管理料2を新設した。

現行の在宅自己腹膜灌流指導管理料は、4,000点の一本立てであった。改定後は、この管理料を「管理料1」と「管理料2」の2つに区分する。管理料1は、従来どおり4,000点であり、患者を継続的に管理するかかりつけ医が算定する。

新設された管理料2は、1,500点であり、連携先の基幹病院が算定する。具体的には、管理料1を算定しているかかりつけ医の求めに応じて、基幹病院が指導管理を行った場合に算定できる。対象となるのは、頻回に指導管理を行う必要がある患者である。この仕組みにより、患者は身近なかかりつけ医に通いながら、必要なときに基幹病院の専門的な管理を受けられる。

管理料2の算定要件|施設基準と算定回数の制限

管理料2の算定には、施設基準の届出と算定回数の制限という2つの要件がある。

1つ目の要件は、施設基準の届出である。管理料2を算定する医療機関は、「腹膜透析患者に対する診療を行うにつき必要な体制が整備されていること」という施設基準を満たさなければならない。そのうえで、地方厚生局長等に届け出る必要がある。

2つ目の要件は、算定回数の制限である。管理料2は、一連の治療につき2回までしか算定できない。この制限により、連携は患者にとって必要な範囲に保たれる。

補足|算定にあたっての留意点

ここで、算定にあたって誤解しやすい3つの点を補足する。

第一に、これらの管理料の算定対象は、在宅自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)を行う患者である。CAPDは、透析液の出し入れを患者が一日数回くり返す腹膜透析の代表的な方法を指す。本稿では腹膜透析と総称してきたが、算定上の対象はこのCAPDを行う入院中以外の患者に限られる。

第二に、管理料1には、現行から変わらない算定ルールが残っている。頻回に指導管理を行う場合、同一月内の2回目以降は1回2,000点を月2回まで算定できる。ただし、同一月内に人工腎臓(J038)または腹膜灌流の1(J042)を算定する場合、この2回目以降の費用は算定しない。

第三に、「2回」という回数が、2つの異なる意味で登場する。管理料1の頻回時の算定は「同一月内に月2回まで」を指す。一方、新設の管理料2は「一連の治療につき2回まで」を指す。両者は対象も期間も異なるため、混同しないよう注意したい。

まとめ

今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院とかかりつけ医の役割分担を、新たに評価する。在宅自己腹膜灌流指導管理料を管理料1と管理料2に区分し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行う管理料2(1,500点)を新設した。この連携の仕組みは、施設基準の届出と一連の治療につき2回までの制限のもとで運用される。腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい地域でも、患者は医療アクセスを確保しつつ、質の高い管理を受けられるようになる。



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サマリー

地方における質の高い透析治療へのアクセス格差という深刻な課題に対し、令和8年度診療報酬改定が新たな解決策を提示します。この改定では、腹膜透析の専門的な管理を担う基幹病院と、患者の身近なかかりつけ医との連携を評価する「管理料2」が新設されました。これにより、患者は遠方の基幹病院に頻繁に通うことなく、必要な時に専門的なサポートを受けられるようになり、地域格差の解消が期待されます。

地方における透析治療の課題と診療報酬改定の役割
あの地方に住んでいるって言うだけで、自由度の高い透析治療へのハードルが上がってしまうっていう、ちょっと理不尽な問題がありますよね。
えー、すごく深刻な課題です。 今回は、この距離の壁をですね、なんか新しい医療機器とかじゃなくて、実は診療報酬のルール変更が打ち破ろうとしているっていう資料を深掘りしていくんです。
はい。令和8年度の改定ですね。
そうです。手元にある、令和8年度の診療報酬改定における腹膜透析の連携についての解説記事なんですが、これ単なる専門的なお金のルールの話じゃないんですよね。さあ、紐解いていきましょう。
そうなんですよ。この改定を全体像とつなげてみるとですね、リスナーの皆さんがどこに住んでいても質の高い治療を受けられるかっていう。
エレン。
その極めて重要な医療アクセスの問題に対する答えが浮かび上がってくるんです。
なるほど。医療アクセスといえば、真っ先に壁にぶつかるのが、今回の主役である腹膜透析、特にCAPDですよね。
腹膜透析の地域格差とその背景
はい。在宅事故連続傾向式腹膜管流という治療法ですね。
そうそう、それです。患者さん自身が自宅で透析液を出し入れできて、通院回数を劇的に減らせるっていう。
ええ、そうです。
生活の自由度はすごく高いんですけど、これって例えるなら、自宅に高度な精密機器を置くようなものじゃないですか。
まさにその感覚ですね。日常の操作はご自身でできても、万が一の時は専門家が必要になる。
ですよね。日常の操作は自分や家族でできても、感染症かトラブルが起きた時は、近所の電気屋じゃなくてメーカーの専門技術者が必要になるというか。
本当にその通りです。
でも、もしその専門家が都会にしかいなかったらどうするのっていう話ですよね。
そこが今回の改定が必要だった革新の課題なんです。
腹膜透析の導入とか専門的な指導を行う機関病院、つまり今の例えのメーカーの専門技術者ですね。
実はこれ、都市部に偏在しているんですよ。
ああ、やっぱりそうなんですね。
結果として、そこから離れた地方に住む患者さんは、いざという時の頻繁な通院が難しくて。
確かに。
適切な管理を受けにくいという深刻な地域格差の構造が出来上がっていたんです。
距離の壁がそのまま治療の室の壁になっていたわけですね。
そういうことです。
新設された管理料2による連携の仕組み
そこで登場するのが、今回の点数が生み出す連携の魔法というわけですか。
その表現ピッタリですね。
今回の改定ではですね、かかりつけ医が日常管理を行う管理量1が4000点と据え置かれました。
ふむふむ。
これは日々の管理に対するベースとなる評価なんですけど、それに対して今回新たに管理量2として1500点が新設されたんです。
ベースが4000点で新設が1500点。
はい。この1500点はかかりつけ医の求めに応じて、基幹病院が専門的な指導をした際に算定できます。
なるほど。
つまり患者さんは普段、近所のかかりつけ医に通いながら、専門的な判断が必要な時だけ、基幹病院のピンポイントなサポートを受けられると。
その連携が起きたタイミングに対して、ピンポイントの報酬を用意したわけです。
管理料2の算定要件と制度設計の意図
ちょっと待ってください。これ一見すごく良い仕組みに見えるんですけど。
はい。
資料を見ると、新設された管理量に一定、一連の治療につき2回までっていうかなり厳しい制限がありますよね。
ありますね。
しかも事前に面倒な施設基準の届出まで必要みたいですし、基幹病院からしたら手間ばかりかかって割に合わないハードルじゃないですか。
そう。そこがこの制度の一番面白いところなんですよ。
そうなんですか。
一見すると厳しい制約なんですが、実は絶妙なバランス設計になっています。
日常管理の管理量1には、同一月内に月2回までという頻回ルールがありますが、この管理量2の一連の治療につき2回までは全く意味合いが違うんです。
というとどういうことですか。
この厳しい制限があるからこそ、基幹病院によるむやみな介入を防げるんですよ。
ああ、なるほど。
本当に専門医の治験が必要な場面でのみ連携を機能させる。
あえてハードルを設けることで、基幹病院がパンクすることなく、患者にとって必要な範囲の連携だけを持続させる意図が隠されているんです。
へえ。回数無制限にしないことで、かかりつけ医と基幹病院が真に必要な時だけ助け合うチームになれるんですね。
まさにそういうことです。
この仕組みがあれば、患者さんは遠くの病院に無理に通わなくても、身近なかかりつけ医の下で、いざという時は専門医の質の高いサポートを受けられると、理想の環境に近づきますね。
ええ。専門医の偏在という物理的な距離の壁を、信用報酬というインセンティブの再設計で乗り越えようとする非常にクレバーなアプローチだと思います。
診療報酬改定がもたらす医療アクセスの未来
本当に興味深いですね。なんか単なる数字の話じゃなかったです。
はい。
さて、これを聞いている皆さんにも少し想像してみてほしいんですが、点数や算定要件といったルールの変更が、都市部の専門医と地方という目に見えない壁を、ここまで見事に取り払う力を持っているなら、
このインセンティブモデルは、今後、他にどんな複雑で遠愛かった治療を、私たちの身近な近所の電気屋のような存在に変えていくのでしょうか。
気になりますね。
その可能性について、ぜひ考えてみてください。
それでは今回の深堀りはここまでです。
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