冷凍の健康効果
はい、みなさんこんばんは。こんにちは。元公立高校理科教授のちょぼ先生です。
ちょぼっとサイエンスのお時間となりました。
ちょぼっとサイエンスでは、みなさんにちょこっと、ちょぼっとサイエンスに触れていただいて、
科学的思考力を身につけて理系頭になっていこうということを目的に配信しております。
ということで、気づけばもう6月ということで早いっすよね。
6月が終わればですね、当たり前ですけども、
2025年の半分が終わったということでね。
もう6月終わったら、もうあっという間にね、年末年始ですよ。
というぐらいですね、時の進むのは早いなというふうに感じてるんですけども、
今日のお話はですね、みなさんこんなことを聞いたことありませんかね。
パンを冷凍すると体に良くなるっていうね。
これね、ネットでね、よくね噂されていることらしいんですけども、
これね、ちょっとね、ほんまに冷凍するだけで体に良くなるの?
みたいなことを思うかもしれませんけども、
これね、ちゃんとしたですね、科学的な根拠がね、あるということなので、
今日のお話はですね、パンを冷凍すると、さらにご飯を冷凍すると体に良くなる?
みたいなね、お話をしたいと思います。
レジスタントスターチの仕組み
でね、どんな仕組みでどんな健康効果があるのかということなんですけども、
まずですね、パンとか炊きたてのご飯、焼きたてのパンに含まれる澱粉の特徴からね、
ちょっとご紹介したいなと思うんですけども、
パンを焼いたりご飯を炊いたりすると、小麦粉やお米の澱粉はですね、
熱と水分で変化し、固化という状態になります。
糊と書いてね、固化という状態になります。
これがですね、ふわふわのパンやもちもちのご飯の状態なんですけども、
この固化した澱粉は長長でとても簡単に消化されて、すぐ体に吸収されるんですね。
エネルギー源としてバッチリなんですけども、困ったことにですね、
澱粉に含まれる糖分、グルコースを一気に体に取り込んでしまうということなんですね。
するとどうなるかというとですね、血糖値が急激に上がってしまう、
血糖値スパイクと呼ばれる現象が起こるんですね。
血糖値が急上昇すると血管を傷つける活性酸素が発生したりとか、
血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されたりするんですね。
基本的にご飯を食べたら血糖値上がりますから、糖分も含まれるものが多いですので、
そうするとインスリンが水蔵のランゲルハンス等のB細胞から分泌されるんですけども、
それが分泌されるとグルコースを再合成してグリコーゲンに変えて肝臓に貯蔵してですね、
必要な時にそのグリコーゲンを分解してグルコースを血中濃度を上げてですね、
血糖値を上げるんですけども、過剰に分泌されちゃうとですね、あまりよろしくないことが起こって、
インスリンが過剰分泌されると血中の糖分を脂肪に変えて体に蓄える働きがあるんですね。
なので肥満につながってしまうと、基本的に脂肪っていうのは熱が含まれてますので、
エネルギー減になったりとかもするんですけども、過剰にすると肥満になってしまうというところがあるんですね。
さらに血糖値の急上昇の反動で急降下すると、食後に強い眠気に襲われてしまうと、
それをですね、ドカ食い気絶部なんていうふうにね、そういうネットワードがあるみたいですけども、
ドカ食い気絶部になってしまうのですが、急激に食べて眠くなるのは、
そういったね、インスリンの過剰接種でいきなり血糖値がキュンって急降下になってしまうというところをですね、
眠気に襲われるということもインスリンの過剰分泌が原因性ということなんですね。
動脈効果とか心筋梗塞、脳梗塞のリスクも高めてしまうので、
インスリンの過剰分泌は軽視できないという状態になるんですね。
で、このですね、固化した澱粉を冷やすとですね、面白いことが起こるみたいなんですね。
熱で伸びていたブドウ糖の臭いが再び絡み合って、消化されにくい性質を持つようになるんですね。
これがですね、レジスタントスターチと呼ばれる物質が誕生するんですね。
このレジスタントスターチは糖質の一種なんですが、消化酵素では分解されないという特徴が持っています。
だから体内に吸収されにくく、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できるということなんですね。
基本的にエネルギーを欲しているときは、そのままガンと食べてエネルギーを吸収した方がいいんですけども、
飲水の過剰摂取であったりとかですね、急激に血糖値が乱降下するので、冷やすとレジスタントスターチができるからですね、
急激な血糖値を抑え、上昇を抑えたい場合はですね、冷やすといいと。
さらにですね、このレジスタントスターチはですね、食物繊維と同じような働きもしてくれるということで、
小腸では消化されずに大腸まで届いて、腸内細菌の食べ物、やさになるということで、腸内環境を整える成長作用を発揮してくれるということなんですね。
研究によりますとですね、パンを冷やすとレジスタントスターチが増えることが分かっているんですけども、
特に、タイトルにもありますように、特に冷凍すると冷蔵よりも約2倍もレジスタントスターチが多く生成されるということが分かっているということで、
急激な血糖値を抑え、上昇を抑えたい場合は、パンとかご飯を冷凍する方がいいよと。
具体的な研究結果
そうすると、ぶどう糖が変化してレジスタントスターチができるので、緩やかに吸収するような糖に変わるということなんですね。
具体的にですね、パンやご飯を冷凍するとどれくらい健康効果があるのかということなんですが、
イギリスの研究では健康な成人を対象に、パンをそのまま食べる、冷凍後に解凍して食べる、冷凍後にトーストして焼いて食べるの3つの条件で血糖値の変化を測定したんですね。
その結果ですね、そのまま食べるのに比べて、冷凍してから解凍したパンでは血糖値の上昇が31%も減少したということと、
さらにですね、解凍したパンをトーストするとなんと39%も減少したということが、健康化的面という感じですよね。
血糖値の上昇が緩やかになると。一度解凍して焼いた方が、ご飯にも言えることですけども、解凍して熱した方が血糖値の上昇が緩やかになると。
ゆっくり吸収することができるということなんですね。
この研究結果から注意点もあるということなんですけども、この効果は手作りパンで強く見られたそうなんですね。
市販のパンは添加物や製造方法の違いからレジスタントスターチがうまく形成されない可能性があるということなんですね。
残念ながらコンビニの菓子パンを冷凍しても同じ効果は期待しにくいというところなんですね。
この健康効果はパンだけのものではなくて、お米やジャガイモ、うどん、パスタなどにもレジスタントスターチが含まれていて、冷ますと増えるということが分かっていると。
冷凍ご飯は我々、米騒動でいろいろ言ってますけども、炊きたてご飯に比べて冷凍ご飯はレジスタントスターチが約1.6倍も増えるということで、
電子レンジで温め直すと少し減ってしまうんですけども、それでも炊きたてよりは多くレジスタントスターチが含まれているので、
血糖値の上昇を緩やかにしたい場合は解凍しておいて、冷凍しておいて解凍する方がいいよということなんです。
お米を食べると太る太るとよく言われますけども、それを冷凍して解凍する方が血糖値の上昇が緩やかになるので、肥満防止になるというか、
それを気にされる方は一度冷凍して解凍したほうがいいよということですね。
ちょっと減ってしまうんだけども、電子レンジでやると冷やご飯に温かい汁物をかけて食べるとか、カレーとかお茶漬け、レジスタントスターチの減少が起こりにくいそうなので、
ぜひ試してみてくださいというところですかね。
最後に注意点があるんですけども、ご飯を常温で長時間放置して冷まそうとするとNGということで、お米や小麦にはセレウス菌という食中毒の原液菌が潜んでいるので、
常温放置は絶対に避けていただいて、速やかに冷蔵庫で冷やすとか、冷凍するとか、そういったことを心がけることがこれから梅雨時期ですから、
そういったことは注意していただいたところです。
冷凍パンとか冷凍ご飯はレジスタントスターチという糖分に変わる。それが血糖値の上昇を緩やかにするので、ぜひお試しあれと言ったところです。
今日はこの辺にしたいと思います。それではみなさん、さようなら。バイバイ。