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2026-03-14 05:15

【令和8年度改定】療養病棟入院基本料の見直し3つのポイント|医療区分の変更点を解説

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令和8年度診療報酬改定では、療養病棟入院基本料について、患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させるため、医療区分2・3に該当する疾患・状態・処置等の内容が見直されます。あわせて、療養病棟入院料2における医療区分2・3の患者割合の要件も引き上げられます。

今回の見直しのポイントは3つです。第一に、感染症の治療に係る処置と他の処置を併せて行う場合に、医療区分3として評価されるようになります。第二に、非がん疾患に対する緩和ケアとして、末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全が医療区分2に追加されます。第三に、超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児が、それぞれ医療区分3・2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3の患者割合は、5割から6割に引き上げられます。

感染症処置と他の処置の併施による医療区分3の新設

第一のポイントは、処置に関する医療区分の引き上げです。従来、感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療など)は、いずれも医療区分2として評価されていました。今回の改定では、これらの感染症処置が創傷の治療等の他の処置と併せて行われている場合に、処置等に係る医療区分3として入院料を算定できるようになります。

この見直しの背景には、処置の複合的な実施に対する評価の適正化があります。医療区分2の処置には、肺炎と褥瘡のように合併しうる病態が含まれています。今回の改定では、これらの処置を「感染症の治療に係る処置」「創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置」「その他の処置」「リハビリテーション」の4カテゴリーに分類した上で、感染症の治療と創傷の治療等が合併した場合の医療資源投入量の増加を、医療区分3として適切に評価する仕組みが新たに導入されます。

具体的には、新設される「別表第五の三の二」の(1)と(2)の両方に該当する場合が、医療区分3の対象となります。(1)は感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療、脱水治療、頻回の嘔吐治療、経腸栄養)であり、(2)は創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置(褥瘡治療、末梢循環障害の開放創治療、創傷・感染症治療、中心静脈栄養、人工腎臓等、気管切開等)です。これらの処置をそれぞれ1つ以上同時に実施している場合に、医療区分3の算定が可能となります。

非がん疾患に対する緩和ケアの評価(医療区分2への追加)

第二のポイントは、非がん疾患に対する緩和ケアの評価です。従来、疾患・状態に係る医療区分2の対象は、悪性腫瘍に対する医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールに限られていました。今回の改定では、悪性腫瘍以外の3つの末期疾患が、疾患・状態に係る医療区分2に新たに追加されます。

追加される3つの疾患は、末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全です。末期呼吸器疾患は、適切な治療が実施されているにもかかわらずヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当し、呼吸困難に対して医療用麻薬の投与によるコントロールが必要な状態をいいます。末期心不全は、器質的な心機能障害により慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回もしくは持続的に医療用麻薬の投与またはその他の点滴薬物療法による苦痛・症状のコントロールが必要な状態をいいます。末期腎不全は、慢性的に日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類Stage G5以上に該当し、腎代替療法を必要とする状態であるが透析療法の開始・継続が困難であり、医療用麻薬等の投与による苦痛のコントロールが必要な状態をいいます。

このように、3疾患とも「適切な治療にもかかわらず末期の状態にあること」と「医療用麻薬等による苦痛・症状のコントロールが必要であること」が共通の要件です。この見直しにより、療養病棟においても非がん疾患の終末期患者に対する緩和ケアが適切に評価されることになります。

超重症児(者)・準超重症児(者)の受入れに対する評価

第三のポイントは、医療的ケア児の受入れに対する評価です。今回の改定では、超重症児(者)入院診療加算の基準に該当する小児について、療養病棟入院基本料の医療区分に新たに位置づけられます。

具体的には、15歳未満の小児患者のうち、超重症の状態にある者が疾患・状態に係る医療区分3に追加されます。同様に、15歳未満の小児患者のうち、準超重症の状態にある者が疾患・状態に係る医療区分2に追加されます。ここでいう超重症・準超重症の状態とは、区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1・注2にそれぞれ規定する状態を指します。

この見直しにより、療養病棟における医療的ケアが必要な小児の受入れが、医療区分の仕組みの中で適切に評価されるようになります。

療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合の引き上げ

上記3つの見直しに加え、療養病棟入院料2における施設基準も変更されます。医療区分2・3の患者割合の要件が、現行の5割以上から6割以上に引き上げられます。

この引き上げは、より医療の必要性が高い患者の受入れを推進する観点から行われます。ただし、現に療養病棟入院料2を届け出ている保険医療機関については、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。令和8年3月31日時点で療養病棟入院料2を届け出ている医療機関は、同年9月30日までの間、新たな6割要件を満たしているものとみなされます。

まとめ

令和8年度改定における療養病棟入院基本料の見直しは、3つの柱で構成されています。第一に、感染症処置と他の処置の併施を医療区分3として評価する仕組みが新設されます。第二に、末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全の3疾患が非がん緩和ケアとして医療区分2に追加されます。第三に、超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児がそれぞれ医療区分3・2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合は5割から6割に引き上げられ、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。療養病棟を運営する医療機関は、医療区分の変更に伴う算定の見直しと、患者割合要件への対応を早期に進める必要があります。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、療養病棟入院基本料が見直され、複雑な病態を持つ患者への対応が強化されます。具体的には、感染症と他の処置を併せて行う場合に医療区分3として評価されるほか、非がん疾患の緩和ケアや超重症児・準超重症児の受け入れが医療区分に追加されます。これにより、療養病棟はより高度で専門的なケアの場へと転換し、医療区分2・3の患者割合要件も6割に引き上げられるため、地域の医療機関は早期の対応が求められます。

令和8年度改定の概要と背景
えっと、医療のルールの変更って聞くと、なんか単なる数字とかパーセンテージの調整なんじゃないかって思われがちですよね。
でも、今回の深掘りでお伝えするのは、そんな機械的なお話じゃないんです。 そうですね。現場のあのリアルな実態に、いよいよ制度が追いついてきたなっていう印象を受けますね。
はい。そこのあなたにも大きく関係するテーマです。今日は、令和8年度の療養病等入院基本料の見直しについて読み解いていきます。
これ一言で言うと、複雑化する患者さんをどう消化して守るのかっていう、日本の医療システム全体の大きなターニングポイントなんですよ。
まさにそうなんです。複雑な患者さんを守る第一歩として、まず現場の医療資源の投入量をより正確に図る新ルールに注目したいですね。
医療区分3の新設:感染症と他処置の併施評価
新ルールですか?
はい。これまではですね、肺炎とか尿炉感染症などの感染症の処置と、直送、いわゆる横連れですね。その早症の治療って別々に医療区分2としてカウントされてたんですよ。
あ、別々だったんですね。それってずっと違和感があったっていうか、例えるなら水漏れ修理と電気工事を別々に頼むんじゃなくて、水日増しの部屋で漏電を直すみたいな危険な作業じゃないですか。
いや、本当にわかりやすい例えです。複合すると現場の危険度も手間も跳ね上がるのに、今までは単純な足し算でしか評価されていなかったんです。
それは今回変わると?
両方を合わせて行っている場合は、新たに最も高い医療区分3として算定できるようになるんです。ここで非常に興味深いのは、国が単なる点数アップではなくて、病界が重なった時の医療資源投入量の指数関数的な増加を精度として評価したという点なんですよ。
なるほど。現場のスタッフがどれだけ神経をすり減らしているか、その困難な作業がようやく可視化されたわけですね。でもその高度なケアへの評価が変わったことで、対象となる患者さんの枠組みもかなり広がっているんですよね?
医療区分2の拡大:非がん疾患の緩和ケア
おっしゃる通りです。ここも大きな変化でして、従来は医療区分2の緩和ケアって、主にがん患者さんに限られていた枠組みだったんです。
がん以外の患者さんも対象になるんですか?
そうなんです。今回の改定で、医療用麻薬等でのコントロールが必要な末期の呼吸器疾患とか、NYHA分類4度の末期心不全、それから末期妊婦前といった非がん疾患も区分2に入ります。
極めて重い心不全の方なんかも対象に。さらに資料を見ると、子どもたちへの対応も追加されていますよね?
医療的ケア児の受け入れ評価
はい。15歳未満の超重症児が区分3に、純超重症児が区分2に新たに追加されました。
今まで対象外だったがん以外の終末期の患者さんとか、子どもたちへの対応を広げるってことは、これ療養病棟の役割自体が大きく拡張されているってことですか?
まさにそこが確信ですね。これを全体像と結びつけると、多様化する終末期や小児の医療的ケアのニーズに対して、病棟が社会のセーフティーネットとして多角的に機能するように促す、国からの明確なメッセージが見えます。
療養病棟の役割と患者割合要件の引き上げ
セーフティーネットが広がるのはすごく素晴らしいことだと思うんですけど、でもちょっと待ってください。要件を見ると、現場へのプレッシャーって相当なものになりませんか?
ああ、はい。60%の壁のことですね。
そうです。療養病棟入院量2における医療区分2と3の患者割合要件が、現行の5割から6割以上に引き上げられますよね。これ、要件を満たせない病院が出てくるとか、相当大変なんじゃん。
ええ、これは非常に重要な問題を提起しています。令和8年9月末までの経過措置はありますけど、実務レベルで見ると、これは相当高いハードルなんですよ。
ですよね。
必要性の高い重症な患者さんの受け入れが推進される一方で、医療機関は早期の算定見直しとか、患者構成の最適化という大きな課題に直面することになります。
つまり、病院側はただ待っているだけじゃなくて、地域の医療網の中でどう立ち回るか、システム全体を作り変えないといけないわけですね。
はい、そういうことです。
感染症と他措置の閉市評価も、肥元とか小児への対象拡大も、そしてこの6割要件の引き上げも、結局すべて同じ方向を向いているんですね。
療養病棟をより高度で専門的なケアの場へと専鋭化させている。
ええ、限られた医療資源を本当に必要な場所に集中させるための仕組みだと言えますね。
地域医療網への影響と今後の課題
なるほど。
みなさん、ここで一つ想像してみてください。
もし、地域の療養病棟のベッドの6割以上が最も重症な患者さんたちで埋まるようにデザインされたとしたら、
そこまで重症ではないものの、まだ完全には回復していない患者さんたちは、次にどこで療養すべきなんでしょうか?
地域の受け皿の在り方が問われますね。
そうなんですよ。
私たちの地域の医療棟がこれからどう形を変えていくのか、ぜひご自身の身近な問題として考えてみてください。
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