タコの足の呼び方
今回は、素朴な疑問というよりは、英語でこのことを何と言うでしょうか、という問題です。
タコの足、です。 タコの足は何本ですか、と問われれば、日本語では当然8本です、と答えますね。
では、英語では、この疑問文、タコの足は何本ですか、というのを何と言うでしょう。
How many 〇〇s does an octopus have? と言った時に、この〇〇には何が入るでしょうか。
How many feet does an octopus have? でしょうか。あるいは、How many legs does an octopus have? でしょうか。あるいは、他の言い方でしょうか。
これ、意外と出てこないんではないかと思いますね。
Oxford Advanced Learner's Dictionaryの八半によりますと、このオクトパスですね、タコを表すオクトパスの定義によりますと、答えは何とarm、つまり腕、と見えるんですね。
そのオクトパスの定義によりますと、足クリーチャー with a soft round body and eight long arms, that is sometimes used for food,となっています。
確かに、明らかに頭っぽく見える上の部分ですね、その下に生えている八本のものですから、我々にとってこれは足、フットとか、あるいはレッグに見えるわけですよね。
ですが、英語ではこれをarm、腕、というふうに見るようなんですね。
では、次の問題。
じゃ、イカはどうでしょう。スクイッドです。
これは十本の足を持っているというふうに日本語では捉えます。
じゃ、同じように十本の腕というふうに英語では見るということになりそうですよね。
では、同じOALD、Oxford Advanced Learner's Dictionaryの、今度は七本を引いてみることにしますね。
そうするとこうあるんです。
まるで比例した定義です。
つまり、十本の腕、アームを持っているというんですね。
これがOALD7班の定義なんです。
ところがですね、このスクイッドをOALD8班、次の班で見てみますと、
なんとですね、
八本の足、そして二つの触手という言い方をしているんですね。
生物学的にはタコと同じ話で、足としては八本。
端末にある端っこの二本は、実は足ではなく、腕というのかな、ではなく触手であるというようなより詳しい説明があるんですけれども、
いずれにせよですね、タコにしろイカにしろ、英語の世界ではどうもアームと見るようなんですね。
語源と生物学的見解
そこから生えているものが、レッグとかフットではなくアームと見ているということで、
これはこれで面白いと思うんですが、
じゃあ、実はこの八本足のオクトパス、このオクトパスの語源を見てみますと、実はこれはギリシャ語で、
オクトというのはエイトなんです、まさに。
これはオクトーバーとありますね。
これは10月ですけれども、第8の月という意味です。
もともと第8の月で、事情によって2月遅れただけで、実は第8の月という意味なんです。
他にはオクターブとなりますね。
ドからドまでドレミファソラシド、これ8音あります。なのでオクターブといいます。
オクトというのは8の意味で、エイトということなんですね。
オクトパスのオクトはエイト、非常にわかりやすい。
じゃあパスは何かといいますと、このPUSで表せられるものは、これは実は足なんです。
グリムの法則という音の変化によって、ギリシャ語であるとかラテン語であるとか、
この辺りの言語でPにあるものは、ゲルマン語、つまり英語とかドイツ語ではですね、
これはFに相当するんです。
なのでこれはですね、パスといった場合に、英語のこれはフットに相当するんですね。
つまりオクトパスといった時には、8本の足という風にギリシャ語では、やはり見ていてはではないかということなんですね。
その系列を受け継いでですね、オクトパスと来ているわけなんですが、
ただあそこから生えているあの8本の骨をですね、これはギリシャ語的な足ではなくアームと、
腕と見ているっていうのが非常に面白いところです。
これは何の問題かというと、よくわからない問題なんですけれども、語源を調べると面白いという問題の一つです。