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2025-04-03 27:38

吉村昭を読みつくそう、私の残りの人生をかけて【超旅ラジオ #203】

Satoruが吉村昭『海の祭礼』を語ります。開国を迫る米国と江戸幕府、その間に立った一人の通訳、そして彼に英語を教えた、捕鯨船に乗り日本に漂着した米国人。それぞれの人生を描いた圧巻の歴史小説。

吉村昭『海の祭礼』 https://www.amazon.co.jp/dp/4167169428?tag=chotabiradio-22

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【超旅ラジオ】

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語り手: Satoru、岡田悠録音&ジングル制作: 石川大樹

題字&イラスト: べつやくれい


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2人への質問、最近読んだ本、今日食べたもの。あなたの思いつきを、何でも送ってみてください。


投稿コーナー②「ジングル/効果音」

番組で使えそうなジングルや効果音を募集します。生演奏でも、電子音でも、ボイパでも、大歓迎です。


投稿コーナー③「世界のさよなら、あなたのさよなら」

『さよなら』を意味すれば、どんな言語でもOK。テキスト形式でも、音声形式でも、なんでもOK。


投稿コーナー④「生きて帰ろう」

旅行とは、ときにトラブルを伴うもの。あなたの危険回避の知恵を教えてください。(例:予備の現金をお菓子の小箱に隠す)


投稿コーナー⑤「あなたの旅の秘かな愉しみ」

旅行とは、自分で好きに愉しむもの。あなたの愉しみかたを教えてください。(例:旅行先のゴミを集めてノートに貼る)


投稿コーナー⑥「世界の罵倒語」

世界には、文化の数だけ罵倒語がある。あなたが知っている罵りの言葉をください。(例:南スーダン「ヤギ半頭の価値もない」)


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あなたが録った音をください。なんでもOK。岡田さんと私が、ただそれを鑑賞します。(例:イランの便器の音、バヌアツの料理の音)


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虚無を感じさせる動物の鳴き声をください。作為はNG。哀しみは自然に発生するものです。(例:たそがれの民家に沁みるヤギの声)


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サマリー

ポッドキャストでは、吉村昭という作家の作品やその影響力が考察されています。岡田さんとSatoruさんは、吉村の歴史小説の魅力について語り、彼の著作を通じて日本の歴史に触れる重要性を強調しています。このエピソードでは、吉村昭の文学が深く探られ、特に彼の作品「マクドナルドの青年」とその時代背景が紹介されています。マクドナルドが日本に憧れを抱く過程や、彼が直面した歴史的な困難についても触れられています。また、吉村昭と彼の作品についても深く考察され、特に彼の代表作『海の再練』が持つ意味と影響が探られています。この小説を通じて、文化や歴史に対する理解が深まることが示されています。

吉村昭の紹介
岡田さん。何ですか、Satoruさん。我々のラジオでしばしば、今度は紹介してるじゃないですか、岡田さんの場合だと古くは、古くはって言ってもらえるくらい前かな、なんだっけ、リバータリアンが熊を持ってくる話。原初号ですね。そうそうそう、とか、ナツコのやつね、ナツコのやつちょっとまだ読めてないんですけど、持ってきたりとか、私は、ちょっと癖玉として、ツバキコを前半後半とか、チベット旅行記を前半二人とか、よくわかんないんだけど、あと100年の孤独なんて最近ね。そうですね。
一番熱を持って語りましたけど、久しぶりにちょっと本の紹介というかですね、最近読んでよかった本をご紹介しようかなと思ってですね、でもあんまりメジャーじゃないかもしれなくて、吉村昭さんという小説家がいらっしゃるのってご存知です?
Satoruと岡田ゆう、超旅ラジオ。
その、Satoruさんから、Satoruさんそれを呟いてる?なんかディスコードとかなんか呟いてるのを見て調べました。
でも聞いたことはある?
聞いたことは、いやないです。
ない、そうですね。私の手元にある文春文庫の手元一枚開いた著者紹介を見ると、1927年の東京生まれの方だから、昭和中期ぐらいにかなり多作の方で、それこそ柴梁太郎とか、そういう歴史小説、記録小説みたいな方の分野でですね、結構名を馳せた方なんだけども、
私から見ると、その同時代的な、例えば時代小説の作家っていって、藤沢秀平とか、柴梁太郎とか、池上翔太郎とかってのは、結構今も読み継がれてる感じがあるじゃないですか。
多分一番読まれたのはやっぱり昭和の時代だけれども、それが平成、令和と、ある種の上の世代はこういうの読んでるよねみたいなところも含めて、結構人口に感謝してるじゃないですか。
だけどあんまり吉村昭さんってでも、私も実はそれほど読んだことなくてですね、まだ賞味3冊ぐらいしか読んでないんですよ、実は。
だけど今までの目録とか見ると100冊ぐらい書いてるんですよ、すごい多作な人で、だけれどもあんまり私も試みに調べてみて、YouTubeとかSpotifyとかそういう本の紹介系とかでも、あんまりこの方について言及してる方はいらっしゃらないんですよ。
なぜかと思って、先ほど私申し上げたように3冊しか読んでないので別にあんまり語れないんですけども、あんまりこのめちゃくちゃわかりやすい面白さとかね、すごい明らかに異様だとかそんな感じの語り口では紹介はできないんですよね。
吉村の作品の魅力
だから一口で言うと少し重心が低めというか地味めというかなんというか、あんまり私が早口でワーッとワーッと語るようなものとは少し違うのかなと。
ジャンル的にも歴史小説記録文学とかだから、あんまり時間に追われてる現代人がワーッと読んでみようかみたいな試みに読んでみようかみたいなことにはあんまりならないんですよね。
代表作もまだ私読んでないんですけども、戦艦武蔵とか関東大震災とか破国とか、そんなにいきなり読もうみたいな気持ちにはならないじゃないですか。それぞれ結構重いのかなみたいな。
でも私もまだあんまり読んでないんだけど、ものすごい心を掴まれて、例えば私最初に読んだのが割と晩年の短編集で見えない橋っていう短編集があってですね、その中の消えた街っていう短編小説があって、これは私正直今年読んだ新しく読んだ小説の中では一番良かったなと思ってですね。
でこれからご紹介するのは海の祭礼っていうですね、これはまたかなり地味めな本なんですけども、これもすごく良くてですね、なんか私が今40代前半なんですけども、40代後半50代残りの人生かけてちょっとこの人の作品を大体全部読んでみようかなと。
図書館とかあるいはブックオフとか行くと、この人の作品って文集文庫伸長文庫いっぱい並んでるんですよ。たくさん手に取られたけれども、何かの節でただのその今申し上げたように記録文学とかちょっと難しい目だし。
全集とかあるわけではない。 全集も確かあります。文学館とかもあるんですよ。もう少し読んだら行こうかなと思ってですね。
ですごい多作なのにその流行作家とか書き飛ばしてるとかいうのは全然なくですね。逆にそのこれから少し申し上げようと思いますけれども、ものすごい丁寧に現地取材とかその要するに江戸時代とか明治時代とかあるいは昭和の時代とかをいろいろその実際にあったこととかを割とノンフィクションに近いような形で書いていくから、とてもその丹念に取材をしていかないと書けない種類の話なんですよね。
なのに年に2,3冊とかなんかどんどん書いてですね。なんか普通の人なら5年に1冊とか10年に1冊とかじゃないと書けないようなレベルの質問量もですね本はですね。なんかすごい勢いで出してるんですよ。ちょっとなんかすごいなと思いつつもそのやっぱ扱ってるテーマとかがあんまりそのきらばやかなバズるというかなんか去年ライジングスターみたいな感じには今の世の中にはなってないから、なんかねあんまり取り憑かれたように読んでる人はこっそりいらっしゃるかもしれないけども、
なんかあんまりインターネットの空間とは別のところでこっそり読み継がれてるような気配があってですね。私は割とちょっと今少し良いなと思ってですね。今日ご紹介したいなと思うのはその海のサイレンっていう本で、私先週羽田からウインに行ってですね。だいたい6時間ぐらい連続でこの本を読んでですね。一気に読み通してですね。むちゃくちゃ面白かったんですよ。面白かった。面白かったけど面白い。
どんどんページをめくりたくなるような面白さはある。ある。私には。最初の紹介だと地味でちょっと丁寧でみたいな。そう。私はちょっと本ズレしてるから元々活字を読むのが好きっていうのがあるから、これを持ってなんかみんな例えばちょっと前申し上げたね百年の孤独とかまた別のねベストセラーの本とかねある種の漫画とかとはかなり違うんですけども、なんか腰を据えたその魅力を語るのがちょっと難しいんですよ。
私もちょっと言葉探り探り申し上げようとしてますけれども、腰を据えたその文献調査とか現地調査をすごく一生懸命やってるんだけれどもその堅めなヒッチ文章なんだけど決して読みにくくはなくですね。何しろ50年前ぐらいに書かれた本でもそんなに文章が古びてないんですよね。
じわじわじわじわと読み手を一気にガツッと胸ぐらを掴むんじゃないんだけれども、じわじわと引き寄せるようなこのヒッチで書き込まれた文章がねこれは素晴らしいなと思ってね。使えば使うほど味わいが出てくる湿気とか陶器とかですね。そんなイメージなんですよ。まだ3冊しか読んでないんですけど。そういうことがあってですね。
この海の再霊っていうのはどんな本かというとですね、小説の時代背景とか舞台はイド時代の割と最後の方に歴史の基礎の木かもしれないですけども、アメリカからペリーってやつが来るじゃないですか。ペリーさん来て、江戸幕府に対してそのお前鎖国やめろみたいなことで開港を迫るようなそういう時代の話なんですよね。
そういう時代の話で、そういう時代っていうのは完全な鎖国では江戸幕府はなくて、ご案内のようにオランダとか一部の国だけとはやり取りを長崎のデジマーとかを通じてやってたじゃないですか。だからそういう意味でまさにお医者さんの医学の方とかあるいは外交のプロフェッショナルとかはそのオランダ語とかは当時は一部の知識階級とかは結構オランダ語ができたわけなんですね。
でも今僕らが現代で生きてるように英語っていうのはつまりイギリスとほとんど付き合いもなかったし、何しろアメリカはその時代は結構ポッと出の国っていうかそういう国最近出てきたねみたいな国だから、英語を学べる人っていうのは英語がそもそも学ぶための材料みたいなものは全然なかったんですよね。英語はしてもほとんどいないから。オランダ人の英語も話せる人みたいな人を通じておぼろげにやるしかないから、そういうプロフェッショナルはいなかったんですよ。
でもペリーがそうやって来るじゃないですか。しかもそのちょっと後には日米収購通商条約とか結んだ後にどんどんどんどんアメリカのいろんな人が入り込んでくるから、アメリカと外交交渉とか対話をしないといけないけど、言語ができないと国際交渉ってなかなか進まないじゃないですか。
その時代ってまさにオランダがだんだん傾いてきて、中国も苦しくなってくるからみんな中国にこのおいしいこの経済圏奪い合いたいとか言って列強が、そして新しく来た野生の馬みたいなアメリカがそこに行くために日本の海交を迫るみたいなその中で英語を話せる人がいないと江戸幕府かなりピンチなわけじゃないですか。
でそっからそのペリーが最初にその黒船で来てからさらに明治時代とかになる直前ぐらいまでずっとその日英の日本語と英語のその通訳というか当時は通じって言ったらしいんですけどね。その通訳をやった人がいるんですよ。その人がこの小説の主人公の一人森山英之助っていう。
そうなんです。その人はつまり長崎のその通訳長崎から出てきてそのインターナショナル一番その時時代でインターナショナルだったのは長崎にいた人だからそこの中でオランダ語もできたんだけども語学の天才みたいな感じで英語も吸収していったみたいな人が出てくるんですね。でもその主人公が出てくるのはなかなか出てこないんですよ。
海のサイレントで最初ページをひもといてみるとなんかその宗谷岬の北端から始まるんですよ。人間が最初あんまり出てこないんですよ。人間が出てこなくて宗谷岬の北方の当時江戸と言われてた北海道のロシアの合間ぐらいのところの流氷のシーンが続いてくるんですよ。流氷の上にトドがいてトドがこのコロニーを作ってるんですよね。オスが一匹とイスがでトドが泣くみたいなそういうところから始まっていくんですよ。
だからあんまりYouTuberとか10秒で掴めとかねそういうのとは全然ないんですよ。で何だこれみたいな。で次に舞台がリシリ島とか映ってくるんですよ。リシリ島。でも後々話しますけど全然とか思わないじゃないですか。でもこの海のサイレンのこの本のおかげでリシリ島にこの小説の記念碑みたいなのが立ってるんですよ。リシリ島にどういうことかと思うじゃないですか。
という風に次私はそのストーリーをフックでちょっと今私はちょっと喋っているのスタイルはやっぱり吉村明先生のスタイルとは違うように喋ってますけど。
何かしら関連がある。
何かしらの関連ってのはさっき申し上げたように英語を教えられる英語教師みたいな人つまりいなかったわけなんですよね。で日本で最初のその日英の英語辞典っていうのはかなり間違いを含まれていたらしいんですよ。なぜならそのオランダ人がその第三外国語で英語がちょっと知ってるだけだからしかも発音が結構違うじゃないですか。
オランダ語をご存知なくてもドイツ語とかフランス語と発音と英語って結構違うじゃないですか。間違いだらけのやつだったから全然英語も通じないんですよね。そういう中でそれを教えてくれたそのさっき申し上げたものすごい首脳外交通訳みたいなことをやる英語の初めて日本に生まれたエキスパートの人は誰から教わったかっていうとその人はその日本に漂着してきた人でアメリカ人で。
そのアメリカ人はその最初に利尻島に着いたんですよ。その利尻島に着いてもう戻ってこない覚悟でわざと漂流してそれで着いたんですよ。命からからアメリカからでなかなかフックがありませんから。
その人がマクドナルドさんという人がいらっしゃってラナルドマクドナルドという人がいてその人は捕鯨船当時だからすごい捕鯨ブームで石油とかの油が出る前鯨から油を取っていたのでみんなその日本の周りってものすごい鯨がいっぱい取れたらしいんですよね。いい鯨の漁場というか漁場だったんですよね。
700船とか800船とか船の数える単位ちょっと忘れちゃいましたけどそのぐらい捕鯨船がいっぱい集まってる中であらくれものがいっぱいこういた中でそのマクドナルドさんという青年は自らその日本という国に憧れを抱いてその捕鯨船に紛れ込んで時には黒人奴隷船に紛れ込んでいつかいつかその日本に近いときにもう一人で泳いで泳いでじゃないな小さい棒とかなんかでも漂流してそれで行こうみたいな覚悟で行くと
マクドナルドの青年の物語
いうことで辿り着いたんだけれどもその江戸に着くと思ったらリシュリトーに着いちゃってリシュリトーの川からしてみたら当時北海道って結構そう当時もロシアから結構砲撃を受けて攻められてたからそのオウというか東北地方の藩の人たちが一生懸命集まってなんか変な奴が来ないようにして外国人が来たらみんなは敵なんだみたいな感じでかなり緊張関係になったからよくわからない外国人が来て日本語も全然喋れない英語しか喋れないしかも英語っていう概念がみんなよくわかってないからなんだこれみたいな感じの
ところから接触シーンから始まるのが10ページ20ページぐらい最初都道のシーンから始まって 日本に憧れを何で抱いた
そうなんですよそれをまたね語るとそういうことが100ページ200ページぐらいで明らかになってくるんですよでその時代はそのペリーもそうだし日本を見くびっていた白人社会ということに結構たくさんいらっしゃったんですよね
で捕鯨船の人たちも少なくともこの本に書かれている程度では割に荒くれ者というかいつ命が失ってもおかしくないというか当時のねめちゃめちゃ大きな魚というかホニュウリと戦ってそれをひっぺ返してやっつけるみたいな半分海賊みたいになってるやつとかもいたわけだから本当ゴロツキみたいなやつばっかりだったらしいんですよね
でそういうやつが一回長崎とかに捕まって捕縛されて収容所みたいなのないからお寺みたいなの改造してやるシーンもあるんですけどとにかく荒くれ者だから脱走するために仲間をなんかくびり殺してそれを自殺に見せかけてそれでなんかそういうとんでもない奴がいる中でそういう人が英語を学べないわけですよ
なぜならそういう囚人とのコミュニケーションも通じないんですよみんなそのよくわかんないのは長崎に送れとか言って送り込まれてくるから困るという中でこのマクドナルド青年だけがすごく優しい心というかですね日本人に対して英語を教えさとそうとでも自分は日本語わからないから本当にプリミティブな最初はノンバーバルコミュニケーションとか
指差したりとかご飯食べる真似をしたりとか寝る真似をお休みの真似をしたり手真似をしたりとかそういうところから始まってくるんですよそういう中でマクドナルドさんはじゃあなんでこんなに優しかったかっていうのも結構この本には割と書かれていてなんか徐々に種明かしみたいになっちゃうけども結構ねこれもそういう歴史の悲しいお年子みたいな人で当時はアメリカってできた時って白人がわーってやってきてレイティブアメリカンというかインディアンと呼ばれた人たちがいたんですよ
どんどん駆逐して土地を奪っていったっていうまあラフに言うとそういう歴史があるわけじゃないですかそういう中でそういう政策の一つでインディアンの土地を法律的に奪うためにはそのインディアンのお姉さんというか女性と結婚をして白人がですねそうすることによってこれは自分の血族の土地なんだとか言って徐々に実行支配を白人がしていくというやつですねイギリスとかいろんな他の大陸からヨーロッパ大陸から来た人たちがそうやって策略をしていった中でそういう戦略的な割と愛のない人たちが
愛のない結婚みたいなところで生まれた人がこのマクドナルドさんだったんですでその時からぐわっと一気に白人がドミネートしていくような時代だったから
だんだんネイティブアメリカンとのハーフの子っていうのは差別されてしまう身分なんですよねなんなら親からももう愛されないわけです
もう親とは同居しないで若いうちからそういう意味では非常に心の悲しさを抱えた愛がない世界で生きていかざるを得ない人で
そういうことに苦しんでいていろんな偏西を学生を途中で中退したりとかいろんな偏西をたどるんですけれどもそういった中でふとしたところで日本への憧れというか
その黄金の国みたいなのがどうもあるらしいぞということでもうじゃあ今いるアメリカここではない場所に旅をするんだということでついにたどり着くみんなはもう絶対こうやって死ぬぞと
何しろそんな一番寒くて風も強くてそんななんか手こぎボートみたいなので行くなんて無理だろうみたいな言われながらも私は別にもう死んでもいいんですと
いう格好で行ったらしかも日本なんだみんな野蛮だと思われていた頃なんですよねその野蛮だっていうのは荒くれ者が見た荒くれなことをしたから日本の人たちが当時の江戸の人たちが
そうやって処罰したことをもって荒くれだとか言ってそれがニューヨークとかワシントンとかのニュースペーパーにいっぱい載ったからこれはけしからんと成敗してやろう
みたいなことで例のペリーさんがそうやって来た経緯もあるみたいなことで結構いろんなことの因果がですね
あっと私先日目で語りましたけどそういうのがその最初のトトのシーンからリシーのところからそのマクドナルドさんがみんな幕府の班の人たちが扱いに困ってだんだん流されて最終的に長崎まで行くわけですよ
マクドナルドさんが主人公ではない マクドナルドさんが前半の主人公であって後半の主人公が森山さんなんですよ
文化と歴史の交差点
だからある種群蔵劇で並び立つ人たちが二人いるとしたらその一人の割に愛がなかったアメリカ人でもう一人のこの森山さんも割に通訳のエリートの通じの家系の中で
割と小さな虐待みたいなものをされながら一生懸命育ってきた人なんですよその二人がたった半年ぐらいしか実質的には英語を教え合うことは関係にはならないわけですよ
そもそもそういう幕府の中の役人の人とそのある種囚人みたいな人は勝手に付き合うわけにはいかないわけですよ
当時は本当に組織社会でビューロクラティックに好きなことはできないわけだからでもそうした中でその半年ぐらいだけのそのコミュニケーションの中で森山さんはぐんぐんとこの英語を身につけて
それでタイペリーと徳川県の一番本丸のところをやって
さらにこの人はできるなってことをみんなが信頼されたのでその先のいろんな講師とかがいろいろ駐在をですねアメリカの駐在者が増えていく中でも一番大事な外交を実質的に担っていくというこういう
そこのマクドナルドさんからの流れが厚いですね
そうなんですよ
受け継がれる技術
そうでそれを最初にいきなりなんか面白おかしくわーって書かないんですよでこの人の吉村先生の筆記は全く焦らないでじっくりじっくり書いていくんですよ
しかもこの人はその本当に利尻島に取材に訪れて実際にそのマクドナルドさんの資料を一生懸命集めてやってるっていうのがもう流行作家とかやることじゃないわけなんですよ
で私もだからそんなに読んでないけれどもそういうタイプのやっぱり小説家というか作家ってやっぱりすごく尊敬をするわけなんですよね
だから行間の端々からこれなんか凄みというかですね淡々としてるんだけれどもものすごくいろんなことを考えられて事実と
なるほど
もちろん小説だからフィクショナルな要素がねあるだろうし作者の思いというかそれやっぱりマクドナルドさんに対するなんか温かい思いみたいなものを感じながら読むんですけれども
そういうのがすごい歴史の翻流の中でどちらも実はものすごい歴史にインパクトを与えながら現代社会ではそういうことを知られていないわけじゃないですか
だからそういう人に光を当てるんだっていう吉村明さんの思いみたいなものもすごく感じるんですよね
でそういうのが自然の厳しさ寒さみたいなものもまた極上の描写というかですね私エコノミークラスの寒風不急サブ寒いとこで読んでたから
体感温暖がより寒くなるような感じでですね読んでたんですけどもそういうのとかさらには本当に吉村さんはまだ私は読んでないけれども
たぶん戦艦武蔵とかそういう明治時代とか大正時代とかそういう日本の社会とかそういうあり方にもたぶんこの人すごく関心を持ちの方で
その江戸時代のその組織の何気ない息苦しさというか難しいそのしきたりの描写とかいうのがとても心を打つわけですよ
マクドナルドさんをよくわからない人が来て藩の人から見て一緒にいたらトラブルがないのが役人としてはありがたいわけだから
でも変なことを発言してトラブルになっても困るからどうするんだみたいなその困り具合とかですね
冗長への報告のレポートラインをどうやっていくかとかこれはちょっと徳川の方の意見聞かないとわかんないけど
その前に藩の上の人にもあげなくちゃなとかいう悩みとかさらにはその後半の通訳の人のシーンとかでもやっぱり通訳の能力にムラがあるわけですよ
ただし役人の中のヒエラルキーで大通訳って方と小通訳通じ大通じ小通じっていうですねそういう局長と課長みたいなそういうのがあるんですけれども
吉村昭の文学的影響
でもそういう中でも下の小通訳の方が圧倒的に能力があるケースが時々あるわけですよ若手の人の方が語学って割と若い人の吸収できるじゃないですか
そういう中でもでも大通訳にメンツを立てるために最初の簡単な一言振ったことだけを通訳していただいて
あとは仕方がないから小通訳を引き取るみたいなその今の日本社会にも似たようなことって
なんかいろんな場面で同じ人がありそうなやつ
ことさらそういうことを強調せずにスルッと吉村先生ほんの半ページぐらいで書いたりするんですよ
あとはさらにもう当時の人間の寿命もあったでしょうけれども70数歳ぐらいのものすごいロー通訳の方が出てきて
その人はオランダ語のエキスパートだけどそのイギリス英語はできなかったあんまりできないんだけども
ものすごい志を持ってその森山さんに対してたくさん収容する勉強する機会を与えようとする人なんだけども
その70歳の人とかちょっとしか出てこないんですけれども
かつてフェイトン号事件だったかなイギリスとかの野蛮な船が来た時にうまく捌くことができなくてちょっと海に飛び込んで逃げちゃったんですよね
海に飛び込んで逃げちゃった
やっぱり何されるかわかんないし武力的な圧を殺すぞみたいなことやってくるわけだからやっぱ怖くて
命がけだった
だけどその人はたまたま処分されなかったけど他の逃げた人は切腹というか責任取らされるわけですよ
他には勇敢になった人もいてでもその70何歳の人はその30年前ぐらいこの劇中のですね
そうやって逃げたことを心の傷みたいなことになっていて
だけどそれを若い世代に受け継いでいくんだっていうことで必死でその第一通訳とかさっき申し上げた苦しい立場を積極的に追っていって
公のために生きていくんだみたいなことになっている人とかがポッと出てくるけど
なんかすごく血肉が通ってる感じがあるんですよ
こうやって優れた小説ってその本筋のストーリーももちろん面白いんだけれども
それさりげなくふっと出てくる人大きな印象と思って何か何気ない時のあの日何やってたのかなとかそういうことを思い出させるような
例えば夏目漱石の小説とかってそういうところありますね
そんななんかね血肉の通った小説がとても多いなと思って私はもうゆっくりゆっくり急がずですね
これから私長距離フライトの旅に吉村明さんを一騎読みを繰り返していけば私あちこち世界飛び回ってるんで常に吉村明を胸にとって
なんか人間の社会の苦しさとかに立ち向かっていこうかなと思ってるんだけれどもあんまり紹介されてないし岡田さんもね
知らなかった岡田さんは割と読書家であられると思うけれどもあんまり皆さん読んだ方がいらっしゃらないじゃないですか
だから魅力を語るのが難しいからかもしれないし繰り返しますけど
私は前半申し上げたようにまだ3冊しか読んでないのでちょっと全然私が今申し上げた吉村明文学のエッセンスなんてのは全然違うかもしれないけれども
ちょっと今そういうほんの戸場口の登山道の1.0.5号目ぐらいまでいる私の立ち位置としての吉村明さんをこれから読んでみたいなって気持ちをちょっと岡田さんに
なんか読みたくなりましたちょっと
トロしたくてですねまた僕も9割ぐらい今喋っちゃいましたけどいつもより落ち着いたとおりでちょっと喋ってみました
当分じゃあフライトは飽きないですねじゃあ
そうですね他にもこと欠かさないけれどもちょっとこれを行こうかなと思って決して難しくないんですよ
吉村昭と海の再練
ということでちょっと未来の私にも向けて私が今思っているこの吉村明さんのつまり海の再練って全然別に代表作でもなんでもないんですよ
だからこれについてそもそも語っているブログとかもあんまなくてないわけじゃないかなとはいえさっき申し上げたようにリシリ島にはマクドナルドさんがついたことを
記念碑が立っているのはこの小説のおかげらしいしさらにはこのマクドナルドさんは今でオレゴン州に確か生まれたのかな生まれたところでもこの吉村さんの小説をきっかけに
その州政府かな市の人かなが記念碑を立てているんですってだからそういうことがねなんかあってね
マクドナルドさんは途中で劇から退場しちゃうんですけれども一番最後の最後でマクドナルドさんが1年しか滞在しなかった日本の後にどういう変遷を辿ったかっていうのが
ほんのまた短くだけ記されているところがまた切なくて結局ネタバレというか何というか森山さんもマクドナルドさんも不遇の死なんですよね全然別になんか
いいね出世最後出世していい思いをして終わるってわけでは全然ないわけですよ全然忘れ去られた人たちでどんなに頑張ったけれども結局通訳したところで歴史が語るように江戸幕府は
だいたい何もあんまりできなくてアメリカの言うなりになっちゃって不平等条約でなし屑的に崩れていってこんだけもう心身を擦り減らしても対局的に見ると何にもならなかったわけですよねこの通訳さんはだから
なんか50歳ぐらいになっちゃって急に老け込んでそれでもう死んじゃうんですよね森山さんはもう明治時代になってもう一回ちょっとイギリスの英語大事だから頼めよと言われてももう一切もう受け答えもできなくなっちゃったぐらい
なっちゃってマクドナルドさんももう二度と会わないけれどもその半年だけ会ったマクドナルドさんと森山さんはお互いだけ魂が触れ合ったなってこれは多分ちょっとフィクショナルなフレーバーがあると思うんですけど
でそのマクドナルドさんの一番最後の言葉がさよならって日本語だけ覚えたからさよならって言って終わってそれでまたその流氷のシーンに立ち回るんですよ
ただ自然はまた同じ結局その流氷を浮かんでくる寒さとか自然の厳しさは変わらないなっていう小説的技巧の効果というかですね最初チンタラチンタラしてるなと私も僭越にも思ってですねちょっと眠いなこの本とか思ってたらまたそういう迫力を持って
そういうねパースペクティブに溢れたね面白そう素晴らしい本ですありがとうございました
エッセイと原稿用紙の焼却
今日のお別れの言葉は吉村明先生の私が数少ない3冊読んだうちの一つエッセイですね史実を歩く史実を歩くというですね
まあなんか過去の今まで書いた本の取材をした時の記録とかそういうのを読みやすく書いてるような本ですね
そこからいろんなエッセイが詰まってるんですけどその中の一つ原稿用紙を焼くっていうタイトルの
途中から読みます
私は252枚の原稿用紙を手に書斎から庭に出た焼却炉の前に立った私は頭を書くような思いであった
長年小説を書いてきたのに書き出しを誤って20枚ほどの原稿用紙を焼き今また原稿用紙を炉に投げ入れようとしている
一体何をしているのだと私は自らをなじるような思いであった
人には知られたくない情けないような恥ずかしい気持ちであった
泣き笑いという言葉があるが私は苦笑いしながら原稿用紙を焼却炉に投げ入れ100円ライターで火をつけた
バカだなあ全くと私は胸の中でつぶやき炉の扉を閉めた
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