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みなさんごきげんよう。シンバのトレランラボの時間です。これはトレルランニングを様々な視点で研究する、私が得た成果をみなさんに共有するコーナーです。
本日は、燃え尽き症候群について、しゃべりたいと思いますよ。
うちのメンバーで、マラソンを走った後、気分が落ち込んでるんですとか、
私自身の存在意義ってなんだろう、みたいな悩みを抱えていらっしゃる方がいたりします。
去年、2024年の2月に、ニュージーランドの初めての海外100マイルレースを達成した後、
大きな喪失感にさえならまれまして、
一切、次の一歩が踏み出せないというか、
気分も落ち込むし、走ることに対しての意欲みたいなものも減ってしまったりとか、
次の目標目的ってなんだろうと、レースは決まっているんですよ。
それがどうでもいいなぁ、みたいな気持ちになったことがあるんですよ。
実際にそういうことがあるのかなということで、調べてみたら、やっぱりあるんです。
それに対して、整理学的な変化みたいなのもあるということもあるので、今回トレーラーラボで取り上げてお話をしていこうと思いますよ。
これ、よく概念としては、アスリートバンアウト、アスリートバンナウトって言うらしいです。
研究もされている分野らしくて、やっぱりウルトラランナーとか、そういうキツイレースとか、
高記録を狙ったマラソンとかでよく報告されていて、全く珍しい話ではないらしいですよね。
その燃え尽き症候群というか、アスリートバンナウトの特徴として3つ、こんな表情が出るというのがありまして、
1つ目がですね、感情の枯渇。エモーショナルエクスハウジョンかな。
もうなんかこう、もう全部どうでもいいと、精神的に空っぽになるような感じになってしまうと。
嬉しいとかそういうのじゃなくて、そういうのがもう全部なくなってしまうと。
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楽しいとかそういうのも、むしろ悔しいとかもなくなって、まあいいや何でもってなっちゃうんですよね。
2つ目が達成感の喪失。
REDUCED SENSE OF ACCOMPLISHMENT
なんかもうこんなに良い記録出たのに、全然満足できない。何か満たされへん。ということで、次目標とかレース見えてても、
そもそも自分って何で走ってたんだろうみたいな気持ちになっちゃう。達成感の喪失。
3つ目がスポーツからの精神的返り。
SPORT DEVALUATION
スポーツそのものから、距離を置きたくなるらしいですね。
もうレースとかどうでもいいと、走ることそのものに興味がなくなったり、もう楽しく感じなくなっちゃうということで。
これ逆にもうすっごい頑張ってやりすぎた、オーバートレーニングをしすぎた人ほど、そういうあの
感情になりやすいらしいですね。それだからつまり、メントルだけじゃなくて、体そのものも疲れて、回復が追いついてなくって
不のスパイラルですね。どっちも回復しないことでより
心が沈んじゃうということがあるということです。
研究のデータの中でも特にエリートランナーとか、自己ベストを狙っているとか、大きな目標を狙っている人ほど
リスクが高い。大きな目標を達成したことほど、喪失感が大きいという話ですね。
今回、喪失感に苛まれている方は、1年越しに
しかも病気の判例を打ち勝って
完走できたという、かなり大きな目標を達成できたと思うんですよ。
壁のような大きな衝撃をなんとか
打ち破ってですね、達成したということもあって、その分、やっぱり喪失感が大きかったんじゃないかなと思いますよね。
言葉としても、マラソンブルースとか、ポストマラソンブルースみたいな言葉があるぐらい、
結構レースの後に気持ちが落ち込んじゃうっていうのはよくある話らしいです。
マラソンだったりとか大きなトレランのレースはありますけど、やっぱりウルトラとか長い距離であればなるほど、
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障壁は大きいので、レース後に虚無感とか無力感っていうのを感じることが大きいみたいですよ。
特にね、レースの中でも100マイルとか100キロ超えるものって、すごいライブ感があるじゃないですか。
つまり日常から離れた非日常の体験じゃないですか。
そこからやっぱりこう普段の生活に戻ってしまうっていうのは非常に窮屈退屈な感じになってしまうと思うんですよね。
そこで急に何か無気力になっちゃうっていうのがあると。
その空虚な気持ちを埋めるためにですね、
すぐ次のレース入れたりとかそういうのを繰り返していくと、どんどんどんどんその悪循環になってしまうことがあってですね。
レースを入れ込んでしまう人ほど、どっかのタイミングでもうあのプツッと一頭が切れることがあるらしいですね。
いやーこれね僕もよくわかりますよ。結構ね年間のレースめちゃくちゃ入れてましてですね。
確かその押し込んだ時も12月の末、2年前から2023年の年末ぐらいから
130キロのレース入れて、マラソンも2本ぐらい入れてしかもサブスリー達成してやったーっつって。
で2月の100マイルもね乾燥して、なんかもうどんどんどんどん何て言うんですかね、次から次へと
レースを入れて、それがねちょっとだけ一段落し次4月まで空いたんかな。
3月はちょっとしたレースがあったんですけど、でもほとんど次のショーグレースまで1ヶ月半か2ヶ月ぐらいポンと空いたんですよね。
そうする時にやっぱりその感覚に差が出て、普通の生活、日常が
差し迫ってきてしまってですね。 一気に
現実に引き戻された感じになって。 っていうようなことでちょっと無力、無気力みたいなところがあったのかもしれないですね。
僕が知る方も結構レース突っ込んで入れるタイプなんで
もしかするとそういうなんていうか、本当は
普通の日常がねこう戻ってきて
感じてた無気力が次のレースが近かったから、なんかこう
うまくね、なんていうか、その気持ちから
逃れてたのかもしれないけれども、いざやっぱりちょっとレースが空いたりとか大きな達成をしてしまった時に
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その普通の生活っていうところが大きく、日常にグーッと引き戻されてしまってですね。
虚無な感じになってしまったのかもしれないなぁってちょっと想像しました。
気をつけなあかんのはですね、燃え尽き症候群というか、アスリートバウンアウトをした方は
結構ケガする人が多いみたいですね。 モチベーションが落ちるから、とりあえず無理やりこう練習しようみたいなとか
そうするとレースの不良もある中で、なんか無理やり体を動かすから
疲労骨折しちゃったりとか、痛めてた、なんていうかな、古傷が痛み出したりとか
いうのはあるんで、なんかね、急にね、完全に止めるってのも良くなくって、ちょっとずつちょっとずつ動く体を動かすってのは大事かなっていうふうにも思いますよね。
ということで、ランナーのアスリートバウンアウトっていうのはよくあることで、
レース後にモチベーションが下がるっていうのは当たり前のことだとちょっと捉える必要があると、それが科学的にも証明されていて、特にウルトラ系というか
トレイルランとかね、長い人は影響が大きいということで、それをうまく理解しちゃう上で、
あ、来た来た!みたいな、こんなの当たり前だよねっていうのを受け入れて対策していく必要があるかなって思いますよ。
ちなみにですね、生理学的にもやっぱり科学的にというか、ありまして、
その説明が3つありますよ。1つ目は、
コルチゾールとアルドネナリン自体がですね、
欠落するというか少なくなっているというのがあるらしいですね。 レース中っていうのは、やっぱり身体が戦闘モードになって、いわゆる交換神経系ですね。
つまりアドレナリンとかが出たり、それを制御するとノルアドレナリンとかそういうので調整したりするんですよ。
でもそれが終わっちゃうと急に止まっちゃうんで、
そういう急戦モードみたいになってしまって、
抜け殻みたいになっちゃうという感じ。そうなると脳内の興奮剤がなくなってしまって、
副交換系が優位になりすぎて、逆にリラックスというよりは落ち込むぐらいまでいっちゃうんでしょうね。
体も疲れてるし、だるさ、倦怠感みたいなにもつながっちゃうというところがあるらしいです。
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あとはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールですね。 この子も走っている時とかは、ストレスを緩和するためにバンバン出るんですけど、
それがですね、終わった後は分泌が少なくなってしまったら、
気力とか意欲が湧かないとか、気分が落ち込んじゃうとか、思考力が落ちちゃってぼーっとしちゃうとか、ちょっと記憶力があやふやになったりとか、
それが行き過ぎると不眠とかね、逆にめっちゃ寝すぎちゃうとか、そういうことがあって、いわゆる躁鬱の原因になったりするらしいですよ。
なるほどね、刺激をやると、その後は低刺激に体がなってしまうのか、ちょっとそういうようなね、脳内のホルモンの関係も一つあります。
2つ目はですね、セロトニンですね。幸せホルモン、幸福ホルモンと言われるセロトニンが、
やっぱりこうレース後に急激に減るんですって。 長時間の運動、運動してるとセロトニン出るじゃないですか。
それが長時間に及んでも、やっぱりずっと出続けるらしいですね。 だから、交換神経系が優位になるっていうのと、プラスですね、
幸福系の、こうやってると楽しいってなるセロトニンも、レース中はどんどん増えるんだけど、レース後に急激に減っちゃうんですって。
じゃあやっぱりこう、鬱憂系になるじゃないですか。 幸せを感じるような、その脳内物質が減るわけですから。
ほんでまぁ、何やってんだろう。
なんか、こんな仕事とかしても全然おもんないわ、みたいな。
現実、私、こんなやってても全然楽しくないよ、みたいな気分になるんじゃないかなっていう。
2つ目はそのセロトニンが、まあ減っちゃうというところ。
3つ目はやっぱりですね、エネルギーがもうなくなっちゃって、そもそも、急戦モードから戦闘モードというか、練習モードとかに戻れないっていうのがあるんじゃないですかね。
で、体の休憩にやっぱ必要な栄養ってあるじゃないですか。 その中でもね、ヘモグロビンとか、鉄分ですよね。
鉄液の循環が必要な鉄分系とか。
あとはビタミンB群。これね、神経伝達の物質の剛性に結構深く関わっているらしくって、
例えばビタミンB6っていうのは、うつ病の人とかね、うつ状態になっている人とか、
そういう人に大きな影響を与えるガーバとかね、ドーパミンとかセロトニン、そういうのに作り変えられる過程で必須な栄養素らしいですよ。
だから、なかったらうつになっちゃいますとかね、眠れないですよとか、そういうのになっちゃうらしいですよ。
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あとは同じような感じで、マグネシウムとかミネラル系ですよね。
セロトニンとかの神経伝達物質の生産とかにもマグネシウムが関与しているらしくて、
足りないとやっぱり気分が落ち込んじゃったりするらしいですね。やる気が出ないとかっていうのがあるから、
そういうね、まずは体を倒すのに必死のパッチになってですね、
そういう栄養素がまず足りひんと。
そしたら、心の方ね、さっき言った神経伝達物質系というかを精査する過程でね、本当に必要なものがちょっと足りひんくなってしまうと。
今はずっと体を治すのにいっぱいいっぱいやと、心のメンタルを戻すのにちょっとこいつら使われへんと、ちょっと待っとけみたいな感じになって、
いつまで経ってもお休みモードみたいな感じになっちゃってるのかもしれないですよね。
じゃあまあそういうことを考えると、どんなふうにしていったらその燃え尽き症候群アスリートバーナウンドを早期に脱することができるのっちゅうと、
まあそうですね、まずはゆっくり休みましょうってことでしょうね。
栄養と睡眠を整えると、さっき言った鉄分とかビタミン、ビーガン、マグネシウム、ちょっと意識してね、取りはとったらいいのかなと。
あとはゆっくりね、ほぐして、体ほぐして、よく寝るっていうのがいいと思いますよ。
その時にはね、やっぱ体ある程度動かすっていうのは、リズムをキープするためにいいかなって思います。
気分はね、もう走りたくないってなると思うんですけど、ちょっと体を動かすほうが体の回復がよくなると思うんで、
ストレッチとか、まあハイキングでもいいと思うんですよね。そういうことをすることで気分も晴れると思いますよ。
あとはまあその、なんていうかその負のスパイラに陥っている目の前のトレイルをとりあえずレースをどんどんとこなしていくんだみたいなのをちょっとやめてですね。
もうちょっと先の、もう少し5年後10年後とかね、そういうところを見ていくっていうのがいいかなと思いますよ。
なんか無理やりね、次レースでこんなことしないとみたいなのやっていくと、結局またそのレース達成したら同じことになりますっていうことですよね。
ということで、まあ気楽な楽しみみたいなね。
なんかね、好きな人に会いに行くんだとかね。
なんかもう自分好きなご飯いっぱい食べようとかね。
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まあその走る以外の楽しみにちょっと税振りするんだみたいなね。
もう読んでなかった本、どっか読みしちゃおうとかね。
あと僕がお勧めするのは、例えば5年後10年後のちょっと先のレースを考えるとか。
海外のこんなレース走るんだとか、こんな局地行って走るんだとか、こんなメンバー集めてこんなチーム戦やるんだとかね。
誰も行ったことないここの屋さん行きを全部2日間3日間かけて走るんだとかね。
そういうすぐにはできないけれども、いつかやりたいなみたいなのを考えるっていうのも一ついいかなと思いますよね。
どうしても体乗らへんかったら逆にちゃうことやったんじゃないですかね。
例えばロードばっかやってたらトレイルにね。
トレイルばっかやってるんやったらトラックレー入れるとかね。
あとはもう本当に空、海みたいな。水中とかね。
なんか違う方向行くとか、アスリートバイク行くとか。
運動系じゃなくて、勉強系とかね。
芸術系とかそういうのでもいいと思いますよ。
一番あれかもしんないですね。誰かと仲のいい人と飲み会するとか、遊んじゃうとかね。
そんな風にするのがいいのかなと思いますよ。
あとはね、僕みたいなね。実際に燃え尽き症候群の経験者とね。
もうなんかたわいもない話をするとか。
あの、だよねだよねみたいな。もうそうなっちゃうよね。もういいじゃんいいじゃん。
無理せんと遊びましょうよみたいなね。
ちょっと共有してもらうとかっていうのもいいですよ。いつでもお話聞きますんで。
ということで、今日のトレイラーのラボの中身としては、いわゆる燃え尽き症候群とその対策についてお話ししましたよ。
これからね、僕も大きなレース。今週末は特に春の一番のレースあったりしますし。
4月からは職場復帰するとかね。いろいろとある中で、ちょっと節目が来そうなんで、なんか燃え尽き症候群ありそうな気がする。
その時には自分の放送も聞きながら、いろんな人に悩みを相談しながら乗り切っていこうかなと思いますし。
今ちょっと燃え尽き気味だって思う人は、いろんな人に頼ればいいんじゃないかなと思いますよ。
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では、またお会いしましょう。
シンパでした。さようならごきげんよう。