2025-12-29 18:58

【152万インプ超え】mond の「英語に仮名はないのか?」論争を交通整理します

▼拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』の第10刷が出ています(12月19日)

📙堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

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▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページが2025年10月18日よりオープンしています

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▼2025年10月15日に新刊書が出ました(電子書籍版も11月25日に出ました)

📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

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▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の第14号が公開されています

- 第14号(2025年11月28日):https://note.com/helwa/n/n128c1a0253e2?magazine_key=m82eb39986f24

▼2025年6月18日に新刊書が出ました

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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.

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サマリー

英語の綴りについての議論が、質問回答サービスmondで152万インプレッションを超え、多くの反響を呼んでいます。このエピソードでは、英語に仮名がないかという問いを掘り下げ、議論を整理しています。英語のスペリングや文字の役割についての議論が盛んになっており、リスナーからの反応や意見が多く寄せられています。そのため、言語における文字の重要性とその役割について考える機会が生まれています。

特別配信の背景
みなさん、こんにちは。英語の語源が身につくラジオheldioパーソナリティで、英語史研究者の堀田隆一です。
今回はですね、イレギュラーな特別配信なんですが、ちょっとしたご報告があります。 昨日のお昼に質問回答サービスmondに投稿した一つの回答が、
xq twitter 上でとんでもないことになっています。 一晩開けてみましたら、なんとインプレッションが100万回超えておりまして、そして今ですね、
こちら、私ニュージーランド滞在中なんですが、 午後の6時過ぎ、現在ですが152万インプに達しているということなんですよね。
年末のこの時期に、英語の綴り字であるとか文字論の話で、ここまでですね盛り上がる、 あるいは紛糾すると言っていいのかもしれませんが、正直ですね驚きとともに、これこそまさに
文字についてですね、みなさんで議論する好機と思いまして、heldioでも緊急で特別配信会を収録しようということで、今撮っている次第です。
クライストチャーチのボタニックガーデンズのベンチでですね、川を眺めながら収録しているんですけれども、
さあその質問なんですけれどもね、どういうものかと言いますと、 日本語では聞いて音がわかったが漢字の表記がわからない場合、
とりあえず仮名で書くという方法を取ることができますが、 英語では綴りがわからないとそもそも書いて残すことができません。
音はわかるが綴りがわからない時はどう対処しているのですか、 ということなんですね。
つまり英語にかなわないのかというような議論なんですね。 今回はこの問答で152万インプ越えの英語にかなわないのか論争。
これですね非常に多くの方にリプライといただいたんですが、ちょっと議論がですね、 紛糾したり、いろいろな方向に行ってしまうということが起こっているのかなと思いますので、
交通整理したいと思うんですね。 まずですね、これに対して私が長々と回答したんですよ。
かなり長くてですね、答えが書いていないとかですね、前提がわからないとかですね、 何を言っているかわからないとお叱りをいろいろ受けているんですけれども、
その回答のですね、文章の冒頭でですね、 ちょっと挑発的とも受け取られ得る発言をしたんですよね。
これあの、私本当に思っているからこのように述べたんですけれどもね。 読み上げます。
これはすごい質問。もしかするとそもそもこの質問者さんの問いの意味がわかる人とわからない人がいるのではないかと疑っていますが、
皆さんいかがでしょうかというふうに始めたんですね。
私ですね、この質問の意味がわからないという書き方をしたんですけれども、その後ですね、付け加えて、
より正確に言うと、質問者さんのこの問いを問う前提がですね、 飲み込めないというような言い方をして、そちらの方が正確正しいところなんですけれども、
そんな始め方でですね、いろいろと文字論の議論をかなり展開してですね、わかりにくいというような声をいただいております。
もっとわかりやすく書ければよかったんですけれども、私が頭を絞ってですね、書いた文章なんですよ。
でですね、この質問者さんの問いの解釈を実際に伺いたかったということもあってですね、そんな始め方にしたんですね。
そこがわからないと、何をどこまで答えたら良いのか、回答に求めていることですね、
は何なのかと、回答者としてどんな答えをするのがベストなのかということがですね、いまいち掴めなかったというところもありまして、
確認であるとか、確認というよりやっぱり疑問ですね。 皆さんに質問したいというような意図でですね、
冒頭の部分を始めたわけなんですよね。 昨日から今日にかけて、皆さんからのXでのリプライであるとか、あるいは問答ですね。
問答の公式での関連追加質問なども、次々といま寄せられてきているんですね。
とても全て答えられる余裕がないんですけれども、そういった反応をですね、読んでいて、改めて気づかされたことがあります。
それはですね、この質問、問いの立て方自体が非常に広く多疑的なんですよね。
回答のためのパラメーター
質問の言葉だけでは、質問者さんが具体的にどの場面を想定して、今回の疑問、質問するに至ったかという、このあたりがですね、一点に定まらないというところがあって、
だからこそ、皆さんですね、自分ならこう答えるかなというような、多様な意見ですね、リプライの中に載せてくださっているんですね。
あるいは、こういう意図で質問者は聞いてるんじゃないの、みたいな。 それ自体がですね、多様なんですよ。皆さんの見ていると。
なので、私も前提がずれているかもしれません。 かなり多くのですね、コメントで、なんか前提ずれてないというようなコメントあるんですが、
ではですね、私がちょっと特別だったとして、他の皆さんも受け取り方一つなのかというと、どうもですね、いろんな受け取り方があるということで、そこが定まらないと、なかなかズバッと回答できないっていうのは確かなんですよね。
そこで、今日はですね、この議論の交通整理をこのタイミングでしてみようかなということで、皆さんのリプライ等を読みまして、いくつかですね、観点、パラメーターがあるなど、
いうことなんですね。私自身が考えたパラメーターも含めてですね、6つぐらい、この大元の質問の解釈と言いますか、どこまで回答者としてはですね、答えを要求されているのか、みたいなところ、いくつかのですね、分岐点と言いますか、
フローチャートみたいにまとめることもできるかと思うんですが、とりあえずですね、過剰書きにしてきましたので、これをですね、ちょっとメモを見ながら、このパラメーター紹介していきたいと思うんですね。まず一つはですね、質問では、英語ではそんな時どうするんですか、どのように対処しているのですか、だったんですね。
正確に言いますと、音は分かるが、綴りが分からない時はどう対処しているのですか、というのがオリジナルの質問だったんです。これ、誰の対処法なのか、誰にこの質問を投げているのかというところで、これは英語のネイティブスピーカーはどのように対処しているんでしょうか、というふうにも読めるし、あるいは
日本語母語話者で英語学習者である我々、私たち英語学習者ということで、つまり英語学習者の皆さん、皆さんはどう対処されてますか、ということなのか。これはだいぶ異なる質問なんですね。私の前提はですね、ネイティブスピーカー前提で答えたんですよ。
これ、日本の英語学習者前提で答えると、例えばカタカナでとりあえず書いておくとか、他のオプションも出てくると思うんですよね。なのでここ、かなり大きいポイントですね。まず一つ目のパラメータで、誰の対処法なのか。
2番目、用途は何かという言い方をしておきましょうかね。それ、自分だけがとりあえず綴って分かれば良いという、自分用のメモみたいなインフォーマルなものなのか、あるいは多少周りの人とシェアするにしてもインフォーマルで仲の良い知り合いへの伝言メモぐらいのレベルなのか。
それとも、もっとちゃんとした他人に公開する文章であるとか、そういうことなのか。これによってもですね、だいぶ答え異なるんですね。私はインフォーマルで、とりあえず自分だけに分かれば良い綴り方であれば適当なそれっぽいスペリングを強引に当てるという答え方をしたんですが、これがちゃんとですね、外に公開されるのであれば正しいスペリング、正処法にのっとったもの。
にたどり着くにはどうすればいいんですかという問いになるので、やっぱり答え方変わるんですね。これ2番目です。用途ですね。
3つ目はですね、この用途とかなりの程度重なるんですけれども、正処法、つまり正しいスペリングへのこだわりはということですね。こだわりがある、ない、あとは中間もあるかもしれませんが、
例えば学校の単語テストを念頭に置くのであれば、これ正しくなきゃいけないわけですよ。あるいは公文書であるとかね、規範が絶対に求められている世界でどうすればいいのかっていう悩みなのか、それとも伝わればOKという伝達優先の世界なのかという、この2つのオプションによってもですね、答え方変わると思うんですね。
4つ目、単語の種類っていうことなんですけれども、これ辞書に載っているような一般語が、音は聞こえたんだけれども綴れないっていうことなのか、それとも人名のような、こういう名詞、とりわけ地名というより人名ですね、なのかによってもだいぶ異なります。
というのは、一般語であれば何らかの形でゴリゴリ調べて最終回答にたどり着くでしょう。
ですが、人名の場合、同じ隅っていったんでもいろんな書き方があるので、やっぱり当人に確かめるとかですね、また別の方法、つまり一般の辞書であるとか、レファレンスを参照するだけでは足りないっていうことはあるかもしれませんね。
実際にリプライくださった方の多くはですね、これは電話で受け答えしているときに名前を英語で聞いたんだけれども、音はわかる、発音を聞き取れたんだけれども、書く方法がわからないっていうときということを想定して、自分だったら答えますっていうのは少なくなかったんですよ。
私もチラッとそのあたりは想定したんですけれども、一般語かこういう名詞、特に人名で、そういう電話での応答でとりあえずメモ書きする場合に困るというような、そういうシチュエーションを想定された方もいらっしゃるということなんですよね。
それからですね、たどり着く方法、発音はわかったと、だけれども通りがわからない、で、正しい通りを知りたいんだという、この道について聞いているんだという、この解釈というか多かったんですけれども、これですね、私考えなかったわけではなくて、それはいろいろ方法ありますよっていう感じで取り上げなかったんですよ。
ですが、このあたりを聞きたかったという、ではないかという声が多かったんですね。
で、これはですね、いろいろな方法、それこそありますね。
文字の役割と反応
はい、音から逆引き的に正しいつづり字を求めるっていう方法ですね。
はい、この観点が求められているのであれば、ある種のですね、方法はありますね。
はい、そして6番目、意味の把握度は、というところも観点としてですね、入れておきました。
で、ある程度文脈があるので発音は聞き取れた、意味なども完全にはわからなくてもうっすらわかるとか、ある程度予想はつくっていうことであると、大元の単語が何であるかとか、そのスペリング、正しいスペリングが何かっていう答えを探す際に、プラス1ぐらいですね、方法が増えるというような観点で、このあたりですかね。
私が考えついたのは6つぐらい、これはリプライでの反応などからの意見も参考にしてですね、もう一度まとめますと、
1、誰の対処法なのか、ネイティブスピーカーの話なのか、それとも日本人である英語学習者の皆さんなのかっていうことですね。
2番、用途は何か、つまり自分用のメモ、インフォーマルで良いものなのか、それとも公開文書のようなフォーマルなものなのか。
3、正処法へのこだわりは、かなりこだわってますっていう場合と、いや、多少犠牲にしてもいいですっていう場合で対処法を断ります。
4、単語の種類は、これは一般語なのか人名なのかということですね。
5、発音からつづり字にたどり着く方法は、正しいつづり字ですね、にたどり着く方法はということですね。
6番、意味の把握度は、どれくらい意味類推できてますか、みたいな推測できてますか、みたいなところですね。
6つ挙げてみました。
議論の深化と意義
Xのリプライなどでは、私だったらこのように回答するかなという回答例、たくさん寄せていただいたんですね。
これ自体が、どういうふうに元の質問を解釈したのかということを判断する材料になりますので、皆さんからのリプライ、本当にいい勉強になりました。
皆さんお互いに、今述べたパラメータ設定が互いにずれてるんですよ。
私もまたずれていたっていうこともあったので、この辺りがですね、つまり今議論は、
このパラメータとこのパラメータの組み合わせで解を探しているみたいに、そこが一位に定まればですね、私もですね、答えズバッと出せるんですね。
というか、実は私なりの回答は用意してあるわけですよ。
ただ、質問者さんの本来の意図がどこにあったかっていうのは、もちろん知りたいところではあるんですが、
それとはまた別にですね、いろいろと上に述べたですね、パラメータを掛け合わせた上で論点を定めて、ではその答えは何かって議論を続けていくのは多分面白いんですよ。
良いと思うんですね。何を議論しているかっていうのが分かれば、いずれも文字論の良い題材、教材になるんですよ。
私としては、英語詞をお茶の間にとかですね、言語の話題をお茶の間にということを毎日述べている通りで、文字の問題がこれほど注目を集めたっていうことを正直言って嬉しいですね。
問答への質問はですね、少なくとも1日2日。この問題に関しては、受け取ったの実はですね、どれくらいだろう、1,2週間、もうちょっと前かもしれませんね。
ずっと気になってたんですよ。ある意味何日も寝かせておいて、考えを巡らせて、遂行して昨日問答に投稿したっていうことなんで、これはですね、注目が集まってくれて、書いた甲斐があった、考えた甲斐があったっていうことなんですよ。
ちょっとずれているというお叱りも受けましたけれども、正直嬉しいんですね。
なので、これは本当に文字の問題だけにね、文字通り、これ後期だと思うんですよね。文字の問題について、話題について、ここまで盛り上がるっていう機会はなかなかありませんので、そしてこれは日本語かける英語、さらに他の言語ですね、中国語とかハングルとか、他のヨーロッパの言語などもたくさん話題に実はリプライに出てきているので、
これは本当に良い機会だということでですね、皆さんに考えていただきたいんですね。
なので、回答の中でですね、私も全く大げさでなく本当に言っているのは、文字とは何かとかね、そもそも文字の役割は何だっていうような、結構重要な問題にこれ繋がってくるんですよ。
今回の場合、かなとは何か、英語のスペリングとは何なのか、なんでこんなめちゃくちゃなのかとか、正称法とは何かですね。
こういった議論の熱を絶やさずに、ぜひですね、皆さん、このヘルディオの特別配信会ですが、お聞きの皆さんはですね、元のモンドであるとかXの回答、質問回答、それから皆さんからのリプライですね。
そしてですね、またこのヘルディオの特別配信会ですが、コメント欄でもですね、引き続き議論を戦わせていただければと思うんですね。
また、場所が変わると、プラットフォームが変わるとですね、議論の雰囲気も変わってきたりするかもしれませんので、ぜひこのヘルディオの場も利用していただければと思います。
皆さんの文字に対する感覚をぜひ教えていただければと思います。
ということでですね、今日、明日、明後日、まだですね、今年も残りありますし、この年末に盛り上がった話題ということで、ぜひこの問題をお考えになって、素敵な英語史ライフならぬ文字学ライフ、文字論ライフを送っていただければと思います。
英語史研究者のホッタリウイチでした。
18:58

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