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英語史つぶやきチャンネル、英語史研究者の堀田隆一です。 最近ですね、界隈で英語史関連の音声配信、なかなか勢いづいているところですね。
最近の面白いところでは、川上さんがですね FUN のファン
楽しみという名詞なんですが、これが形容詞として使われるようになってきているという話をされてですね、これを受ける形で日本語のカタカナのファンですね
アイドルのファンという時のファンなんですが、これは FUN だっけ?それとも FAN だっけ?という単語クイズ、英語史クイズという形で、今度はりりみさんがお題を振ってきたんですね。
いい感じでディレイが続いています。 そこで答えとしてはですね、ファナティックの略としていわゆるファン、熱狂的なファンというのがあるので、これは FUN ではなく FAN のことです。
というところでですね、りりみさんの配信が終わったところなんですが、これ流れが続いてきていますので、なんて言うんですかね、しりとりと言いますか連想ゲームみたいな形ですね。
これ私も継いでいきたいなというところで、FAN、ファンから始めたいと思うんですね。 これアイドルのファンという意味のファンもありますが、もう一つ英語には FAN のファンがあるんですね。
これは扇、内輪、扇風機、あのファンですね。 Electric Fan と言いますと扇風機になりますが、これ語源調べると面白いんですね。
実はかなり古くからある単語なんです。 古英語にすでに FAN に相当する単語がありまして、当時はですね、「み」の意味ですね、「通み」ですね。
穀物を振り分けるための道具ですよね。 風を利用するということで風と関係するんですが、それがですね、古英語に実はあるんですよ。
そして中英語機になって、風絡みでですね、扇、内輪という意味を発達させて、現代に至るということなんですね。
もともとは農具としてのみを指すということで、古英語からあった。 で、古英語の FAN に相当する単語は最初から英語にあったのかというと、そういうわけではないんですね。
実は釈用語なんです。ラテン語から入ってきたんです。 ラテン語の元の形は VANUM と続いた VANUM だったんですね。
V の文字があるわけなんですが、英語に入ってくる際にはこれが無声音化して F の音で受け取られたということなんですね。
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これが現代の FAN に繋がるということなんです。 一方でですね、せっかく F と無声音で英語は受け取ったのにですね、
イングランドの南部方言では F の音が生まれて有声化して V の音になるという、そういう地域があるんですね。
この地域の方言ではこれが VAN と綴られて、結局 VAN となって伝わってくるんですね。
いわゆる方言なんですが、これがひょんなところで標準語にも入ってきたので、現代英語にもですね、ちゃんと VAN で綴る VAN があるんですよ。
これもやはり見、遠見の意味もありますし、さらに風車の風受けの意味もあるんですね。
まあ似ていると言えば似ている単語です。ということで現代の英語には FAN と VAN が同系統の単語として2つ並び立っているっていうことなんです。
ちなみに V A N と書く VAN の方ですね、これはトラック VAN の意味でも使われますけれども、これはまた別語源なんです。
こちらは CARAVAN の省略形なんです。ということでいろいろ単語がつながっていきますね。
ヘルカツ単語リレーでした。
ウェスハウ!