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はじめるを応援するポッドキャスト、STARTFM。おはようございます。企業課でラジオパーソナリティの関口舞です。
テイラー株式会社の柴田陽さんと、企業や独立を考えている方に役に立つ情報を楽しく語っていきます。
陽さん、おはようございます。
おはようございます。
陽さん、なんとお知らせがありまして、このポッドキャスト、先週配信したミニシリーズの最終回で、なんと100回になりました。
お疲れ様です。毎週やってるから、日本2年間ぐらいですもんね。
そうなんですよ。すごいなと思ってね。
ポッドキャストって本当にこれから始められることを検討している方に共有しておくと、やっぱりKPIが積み上がっていく系のコンテンツなので、基本的には成長をずっとやっていけばリスナーさんが増えていくという感じのメディアだなとつくづく思っています。
そうですね。なかなか今までいろいろサービスとかやってきて、こんなに着実にやっていけば着実に結果が出るという思いをするってなかなかないと思うんで。
確かにね。ウェブサービスだとメディアがちょっと違う感じではありますよね。
急に増えないっていうのもね、声のサービスの難しさで。
確かに。でも結構リスナーさんにお会いする機会があると、全部聞いてますみたいな人も結構いたりして、やっぱりコアなメディアだなということを改めて感じますね。
というわけで皆さん今後ともよろしくお願いしますということで、質問が結構たくさん来ておりまして、読み上げたいと思います。
ラジオネームアホアホマンさん。
スタートアップファイナンス講座No.4リストラとバリエーションの関係の話は目から鱗でとても勉強になりました。
そこでまだ理解しきれない点がありましたので質問させてください。
金利が上昇すると、ガーファやサース企業のように将来の期待値が高かった企業の株価が大幅に下落するというところまでは理解できました。
しかし例えばアルファベット社は、現役とはいえいまだに4半期で140億ドルの純利益を稼いでいます。
株価と経営の実態は必ずしも比例しておらず、まだ純利益をこれだけ叩き出している会社が株価が大幅下落しているとはいえ、なぜ今リストラしなければいけないのでしょうか。
仮説として、1、近い将来さらに経営が悪化するのがわかっているので、先んじてリストラした。
2、報酬の多くを株式で払っているので、株価の下落で給料が払えなくなるためリストラに至った。
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という2点を考えましたが、実際のところはどうなのでしょうか。
また、セールスフォースを筆頭に米国のサースがリストラを始めましたが、日本の大手サースも今後米国に送れてリストラが始まるのでしょうか。
はい、ありがとうございます。
なんかハイレベルな質問ですね。これラジオネーバーアホアホマンとか言ってますけど、めちゃめちゃ。
まあまあ、そういう人に限ってね。
そうやってね、謙虚な姿勢っていうね、そういうことなんですけど、どうなんでしょうか。
はい。
例えば、いまだに4半期で140億ドルの純利益を稼いでいるアルファベット社みたいな会社が、どうして今リストラしなければいけないのでしょうかという点なんですけど。
はい、これはですね、結局、全社トータルとして見ると利益が出ているように見えるかもしれないですけれども、当然細かく、例えば部門別とかに割っていくと、いくつかの事業は将来の投資を見据えて赤字を先行して出していて、いくつかの事業はすごく儲かっていて、
それの総裁した結果として、今純利益が140億ドル出ているっていうことだと思うんですけど、これは大きな企業は、アルファだけじゃなくて日本の企業も大きな企業はこうしていると思うんですけれども、
やっぱり社内に当時判断をするハードルレートという、社内の割引、前回のエピソードで言う割引率みたいなものを社内で持っていて、基本的にはそれを従ったらそのプロジェクトは閉じるということをするのが、普通のあるべき刑判断になるので、
トータルで利益が出ているとはいえ、個々のプロジェクトを見ていくと割引率が上がったので、それに見合わない投資は削減されたと。その結果として、余剰人員が出たのでリストラを行ったということかなと思います。
なるほど、めちゃめちゃわかりやすい話でしたね。どうなんでしょう、リストラせずに儲かっているところに移動してもらうみたいなわけにはいかないんですかね。
これが株価の付き方ということと、いわゆる生きている日々の生活感覚と一番ずれているところなんですけど、株価って将来の期待リターンを織り込んでいるんですよね、前回の金の話じゃないですけど。
だから結局今ついている株価っていうのは、将来例えばそれらの先行投資しているものから得られるであろう期待リターンみたいなものを含んだ値段なんですよね。
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それと基準が変わったので、正当化されたいプロジェクトが出てきましたと。それを他が利益が出ているからといって、そっちに動かしたところで今度そっちの収益性が悪化するので、株主視点から見ると
それは結局、じゃあ今ついている株価っていうのは本当はもっと低いのねっていう話になってしまうっていうところが、ここがやっぱりすごく感覚的には理解しづらいところで。
株価っていうのは高いとか安いとかって存在そもそもしてなくて、みんながその時に高いと思っている人は売って、安いと思っている人は買っちゃうので、その時その時で無限の将来まで織り込んだ上での株価っていう風になっているので、
今、儲かっているかどうかっていうのは、もうコミの計算になっちゃってるってことですね。それが儲かんないっていう前提が変わるのであれば、じゃあ株価も変わりますねっていうロジックになっちゃう。
へー、なるほど。ありがとうございます。これが1個目の回答で。
次なんですけど、セールスフォースを筆頭に米国のSaaSがリストラを始めましたが、日本の大手SaaSも今後米国に送れてリストラが始まるのでしょうか。こちらどうでしょうか。
これですね、もちろん正面から答えようとすると、日本の雇用は規制の前提が違うのでっていう話になるんですけど、これ僕もちょっとわからないところで、面白いなと思っている部分で、
外資系のSaaSが日本のオフィスを閉じるのかどうかっていうこととは別に、日本のSaaSの会社のバリエーション自体、アメリカだと割引率が下がるとバリエーションが変わるっていうのはわかりやすいんですけど、
日本ってずっと昔からゼロ金利政策で、ずっと割引率自体はゼロに近いような形になっていて、直近も別に上がったかっていうと上がってないですと。
だから、もし経済が日本だけに閉じているのであれば、バリエーションの変化はないっていうことになるんですよね。でも一方で、日本の株式市場に投資している人の大半はアメリカとか海外の投資家でもあるし、あるいは資本自体は世界中どこの国でも資本の移動はかなり自由なので、
もともと日本の投資家であっても、世界全体から見て日本の市場はどうなんだろうっていう視点で資源配分することができるので、結局株式市場っていうところだけ見ると各国の利回り云々っていうことの影響はそんなに強くなくて、一番基準になっているマーケットであるアメリカに連動しやすいですと。
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ただ、フルに連動しているわけではないし、日本の企業は日本の銀行から資金調達をすれば、今の利回りの問題とは無縁で一見いられるように思われるので、ダイレクトには影響していないと。
ただ一方でカワセとかは世界中の投資家の動きに連動して影響を被ってしまうというところで、アメリカの金利が1%変わったら日本で何%分ぐらいの威力があるかみたいなのは、結構複雑系になっていて、明確な答えがないんじゃないかなと理解しています。
なるほど。
逆に言うと、そういう状況で日本の企業のバリエーションって、そもそもどうやって行われているのか、本当にちゃんとロジカルに行われているのかについて、僕は結構疑問があると思っています。
じゃああんまりロジカルじゃなくやっちゃってるかもってことですかね。
そうですね。短期的に見るとちゃんとロジカルにプライシングされていると思うんですけど、すごくマクロに見たときに適正かどうかっていうのは、結構ちゃんと計算している人がすごい少ないんじゃないかなというふうに思います。
例えば、SaaSでARRのマルチプルが20倍だったら普通で100倍だったら高いよねっていう感覚って、アメリカだったらちゃんと数式を元に説明できると思うんですけど、日本の場合は結構難しいと思っています。
なるほど。どうなんでしょう。リストラ始まっちゃうんですかね、日本でもSaaSとか。
どうなんですかね。
どうなんでしょう。でも調子悪いっちゃ調子悪いってことなんですかね。
難しいよな。
結構SaaS経営されている経営者だったり、上場株投資している機関投資家の方と話すと、割と雰囲気というか他のマーケットでどうなっているのかっていうのが、いろんなものの相場感の形成の根拠になっている感じがして、
あんまりロジカルに相場感が構成されている感じがしないですよね、日本のマーケット。なので、よくわかんないですね。雰囲気で決めてるっていうことなんじゃないかな。これ言うと怒られそう。
私的には雰囲気で決まってるんだって思うと逆に救いがあるような感じの印象を受けちゃったりするわけですけど、なるほどな。お話ししてる感じどうなんですか、その雰囲気は。
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もちろんいいって言う人はいないですね、当然。
まあまあまあ。
ただ、じゃあなんでそれが悪いと思っているのかっていうと、アメリカでそういうことがあったから、テック企業に対する投資家がグローバルに見ても退場している、引いていってる。だから先行投資に対する目線が厳しくなっているっていうのはもちろんわかるんですけど、
じゃあその、仮にこれ日本の金利が今まあすごいゼロに近いですけど、2%になったら何が起こるんですかっていうのをちゃんとロジカルに説明できる感じの構造になってないと思います。
そういう人がアホだってことじゃなくて、ローカルなマーケットの限界として、それがどういうふうにグローバルなマーケットを通じて日本に結局影響が戻ってくるのかっていうのが、
ある意味、すごい太平洋に面した宇宙海みたい、瀬戸内海みたいな感じになってるんで、地震が起きたときに津波がどうなるかの計算がすげえむずいみたいな感じになっちゃって。
実際起こってみないと、そうですね。
ハワイだったら地震が起こったらダイレクトにブワーンってきて、何分後にこんな感じってできると思うんですけど、瀬戸内海みたいになってるんで、ここに当たってここにぶつかってみたいなのが全然わけわかんなくなっちゃってる気がします。
なるほど、めちゃめちゃ面白い例えだな。めっちゃわかりやすい。ありがとうございます。
そういうわけで、アホアホマンさん、ご質問ありがとうございました。
というわけで、もう一個お便りを読んでいきたいと思うんですけど、
ラジオネームひらひらぽんぽんさん、
期待値バリエーションについて質問です。
1000億円になる確率が10%あるなら、期待値としては100億円のバリエーションがつけられるという話、非常に納得感がありました。
一方で先日のエピソードで、市場規模推定はボトムアップで行うべきである。なぜなら市場規模の10%といったトップダウン方式では、なぜ10%かに答えられないからとおっしゃっていました。
期待値バリエーションに関しても確率は曖昧で、場合によっては市場規模推定で使うパーセントよりも曖昧だと感じます。
どのようにしてできる限り正確な確率及び期待値を算出できるとお考えでしょうか。
いい質問ですね。
いい質問ですね。
まず、特にアーリーステージにおけるベンチャーキャピタルがこの会社のどのくらいのバリエーションだったら投資していいよねって決められるというところの相場感の計算が期待値計算みたいなものだという話をしたことが質問の前提になっているんですけど、
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引いて考えたらそれを予測するのってすごい難しいですよね。
そうですよね。
このスタートアップが最終的にどんな感じの規模感になって、その確率がどのくらいあるのかって、すごいいろんなことが絡むじゃないですか。
そうですね。
なので、ほぼ当てずっぽーとして100分の1の確率でユニコーンなんじゃないのみたいな感じになっているんじゃないかと思います。
ちなみに、まずこのベンチャーキャピタルのスタートアップの投資の仕方に対するアプローチであるこのマイルストーンベース投資っていうものをちょっとわかりやすくというか、
例えば、今ここに赤ん坊が一人おぎゃーって生まれますと、その人が将来的に一生涯でいくら稼ぐかを当てるゲームをしますと。
その赤ん坊が大人になって、いくら稼ぐかを当てるゲームをしますと。
嫌なゲームですね。
これやっぱり、どう考えてもゼロ歳時点が一番難しいじゃないですか。
そうですよね。全然ポテンシャルわかんないですよね。
例えば、中学生になりました。
場合によっては、どこの中学校行ってるかっていうのが一定のシグナルになって、このぐらいはいけんじゃないの。
ここは下回ることはないんじゃないの。
例えば、お受験の後産期みたいなところに、中学受験に入っていたとしたら、ニートとかになる確率は心を病んじゃうとか、
もちろんその人は怪我して、そもそも稼ぐことができないような身体的ハンドキャップを売っちゃうっていう確率は一定あるものの、
それを除外したらこんな感じがダウンサイドですよね、みたいなのってちょっとわかるようになるじゃないですか。
そうですね。
例えば、社会人1年目ぐらいだったら、もっとさらにわかるじゃないですか。
だんだん進めば進むほど、ちょっとずつわかるようになっていくと。
さっきの練習当てゲームで金額をかけて、当たったらお金がもらえるみたいなときの、
オッズって後ろに行けば行くほどどんどんオッズは低くなっていきますよね、確率性が上がっていくので。
ここがVCの確率計算でいうときの打率というか、ということなんですよね。
一番最初って本当にわけわかんないので、例えば日本人の平均値を当てはめるとか、
ご両親の年収とか経歴みたいなところで多少調整するとかぐらいしかできないじゃないですか。
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そうですよね。
生後0ヶ月だったら。
っていう感じで、マイルストーンに従ってだんだんそこが明確になっていくと。
後半になれば、例えばですけど、初任給がこれで、日経の大手のこの企業であれば、
何年、例えばこのくらいの年収になって、それを累積していけばだいたいこのぐらいっていうのは、
バツバツ精進みたいなところにちゃんと入社していればわかるわけですよね。
もちろんそこに転職する確率とか、転職した場合の、もちろん企業は大成功するかもしれないし、
失敗してもっと収入下がってしまうかもしれないけども、それも掛け算することが可能になるじゃないですか。
だから後半になればなるほど、よりパラメータの多い期待値計算ができますと。
そうですね。
逆に小さければ小さいほど、パラメータが多すぎるので、
今度どんぼり勘定をした方がむしろ正確っていうことになりますと。
ここが多分推定一般に言えることなんですけれども、
推定って誤差、つまりノイズを減らしていきたいっていう作業なんですけど、
パラメータとして分解したときに、十分にノイズが下がらなければ分解しない方がいいっていうことになっていて、
例えばですけど、東京地方の1年間の雨の降る日の数、日数を当てましょうっていったときに、
1年通算で推定する方法もあれば、
例えば4つに分けて季節ごとに推定する方法もあれば、
例えば冬は少ないけど夏は多いよねとか。
月ごとに割る方法もあるし、1日単位に割る方法もあるじゃないですか。
パッと考えたときに、何が一番雨の降る日の数を当てるのが当たりやすいかっていうと、
1日単位を予測することが当たりやすくはないだろうなって感じがするじゃないですか。
そうですね、なんかそうですね。
それって誤差っていうのは、誤差と誤差をかけると誤差が二乗されちゃうんで、
だから二乗されても、それを打ち消すくらい精度が上がらない限りは割るべきじゃないんですよ、2つに。
分解するべきじゃないんですよね。
そう考えていくとバーリーステージってパラメータが多すぎるので、
1個1個市場規模は、その中でシェアは、その企業家が何でもいいけど途中で事業投げ出してしまう確率はとか、
そういうのを個別に推定していくよりは、ざっくりええやって決めちゃった方が精度が高いっていう流度のトレードオフみたいなものがあって、
それが故にざっくりしているように見えて、実は精度が高いってことになると。
パラメータというかノイズが多ければ多いほど、因数分解しない方が精度が高くなるっていう、一見ちょっと直感と反することが起きるっていうことかなと思います。
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これでもざっくり決めるのの決め方はどうしたらいいんでしょうね。
ざっくり例えば。
それこそこのひらひらぽんぽんさんは、もしかしたら投資家かもしれないし企業家かもしれないですけど、
私みたいなシード企業家からすると、例えばうちの会社が1000億円になる確率が10%って言っていいのか。
平均は何パーティスかってことになりません?
そもそもスタート地点として、一般論として企業一般みたいなことを言ったときに、
そういうことか。
っていうことができるじゃないですか。
企業一般よりは、例えばこの点で違っているから、ちょっと違う。
例えば企業一般の中には個人事業主始めますとか、だっさらしてフランチャイズのオーナーをやりますとかってのが含まれているとすると、
それがユニコーンになる確率は極めて小さいと思うので、それとは違うよなと。
じゃあ例えばインターネットビジネスで起業した場合って切ったらどんな感じになるんだろうって。
そうやって推定の範囲をどんどん狭めていくっていうのが正しいんじゃないですか。
ここに何かその人ならでは感を乗せることってむずいんですかね。
なんか洋さんとかってその辺がめっちゃ乗ってるんじゃないかと思うんですよ。
でもそうなんじゃないですか。実際そうなんだと思いますよ。
そこのパーセンテージって、それこそ私自分の場合どういうふうに申し上げるべきかは、ちょっと未だによく分かっていなくて。
でも似た事例を見つけてくるしかなくないですか。
そうですね。周りの似た事例とか似た人とかから、この会社のこの人がこんな感じだから。
例えばね、この人よりはいいでしょみたいな。
そういう、結局やってることと一緒なんです。さっきのその、これはなつたらとは違うって言ってるのと、今の話で質的には一緒の話なので。
確かになるほどあんまり細かく分解しすぎずに、さっきの赤ちゃんの話みたいな感じで。
赤ちゃんのケースであって一番正しいのは、普通日本人の平均の障害年収を答えるのが一番スタート、出発地点としてはそうなるじゃないですか。
そこにその人なりの軸みたいなのがあるなら、それでちょっと切り刻んでっていうことになりません。
なるほど確かに。親がめちゃめちゃ優秀だからとか。
例えば結局収入の高い世帯に生まれた子どもは収入が高いという統計があるんだったら、それを演用してみると。
確かに。そんな感じでちょっと私も計算を、似た事例から、そうですよね、結局その実際はね、他の人どうなんだろうってところでやろうとしているので。
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あんまり細かいパーセンテージにこだわりすぎずに、そこはやってみたいと思いますので、ひらひらぽんぽんさんもそんな感じでやってみてはいかがでしょうかということで。
ありがとうございます。お便りいろいろ来てるんですけど、ちょっと一旦この2通にしたいと思います。
ありがとうございます。
スタートFMではあなたからの質問やメッセージを募集しています。
ポッドキャストの概要欄から送ってください。
そして最後まで聞いてくださったそこのあなた、チャンネル登録高評価よろしくお願いします。
というわけで今回も聞いてくださりありがとうございました。
ありがとうございました。
それでは素敵な1日をお過ごしください。