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令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説
2026-04-14 06:42

令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説

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令和8年度診療報酬改定では、生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)が見直されます。この見直しは、「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」の個別改定項目に位置づけられています。本記事では、今回の改定内容を5つのポイントに整理して解説します。

今回の見直しは、大きく5つのポイントで構成されます。第1に、生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲が大幅に縮小され、多くの医学管理料が別途算定可能になります。第2に、糖尿病患者に対する在宅自己注射指導管理料との併算定制限が一部緩和されます。第3に、糖尿病の重症化予防を目的とした眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)が新設されます。第4に、生活習慣病管理料(Ⅰ)に血液検査等の実施要件が追加されます。第5に、療養計画書における患者署名が不要になります。

1. 生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の縮小

生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲から、多くの医学管理料等が除外されます。この変更は、生活習慣病管理料(Ⅱ)が「生活習慣に関する総合的な治療管理」を評価したものであることを踏まえ、その治療管理の範囲を超えて行われる医学管理を適切に推進する観点から実施されるものです。

包括範囲から除外される趣旨は、大きく4つの観点で整理されています。第1は、生活習慣病に関連するものの、総合的な治療管理の範囲を超えて必要な患者に別途行われるべき医学管理です。第2は、生活習慣病とは直接的な関係の乏しい疾患に関する医学管理です。第3は、時間外対応・救急対応に関する医学管理です。第4は、情報提供等に関連する評価です。

これらの観点に基づき、新たに包括範囲から除外される主な項目は以下の通りです。特定薬剤治療管理料、悪性腫瘍特異物質治療管理料、高度難聴指導管理料、喘息治療管理料、がん患者指導管理料、植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料、乳腺炎重症化予防ケア・指導料、二次性骨折予防継続管理料、下肢創傷処置管理料、地域連携夜間・休日診療料、救急外来医学管理料、外来放射線照射診療料、外来腫瘍化学療法診療料、がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料、認知症専門診断管理料、認知症サポート指導料、肝炎インターフェロン治療計画料、救急救命管理料、傷病手当金意見書交付料、療養費同意書交付料が該当します。

これらの変更により、生活習慣病を主病とする患者に対して、併存する他疾患の医学管理や時間外対応に関する評価を、生活習慣病管理料(Ⅱ)とは別に算定できるようになります。特に、がんや認知症、救急対応など、生活習慣病とは異なる領域の管理が包括の制約なく実施できる点は、実務上大きな変化です。

2. 在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和

在宅自己注射指導管理料との併算定制限が、一部緩和されます。現行制度では、糖尿病を主病とする患者が在宅自己注射指導管理料を算定している場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定できません。この制限は、糖尿病以外の疾患に対して在宅自己注射を行う場合にも適用されるため、臨床上の課題がありました。

今回の改定では、糖尿病に対する適応のある薬剤(インスリン製剤、GLP-1受容体アゴニスト、インスリン・GLP-1受容体アゴニスト配合剤)を投与しており、かつ在宅自己注射指導管理料を算定している場合に限り、生活習慣病管理料の算定が制限されます。つまり、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料を算定している場合には、生活習慣病管理料との併算定が可能になります。

この変更により、たとえば糖尿病を主病とする患者が、骨粗鬆症などの併存疾患に対して在宅自己注射を行う場合に、生活習慣病管理料と在宅自己注射指導管理料を併算定できるようになると考えられます。糖尿病患者の併存疾患に対する在宅自己注射指導管理を適切に推進する観点からの見直しです。

3. 眼科・歯科医療機関連携強化加算の新設

糖尿病の重症化予防を推進する観点から、眼科及び歯科を標榜する他の医療機関との連携に対する加算が新設されます。新設されるのは、眼科医療機関連携強化加算(60点)と歯科医療機関連携強化加算(60点)の2つです。

眼科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、糖尿病合併症の予防・診断・治療を目的とする眼科診療の必要を認め、患者の同意を得て、眼科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。算定回数は、患者1人につき年1回です。

歯科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、歯周病の予防・診断・治療を目的とする歯科診療の必要を認め、患者の同意を得て、歯科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。こちらも算定回数は、患者1人につき年1回です。

この2つの加算は、いずれも「患者の同意」と「他の医療機関への受診に必要な連携の実施」が算定要件となります。なお、令和6年度改定においても、糖尿病患者に対する眼科受診の指導や歯科受診の推奨は要件として求められていましたが、今回の改定ではこれを診療報酬上の加算として明確に評価する形に強化されました。

4. 生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加

生活習慣病管理料(Ⅰ)に、血液検査等の実施に関する要件が追加されます。具体的には、原則として必要な血液検査等を少なくとも6月に1回以上は行うことが要件化されます。

生活習慣病管理料(Ⅰ)は検査等が包括されている管理料であるため、検査の実施頻度が低くなる可能性が指摘されていました。今回の要件追加は、生活習慣病に関連するガイドラインで求められる定期的な検査の実施を担保し、疾病管理の質を確保するためのものです。

5. 療養計画書の患者署名の不要化

生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の療養計画書について、患者の署名を受けることが不要になります。この変更は、患者及び医療機関の負担を軽減する観点から実施されます。

現行制度では、初回の療養計画書について患者の署名を受けることが算定要件とされています。今回の改定では、この署名要件が撤廃されます。ただし、患者の同意を得ること自体は引き続き必要です。署名という形式的な手続きが省略されることで、日常の診療業務における事務負担が軽減されます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定における生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の見直しは、5つのポイントで構成されます。生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の大幅な縮小により、併存疾患の管理や救急対応などを別途評価できるようになります。在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和により、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料と生活習慣病管理料の併算定が可能になります。眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)の新設により、糖尿病の重症化予防に向けた医科・歯科・眼科の連携が明確に評価されます。生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加により、疾病管理の質が担保されます。療養計画書の患者署名の不要化により、医療機関の事務負担が軽減されます。これらの見直しは、いずれも生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進するという基本的な方向性に沿ったものです。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)が大きく見直されます。これにより、生活習慣病の「定額パック」的な枠組みが緩和され、併存疾患の管理や救急対応が別途評価されるようになります。また、質の高い疾病管理を担保するため血液検査の義務化や眼科・歯科連携加算が新設され、療養計画書の患者署名が不要になることで医療機関の事務負担が軽減され、患者との対話の質が向上することが期待されます。

診療報酬改定の重要性と生活習慣病治療の見直し
あの職場のルールが変わる時って、大抵は、 まあまためんどくさい事務作業が増えたなーくらいにしか思いませんよね。
えー、まあそうですよね。だいたいは。
でもあの、医療現場のルール、つまり診療報酬が改定されるとなると、これ少し話が違うんですよ。
はい。
あなたが病院で受ける医療の質とか、お医者さんがあなたと目を合わせる時間に、あの直接跳ね返ってくるんです。
今回はですね、令和8年度に行われる生活習慣病の治療ルールの大きな見直しについて深掘りしていきます。
えー。
今回も復習の専門的な記事を情報源としています。ただ念のためお伝えしておきますが、私たちはいかなる政治的な立場も取っていません。
あくまで提供された資料の内容を客観的にお伝えしていくのがミッションです。
はい。フラットに解説していきますよ。
今回の改定はですね、単なる事務的なルールの変更ではないんですよ。
医療制度が患者さんの抱える複雑な現実にようやく寄り添い始めた、とても興味深い転換点なんです。
複雑な現実ですか。
生活習慣病管理料の包括範囲縮小と柔軟な治療
えー、想像してみてください。生活習慣病で通院している患者さんが同時に認知症になりかけていたり、がんが見つかったりすることって現場ではよくあるじゃないですか。
でもこれまでの制度だと生活習慣病の、なんていうか定額パックみたいな枠組みがすごく強くてですね。
定額パック。
そうなんです。お医者さんが他の病気の治療とか救急対応をどれだけ頑張っても、別枠できちんと評価されにくかったんですよね。
なるほど。生活習慣病の治療費に全部まとめられてしまっていたんですね。
それってつまり、あの昔の全部乗せのスマホ料金プランみたいなものですよね。
あー、そうですそうです。
通話もデータ通信も全部セットになっていて、他のオプションをつけたくてもなんか制限があるみたいな。
まさにその感覚です。今回の改定でその全部乗せプランの縛りが大きく外れたんですよ。
へー。
必要な医療オプションだけを自由に追加できるようになったんです。
例えば糖尿病の治療をしながらですね、骨粗傷症の自己収拾者の指導なんかも別枠できちんと評価されるようになります。
なるほど。これでお医者さんは生活習慣病だけを見るんじゃなくて、患者さんの全体像に合わせた柔軟な治療がしやすくなるわけですね。
本当に現場としては大きな前進だと思いますよ。
質の担保と血液検査の義務化
病人側も本当に必要な治療を組み合わせられるのは私たちにとっても安心ですよね。
でもちょっと疑問なんですけど、そんなに自由に他の病気のオプションを追加できるようになったら、肝心の生活習慣病の治療がおろそかになったりしませんか?
そこは鋭いですね。そこで制度側はですね、自由度を上げる代わりに質の担保を厳格化してきたんですよ。
質の担保ですか?
例えばもう一つの生活習慣病管理の枠組みなんですけど、最低6ヶ月に1回は必ず血液検査などをすることが必須条件になったんです。
ちょっと待ってください。糖尿病とか高血圧の治療で通っているのに、今まで定期的な血液検査って義務じゃなかったってことですか?
実はそうなんですよ。
本当ですか?
さっきの定額パックの話に戻るんですけど、これまでは血液検査のコストも定額料金に込みになっていたんですよね。
なるほど。つまり検査をすればするほど。
病院側は手出しが増えて損をしてしまう構造だったんです。
うわー、それはなんか病院の経営を考えるとできるだけ検査を減らしたくなる力が働いてしまっていたと。
そういう懸念があったんですよね。だからこそ今回はガイドラインに沿った質の高い管理を強制的に担保するための安全網として定期検査を義務付けたわけです。
なるほど。よくできてますね。
糖尿病重症化予防のための眼科・歯科連携強化加算
さらにですね、糖尿病の患者さんに対して眼科や歯科と連携した際の評価も新設されています。各60点ですね。
眼科と歯科ですか。
はい。糖尿病って目の合併症とか腫病のリスクを高めるじゃないですか。でも今までは内科の先生だけで抱え込みがちだったんです。
あー、内科の先生っていう点だけじゃなくて、眼科とか歯科の含めた複数の専門家による面のネットワークで私たちは守ってくれる仕組みに進化しているってことですね。
ええ、まさにその通りです。
療養計画書における患者署名の不要化
でもですね、これだけきめ細かい管理をして他の病院とも連携してってなると、お医者さんのデスクは書類の山になりませんか。ただでさえ忙しそうなのに。
パンクしそうですよね。そこで登場するのが今回の最後のポイント。療養計画書の患者署名の不要化なんです。
ええ、サインがいらなくなる。それだけでそんなに変わるんですか。
これがですね、劇的に変わるんですよ。診察室でお医者さんが分厚い計画書を印刷して説明して、患者さんにペンを渡してサインをもらって、それをスキャンして保存するっていう。
この事務作業に追われて、お医者さんはずっとパソコンの画面ばかり見ていたじゃないですか。
ああ、あの光景ですね。確かに。でも同意自体は引き続き必要なんですよね。
はい、もちろんです。口頭での同意などで治療方針のすり合わせは必ず行います。ただ、その形式的なサインの回収という物理的な事務作業をばっさり削ることでですね、
お医者さんは書類やパソコンではなくて、目の前にいるあなたの顔を見て話す時間をしっかり確保できるようになるんです。
なるほど。点と点だった医療がつながって、事務作業が減った分だけ私たちとしっかり向き合ってくれるようになる。
いやー、この制度変えて、医療現場のアップグレードそのものですね。
医療現場のアップグレードと患者との対話の重要性
本当にそうだと思います。現場の行動が少しずつ変わって、それが最終的に皆さんの健康を守る強固の仕組みになっていくんですよね。
ええ。さて、今回の深掘りを通して、あなたに一つ考えてみてほしいことがあります。
はい?
これまで当たり前だった計画書への署名という目に見える証拠が不要になるということはですね、
今後、あなたとお医者さんの間で交わされる行動での対話の質がより重要になるということです。
そうですね。対話が何よりの証拠になりますからね。
次回の診察時、あなたは自分の治療方針に対して、ただ頷くだけでなく、どうやって自分の納得や不安を伝えますか。
ぜひ次回の通院に向けてご自身で考えてみてください。
はい。コミュニケーションが大切になりますね。
ええ。それでは、今回のディープダイブはこの辺りで。また次回お会いしましょう。
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