onceとtwiceの語尾の由来
英語に関する素朴な疑問です。onceやtwiceの-ceで示される-すというのは一体何なんですかという質問です。
このonceやtwiceというのは、1度、2度、回数であるとか、1倍、2倍というような倍数を表すのに使うわけですね。
3以上の数ですと、3times、4times、5timesみたいにtimesを使って、2語で表現するのが普通なんですが、
1と2に限っては頻度が高いからということもありますが、特別な1語が用意されています。それがonce、twiceというわけですね。
当然ながら、これは助数詞の1と2と関係があるということは想像がつくわけなんですが、この語尾の-ce、once、twiceの-すとは一体何なのかという質問です。
これは実はですね、古い英語の所有格に遡るんですね。
言ってみると、所有格というのは現代英語ではapostrophe sで示されるわけですね。それのもとと考えられます。
そのように1に、いわばapostrophe sをつけてonesとかtwosと言っているようなものなんですね。
1の2の、そのまま言えばそういうことなんですが、実は古い英語ではこの所有格、続格、続する格、続格という風に文法用語で読んだんですけれども、
この続格というのは名詞について何々のという、現代の所有格の意味を表しただけでなく、実はその名詞を副詞化するような機能があったんです。
そのようにonesというと1度、twosと言えば2度というような副詞化する働きがこのapostrophe sに相当するものにあったということなんですね。
これを副詞的続格なんていう言い方をしています。実は我々の知らないところでこの副詞的続格は未だに息づいています。
例えば、always、sometimes、これ同じような頻度を表す、1度、2度みたいな頻度を表す副詞の仲間なわけですが、その意味でones、twosなんかと同類と考えられるんですが、
多くの皆さんは、always、sometimesの図は複数形のsだと思い込んでいたと思うんですね。ですが歴史的には違うんです。
これを言えば、所有格、続格、apostrophe sと同一のものなんです。always、sometimesということですね。
他にも、例えばnowadaysというときであったり、I go shopping Sundaysって言ったときのあのsも、なんと由来としては複数形のsではなく続格のsなのです。
つまり日曜日にっていうことなんですね。sundays。複数ではなく、とある日曜日などにという感じになります。
他にもですね、この副詞的続格のsに、触発されて生まれた単語というのがいっぱいあって、もともと名詞につく続格の語尾だったんですが、名詞ではなくてもなんでもいい。
つけばとにかく副詞っぽくなるんだっていうことからtowards、southwards、upwardsというときの最後にsがつくっていうのがありますよね。
それからbesides、else、if elseのelseです。それからneeds、副詞としてのneedにsをついたneeds、ぜひともというようなね。あのsもこれに遡ります。
数の表現の歴史
もう一つ言いますと、今では3回、3度っていうことを3timesと呼びますが、実は古くはthrice、つまり3にsをつけたceですが、thriceという単語も存在して、
シェイクスピアぐらいまでよく使われていたんですが、現代ではあまり一般的ではなく3timesという、そんな具合になっています。
この話題に関しては、ヘログの81番の記事をご覧ください。