2025-12-04 16:29

#15 香りの筋トレ!?香りのジャンル分けを言語化する!

今回のテーマは「香りのジャンル分け」。
筋トレで体をバランスよく鍛えるように、

香りも多様なジャンルに触れることで

識別力・同定力が高まると言われています。


研究によると、香りの種類を増やしたトレーニングは

短期間でも高い効果をもたらすとのこと。


その研究背景を踏まえつつ、

▼日本酒の香りの分類

穀物系/フルーツ系/花・ハーブ/

メイラード/スパイス/オフフレーバーなどと、

▼食材由来の香りの分類

海産物・ナッツ・スパイス

薬草・酸・ウッディ・うま味 etc.を具体的に紹介します。


サマリー

このエピソードでは、香りのジャンル分けの重要性について語られており、香りを体験することでその解像度が高まるという視点が強調されています。日本酒や食材の香りの特徴と、効果的な分類方法についても詳しく説明されています。また、ハーブやフルーツ、海産物、スパイスなどの香りの特徴が探求され、聞き手に多様な香りを体験する重要性が伝えられています。

香りの体験と筋トレの類似
本日も飲食を言語化するラジオを始めたいと思います。
一時期、自宅で筋トレをしてたんですけれど、今は皆さんにだいぶ太った?と言われる毎日です。
それから黒沢がお送りいたします。
筋トレって、もちろんやったら効果が出て、やんなかったら筋力が落ちて、
またやったところは筋力がついて、という形で体験されたこともある人多いんじゃないかなと思うんですけれども、
自宅でできる筋トレって実はやってると、例えばスクワットとか腕立てとか筋肉がつく場所が偏ってきたりするんですよね。
これって自重でやってると特に肩とか腕とかっていうのが結構貧相になってて、バランス悪かったりするんですよ。
このバランスの悪さみたいなものって実は香りの世界も一緒らしくって、
いろんな香りの複雑さみたいな多様な香りの世界を感じると、実は解像度が上がるのではないかという話がありまして、
この他ジャンルを体験することの重要性について言語化していきたいと思います。
おまけに筋トレって、例えばやらなかったらすぐ筋力って落ちたりすると思うんですけど、
香りの体験が長期的に効果が出せるとしたら、どうですか?やりたくなりませんか?
香りのジャンル分けの研究
ということで今日は香りのジャンル分けについて言語化したいと思います。
まず、香りのジャンル分けがどれほど効果があるのかみたいなことを説得力がないといけないと思うので、
勉強した文献の紹介をちょっとしたいと思います。
これは嗅覚喪失患者を対象とした研究で、
臭いがわからない状態の患者さんがある程度臭いの細胞が復活して嗅覚を感じることができるようになったという研究です。
このジャンルの研究は2009年頃から盛んに行われていて、
まずは2009年の研究ですが、この研究では12週間にわたって約2分間、1日に2回トレーニングを行うという研究でした。
その香りの種類は、バラ、ユーカリ、レモン、クローブの4種類でした。
これジャンルに分けて考えると、バラは花だし、ユーカリはハーブだし、レモンは柑橘だし、クローブはスパイスのジャンルになるかなと思いますが、
この4種類の研究で12週間トレーニングを行うことで明確に効果があったという研究でした。
この研究がどんどん続いていって、次に紹介するのは2週間、12分のトレーニングを2回、
そして扱う香りの種類は10ジャンル、72種類の香りを扱うトレーニングをしたところ、明確に効果があったということがありました。
この2つの研究を比べてくれている論文もあって、同じ周数での効果で考えると、
12分×1日2回、そして72種類の方が効果が高かったということが分かっていました。
12週間やるトレーニングが10ジャンル72種類にして1日12分2回にすることによって2週間に短縮できるなら、
これってすごい香りのジャンル分け、多様性の効果ってすごいあるっていうことですよね。
この間の研究をまとめて再考したレビュー論文というのもありまして、
最も顕著な効果は麹嗅覚機能において観察されたとありました。
日本酒と食材の香りの分類
この麹嗅覚機能というのは、香りを嗅ぎ分ける、識別する能力と、香りの種類を当てる、童貞する能力というこの2つの機能が大きく改善されたということでした。
よく日常であると思うんですけど、この匂いなんだっけ、みたいな。
これ日本酒の香り嗅いでても、この匂い何か嗅いだことあるんだよな、みたいなことあると思うんですけど、
これ実は識別と童貞そのものであって、嗅覚が分からなくなっている患者さんが識別と童貞ができるまで回復しているということ。
実は健常者がやっても効果があるんじゃないのかなというのが、この研究を見て思うところでした。
なので香りのジャンル分け、じゃあ実際の生活に役に立てる範囲で、どうジャンルを分けたらいいかということをこれから考えていきたいと思います。
お酒、特に日本酒を楽しむ機会を考える場合と、食材の香りのジャンル分けをするにはどうしたらいいかという
2つの構成でやっていきたいと思います。
まずは日本酒から。
例えば日本酒の香りのジャンル分けってこういう風にされてますよっていうのが聞酒師の協会とかであって、それをお話ししていこうと思います。
まず1つ目は穀物系の香り、原料香なんて言われたりしますけれども、
例えば生のお米の香りだったりとか、もち米の香りだったりとか、麹菌がついた麹の香りだったりとか、またまたそれらの穀物を加工した蒸し粉の香りだったりとか、
豆苗酢粉の香りだったりとか、そんな香りがこの穀物系の香りに入ってくるものかなと思います。
次はフルーツ系。
純米銀杏酒とか銀杏酒、特別純米とかにも多い香りですけれども、
リンゴ、梨、メロン、バナナ、そんなあたりとか、新しいタイプの香りで言うとイチゴ、ライチ、レモン、そんな香りもまとめるとフルーツ系と言えるのかなと思います。
また花やハーブに例えられるような白い花の香りだったりとか、チャービルの香りだったりとか、この辺は花とかハーブのジャンルかなと思いますし、
他にも、例えば熟成のお酒が持つ色が茶色く色づくことによる香り、メイラード反応というのが起こっているんですけれど、
このメイラードの香り、例えば深みのあるベッコウ飴とか、あとは熟成の最中に作られるソトロンという玉ねぎの腐ったもののような香り、スパイスの香り、バニラのような香りだったりとか、シナモンのような香りだったりとかを持つお酒もあります。
あとジャンル分けすると、オフフレーバー系、先日の放送でやりましたけれども、好ましくないと思われる可能性がある香り、こちらも例えばネギ、あとはたくあんのような香りだったりとか、
あとはマッキーの香り、ホワイトボードマーカーのような香りだったりとか、あとはもう完全に製造とか管理の過程で問題が起きている場合の香りだと、カビ臭だったりとかということも起こるのかなと思いますが、こんなジャンル分けでした。
穀物系の香り、フルーツ系の香り、熟成やメイラードによる香り、スパイス系の香りとか、花、ハーブの香り、あとはオフフレーバー系の香り、こんな風にジャンル分けして考えるのも面白いのかなと思いますし、
例えば倉本が提案してくださっている、この日本酒はリンゴのような香りをまとっていてみたいな説明の実は裏に、このお酒生米の香りもするよなっていうのもあるので、香りのジャンルを色々知っているっていうのも楽しい要素になるんじゃないのかなと思います。
次は食材や料理についてジャンル分けというのを考えていきたいと思います。
もし食材を香りの特徴で分けるならどうなるかという一例なんですけれども、これは書籍フレーバーマトリックスからの要素が多いんですけれども、まずは野菜で考えてみたいと思います。
例えば野菜の香りをジャンル分けするとどうなるかなというところで、
フルーツのような野菜、これは実は花菜類と言われるもの。
トマトとか茄子とか、あとは実はコーンとかもまあ、実なので、このフルーツのような野菜の香りをまとっているというジャンル分けになります。
あとは根菜系の土っぽい香りの野菜、人参、ごぼう、じゃがいも。
そして次はグリーンの葉の香る野菜、葉物野菜とかですよね。
小松菜だったりとか、次にイオカ合物を含んでいる野菜の香り。
キャベツだったり、アスパラだったり、ブロッコリーだったり、そのようなものに多い香りのジャンル。
香りのジャンル分け
あとはハーブの香りが強い野菜、例えばパセリ、セロリなんてものは明らかにハーブのような香りの強い野菜だし、ハーブの一種ですよね。
あと完全にハーブの中だと、例えばバジルとか大葉とか、そういうハーブの香りというものも非常に強いのかなと思います。
これもちろんハーブそのものも含まれていて、バジルとかフェンネル、ディルなんてものも全部このハーブの香りの野菜というクリにしながらジャンル分けするのもいいのかなと思います。
こんな形で食材を無理やり食材の香りの特徴で分けるならということでどんどんやっていきたいと思います。
例えばミルク系の香りだったら、牛乳やヨーグルト、チーズ、あとはココナッツミルクなんてのものをミルク系の香りと言われています。
続いてフルーツ、木になるリンゴとか桃とかそういう香り、ベリー、イチゴやラズベリーなどのベリー系、あとは柑橘のシトラス、
またまたドライフルーツの香りなんてものもフルーツ系の香りにジャンル分けできるのかなというところでした。
あとはお肉系、赤みが強い肉なのか、それとも白っぽい筋肉が多い肉なのか、脂身の香りですね。
そしてその他のジャンルで言うと海産物の香り、海産物の香りは非常に似た成分が多いみたいで、
例えば白身魚、赤身魚はもちろん貝類や軟体類、甲殻類なんてものもこの海の香りのジャンルに分けられるというところでした。
あとは食材で言うとチョコレートだったりカカオの香りですね。
あとはナッツの香りなんてものも食材からボロにくる香りで分けられる要素として確立されているというのがフレーバーマトリックスから得られるところでした。
また加工を含めた化学的な特徴を持っている香り、例えばベーコンってスモーキーな香りをします。スモークされている香りですね。
あとは日本酒のところでも出てきたメイラードの香り、食材で言うとキャラメルのような香りだったりとかします。
続いてスパイスの香り。スパイスにもいろいろありますがあえてスパイスと一括りにしておきます。これから勉強していければなと思っています。
そして薬のような香り。薬のような香りってピンとこない人も多いと思いますけど、ローレルとかミント、あとはこちらも日本酒のところで出てきたチャービルのような香り、この辺は薬のような香りと分類されていたりもします。
またフェノール化合物に由来する香り。ちょっと耳慣れないワードですけども、オリーブとかバルサミコ酢とかの香り。
また刺激的な香り。からしだったりわさびだったり、あとは大根、ラディッシュとかの香りもこれに含まれるということでした。
あとはウッディな香り。例えば杉焼きとか木材を使った料理でももちろんですけども、タイムだったりローズマリーだったり樹木系のハーブっていうのもこのウッディな香りを持っているのかなと思います。
そして酸ですね。酸による香り。ビネガー、触酢はもちろんレモン汁なんかも酸からくる香りを持っているかなというジャンルでした。
あとはうまみの香り。昆布のうまみからくる香り。醤油のうまみからくる香り。あとはアンチョビなどのうまみからくる香りなんてものもジャンル分けされているようでした。
これ実はケッパーとかも含まれていて、うまみに紐づく香りがあるかなと感じています。
あとは例えばトーストしたパンとか焼いたパンのトーストの香りとかバーボンウイスキーのタルを焼くんですけども、このローストした香りなんていうものも加工を含めた化学的な特徴からくる香りのジャンルとしてよく出てきたりします。
こんな形でパーッと食材に紐づく香りの特徴をジャンル分けするということで、いろいろジャンル分けしてみました。
香りを体験する重要性
日本酒についてもそうだし、食事を扱う時もそうですけども、いろんな香りの種類をいろいろ扱うことによって、今まで気づかなかったこととかに触れる機会も多いのかなと感じるので、
研究にあった72種類のトレーニングみたいにいろんな種類の香りをぜひ嗅いでもらったらいいのかなと思います。
今回は香りのジャンル分けを言語化するでした。
ちょっと情報量多かったですけど大丈夫でしたか?
今日はこのような形で終わりたいと思います。
ぜひいろいろ香りのジャンルを嗅いでみてください。
さようなら。
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