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2026-02-27 05:29

【令和8年度改定】療法士の専従要件が大幅緩和|5つの変更点を解説

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令和8年度診療報酬改定では、リハビリテーション提供体制の柔軟化が進められます。疾患別リハビリテーション料や特定入院料において、専従の理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が従事できる業務の範囲が広がります。この改定は、療法士の専門性を病棟内に限らず発揮させることを目的としています。

今回の改定では、主に5つの変更が行われます。第一に、疾患別リハビリテーションを担当する専従の従事者について、リハビリテーション以外の業務時間を実施単位数に算入できるようになります。第二に、疾患別リハビリテーション料の専従療法士が従事できる業務の範囲が明確化されるとともに、兼任ルールが大幅に見直されます。第三に、地域包括医療病棟・回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟の専従療法士にも業務内容が追加されます。第四に、病棟外・屋外での指導等が明確に認められます。第五に、入院医療管理料における専従療法士の兼任が可能になります。

変更点1:専従の従事者について、リハビリ以外の業務時間を実施単位数に算入可能に

疾患別リハビリテーションを担当する専従の従事者が、リハビリテーション以外の特定の業務に従事した時間を、実施単位数としてカウントできるようになります。この変更の対象は、すべての療法士ではなく、疾患別リハビリテーション料の施設基準で求められる「専従の従事者」に限られます。

従来、専従の従事者1人あたりの実施単位数は1日18単位が標準とされていました。この18単位は、疾患別リハビリテーションと集団コミュニケーション療法の合計で計算していました。

改定後は、この計算方法が変わります。専従の従事者が、施設基準通知(別添1の第38、第40等)で規定された業務のうち、疾患別リハビリテーション及び集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料に係る業務に従事した時間を合算します。この合算した時間が20分以上の場合、20分を1単位とみなして実施単位数に加えることができます。たとえば、専従の従事者が対象となる業務に60分従事した場合、3単位分を実施単位数に加算できます。この変更により、専従の従事者がリハビリテーション以外の専門業務に時間を割いても、1日18単位の基準を満たしやすくなります。

変更点2:専従療法士の業務範囲の明確化と兼任ルールの大幅見直し

疾患別リハビリテーション料の専従療法士について、従事できる業務の範囲が明確化されるとともに、兼任ルールが大幅に見直されます。この変更は、業務範囲の拡大と兼任制限の緩和という2つの側面を持っています。

まず、業務範囲の明確化について説明します。従来は、リハビリテーション実施時間以外に専従の療法士が従事できる業務が必ずしも明確ではありませんでした。改定後は、従事できる業務が具体的に列挙されます。専従の療法士は、医科点数表の「第1部 医学管理」「第2部 在宅医療」「第7部 リハビリテーション」「第8部 精神科専門療法」の業務に従事できます。さらに、その他のリハビリテーション及び患者・家族等の指導に関する業務(専任として配置が求められるものを含む)、介護施設等への助言業務にも従事可能です。ただし、入院料等において配置が求められている従事者(専任の者を除く)として従事することはできません。

次に、兼任ルールの見直しについて説明します。現行では、たとえば脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)の専従PTは、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、地域包括医療病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟の常勤PTとの兼任ができませんでした。改定後は、この制限が撤廃されます。具体的には、第7部リハビリテーション第1節(心大血管疾患リハビリテーション料を除く)において配置が求められている常勤PT(専従の者を含む)について、兼任が可能になります。OTやSTについても同様の取扱いです。この変更により、限られた療法士の人員をより柔軟に配置できるようになります。

これらの変更は、心大血管疾患リハビリテーション料をはじめ、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料など、すべての疾患別リハビリテーション料に適用されます。

変更点3:病棟専従療法士の業務内容の追加と対象患者の拡大

地域包括医療病棟・回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟に配置された専従療法士について、従事できる業務が追加されます。あわせて、地域包括医療病棟と回復期リハビリテーション病棟では、専従療法士の業務の対象や位置づけに関する重要な変更も行われます。

地域包括医療病棟では、2つの変更があります。1つ目は、専従療法士の業務が「ADLの維持、向上等を目的とした指導」から「ADLの維持、向上等を目的とした評価・指導」に変更されることです。「評価」が追加されたことで、指導だけでなく、患者の機能や状態を評価する業務が明確に位置づけられます。2つ目は、当該評価・指導において必要な場合に、「入院基本料等加算」「医学管理等」「生体検査料」「リハビリテーション料」のうち、療法士が行うこととして認められている業務に従事できるようになることです。なお、疾患別リハビリテーション料の上限は、引き続き1日6単位相当とされています。

回復期リハビリテーション病棟でも、2つの変更があります。1つ目は、算定要件(5)の対象が変わることです。現行の「必要に応じて病棟等における早期歩行、ADLの自立等を目的とした理学療法又は作業療法」が、改定後は「当該病棟の全ての患者に対して、早期歩行、ADLの自立等を目的とした理学療法又は作業療法」に変更されます。「必要に応じて」から「全ての患者に対して」への変更は、病棟運営の方針に影響する重要な変更です。2つ目は、新設される(6)において、専従の療法士等が「入院基本料等加算」「医学管理等」「生体検査料」の業務に従事できることが明記されることです。

地域包括ケア病棟では、新たに算定要件(4)が新設されます。専従療法士がADLの維持及び向上等を目的とした評価・指導を行うこと、その際に「入院基本料等加算」「医学管理等」「生体検査料」「リハビリテーション料」のうち療法士が行える業務に従事できることが規定されます。

変更点4:病棟外・屋外での業務が明確に認められる

病棟専従の療法士が、配置された病棟以外の場所でも業務を行えることが明確化されます。従来の規定では、病棟専従の療法士が屋外やリハビリテーション室などの病棟外で指導等を行ってよいかどうかが不明確でした。

改定後は、地域包括医療病棟・回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟のいずれにおいても、「当該病棟の患者に対する評価・指導等は、必要に応じて、病棟外又は屋外等、配置された病棟以外の場所において実施することも可能である」と明記されます。退院に向けた屋外歩行訓練や自宅環境を想定した動作指導など、実践的なリハビリテーションの提供がしやすくなります。

変更点5:入院医療管理料における専従療法士の兼任が可能に

回復期リハビリテーション入院医療管理料または地域包括ケア入院医療管理料を算定する病室がある病棟では、専従療法士の兼任が可能になります。入院医療管理料は、病棟単位ではなく病室単位で算定するものです。そのため、同一病棟内に入院医療管理料を算定する病室と、別の入院料を算定する病室が混在するケースがあります。

改定後は、この混在する病棟において、入院医療管理料に規定する専従療法士が、同じ病棟で届け出られている入院料の専従者を兼務できます。具体的には、回復期リハビリテーション入院医療管理料の専従PTは、同じ病棟の入院料に規定する専従者やリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の専従者を兼務できます。地域包括ケア入院医療管理料についても同様の取扱いです。この変更により、限られた療法士を効率的に配置できるようになります。

まとめ

令和8年度の改定では、療法士の専従要件が5つの観点から柔軟化されます。専従の従事者によるリハビリテーション以外の業務時間の実施単位数への算入、疾患別リハビリテーション料の専従療法士の業務範囲の明確化と兼任ルールの大幅緩和、病棟専従療法士への業務内容の追加と対象患者の拡大、病棟外での業務の明確化、そして入院医療管理料における兼任の容認です。特に、兼任ルールの緩和と回復期リハビリテーション病棟における「全ての患者」への対象拡大は、人員配置や病棟運営に直結する変更です。各医療機関では、自院の療法士の配置体制や届出状況を確認し、改定後の運用を早めに検討することが重要です。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、療法士の専従要件が大幅に緩和されます。これにより、リハビリテーション以外の専門業務時間の算入や兼任ルールの撤廃、病棟外での実践的な指導が公式に認められ、療法士の専門性を最大限に発揮できる環境が整います。この変更は、患者への質の高いリハビリ提供とアウトカムの最大化に繋がる、医療現場の働き方を変えるパラダイムシフトです。

令和8年度改定の全体像と療法士の専門性解放
ようこそ、膨大な資料から最重要な知識だけを抽出し、あなたにお届けする知の探索へ。
えーと、今日私たちが読み解くテーマは、【令和8年度】つまり2026年の新療法修改定ですね。
はい。その中でも、療法士、理学療法士や作業療法士、言語聴覚師の皆さんの専従要件の大幅な緩和についてです。
今回の資料全体を俯瞰して見えてくる明確なミッションがありまして、それは、療法士の高度な専門性を病棟内という物理的な枠組みから開放するということです。
枠から開放して最大限に発揮させる。
まさにそれです。単なる条件の微調整にとどまらず、医療現場の働き方を根底から変えるパラダイムシフトだと言えますね。
時間の柔軟化:リハビリ以外の業務算入
今回の資料を読み解いていて、大きなテーマとして時間の柔軟性と空間の柔軟性が浮かび上がってきたんですが、
まず時間の面で面白いなと思ったのが、リハビリ以外の専門業務の扱いです。
あの、カンファレンスとかの特定業務でも、
20分以上従事すれば1単位として計算できるようになりました。
これ大きいです。現場には1日18単位という厳しい実施基準があるわけですが、
ええ、これまではそのノルマへのプレッシャーが…
かなりありましたよね。でもこの参入が認められることで、それが現実的なものに緩和されます。
そこは非常に重要な視点です。
人員の柔軟化:兼任ルールの撤廃と対象患者の拡大
さらに興味深いのは、その時間の柔軟化が、兼任ルールの撤廃とセットで機能する点なんですよ。
ああ、なるほど。
これまで例えば、脳血管疾患などの先住理学療法士は、地域包括医療病棟などの常勤療法士と兼任ができなかったんです。
精度の壁があったわけですね。
はい。でもこの制限がなくなったことで、病院側は限られた貴重な人材を、院内の今最も必要とされている場所へ…
パズルのように柔軟に配置できると。
その通りです。
これまではどうしても、精度に合わせて人員を配置するしかなかったのが、これからは純粋に患者さんのニーズに合わせて配置できる。
病院側のマネジメント戦略そのものが大きく変わりますね。
ええ。まさにそこが病院のマネジメント力が直接問われるポイントです。
そしてその重要度は、回復期リハビリテーション病棟の対象者の記述にも表れています。
あ、見ました。対象者が、これまでの必要に応じてから知れとすべての患者へと変わっていますよね。
一見すると小さな言葉の変更ですが、現場へのインパクトは絶大です。
必要に応じてという曖昧な線引きが消える。
はい。療法士が関わるべき範囲が明確になって、より深く全患者に関与していくことになります。
これは病棟運営の根幹を揺るがす重要な変更です。
それに加えて、病室単位での兼任についても触れられていました。
そうですね。病棟単位ではなく、病室単位で算定する入院医療管理量の専従療法士についても、他の専従者との兼務が可能になりました。
徹底的に無駄を省いている印象を受けます。
より本質的なケアへリソースを集中させようとする制度側の強いメッセージを感じますね。
空間の柔軟化:病棟外・屋外での実践的指導
無駄が削り落とされた分、より質の高いリハビリに注力できる。
そこで生きてくるのが、もう一つのテーマである空間の柔軟性ですね。
はい。ここからが特に実践的な部分です。
私が一番ワクワクした要素なんですが、退院に向けた屋外での歩行訓練や、自宅環境を想定した動作指導が公式に認められたことです。
これまでは屋外で指導していいのかどうかが制度上不明確で、現場が躊躇してしまうケースもありましたから。
堂々と外に出られるようになるわけですね。
ええ。それが明記されたことで、療法士は患者の退院後のリアルな生活に直結する実践的なアプローチを展開できるようになります。
制度改定がもたらす価値とリハビリテーションの未来
つまり、これらの見直しを掛け合わせるとどうなるか。
リハビリ以来の時間の参入、兼任制限の撤廃、全患者への対象拡大、病室単位での兼任、そして屋外での実施。
これらによって、療法士の働き方は劇的にダイナミックになります。
実践的なものへと進化するわけですね。
今回の分析から、あなたにぜひ持ち帰っていただきたいのは、このルールの柔軟化が単に医療現場のスタッフの負担軽減で終わる話ではないということです。
負担軽減以上のより大きな価値がある。
そうです。人材が適材適所で活躍し、屋外などの実践的な環境で評価や指導が行えるようになる。
これは最終的に、患者さんがより質の高いリハビリを受け、日常生活にスムーズに復帰するという患者への価値。
つまり、アウトカムの最大化に直結しているんですね。
まさにその通りです。
単なる規制緩和ではなく、アウトカムを高めるための戦略的自由の付与だということですね。
はい。
では最後に、あなたに一つ問いかけたいと思います。
制度の壁が取り払われ、療法士が病棟という物理的な枠組みから解放されて、屋外や実際の生活環境へと自由に飛び出せるようになった今。
将来の医療において、リハビリテーションの真の主戦場は一体どこへシフトしていくと思いますか。
非常に興味深い視点ですね。
ぜひあなた自身の視点で思考を巡らせてみてください。
それでは次回の地の探索でまたお会いしましょう。
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