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2022-08-04 33:25

天下無類の奇書「トゥバ紀行」を、前半と後半で別々に読む【旅のラジオ #065】

トゥバ紀行 (岩波文庫)  メンヒェン=ヘルフェン著 https://www.amazon.co.jp/dp/4003347110

旅の話と、日常から旅を生み出す話をします。「旅のラジオ」は、毎週木曜の12時更新です。
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語り手: Satoru、岡田悠
聞き手&ジングル制作: 石川大樹

題字&イラスト: べつやくれい
Presented by デイリーポータルZ https://dailyportalz.jp/

〈現在募集中の投稿コーナーはこちら〉

投稿コーナー①「番組へのおたより」

2人への質問、最近読んだ本、今日食べたもの。
あなたの思いつきを、何でも送ってみてください。


投稿コーナー②「ジングル/効果音」

番組で使えそうなジングルや効果音を募集します。
生演奏でも、電子音でも、ボイパでも、大歓迎です。


投稿コーナー③「世界のさよなら、あなたのさよなら」

『さよなら』を意味すれば、どんな言語でもOK。
テキスト形式でも、音声形式でも、なんでもOK。


投稿コーナー④「生きて帰ろう」

旅行とは、ときにトラブルを伴うもの。
あなたの危険回避の知恵を教えてください。
(例:予備の現金をお菓子の小箱に隠す)


投稿コーナー⑤「あなたの旅の秘かな愉しみ」

旅行とは、自分で好きに愉しむもの。
あなたの愉しみかたを教えてください。
(例:旅行先のゴミを集めてノートに貼る)


投稿コーナー⑥「世界の罵倒語」

世界には、文化の数だけ罵倒語がある。
あなたが知っている罵りの言葉をください。
(例:南スーダン「ヤギ半頭の価値もない」)


投稿コーナー⑦「世界の音」

あなたが録った音をください。なんでもOK。
岡田さんと私が、ただそれを鑑賞します。
(例:イランの便器の音、バヌアツの料理の音)


投稿コーナー⑧「哀しい動物の鳴き声」

虚無を感じさせる動物の鳴き声をください。
作為はNG。哀しみは自然に発生するものです。
(例:たそがれの民家に沁みるヤギの声)


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00:00
岡田さん。なんですか、Satoruさん。読みましたか、手書き稿。読みました。読んだ?読みました。読みました。どこら辺も読みました?
前提の説明とかはないです。そうそう、前提の説明しなくちゃいけないですよね。あの、私とちょっと岡田さんで、今回はちょっと企画をやってきました。確か岡田さんのご発案だったかな。
ある本を、一人が前半だけ読んで、もう一人が後半だけ読んで、部分的にしかお互い知らない状態で持ち寄って話し始めてみたらどうなるのかな。
面白いんじゃないかなっていう素敵な発想をいただきました。そうですね、やっぱ本って長いんで、一冊読むの大変だから分担すればいいんじゃないかっていう。
あの、留学の時のね、MBAのグループワークとかもね、あるかもしれないけど、普通の本でそれやるのって、後半だけ読む人がしんどいんじゃないかっていう気もありますけど。
で、今回選んだ本が、Satoruと岡田悠の旅のラジオ。
一応縛りとして、旅に何か関係ない本がありちゃった。そうですね、旅のラジオだから。
で、二人とも読んだことない本があったらいいんじゃないか。
まあ適当に調べてみたら、この岩波文庫の青のシリーズで、椿広っていうのがあってですね、
とりあえずこれを聞いたことも恥ずかしながら、私も岡田さんもなかったので、岡田さんが後半だけを、147ページ以降だけを、
私が1ページ目から146ページ目までを読んで、それで今日この場に来ているということなんで、
この本の全貌を知っている人は今この瞬間誰もいないというこういう状況なんですね。そうですね。
で、まあ一応ゆるゆるとしたルールは作っていて、このTuberってのは何なのかってことは、ちょっとこの本に書いてあること以上は調べないようにしようと。
Wikipediaとか、あるいは解説ページすら読まないようにしようということなんで。
で、この作者の人がメンヘンヘルフェンさんっていう人なんですけども、この人がどんな人かっていうのも一切わからない状況でやろうと。
岡田さんに至っては表紙も読まないようにしていると。
そうですね。岩波文庫ってだいたい表紙にあらすじがね、書いてあるんですけど、ここもまだ読んでない。
その状態で後半から始まった。
そう、タイトルだけ見て147ページから読んだっていう状態ですね、今ね。
面白かったですか?
タトゥールさんどうした?
ポリティカリーコレクティブな応答が書いてありました。
私は今年読んだ中で一番面白い本の前半でした。
今年何冊ぐらい読んだ?
今年は60ぐらい読みました。
60分の中でも1位に輝くぐらい面白い。
私はちょっと興奮状態が前半を読んでいるので、前半読んでいる方がドライブがかかるというか、興奮が乗るというか面白いですね。
続きが読みたくて読みたくてしょうがなくて、早く岡田さんから後半を聞きたいんだけども、
今日収録の前に会ってみると岡田さんあんまテンション高くなくて、収録の前にビール飲みながらずっと椿子をしかめっ面しながら読んでいて大丈夫かなって言われていたんですけど。
03:05
僕も一応一通りね、147ページから。
147ページってこれ章の途中ですよ。
しかし女たちの法律上の動検にもかかわらず。
最初の一文字、血だったっていう。文の途中から始まってるから。
私が多分これは新説で。
僕の感想としては、あんまり覚えてないというか。
何も語れないじゃないか。
やっぱり前提がないまま進んでいくから。
じゃあそれを今日をつまびらかにしましょう。
なのでもしリスナーの方で推敬な同じような体験を追体験したいという方がいらっしゃったら、今この瞬間にストップボタンを押していただいて。
後半から読みたい人がいたら。
岡田さんの追体験したい人は、岩波文庫第3版の椿光、メンヘン・ヘルフェンさんの本を147ページから読むと楽しくなります。
私の追体験をしたい人は、1ページ目から146ページ目だけを読んだ状況でできるということですね。
ということで始めてみましょう。
この本はですね、多分岡田さんはマジで分かってないと思うので、私はだから表紙は一応読んでしまったので、表紙を読みます。
モンゴル島、南シビリアの間に位置し、1921年から23年間だけ独立国であったツバ。
1929年、独立国時代のツバに入ることのできた唯一の外国人で、民族学・考古学者であったメンヘン・ヘルフェンが鋭い観察顔を持って、
ツバ文化の多面性や当時の政治状況を生き生きと伝えてくれる貴重な旅行記という書いてあるんですよね。
すごくないですか。もういきなり引き付けられません。
だってただ23年間だけ存在した国があって、たった一人の外国人がそこに入れて、それが書いてあるんですよ。
もう天下の記書ですよ。
独立国だったんですね。
独立国だったんですよ。
前半にはくだくだしく色々書いてあるんですよ。
モンゴルの街の話だと思ってました。ずっと。
そこから分かんないから。
モンゴルの独立信仰性な街。スペイン語語るにゃみたいな感じで。
語るにゃもね、いろんな自治のあれはあるけど。
独立の機運があるモンゴルの変わった街に行った。
でも外国人の学者が来てるんだろうなっていうのは雰囲気が伝わってきました。
そういうレベルのね。
そういうことか。
これまためくるとね、また興奮が半端ないんですよ。
めくるとドイツ語が書いてあるんですよ。
これドイツ人が作ったのかな。
ドイツ人の本かなって。
ライゼ・インス・アジア・ティッシェ・トゥバって書いてあるから、
私の拙いドイツ語能力で見ると、アジア人がいるトゥバという国での旅行みたいな意味ですね。
06:03
メンヘルフェン・オッドって書いてあって。
メンヘルフェン、メンヘルさんってここで略しますけど。
メンヘルさんって人が1931年に渡ったんですよ。
独立したモンゴルで。1931年っておやっと思ってね。
おやっと思ったら、そしたらもうこれってあれですよ。
まさにSSSRですよ。ソ連ができてから。
7年後でスターリンが最高指導者になってから、確か5年ぐらいしか経ってない。
まさにソ連がソ連であることを始まって、
で、トゥバ共和国が独立。
しかも1931年といえば、ドイツがナチスドイツができる2年前の、
またその第二次大戦の前の非常に20世紀の前半の世界が今、
ヨーロッパが混沌に包まれつつある中のソ連とドイツ。
たぶんこれドイツ人だと仮定して読むんですけどね。
そういう人がこの中にたった一人入れたという、その時の旅行記なんですよ。
気づいたこととしては、後半にはこの話がいつの話か書いてないんですよね。
旅行記って前提として最初に書くじゃないですか。
たぶんいつ行ったみたいなことを。
全然だから今テンションが。
なんとなく最後の章の章タイトルがソビエート植民地っていうタイトルなんで、
なんかソビエートの時代だったんだなってことはうっすら思ってたんですけど。
これだからやっぱり後半の人の方がディスアントバンテージがこれ派手しいんですよね。
旅行記で改めて後半で、さて何年とか言わないですよね。歴史本じゃないんだから。
ずっと同じ時代の話をしてるから。
なるほどね。結構前なんだこれ。
これは面白いんですよ。
この人民族学者って今表紙で読みましたけれども、
これ出てくるのがアジアの土着的な人たちなんですよ。
写真が結構たくさん出てくるのが。
そうですね。
出てくる写真が貧しい人々とかいうキャプションで出てくるんだけど、結構日本人に似てるんですよね。
僕らが中央アジアの国とかに行った時に、
あれこの人千葉県船橋市とかに居そうだよねみたいなおじさんがいるじゃないですか。
ああいう感じの今から90年前ぐらいの人の写真が載ってるんですよ。
だから僕らには親しみがまた感じるし、
だけどこのドイツ人の方は当時はもっともっと白人優越主義ってあったと思うんですけども、
全然そういう差別的な発言も馬鹿にした発言もなくですね、非常によく観察をして現地社会に溶け込んでるんですよね。
とても文章が上手いんですよ。結構前半でしょっぱい目にあってるんですよこの人。
メールさんね、だいぶきつい目にあってるんだけども。
一人しか入れないってことは最後まで諦めなかった人がこの人なんですよ。
最初には失敗した人のいろんなものが書いてあって、
ちょっとでも機密書類芸兵運に捕まらないための術みたいなのが書いてあるんですよ。
だからその資料とかは全部焼却処分とかをして直前に、
全部頭の中で記憶してそれを書き起こしたものがこれであるとかね。
自分はいかにも無害な、人畜無害な民族学者であって、
そのソビエト政権をボリシビキを脅かす意図はないですよってことをいかにアピールしたかとか。
09:04
このツバ共和国に入国するまでで60ページくらいかかるんですよ。
そこら辺がその冒険記っていうか、なかなか私はどのようにしてツバに入ったかっていう第1章がまたね、
もうこっから引き込まれるんですよね。まったく引き込まれるんですよこれ。
いやなんか後半の時点ですでにめっちゃ現地の人と仲良くなってるから。
たった一人っすよ。
例の老人が誰みたいな。
そうなんだ。面白いことは3年前に失敗したアイルランド人女性、フレンチ夫人って人が試みたんだけど、
頑張ってリボルバー拳銃とかウースターソースなどを積み込んでウランバートルから5尾を横断してやってきたんだけど、
国境で彼女は停止させられ、定調にそして断固として送り返されたのであるとか書いてあって、
みんななかなかうまくいかなかったみたいなことがいっぱい書いてあるんだよね。
そう、なんか2ページ目になんか三毒するんは私の最後の巻煙草を吸ってしまったって書いてあって。
そう、この巻煙草、巻煙草ね大事なんすよ。
ああそうなんだ。
これね、じゃあそこを読みましょう。でこの人は旅行…
三毒するんは誰すかこれ。
それはね、私はちょっとよく覚えてない。
なんか仲良い人なんでしょうね、この現地の。
でも私の最後の巻煙草を吸うくらいだからなんか超重要人物なのかなと思って。
何人くらいの確かね、ツバ人を連れてきたってのが書いてあった。
でもね、このメンヘルさんね、結構ね、その辺境の旅行のスキル高いんですよ。
で、それをね、ユーモラスあふれる文体で書いてるから、
これ普通の読み物としてね、90年前くらいに書かれた読み物なんだけど、今でも十分面白いんですよ。
ってのを一つ読みますね。で、前提としてツバっていうのはかなり貧しい、
その西欧から見たらですね、自動車が3つくらいしか国の中にないみたいな、なんかすんごい貧しい国なんですよ。
で、国民の結構大多数の人が梅毒にかかっている。
ああ、それ書いてありましたね。
書いてあった。
書いてありました。
っていうようになってて、で、ツバを吐いたりしながらタバコを吸っていて、たった1本のパイプでパイプは回し飲みされており、
メーメーが1、2服吸ってから隣に渡す、そして私のところにやってくるっていう結構厳しい状況なんですよ。
当時はね、梅毒がやっぱりかなり深刻な病気になっているから、この差し出されたパイプとか杯を飲んではいけないとか、
そういうことをみんながすごく忠告してくれた。その人の手に触れるときは必ず手袋をはめるようにと言われたと。
だけれども、現地に行ってみると、みんなすごくもてなしの心がアジア的にあって、で、ゆるたっていうのが小さな家のことなんですね。
どのゆるたに行っても客はパイプを差し出され、1碗の牛乳のもてなしを受ける。理由もなく断るのは大きな侮辱ととられる。
客のもてなしを断るなんて相手を侮辱しようとする目的以外に理由があろうとは、トゥバ人にはおよそ考えられないのだ。
だからお前がくれたものはもう悪いもんだって思われちゃうから。だからすごくその礼儀と自分の健康リスクの間で、この人はバインディング非常に悩むわけなんですよ。
この人が研究したのは、このラマソー、チベットに近いから、ラマソーは巻煙を良しとして薪煙をやらないらしいんですね。
嗅ぎ煙とかそういうの、パイプを吸わない習慣なんだと。だから私は煙は好きなんだけれども、パイプを吸ったりするのはしないですよっていう上手い切り抜け方を発想して、
12:11
それで切り抜けてるんですよ。とともにそれをちゃんと納得させるために、禁制外の持ち込める分の煙草をいっぱい持ってきて、シャーマンとか呪術師の人とか老婦人とか大臣とかに振る舞っていったみたいな感じのことですね。
うまく受け込んで。
賢いじゃないですか。すごいじゃないですか。なかなかね。そういうのが結構ね、序盤の方はトラブル続きなんで、そういうのが満遍なく書いてあってですね、むちゃくちゃ面白いんですよ。
で、梅毒を持ち込んだのはロシア人じゃないかとか、物騒が実は持ってきたんじゃないかとか、実際には結構広まってて、鼻がもげてる人とか結構いるんだと。
だけれども、せいぜい住民の7、8%ぐらいしか梅毒患者じゃないんじゃないかみたいな話があって、そういう中で薪煙草っていうのは非常に大事なアイテムと出てくる中で、岡田さんのパートで最後の薪煙草が出てくるんですか。
岡田 最初に出てきます。
最初に。
いきなり三毒するんが最後の薪煙草を吸ってしまうところが。
これはちょっと思い入れが、僕はね、これがどうなるのかどうなるのかね、どうなるのかこれ、非常に興奮もってね、後半が読めないなと思ってきた。
で、最初ページ開けた4行目にいきなり、ツバジンは全く働き者ではないから、できるだけ仕事は女にやらせるって書いてある。文脈がなくそれを書いてあるから、ツバジン最低だなと思いながら。
その章は、私の後半、実は逆に意外にもって言ってるあれですけれども、結構女性の権利がある社会構成なんだよってことを観察してる章なんですよ、そこって家族で。
だから離婚とかそういう時した時も、子供の親権とかがちゃんと女性に渡るとかどうなのかとか、そういうのもちゃんと結構フェアになってて。
だけどそういうのが、この人たちは文字とか言葉を基本的には持たない文化で。
でもそれはね、ちょっと面白いね。
そこでそういう女性の権利とかが、1930年であってもだんだんツバ文化が独立国になっちゃったから崩れ始めてきてるので、当時はこうだったっていうのは結構喧嘩になったらしいんですよね。
だからおじいさんから見たら、いやいやもっと昔は女性がね、なんとかだよとか言って、結構そういう戦いになったとかね、なんかそういうこともあって。
でもすごくそういうフェアネスがちゃんとある文化なんだよっていう。
なるほどね、その上でってことですね。
そうそう、でフェアネスで言えばこの人たちは農業をほとんどやらなくて、熊とかに会わないように逃げながらいろんな狩りをしていく人たちなんですよ。
でトナカイを確か最初に家畜化した人類で初めて家畜化したのがツバ人らしいんですよ。
ええ。
すごくないですか。
フィンランド人じゃないんだよ。
そうそうそう、でその中で彼らはウジャ、ウジャっていう狩りのルールがあって、だからあんまり狩りが集団である行動の技術が。
ああそうか、モンゴールと南シダベエリアの間だから結構北の方になるんですね。
それを今初めて知った。
今初めて知った。
割とあったかいとこかな。
あったかいとこじゃない、結構厳しい環境、厳しい環境。厳しい環境の中で。
ほんとだ地図ある。
森の中で地図があるんですよ実は前半に。地図も分かってなかったのか。
だって地図、地図、前半では。
ごめんなさい、ごめんなさい、僕がマウントを取る、ごめんなさい、ごめんなさい。
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解説申し上げると、ご解説申し上げると、実は地図があるんですよ。
結構関連した。
実は地図があって、結構小さな、今で言うとこれは、そうそうだから地図を見て気づかされるのは、これ多分今ロシア領というかソ連の領土になってるんですよ。
で、ちょっと興奮してるから話が飛び飛びになって申し訳ないんだけども。
ボリシェビキ、ソ連の支配層が、それぞれの民族の文化の独立性を徴用するっていうか持ち上げて、で、モングルから独立するんだとか言って独立させたんですよ。
なるほどね。
序盤に非常に知的な分析があって、つまり分断と統治のためにボリシェビキはこういうことをやっていて、
それでその上位層をみんな自分の現地の言葉を捨てさせて、ロシア語をモノリンガルで、ロシア語だけを学ばせると少数民族の人たちがどんどんロシアに同化していって、それで敵対勢力がなくなっていくんだと。
きっとツバもそういう風になっていくんじゃないかっていう思わせがしっかりと分析されてるんですよね。
で、そういう背景知識を持って読んでみると、多分私はこの後どうなったか後半を読んでないから分かんないけれども、多分最後この国は多分自主的な形で同化されてしまっていると思うんですよ。
で、それは今ウクライナでロシアがインベージョンしてることって、まさにああいう風にウクライナから独立だとか言ってやってることじゃないですか。
だからそういう文脈、それは他の国もモルドバとかにもやって、ジョージアとかにもやってますよね、グルジアにもやってる。
ってことを考えると、あ、だからこれ今の時代のこのまさに混沌、20世紀前半とある意味同じぐらい今この最近の数年間ってすごい混沌だと思うんですけれども、
そういう背景を持ってみると、まさにこの偶然に我々がクリックして購入をした全く知らなかったこの本が私にとって大いなる迫力を持って立ち上がってくるんですよね。
ただ一人そこに入った外国人なんですよ。
だって今多分、今もウクライナのあの情勢で、あの独立共和国と言われてる国に都市空間で入れる外国人ってほぼいないじゃないですか。
何人かジャーナリストでいるんだと思うんですけど、今よりも全然違う状況で、ただ一人このメンヘールさんは入ったんですよ。
しかもなぜか写真もちゃんと撮ってるんですよ。現地にものすごく同化して、現地のまさに男女のね、あれはどうなってるかとか離婚の時どうなるかとか、
さっき申し上げた仮の分け方は、誰か一人取ったらそれをみんなで平等に分けるみたいなすごく平和なルールがあるんですって。
そういうところまで、現地の言葉も多分満足に分からないだろうに、ドイツ語の人がロシア語を学びながらさらにこの現地の人に溶け込んで、
それでゲイペイウーに睨まれないようにしながら潜入したことの記録がここに載ってるんですよ。それが日本語に訳されてるんですよ。これどうですか?
それを聞いてから読みたかった。
確かに最後がソビエト植民地っていう章なんですよ。
その文脈を持ってみるとすごく悲しいですよね。
18:03
最後憂いて終わるというか、結末どうなったかは書いてなくて。
確かにこれ潜入した限られた期間のことだから、この解説で書かれた23年だけ独立国であったっていうことの結末は分からないまま書かれた1931年に書かれた本だし、
しかも多分この後ナチスドイツに出てきちゃうから、さらにいろんな意味でこの人たちは、メンヘルさんはロシアとかに行きにくくなってると思うんですよ。
ソ連にね。そういうことも考えると本当に絶妙なタイミングでこの人は現地に入ったんだなっていうね。そういうのを感じますね。
確かに。この人しか見てない。
この人しか見てないんですよ。こんな本が人生で幾冊でも書けたら最高だと思いますよっていう興奮が続いたままで130、146ページになっちゃって続きが読みたいってなって、
岡田さんに何週間か前にメッセージ送ったら、いやまだ読み始めてないですって書いてる岡田さん。全然テンション低くて、全然この本なんかとか言って。
テンション低くてね。なんかまあしょうがないんですけども。そうなんですよ。で、この人シャーマンのね。シャーマンがいるんですよ。霊のために。
でもね。シャーマンはね。シャーマンのショーがあって。
シャーマン出てくる。シャーマンがね。その街に唯一の映画館みたいなのがあった時に、シャーマンとかみんな集まってくるんですよ。結構面白くて。
で、みんな物語の筋は全然わかんないんだけど、馬が出てくるシーンでみんな大興奮して。で、みんな馬の文化だから。
馬だ馬だとか言って。うわーとかなって。それなんかその人間がアップになったりすると、なんで全身汚いんだとか言って。うわーとか暴動が起きて。
それなんかそのまま大変大騒ぎになってしまうのだとか。
で、その中でシャーマンがブツブツ言いながら映画館の隣でなんか言って。なんかすごいそういうことが。
すごくね。ユーモラスにかなり愛情を持ってですね。で、現地の人たちを国民に感謝してるんですよ。
やっぱりこの人学者だから客観と主観をしっかり瞬別した分け方を書いてるし、
そのさっきトラブルの駆け抜け方とかそういうのも含めて、非常にあのユーモアがあるような。
文章面白いですよね。文章が面白いんですよ。
その僕ストーリーがわかんないから。ストーリーの文章だけを。半分そのなんか詩として読んでて。
詩ではないでしょ。あんまりわかんないでしょ。文章。
なんかこう例えばその、ツバ人は好きなものは2行に分けて言うとか。
え、どういうことだっけ?何それ?何それ?
なんかその2行に分けてこう、なんか歌とかを歌うらしいんですよね。恋踏みとかを。
とか好きな景色のことを2行に分けて言うとか。
さっきのシャーマンだとシャマンって訳されてますけど、どのシャマンも他人と同じようにシャマンする者は一人もいないと。
で、なんかこの文と文の繋がりはよくわかってないから、その1、そういう好きな文章を引いて、線を引いて読むっていう方をしてますね。
悟ると岡田雄の旅のラジオ。
お祭りの話とか出てきます?出てこないです。
出てこないからそうだな。2回も書かないもんな。なんか相撲が人気らしいですよ。相撲。
そうなんですか?相撲?相撲取りの写真。相撲取りの写真。
21:01
うん いや ちょっと 文化的なやつ うん 結構 痩せてる人がこう 相撲を取りつつ みたいな感じですよ
どう見ても このアジアの日本の田舎のおじさんみたいな感じで こう 親しみが持てる写真なんですよね
でさ お祭りになると みんな相撲をやるんですって で 裸で登場するって言って
で それがすごくね 優雅に踊るんですって で ちゃんと行事がいて 見物人がいて
で 商品は そのブシタクチーズ なんかチーズは商品としてもらいながら
それでみんなで集まって こうやっていくんだとかね すごいね そういう描写もね あと楽しいんです
で お酒をこの人たち飲むので あらかっていう蒸留酒があって
で まあ このメヘルさんにとっては 私にはそれがいい味のものだとはとても思えない
それはちょっと濁った水のようにしか見えず 味はスピリットに石鹸を溶かしたみたいだとかで書いてあって
なんか伝わりますよね それを多分飲まされて回ってくるから 現地に避け込むためには飲まなくちゃいけないみたいなね
で またその時の蒸留の種の写真とかが出るくんですけども この写真に撮られるのに慣れてないこの女の子が
あの はにかんでいる写真とかがね またね なんか可愛らしいっていうか なんか人間美を感じるんですよね
だからこの若い少女が90年前に生きてて 三つ編みみたいな髪型をして
僕らが多分モンゴルの人たちの あの地域の衣装って想像するような衣装がそのままあるんですよね
だから僕らの方がある意味で この現地の人たちの写真が載ってるからなおさらですけども
親しみは結構僕らに 日本人にとっての方が多分あると思うんですよね
だけどそれをまたそのドイツ人と思われる人が この特殊な状況でこれを見ていくみたいなね
いうのがあるんですよね 僕3回も読んじゃいましたよ 前半だけをね
いや面白いんです 寝る前にだからもうどんどん私の中にね このトゥバ
行こうとしてたから行けないわけじゃないですか もうね この国は多分なくなっちゃったわけだから
ここにある街とかあったりするんですかね
今もどうなんですかね だからそこら辺も今 冒頭申し上げたように
調べちゃいけないルールなんですね 今どうなってるのか
首都はその崩るホトっていう首都が あるらしいんだけれども
なんかロシアの敗村のようだって この人は言ってて
だからもう全然もう西欧から見れば 貧しいところなんですよ
ここには一つの丸木小屋があって それは外務省
一つのゆるた家があってからずっと何もない
何かロシアの敗村にいるみたいで ここが首都だとはとても思えない
で ここにはその発電所があるんだけれども
崩るホトのこのみんなの埃なんだけれども
これは実はトゥバの国家のものではなく ロシアのものだって書いてあるんですよね
で この機械が夜の10時ごろ以降 動くことは滅多にない
燃料が足りないからだ
で なぜかというとこれはその石炭は この辺りいっぱいあるんですよ
だけどこれは石油のための発電所なんですよ 石油の発電所なんですよ
だからわざわざ高いお金を払って 何千キロも遠くから
24:03
ロシアから石油を持ってこなきゃいけないっていう この支配構造の上手さ
で さっき申し上げた映画をやるときだけ 発電所は働くっていってね
ゴーリキーの作品を映画化した母っていう映画があるんですけども
これ僕は映画好きだから知ってるんですよね
だから あのときの あのソ連映画が こういうところでちゃんと見られるんだなっていうね
こういうことをね なんかね 味わってね 見るとね
もう一行一行がね 光ってますよこれは 味わい深いですよ
岡田さんどうですか
もうだいぶ
そうですね
いつもに増して僕の方が喋ってますね
皆さん ぜひ読んでみてください
すいません そういうことです
後半の中でもう少し面白いシーンがあったら もうちょっとだけ教えてください
シャマンがめっちゃ重労働っていう話を
重労働なんですか
そう めちゃくちゃ重い太鼓を持って
夕方から朝3時まで踊り続けるらしい
それ何カロリー消費すんだ
太鼓の最後の一叩きが終わると
彼女は全く血の気を失い
ほとんど気を失ったようにして崩れ落ちる
シャマンって偉い人でしょ だからその部下みたいな
手下の人が立ててくれるんじゃないですか
シャマンがやるんだ
面白いですね
大した報酬はないらしいですよ
あまり貨幣経済とかじゃないんですよ
報酬は太鼓の束に一本の細い布切れを結んでもらうだけだって書いてある
朝3時まで踊って
でもすごい尊敬されてるというか
映画を見た時にメンヘルさんのそばに座ってたシャマンは
ちょうど死の国に魂を送った後に
この映画館に来たんだって書いてあって
そのことを教えてくれたらしいんですよ
このメンヘルさんかなり溶け込んでますよね
今は朝3時までの踊りにつまり付き合ってるわけですよね
崩れ落ちるところまで見てるんです
なんか結構英雄女子誌とか民話とか
物語みたいなものがないみたいなことが
ないというかすごく
私が読んだ中だと記憶だと
一応国産の物語というか最初の祖先の物語があって
それは近親相関なんですよ確か
母と息子だけが生き残って
母と息子で交わってそこから生まれたのが出てきて
だからいとこの結婚がむしろ推奨されてると
結構びっくりすることが書いてあって
だけど母と子供は一応やめとけというルールがあって
多分非常に厳しい環境で
あんまり他の民族と交わらないと
たぶんいとこまでの結婚同士だったらOKみたいな感じが
あるんだろうなってことも書いてあって
結構驚きを持って僕は読みましたね
でも物語は他にはない?
そうなんかすごく
27:00
だってアフリカとかってありますよね
おとぎ話みたいなものが極端に少なくて
この人の分析によると
そういう想像力とか精神的な
全ての精神的な形成力をシャーマンに委ねた
みたいなのが書いてあって
シャーマン世界みたいなのが
でも確かにシャーマンとかそういう人は物語る人
そういう人たちの役割だったというか
他の人はそれをただ享受する
享受してもう今を生きるみたいな
でもシャーマンが伝えるって意味では
集団の中では物語はやっぱりあるってことですか
その集団が共有する物語はよくわかんないけど
そこまではね後半じゃわかんないし
後半じゃわかんない
前半でわかんなかったし後半でもわかんなかったから
シャーマンの物語というかシャーマンの儀式はすごく多様で
さっきの一人として同じシャーマンはいないみたいな
だからスモールサークルの中での一人ずつのシャーマンが
組合長みたいな感じで
それは多分物語という形式じゃなくて
もうシャーマンの踊りとか
そうかそうか非言語のノンバーバルに
そうノンバーバルの儀式とかが
かなり人によってやり方が違うらしくて
そこで表現されていっているみたいな
別に言葉がなくてもその踊りの中に
そうですそうです
いいなあでもそういうのは決して残らないですよね
そうなんですよね
だから文字としても残らないから
いやあそういうのすげえなあ
この人しかこの人が書いたものしか残ってないんでしょうね
そしてその国は今消滅してしまって
その悲しいけれども
たぶん純粋にこの血筋を持った民族の人も
今この世界にどれだけ生きているかというと
たぶんあんまりいらっしゃらないんでしょうね
っていう思いを持ってこの後半を読まれた
そういう思いは特になかったですけど
シャマンって太鼓重いんだなと思いながら
何年のことかもわからなかったわけだからね
いつの話
私も表紙を見て裏表紙をめくっても
大興奮になったのは初めてですよ
わかりましたありがとうございます
皆さんももし2人組の本好きな人が集まったら
前半だけを読んで
片方の後半だけを読む読書をやってみる
またちょっと違う本でやってみたいです
俺は今度前半がいいですね
逆にこの本を選んでくれっていうセレクトがあったら
いいかもしれないですね
ということでこの本全く読んでない石川さんが
今ここの席にいらっしゃるわけですけど
はい編集部の石川です
石川さん今このあらすじを聞いてどう思われましたか
本当に2人のテンションの違いが印象的
聞いてる皆さんはわからないと思うんですけども
岡田さんがずっと浮かない顔をしてるんですよ
さとるさんの話を聞きながら
解説が始まった
でもやっぱりすごく面白そうだなっていうのは思ったんですけど
やっぱりさとるさんの前提知識がいろいろあるところで
30:01
より今の話がすごく魅力的だったっていうのがあるので
ぜひこのラジオを聞いた方にも読んでいただきたいなと思います
すごいのが一番のパーソナリティみたいな
確か以前の打ち合わせの時に
Tubaの民族音楽として石川さんのご趣味であるワールドミュージック
そうそう僕もTuba自体にはあんまり詳しくないんですけど
そもそも国なのか地域なのか民族なのかよく分かってなかったんですけど
よく聞くのはホーミーってあるじゃないですか
モンゴルとかで和音が出る歌
あとホーミーとか後ね口琴っていう口に金属片を加えて
ビヨンビヨンって曲げると口の中に共鳴して
ビヨンビヨンビヨンって面白い音が鳴るんですよ
そんなのあるんですか
そういう何ていうのかな倍音の楽器ってよく言われるんですけど
音の高さじゃなくて音色の変化で表現するような楽器
ホーミーだったり後琴だったりっていうのがTubaはすごく盛ん
盛んなのかなか分からないですけどTubaの文化としてあるっていうのを聞きますね
すごいよく知ってる
それをちょっとだけ知ってますよって石川さんが言った瞬間に
ちょっとそれこれ以上語らないでってその時に私がお伝えしたので
今その話も初めて聞きました
確かにさっきのシャマンの話もノンババルの踊りとか
音楽みたいなものが多分すごく痛かったと思うんですね
音楽の描写は前半には確かあんまりなかったけど
そういうのが文化としては今も残っているわけなんですね
ちょっとじゃあTubaの音楽聞きたくなってきたな今の背景を
たぶん記録音源というかCDみたいなの多分いろいろ出てると思うんですけど
あと僕が10年くらい前かなにそういう民族音楽系のライブに行った時に
Tubaから来た人っていうのは確かいたんですよ
Tubaから来た人がいる
やった生きてて来てた
多分Tuba国は多分もうないんでしょうけど
地域
今でもロシアの一つの
なのか子孫なのか分かんないですけど
人として生き延びている人はいる
そこが来てでも今たぶん行けねえな
行けないでしょうね
今行けないな
旅のラジオこの辺りはお別れしたいと思います
本日は岩波文庫Tuba機構より一節をさとるさんに紹介してもらいますどうぞ
このTubaの人たちのそのお葬式というか死んだ人をどうやって弔うかという章から一つ
1パッセージを読みます
死者はユルタの入り口から運び出してはならず
ユルタの脇を開かねばならない
遺骸これ死んだ人ですね
死体は2本の長い棒に結びつけられ
それを馬につけて述べに送るのである
足は東に向け
頭のそばには祈りの文句を書いた紙切れや布切れをつけた何本かの柱を立て
33:00
遺骸はそのまま放置されて毛巾や狼の餌食にされる
子供だけは革袋に入れ
一番上には肉を一切れと少し濃いめのクリームを置く
死体を見るとそれが良い人であったか悪い人であったかがわかる
良い人であれば動物は悪い人よりも早く食べてしまうからである
33:25

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