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【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理
2026-04-07 06:04

【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理

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令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携と地域包括ケアシステムの推進に向けて、「円滑な入退院の実現」に関する4つの項目が見直されます。この4項目は、個別改定項目の「Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現」に位置づけられています。①~③は「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」を軸とした見直しであり、④は「専門人材の柔軟な活用」による入退院支援体制の底上げを図る見直しです。

4項目の概要は以下のとおりです。第1に、入退院支援加算等の見直しでは、地域包括医療病棟等への新点数(1,000点)の新設や退院困難な要因の拡大など7つのポイントが盛り込まれます。第2に、介護支援等連携指導料の見直しでは、従来の400点が「指導料1」に位置づけられ、平時からの連携を評価する「指導料2」(500点)が新設されます。第3に、回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害者に対する退院支援の推進では、情報把握・退院時説明・文書提供の3つの体制が施設基準に追加されます。第4に、感染対策向上加算等における専従要件の見直しでは、介護施設への助言時間の拡大や他業務従事の容認など3つの柱で専従要件が緩和されます。

① 入退院支援加算等の見直し|7つのポイントで入退院支援を多面的に強化

入退院支援加算等の見直しは、「関係機関との連携」「生活に配慮した支援」「入院前からの支援」を強化する観点から、7つの項目で構成されます。

地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の点数が新設されます。 地域包括医療病棟入院料・回復期リハビリテーション病棟入院料・地域包括ケア病棟入院料を対象とした新たな点数区分(1,000点)が設けられます。これらの病棟では「入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要」な患者の割合が多く、入退院支援の負担を適切に評価するための新設です。

地域連携診療計画加算に検査・画像情報提供加算(200点)が新設されます。 地域連携診療計画加算を算定する患者について、検査結果・画像情報等を添付して他の医療機関等に情報提供した場合に加算されます。従来は地域連携診療計画加算と検査・画像情報提供加算の併算定ができなかったため、この課題を解消するものです。

そのほかの見直しとして、以下の5項目があります。 介護保険施設等への誘導による金品収受の禁止が施設基準に追加されます。退院困難な要因に「要介護認定の区分変更が未申請であること」と「家族との連絡困難」が追加されます。入院患者への面会を妨げないよう求める規定が新設されます。入退院支援加算と精神科入退院支援加算の専従職員の兼務が明記されます。医療保護入院等診療料に多職種退院支援の評価(400点)が新設されます。

詳細は以下の記事で解説しています。

【令和8年度改定】入退院支援加算等の見直し7つのポイントを徹底解説

② 介護支援等連携指導料の見直し|新設の「指導料2」は500点で平時からの連携を評価

介護支援等連携指導料の見直しは、介護支援専門員等との連携と入院前からの支援を強化する観点から行われます。従来の介護支援等連携指導料(400点)を「指導料1」として位置づけたうえで、「指導料2」(500点)が新設されます。

指導料2は、入退院支援部門の担当者と介護支援専門員等との「平時からの連携」を評価する新区分です。 入退院支援加算1の届出病棟に入院中の患者が対象となります。入退院支援部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して説明・指導を行った場合に算定できます。

指導料1と指導料2には、主に3つの違いがあります。 1つ目は対象病棟の限定の有無で、指導料2は入退院支援加算1の届出病棟に限定されます。2つ目は指導を行う担当者の範囲で、指導料2は入退院支援部門の担当者が行います。3つ目は連携相手との関係性で、指導料2は平時から連携体制を構築している相手との共同指導が求められます。なお、同一入院中に指導料1と指導料2を併算定することはできません。

詳細は以下の記事で解説しています。

【令和8年度改定】介護支援等連携指導料が2区分に再編|新設の「指導料2」は500点

③ 回復期リハ病棟における高次脳機能障害者に対する退院支援の推進|3つの体制整備が施設基準に追加

回復期リハビリテーション病棟入院料1~5等の施設基準に、高次脳機能障害患者の退院支援体制に関する3つの要件が新たに追加されます。退院後に必要な障害福祉サービス等につながれない患者が多いという現場の課題を解消する目的です。

1つ目の「情報把握」では、高次脳機能障害者支援センターや障害福祉サービス事業所等の情報をあらかじめ把握することが求められます。 把握すべき情報は、所在地、連絡先、提供サービス等です。

2つ目の「退院時説明」では、高次脳機能障害に該当する患者の退院時に、把握した情報を患者または家族等に説明・提供することが必要です。 対象となる患者は、高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害等に該当する患者です。

3つ目の「文書提供」では、退院後にリハビリテーションの継続を予定している患者について、利用予定先への情報提供体制を整備することが求められます。 患者等の同意を得たうえで、3カ月以内に作成したリハビリテーション総合実施計画書等を文書で提供できる体制を整えます。

詳細は以下の記事で解説しています。

【令和8年度改定】回復期リハ病棟に高次脳機能障害の退院支援体制が新要件化

④ 感染対策向上加算等における専従要件の見直し|3つの柱で専門人材の柔軟な活用を実現

感染対策向上加算等における専従要件の見直しは、医療現場の人手不足と業務効率化への対応として、3つの柱で構成されます。専門人材が介護保険施設等への支援と院内業務をより柔軟に両立できるようにすることが目的です。

第1の柱は、介護保険施設等への助言時間の上限拡大です。 感染対策向上加算、緩和ケア診療加算等の専従者が介護保険施設等に赴いて助言できる時間が、月10時間から月16時間に引き上げられます。

第2の柱は、感染制御チーム等の専従者に対する月16時間までの他業務従事の容認です。 専従者の業務時間が所定労働時間に満たない場合、月16時間までに限り他の業務に従事できるようになります。対象は感染制御チームの専従者、抗菌薬適正使用支援チームの専従者、医療安全対策加算1の専従の医療安全管理者です。

第3の柱は、入院栄養管理体制加算における専従管理栄養士の業務範囲の拡大です。 専従の管理栄養士が、病棟での業務に影響のない範囲で、当該病棟から退院した患者の外来栄養食事指導等を行えるようになります。入院から外来への栄養管理の切れ目ない提供が可能になります。

詳細は以下の記事で解説しています。

【令和8年度改定】感染対策向上加算等の専従要件が3つの柱で大幅緩和

まとめ

令和8年度診療報酬改定における「円滑な入退院の実現」は、4つの改定項目で構成されます。入退院支援加算等の見直しでは、地域包括医療病棟等への点数新設や退院困難な要因の拡大など7つのポイントにより、入退院支援が多面的に強化されます。介護支援等連携指導料の見直しでは、平時からの連携を評価する指導料2(500点)の新設により、入院前からの支援が促進されます。回復期リハビリテーション病棟の施設基準には、高次脳機能障害患者の退院支援体制が追加され、障害福祉サービスとの連携が強化されます。感染対策向上加算等の専従要件の見直しでは、3つの柱により専門人材の柔軟な活用が可能になります。これら4項目のうち、①~③に共通するのは「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」という方向性です。④はこれらとは異なり、「専門人材の柔軟な活用」により入退院支援を含む医療提供体制の底上げを図るものです。各医療機関は、施設基準や算定要件の変更点を確認し、対応を計画的に進めてください。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定は、病院を「直して終わり」の場所ではなく、医療と生活を繋ぐ架け橋へと再設計するものです。入院前から退院後の生活を見据え、関係機関との連携強化や生活への配慮、専門人材の柔軟な活用が重視されています。点数新設や指導料の再編、高次脳機能障害者への退院支援義務化、専門職の専従要件緩和などを通じ、地域全体で患者を支える切れ目のない医療提供体制の実現を目指します。

病院モデルの変革と令和8年度診療報酬改定の核心
あの、私たちって病院のことを、なんかドライブスルーの修理工場みたいに考えがちじゃないですか。
あー、わかります。どこか悪くなったら持ち込んで、パパッと直して帰る、みたいな。
そうそう。でも今回私たちが深掘りする厚生労働省の公式資料、令和8年度2026年の診療報酬改定の資料ですね。
これを読み解くと、その、直して終わりっていうモデルが。
完全に崩れ去るのがわかりますよね。
ええ。なので今回のミッションは、リスナーのあなたに向けて、2040年を見据えた医療と生活の架け橋がどう再設計されるのか、その見取れ図を明らかにすることです。
はい。今回の改定の核心って、まさに病院のドアを出た後の生活に焦点を当てているところなんです。
なるほど。
その根底には、関係機関との連携とか、生活への配慮、あとはそれを支える専門人材の柔軟な活用っていう大きな理由、ワイが存在しているんですよね。
医療と生活の間にあった深い溝を埋める挑戦ということですよね。そこでまずは、病院を動かす強力なツール、つまりお金の話から入りたいんですけど。
円滑な入退院を促す点数改定と連携強化
はい。点数の話ですね。
資料には、「1000点新設」とか、「500点の指導料2」みたいな言葉が並んでますけど、これって要するに国がこういう行動をとってほしいって促すためのインセンティブですよね。
その理解で完璧です。今回は入院前から日常生活動作が低下している患者さんが多い病棟にガツンと高い点数をつけたり、
あとは退院が難しい要因に、要介護認定の未申請なんかをつけたりして、病院の行動を強力に変えようとしているんです。
面白いのが、ケアマネージャーたちとの連携で、退院時じゃなくて、閉時からの連携に500点もインセンティブをつけていることなんですよね。
はい。指導料2の新設ですね。
でもこれちょっと疑問なんですけど、退院が決まってから慌てて連絡を取り合えば十分じゃないですか。
わざわざ閉時からやる必要って。
あ、そこがまさに落とし穴なんですよ。
落とし穴?
退院の直前になって慌てて動き出すのって、患者さんっていう列車が走り出してから目の前で必死に線路を敷くようなものなんです。
入院で生活様式って劇的に変わりますから。
ああ、なるほど。列車が駅を出発する前にあらかじめ線路を敷くための500点なんですね。
そういうことです。
高次脳機能障害者への退院支援体制強化
それなら、もっと複雑な線路が必要な患者さんの場合はどうなるんでしょうか。
例えば、今回の資料で焦点が当たっている、高知能機能障害の患者さんとか。
ええ。脳の損傷などで記憶や注意力のコントロールが難しくなる症状ですよね。
はい。
こういう患者さんの退院支援として、回復切りはびりの病棟には新しいルールが義務化されました。
支援センターの情報を事前に把握して、退院時に説明して、3ヶ月以内の計画書を文書で提供するっていう。
いや、ちょっと待ってください。
ただでさえ激無な現場のお医者さんたちを、これ以上書類の山で溺れさせるんですか。
まあ、そう見えますよね。
それって、わざわざルールで縛らなくても本来であるべきことなんじゃ。
現場の負担像に見えるのも無理はないです。
でも、医療から福祉サービスへ移行するときに、この複雑な障害を持つ患者さんが、システムの中で迷子になるケースがあまりにも多かったんですよ。
迷子に、ですか。
ええ。だから、この文書は単なる事務作業じゃなくて、その後の人生を左右する生活の取扱説明書なんです。
これを確実に手渡す構造を作らないと、連携はすぐに途切れてしまいます。
生活の取扱説明書か。確かにそれがないと福祉側も身動き取れないですよね。
専門人材の柔軟な活用と業務範囲の拡大
でも、その説明書を作るにしても、実行する人たちの時間が圧倒的に足りないはずですよね。
そうなんです。そこで登場するのが、専門人材の縛りを解くっていう画期的なアプローチなんですよ。
縛りを解く?
はい。これまで感染対策の専門家とか管理栄養士って、特定の病棟に法的に縛り付けられてて、他の業務ができない状態だったんです。
えーと、それってつまり、病院っていう建物の中に見えない檻があって、せっかくの専門家が閉じ込められていたってことですか?
そういうことです。今回の改定は、そのレッドテープを撤廃しました。
へー。
感染対策の専門家が介護施設へ助言に行ける時間を月16時間に拡大したり、兼務も容認したり、
さらに、戦中の管理栄養士が退院した患者さんの外来栄養指導のできるようになったんです。
ちょっとそれって、リスナーのあなたにとってもすごく具体的な変化ですよね。
ええ。かなり身近になるはずです。
病院のベッドにいたときにアドバイスしてくれたあの栄養士さんが、
退院後も自宅のキッチンテーブルでの食事について、引き続き外来で相談に乗ってくれるってことですよね。
その通りです。人材の流動性を高めることで、ここまで話してきた手厚い連携が、ようやく現実のシステムとして機能し始めるんですよ。
なるほど。医療機関をただの治すだけの孤立親しながら、地域のエコシステムの一部へと作り変えるためのすごく論理的なシフトなんですね。
地域エコシステムへの転換と未来への問いかけ
はい、まさにそういうことです。
体は機械じゃないし、回復は病院を出たからって終わるわけじゃないですからね。
さて、最後にリスナーのあなたにちょっと考えてみてほしいんです。
うんうん。
国はこんなふうに、見えない制度の裏側で、医療と介護のつながりを再構築しようとしています。
次にあなたが地元のクリニックに行くとき、待合室の奥にある、あの地域とつながる見えない糸の痕跡を探してみてください。
そうですね。意識してみると面白いかもしれません。
あなたの町の病院と介護施設は、あなたの生活を守るために一体どうやってコミュニケーションをとっているんでしょうか。
今回はここまでです。
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