英語史の紹介
英語史つぶやきチャンネル。ということで始まりました。 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本日は2025年5月3日です。 ゴールデンウィーク真っ最中という感じなんですけれども、このゴールデンウィークが始まる直前と言っていいんですかね。
GoogleのNotebookLMより、とてつもないサービスが公開されたんですね。
いや、びっくりしました。 資料を投げると、それが数分の対談音声として返されるということなんですね。
2人によるポッドキャスト対談という形で、内容を噛み砕いて5,6分で伝えるという音声ファイルが返されるんですね。
待つこと数分、4,5分ですかね。これだけでですね、 かなり内容のある資料がグッと詰まった状態で要約されて音声で返されるということで、
これはいろいろな使い道、ポテンシャルがあるなということなんですよね。 そして、それを初めて私トライしてみまして、
ちょうどですね、英語語活動を一緒にやっている仲間たち、HellVilliansたちがですね、4月28日に
5月号のHellVilliansというウェブマガジンを発行したんですね。 こちらの内容を広報する音声配信を作ろうということでですね、
情報を投げまして、このノートブックLMの対談化サービスですね。 こちらに投げてみたところ、素晴らしいものが返ってきたということで、
ヘルメイトさんたちですね、ヘル活の仲間たちもですね、大いに驚いており、 今続々とですね、いろいろ試しに音声対談化ですかね、
されているということなんですよね。 私もその後、いろいろいじっておりまして、今回はですね、公開するものとしては第2弾となります。
以前にですね、私、英語語彙詞の講義をしたことがあるんですね。 いろいろな講義をいろいろなところでやっているんですが、とりわけですね、英語語彙詞、英語の語彙の歴史ですね。
こちらの講義のために使った資料ですね。 これをポンと投げてですね、対談の形でまとめてくださいと、今回はやってみました。
つまりですね、90分にわたる講義資料がですね、 6分ちょっとの音声対談という形で返ってきたんですが、エッセンスはしっかり掴めているんですね。
もちろんですね、あの100点とは言いませんが、 95点ぐらいの出来ということで、いやはや改めて驚きました。
今日はですね、この後お聞きいただきたいと思うんですけれども、英語語彙詞概論。 これをですね、グッと6分ちょっとに縮めた対談、聞いていただきたいと思います。
おそらく驚くんではないかと思いますし、こういう形での導入ならば、 英語の歴史、勉強し始めてみたいなと思うかもしれませんね。
ということでいきます。お聞きください。
オックスフォード英語辞典の語彙
さて今回は、英語史研究者堀田隆一さんの英語語彙詞に関する資料ですね。 こちらを共有いただいて、英語の単語ってなんでこんなに多くてしかも多様なんだろうという、
そのあたりを一緒に見ていきたいと思います。
いやまずその数にちょっと圧倒されますよね。
ですよね。
資料にもありましたけど、オックスフォード英語辞典 OEDの第2版、あれで見出し語だけで約46万語。
46万。
ドイツ語がだいたい18万5千、フランス語が10万くらいと言われているので。
うわぁ、桁が違いますね本当に。
その差は歴然としてますね。
単に数が多いだけじゃなくて、その中身というか成り立ちが世界的語彙、コスモポリタンボキャブラリーなんて呼ばれる。
そうなんです。
そういう独特の性質があるんですよね。
今回はその歴史的背景を紐解いていけたらなと。
そうですね。英語の語彙の構成を大まかに言うと面白いんですよ。
ゲルマン系の英語本来の言葉ですね。これがだいたい3分の1、ラテン語とかフランス語から来たものがこれもまた3分の1くらい、残りの3分の1がなんと350以上の言語から借りてきた言葉だなんて言われてるんです。
350以上。それはもう言語の世界一周旅行みたいですね。
まさにそんな感じですよね。
具体的な例を見ると本当世界中から集まってるなって実感しますね。
資料にもありましたけど、日本語からのタイクン、オークン、それからカラオケ、スワヒリ語のサファリとか。
アフリカンス語のトレックなんてのもありましたね。中国語のチャー、お茶とか。
本当に様々ですね。この多様性ってやっぱり英語が歩んできた歴史そのものということなんでしょうか。
まさにその通りだと思います。
例えば古英語の時代、この頃はまずキリスト教が伝わってラテン語が入ってきますね。
それからヴァイキング。
ヴァイキングの信仰ですね。
彼らが話してたコーノルド語の影響も大きいんです。
意外と基本的な単語、スカイとかエッグ、テイクなんていうのも実はコーノルド語由来だったりするんですよ。
それは知りませんでした。空とか卵とかごく基本的な言葉が。
そうなんです。
英語の歴史で特に大きな転換点というとやっぱり中英語記ですか。
ええ、1066年のノルマンコンクエスト。これは決定的でしたね。
ノルマンディー公ウィリアムの。
そうです。これで当時の支配階級が話していたフランス語の言葉がもうどっと英語に入ってきたわけです。
なるほど。
ここであのすごく面白い例があって。
と言いますと?
動物そのものとそのお肉の名前が違うっていう。
ああ聞いたことあります。シープとマタンとか。
それです。生きてる羊はシープ。ゲルマン系の英語本来語ですね。
でも食卓に昇る羊肉はフランス語由来のマタンになる。
牛もそうですよね。オックスがビーフに。
ええ、オックスがビーフ、カーフ、コイシがビール、コニク肉になるとか。
これは当時動物を育てていたのは英語を話す支配層で、それを食べていたのはフランス語を話す支配層だったという社会構造が言葉に残ってるんじゃないかと。
なるほど。言葉が社会を移しているわけですね。
そういうことだと思います。
そういう歴史の結果、今の英語には意味は似てるんだけどニュアンスがちょっと違うみたいな単語が層になってるんですね。
ええ、まさに地層みたいに。例えば、尋ねるっていう意味でも、日常会話なら本来語のアスクで十分なんですけど、少し改まった場面だとフランス語由来のクエスチョンを使ったり。
言語のダイナミズム
もっと学術的とか場合によっては法的な文脈だとラテン語由来のインターロゲイトなんて言葉が出てくる。
ありますね、インターロゲイト。
オーノっていう形容詞もキングリーは本来語、ロイヤルはフランス語、リーガルはラテン語由来みたいに。
うわ、面白い。同じような意味でも出自が違うと。
ええ、ニュアンスや使う場面が違ってくるわけです。
で、近代以降はさらに世界との交流が広がって。
そうですね。大航海時代以降、植民地支配とか貿易とかでもう世界中の言語と接触しますから、語彙はまさに爆発的に増えていった。
ただですね、ここがまた面白いところで、資料によると現代、特に20世紀後半以降は新しい言語から単語をそのまま借りてくる。
つまり百用自体は実は減ってきてるらしいんですよ。
え、そうなんですか。グローバル化してるのに釈用が減る。
ちょっと意外ですよね。
はい、なぜなんでしょう。
一つ考えられるのは、英語自体がもう世界共通語としての地位を確立しちゃったからかもしれないですね。
ああ、なるほど。
外部から取り込むというよりは、英語の内部で新しい言葉を生み出す力が強まっているというか。
内部でですか。
ええ、現代の新しい言葉の作り方って、釈用よりも既にある英語の要素を組み合わせる方法が主流になってるんです。
ほう、具体的にはどういう。
はい、例えば単語に接頭字とか設備字をつけて意味を変える派生。
あとは単語と単語をくっつける複合、スマートフォンとかですね。
ああ、複合語ですね。
それから単語を短くする短縮。
短縮。
ええ、特に20世紀以降すごく増えたのが、例えばブレクファストとランチをくっつけたブランチみたいな、混成語とか。
ブランチ、はい。
あと頭文字を取って作る言葉、NASAとかAIDSみたいな。
あと字語、アクロニムですね。
そうですそうです。ああいうのがすごく増えている。
なるほどな。
じゃあ、英語の語彙ってその長い歴史の中で本当にいろいろな言語と出会って影響を受けたり与えたりしながら、他に類を見ない世界的な語彙っていう性格を形作ってきたんですね。
まさに。そのプロセスが単語一つ一つに年齢みたいに刻まれている感じですよね。
単語の背景を知るのって文化とか歴史の層に触れるようで面白いんですよ。
いや本当にそうですね。
現代はその外部からの釈養が減って、内部での言葉作りが活発になっているという話。
これはなんかすごく示唆的だなと感じました。
これって英語がこれから今までとはまた違う形で、その世界性みたいなものを展開していく、そういう可能性を示しているのかもしれないですね。
そうかもしれないですね。
言語は生きてますから。
あなたはこの英語のダイナミズムどう捉えますか。
今回のこのお話があなたの英語への見方を少しでも深めるきっかけになったら私たちも嬉しいです。
いかがでしたでしょうか。
驚きですよね。
この短い時間で英語語医師概論がつかめてしまうというわけですね。
ここから入って、あとは詳しいところはですね。
音声ではない別の資料を見るなりして理解を深めていくことができる。
学びや情報収集に新たな方法が付け加わったと言ってもいいんではないかと思いますね。
さらに精度はどんどん上がっていくかと思いますので、このサービス、他のプラットフォームからも提供されてくるんではないかと思いますので、注視していきたいと思います。
音声発信をしている者にとって、これは脅威でもあり喜びでもあるということでですね、皆さんもアンテナ張っていっていただければと思います。
それではまた。