6周年の振り返り
さて、本日も飲食を言語化するラジオをやっていきたいと思います。
本日は番外編ということで、12月4日お店ソルクラが6周年を迎えるということで、
その6周年を迎えるにあたって、という内容で言語化したいと思います。
普通なら、開講一番でご縁のある皆様、来ていただいている皆様にお礼申し上げます、というご挨拶をしたいところなんですけれども、
この1年は本当に色々あったので、色々あった内容を考えながら、
その時々にお世話になった皆様ですとか、そういった人たちの顔を思い浮かべながらお話しして、
そして感謝をお伝えしていきたいと思います。
去年の12月4日から6年目がスタートしたわけなんですけれども、
12月はやはり年末ということもあって、慌ただしく過ごしていた印象があります。
新年明けまして、いきなり1月5日にお店の上層階からの漏水がありました。水漏れですね。
水道管の破裂による水漏れですごく被害を受けました。
水が乾いてからも通常とは異なるバー営業などをしたりと、色々取り組みましたけれども、
なぜこんな風にしたかというと、この対応にあたって、アイデアの作り方という本をベースにある作戦を使いました。
その作戦はというと、制限はアイデアの源であるということです。
お水の被害があって、お店は乾いたけれども、いつ工事に入るかもわからない、今後どのような動きになるかもわからないという状況で、
お店の在庫状況などをフルサイズに戻して、通常営業に戻して運転するというのは、新たなロスを発生させたりですとか、色々な危険性があるなと思ったので、
スピーディーに制限をアイデアに変えるというところで考えました。
例えば、フードドライヤーというものを導入して、乾物を作ってみたり、保存が効くものとかでできるバーのような営業のスタイルということで取り組みをしましたが、
正直なところ、工事の進み具合というのは全く進まなくて、6月になるまでかかってしまったんですけれども、色んな対応をしました。
本当にアイデアの作り方という本が役に立ったなと思います。
そしてこの期間来ていただいた方、通常のお店の営業ではないにもかかわらず、それでもいいので行ってみたいですという声をたくさんかけていただきました。
以前から僕らやソルクラのことを知っていただいている方には、ロス水大変だったね、大丈夫と声をかけていただきました。
本当にたくさんのお心遣いとご来店と本当に感謝しております。ありがとうございました。
水漏れとその対応
話、時間は進んで、6月になってようやく修繕の工事が入るということになりました。
この時にも周辺の御縁だったり、専門家の方に本当にたくさんのことを教えていただきました。
火災保険を使って浪水の手当てとかって当てたりするんですけれども、火災保険のこともすごく教えていただきましたし、
無知で取り組んでは本当に危なかったと思うので、それは本当にたくさん助けていただいたというのが正直なところです。
専門家の力は借りた方がいいなというのが心底教訓になりました。
本当にありがとうございました。
回収、補修、修繕の工事をするとなると、どのような工事をするのかというのを考えていかなければいけないんですけれども、
もともとソルクラッドの物件というのは、前のテナントの借り主さんが使っていたものをほとんど買えずに、90%ぐらい買えずに営業していました。
ある意味でこれを買えるチャンスと捉えて、どのような工事にするかというのを考えていかなければいけなかったんです。
この際にどのような内装にするかというのを決めなければいけないというのが一つ。
そして再開した先のお店でどんなことをテーマとして据えて、お店を運営していくか、どんな喜び方をしてもらいたいかというところを改めて考えようというところで、
ソルクラの新しいテーマを考えたいというお話を周囲のサポートしてくれる方たちとしました。
ソルクラが日々をクラフトするという大事を掲げて営業していたというのは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、
その日々をクラフトするという言葉って、クラフトジンとかクラフトビールとか日本の伝統工芸とか、
そういったものを意識されている方は、なんとなく認識できる言葉かもしれないんですけれども、
誰もが使える言葉ではないというのがやっぱりあって、
誰もが自分の目線で語れる表現として新しいテーマを決めたいという話になりました。
そして僕自身もそれを必要と感じていましたし、この内装工事にあたって急に2つの大きな決め事をすることになりました。
お店のテーマとどんな最終形を想像して工事を進めるかということです。
内装というとやっぱり壁紙、色、あとは木目だったり、いろいろと決めることがありますが、主に材料の話でした。
これは色や模様といっても差し支えないかなと思うんですけれども、この色や模様を決める必要があったんです。
そしてテーマを決める必要があった。
この色や模様、そしてテーマというのは相互に関連していて、どちらか1つが決まったからといって、それから後にどっちかがひも付いていくということもあるんですけれども、
今回はこれを同時に考えなければいけませんでした。
イヌキの内装から制限をアイデアに変えた上で、どのような内装にしていくかというふうに考えました。
この時もアイデアの作り方は役に立ちます。
例えば内装工事をするんだけれども漏水で被害を受けなかった箇所は、工事をするとしたら持ち出しをしなければいけないので、その費用は当然抑えたかったんです。
内装工事で変えられないところは、費用を抑えて変えずにそのまま使う。
そしてそれを制限としてアイデアの源にするということでした。
例えばソルクラの場合、入り口のドアがやや黄色みがかったオレンジ色、すごく明るいドアの色でした。
この黄色系の色、そして私が栽培しているハーブや寛容植物の緑、黄色と緑という大きな色がもう制限としてある意味あったんです。
黄色と緑って仲がいい色ですけれども、これと相性がいい色だとオレンジから赤系に移っていく色だったりとか、逆に緑の先にある青に移っていく色だったりとかっていうのが考えられる色かなと思いますし、
もちろん他にもいろんな色の使い方あると思うんですけれども、配色はそのように考えていきました。
黄色や緑という制限をアイデアに変えて仲のいい色を作りたいということになりました。
ここで一旦話が保留になって、次はテーマのことを考えます。
日々をクラフトするという言葉をお客様目線、体験したその人自身が語れる内容にしていくということでした。
今ってすごく変化の多い時代だし、AIだったりとかも盛んだし、とにかくお仕事をするにしても思考、考えることを常に続けていかなければいけない社会なのかなと個人的には思っています。
その思考をすること、そして変化にチャレンジしていくこと、この2つはとても重要であると思ったし、
そうかと言って、じゃあこの2つ、変化に適応するとか、思考を続けるとかっていうのを飲食店のテーマとして据えるのはちょっと違うなというのがあるんです。
でも飲食という体験を通してご褒美として飲食を味わうということになった瞬間に、
テーマ設定と内装工事の進行
実はその思考を繰り返すことだったりとか挑戦を繰り返すこと、そしてそのご褒美として今日の自分にごちそうさまを言ってあげようという風にすると、とても自分が語れる言葉になるかなというところで、
テーマは今日の自分にごちそうさまをという裏テーマを掲げました。
そしてこの先ほどの黄色や緑、そして今日の自分にごちそうさまをというテーマ、これらを共通して叶える、両方とも叶える内装にしていこうという話にしていきました。
テーマ決めの時に話しましたけれども、思考をすること、そして好奇心だったりとか、そのために精神的安定感というものはやっぱり必要だなという風に考えていったので、
思考を司る青色系の色、そして精神的安定感にもつながる土台としての木目だったり、温かみのあるグレーを配色に使うことにしました。
こうして内装の色も決まっていったし、同時にテーマも今日の自分にごちそうさまをということで決まっていきました。
で、実はこのテーマを決めることってとても理にかなっていることが多くて、
例えば内装工事の最中に詳細まで詰めきれていなかったことが出てくるとします。
内装工事業者さんとの間で、あれここをどうしましょうかというお話が出てくる時に、
実は今日の自分にごちそうさまをというお店を使ってくれる人にコミットする内容を考えていくと、
そのためにはどういう仕組みが必要なんだろうか、そのためにはどういうものが必要なんだろうかという風にとてもシンプルに思考がまとまりやすいという効果があるので、
実は私の周りにいるサポーターの方々は、それを見据えてテーマを決めようという話をしてくれていたのでした。
例えばですけれども、実際にやったことで言うと、照明器具の変更ですね。
照明器具を変えなきゃいけないんだけれども、
古い銭湯とかにもありそうなスーパー銭湯とかにありそうな和風の蛍光灯だったものをどのように変えようかということだったんですが、
これはやっぱり日々をクラフトし、思考して挑戦し、その上で自分を大切にしてもらいたいというところで、
ある意味ご褒美になるような飲食体験を提供したいというところが鍵になりました。
それは何によってかなうかというと、主力商品であるジャパニーズクラフト酒や、
試行錯誤したり、創作的な料理、商品そのものにスポットライトが当たることによって、
それをご褒美として体験できるような環境を整えたいというふうになりました。
なのでカウンター側のライティングは、テーブルの上のもの、カウンターの上のものにスポットライトが当たるように新しくなりました。
他にも、今の自分を大切に精神的安定感を持ちたいというところで、
例えば、スタッフと目が合う動線作り、視線の動線作りとでも言うんでしょうか。
お店に入ったら入り口に入って、お店に入った瞬間、入り口からキッチンの私まで目が届くような環境を作りたかったというのが出てきました。
柱を切り抜いて、その間に視線を通すことでそれを叶えたり、
その精神的安定のために、木目の色の細部を決定するときにもう少し明るめがいいなというように、
少し木目の色を明るめに設定したり、非常に役に立ちました。
こんな風に内装工事を進めていったのと同時にテーマを決めて、
そしてそのテーマに立ち替えることによって、とてもスムーズに内装工事を進められたし、
あと内装工事業者さんにも思いを伝えることによって、その思いを汲み取っていただくということも起こりました。
本当にサポートしてくれる皆様と、あとは工事関係の打ち合わせや段取り、
そして実際に現場に入っていただいた職人の皆様、
そしてそれを叶えてくださった火災保険などの助言をいただく皆様、
感謝と今後の展望
本当にありがたいご縁をいただいたなと思います。ありがとうございました。
さて、今日は6周年を迎えるにあたってを言語化する全編ということにさせてもらって、
漏水が起こったところから修繕の工事までを言語化してみました。
後編は飲食を言語化するラジオのこともお話ししたいなと思います。
番外編ですが全編後編とやってみたいと思います。
それではまたお楽しみに。さようなら。