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【令和8年度改定】精神科救急急性期医療入院料の対象患者拡大を解説
2026-07-24 05:43

【令和8年度改定】精神科救急急性期医療入院料の対象患者拡大を解説

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精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者は、急性期の全身管理と専門的な精神科医療の双方を必要とします。こうした患者は、身体面の急性期に対応できるICU等を備えた病院の精神病床でいったん受け入れられ、その後、専門的な精神科医療を担う病院へ転院する流れが想定されます。しかし現行制度では、この転院患者が精神科救急急性期医療入院料等の算定対象に含まれていませんでした。そこで本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定における精神科救急急性期医療入院料等の対象患者の見直しを解説します。

今回の改定は、精神科救急急性期医療入院料及び精神科救急・合併症入院料の対象患者に、新たな転院患者を追加するものです。追加される患者は、ICU等の高度急性期病床を有する病院の精神病床に入院していた患者です。この患者が当該保険医療機関へ転院した場合に、対象患者となります。一方、精神科急性期治療病棟入院料は、今回の追加対象に含まれません。

改定の背景:身体と精神を併せ持つ患者の医療提供体制の推進

今回の改定は、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療提供体制を推進する観点から行われました。このような患者は、精神症状への対応だけでなく、身体面の急性期治療も同時に必要とします。そのため、身体治療の急性期は高度急性期病床を持つ病院が担い、その後の精神科医療は専門病院が担う、という役割分担が望まれます。

しかし現行制度では、この役割分担を診療報酬が十分に評価できていませんでした。高度急性期病床を持つ病院の精神病床から専門病院へ転院した患者が、精神科救急急性期医療入院料等の対象患者に含まれていなかったためです。この結果、身体・精神の連携を担う病院間の転院が、診療報酬の面で評価されにくい状況でした。今回の見直しは、この転院患者を対象患者に加えることで、両者の連携を後押しするものです。

追加される対象患者:高度急性期病床を持つ病院からの転院患者

追加される対象患者は、高度急性期病床を持つ他の病院の精神病床から当該保険医療機関へ転院した患者です。この患者が対象となるには、転院元の病院と、そこでの入院料に関する2つの条件を満たす必要があります。以下では、この2つの条件を順に説明します。

第一の条件は、転院元の病院が高度急性期病床を持つことです。具体的には、次のいずれかを算定する病棟又は病室を有する病院が該当します。

* 救命救急入院料 ・特定集中治療室管理料(ICU)

* ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)

* 脳卒中ケアユニット入院医療管理料(SCU)

* 小児特定集中治療室管理料(PICU)

* 総合周産期特定集中治療室管理料(母体・胎児集中治療室管理料を算定するものに限る)

第二の条件は、その病院の精神病床で所定の入院料を算定していたことです。具体的には、転院元の病院において、次のいずれかを算定した後に当該病棟へ転院した患者が対象となります。対象となる入院料は、精神病棟入院基本料(10対1、13対1及び15対1入院基本料に限る)、特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る)、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料の6区分です。

以上の2つの条件を満たす転院患者が、今回新たに対象患者へ加わります。つまり、身体の急性期治療が可能な病院の精神病床でいったん受け入れられ、その後に専門病院へ移った患者を評価する仕組みです。

対象となる2つの入院料と、対象外の入院料

今回の見直しは、2つの入院料に同じ形で適用されます。適用されるのは、精神科救急急性期医療入院料と精神科救急・合併症入院料です。両者ともに、上記の転院患者を対象患者へ追加する規定が新設されました。

精神科救急急性期医療入院料では、対象患者の第3区分として新設されました。従来の第3区分(治療抵抗性統合失調症治療薬による治療のための転棟患者)は、繰り下がって第4区分となります。

精神科救急・合併症入院料でも、同じ考え方で対象患者の第4区分として新設されました。従来の第4区分(治療抵抗性統合失調症治療薬による治療のための転棟患者)は、繰り下がって第5区分となります。

一方、精神科急性期治療病棟入院料は、今回の追加対象に含まれません。別表第十のタイトルには3つの入院料が並びますが、転院患者が追加されるのは上記2つのみです。実務では、この点を取り違えないよう注意が必要です。

実務上のポイント:転院元の体制と入院料の確認

実務では、転院元の医療機関の体制と入院料を確認することが重要です。対象患者となるかどうかは、転院してきた患者そのものではなく、転院元での状況によって決まるためです。

まず、転院元が高度急性期病床を持つ病院かを確認します。救命救急入院料やICU等を算定する病棟・病室を持つ病院であるかが判断の起点です。次に、その病院で患者が算定していた入院料を確認します。精神病棟入院基本料等の対象6区分のいずれかに該当すれば、当該病棟への転院後に対象患者となります。

こうした確認を行うことで、身体と精神を併せ持つ患者の転院が、適切に評価されるようになります。転院元の情報を診療録や診療情報提供書で把握し、算定要件との照合を確実に行いましょう。

まとめ

令和8年度診療報酬改定では、精神科救急急性期医療入院料及び精神科救急・合併症入院料の対象患者が拡大されました。新たに追加されるのは、ICU等の高度急性期病床を有する病院の精神病床から当該保険医療機関へ転院した患者です。この見直しは、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療提供体制を推進するものです。なお、精神科急性期治療病棟入院料は今回の追加対象に含まれない点に留意してください。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定により、精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療連携が強化されます。特に、ICUなどの高度急性期病床を持つ病院から専門の精神科病院へ転院する患者が、精神科救急急性期医療入院料などの算定対象に追加され、これまで評価されなかった病院間の連携が経済的に後押しされます。ただし、対象となる入院料には厳格な条件があり、最も重症度の高い患者の引き継ぎに重点が置かれています。

導入:精神と身体の連携医療が抱える課題
あのちょっと想像してみて欲しいんですが、もしあなたの大切な人が急に倒れて、ICUでの緊急治療が必要になったとしますよね。
とても切羽詰まった状況ですね。 はい。でもその人が重い精神疾患も抱えていて、そっちの専門的なケアも同時に必要だとしたら、これ別々の専門病院の間でスムーズに引き継ぎができると思いますか?
実はそこが今の日本の医療現場が直面しているものすごく高い壁なんですよね。 やっぱりそうなんですね。
はい。なので今回の深掘りでは、医療行政の専門記事をベースにしまして、この身体と精神の連携リレーをどうやって機能させるのか。令和8年度の診療報酬改定というルールのアップデートですね。ここから紐解いていきましょう。
理想を言えば、まずはICUみたいな高度な設備がある病院で全身の管理をして、命の危機を出したら精神科の専門病院に移ってケアを続けるみたいな流れですよね。
それぞれの専門家が段階ごとに担当するのが一番安全ですからね。ただ現行のルールですとちょっと問題があって。 問題ですか。
現行制度の課題と改定の背景
はい。高度な設備を持つ病院から専門の精神病院へ転院してきた患者さんが、受け入れ先の精神科救急救世機医療入院料といった診療報酬の算定対象から外れてしまっていたんですよ。
ちょっと待ってください。それってつまりメイン料理を作る都合でシェフと局上デザートを作る専属パティシエがそれぞれ別のレストランでスタンバイしているのに。
患者さんを運ぶその創業バスには国から全く予算が下りていなかったってことですか。
まさしくその通りで両方のプロが協力しようとしてもその間をつなぐネットワークが経済的に全く評価されていなかったんです。
それは厳しいですね。
ですよね。なのでこの矛盾を解消してその連携の創業バスにちゃんとガソリン代を出そうというのが今回の大きな変更点になります。
なるほど。なんだかちょっとほっとしました。でも行政のルールが変わるってことはそのガソリン代をもらうための条件もなんかすごく細いんじゃないですか。
ええおっしゃる通りで2つの厳しい条件があるんです。1つ目は送り出す側の病院がICUやHCUあとは脳卒中用のSCUとか。
はいはい。
新たな算定対象となる転院患者の条件
承認用のPICUといった高度急性期病床を持っていること。で2つ目はその送り出し元の精神病床で指定された6つの区分の入院料をすでに算定していたことです。
うわぁアルファベットと専門用語のオンパレードですね。これ私が病院の事務担当だったら絶対にパニックになりますよ。現場で請求ミスとか起きないんですか。
いやそうですよね。似たような名前の入院料も多いですから現場の混乱を懸念するのは最もです。
ですよね。
実際ここに大きな罠が進んでいまして、今回受け入れ酒で評価される対象に追加されたのは精神科救急急性期医療入院料や精神科救急合併症入院料なんですが、
名前がそっくりな精神科急性期治療病棟入院料は対象外なんですよ。
え、救急が入っているかどうかの違いですか。なぜそんなややこしい線引きをしたんですか。
ここにですね政府の明確な意図があるんです。救急や合併症がつくものはその自傷行為があったり身体の合併症が重毒だったりと。
はい。
対象となる入院料と対象外の入院料
今すぐ命に関わるレベルの非常に手厚い人員配置が必要な病棟なんですね。
なるほど。
一方で対象外になったものはそこまでの緊急度や最重症度を必須としていないんです。
あーつまり国はどんな連携でもいいわけじゃなくて。
ええ。最も命の危険が高くて受け入れ難易度が高い最重症のバトンタッチにだけピンポイントで予算を投入しようとしているわけです。
なるほど。ただ単にお金をばらまくわけじゃなくて一番困難な引き継ぎルートを意図的に作り出そうとしているんですね。
そうなんです。
しかもこれって目の前の患者さんの状態だけじゃなくて送り出し元の病院がどういう体制を持っていたかで評価が決まるんですよね。
はい。ここが今回の改定の一番面白いところで、患者さん個人の病状だけでなく、医療機関同士のあの体制やネットワークそのものを評価する仕組みにシフトしているんです。
点ではなく千にお金を払うってことですね。
まさにそれです。地域全体の医療インフラを再構築しようとする非常にダイナミックな動きと言えますね。
令和8年度の改定って単なる数字の変更じゃなくて、医療ネットワークのデザインそのものを描き直す作業だったんですね。
これによって病院側も重症な合併症患者さんをより確実にスムーズに受け入れやすくなるはずです。
実務上のポイントと医療ネットワークの再構築
本当に重要なアップデートですね。ただこれを聞いている皆さんも少し視点を変えて考えてみてほしいんです。
はい。
制度として病院同士の受け入れ体制が後押しされるのは素晴らしいことですが、私たちがいざという時、地元の病院同士の見えない連携リレーが本当に機能しているかをどうやって事前に見極めればいいんでしょうか。
それは重要が問いですね。
ええ。これからは個別の病院の評判だけでなく、どの病院とつながっているかというネットワークの強さを意識することが、自分や家族を守る新しい鍵になるかもしれませんね。
では、今回の深掘りはここまでとさせていただきます。
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