イギリス英語と日本語の違い
おはようございます。英語の語源が身につくラジオ、heldioのパーソナリティ、そして英語の歴史を研究しています。堀田隆一です。
8月3日、水曜日です。いやー、東京地方はですね、昨日、8月2日も37度まで出たんですかね。
もう、体と脳みそがとろけそうな感じの暑さだったんですけれども、皆さんのお住まいの地域では、いかがでしたでしょうか。酷暑となっているところが多いと思います。
さて、本日の話題はですね、リスナーさんからの昨日いただいたコメント、ご質問に基づいてお話ししたいと思うんですね。
お題は、イギリス英語 fortnight 2週間の語詞ということです。本日もよろしくお願いいたします。
ここ1週間ほどですね、数字に関する話題、数詞に関する話題ですね。これを多く取り上げているんですけれども、それに対していただいた質問、コメントに対してですね、
昨日、コメントバックするという回で放送、配信したんですけれども、さらにそれを受けてということで、リスナーのマリーさんよりコメントいただきました。ありがとうございます。
問い語の説明のところ、日本語との語順の違い&思考プロセスの違いの話ですが、私は仕事でスケジューリングのやり取りをメールですることが多いため、日付・曜日の順の違いがいつも気になります。
曜日より日付の方が大切でしょうといつも思っています。なぜ曜日から入るんでしょうかということで、確かに英語では曜日から入るっていうことになってますよね。
例えば本日の日付であれば、It's Wednesday, the 3rd of August, 2022のように言うわけで、まず最初にWednesdayというところから始まるんですよね。一方で日本語の場合は、今日は2022年8月3日水曜日ですという言い方になるんですね。
全てが反対ということでは、昨日のコメントバックにもお話したように、まずそもそも名前が生と名とで、日本語と英語を比べると逆転しているし、さらに住所の書き方というのも日本語の場合は広いところから狭いところ、最後に何々番地みたいなところですね。
それに対して英語は狭いところから行って広くなるという、全く鏡写しのように反対なんですけれども、この日付の動点の仕方っていうんですかね。これも確かにマリーさんがおっしゃるように、全て曜日も含めて反対になっているっていうのはとても面白いですね。
これ深く考えたことがないんですけれども、この全体的に裏返しの関係、鏡写しの関係になっているというところは、やっぱり何かあるんだろうなというふうに思いますね。
これ全く英語式的な観点からではなくて、英語式的に調べたことは私もないので、いずれ関心を持って見てみたいなと思うんですけれども、きれいに曜日も含めて逆転してますよね。
日本語の場合、最後に括弧で括弧水曜日、水みたいな言い方をすると思うんですけれども、特に現代の、今日お仕事のメールのお話っていうようなところだったんですが、日にちを完全に童貞するっていうことは打ち合わせだったり、あるイベントの日取りだったり、仕事上めちゃくちゃ大事なんですよね。
時間とともに日々っていうのは、これ間違えてはいけないものの代表例なわけなんですが、私もよくあるんですが、日にちはあってるんだけれども、曜日は間違えているっていうようなことで、間違えましたすいませんとか、逆ですね、曜日はあっていて日付は間違っていたみたいなミスってあったりするんですよね。
ある種、日にちを指定すれば、自動的にカレンダー上曜日も童貞できるので、冗長、リダンダントな感じはするんですが、逆に両方ピタッと一致している。先ほどミスもよく起こると言ったんですが、その裏を書いてミスがよくあり得るからこそ、そこがきっちりしっかりと日にちと曜日があっていれば、間違いはないと言いますかね。
ダブルチェックみたいな働きをしているのかなと。現在の日にち時間にうるさい世の中にあっては、これでダブルチェックしているっていう、そういう機能があるんじゃないかと思うんですね。
なので、かっこ、すいみたいに。かっこっていうのは、それなくても童貞できるんだけども、プラスアルフは情報があると確実だよね、みたいな。そんな形で日本語の場合、かっこをつけて表記上ですね。口頭で言う場合も最後に水曜日とつけたりするっていう感じかと思うんですね。
機能的にはそういうことなのかなというふうにうっすら感じているんですけれども、それが鏡写しにすべてひっくり返るという理屈で言えば、英語でかっこつきなのかもしれませんが、Wednesday, the 3rd of August, 2022みたいのはあり得るのかなということですね。
完全に鏡写し理論にのっとった説明で、英語式的な発想ではないんですけれども、これ改めてご指摘いただいたので考えてみたいなと思います。住所とか名前だけでなく、日付の言い方も同じなんだっていうご指摘だったと思いますね。これ非常に面白い視点っていうか、深く考えたことがなかった視点ということでありがとうございます。
Fortnightの語源
もう一つ同じマリーさんからコメントをいただいています。ありがとうございます。読み上げてみます。
先日の対談の中でFortnightlyの語源を知りましたが、会議のスケジューリングの会話やカレンダーアプリへの入力の仕方、インビテーションの書き方に関し、オーストラリアから入ってくる通知はFortnightly、日本から自分たちがいつも使うのはBi-Weeklyという違いがあります。
観光物はBi-Weeklyで、週に2回という意味もあるようで、Fortnightlyの方が5回は避けやすいように思いますが、日本側ではWeekly、Bi-Weeklyが分かりやすく、少し悩ましく思います。
ということで、Fortnightlyという表現とBi-Weeklyをめぐる表現の仕方の違いということなんですけれども、こちらマリーさんからいただいた先日の対談と指摘があった、この先日の対談というのは具体的に言いますと、
7月28日に配信しました、423回の話だと思うんですね。寺沢淳先生との対談、英語の標準化の歴史と未来を考えるという、こちらの対談の中で寺沢先生がFortnight、2週間を意味するFortnightが、
イギリスでは非常に普通に使われるけれども、アメリカ英語ではこれはあまり使われない。基本的には2weeksというわけですね。なので、Fortnightっていうのはある意味、イギリス英語限定のイギリス方言の単語なんだということで、世界的な文脈、つまりアメリカ英語もイギリス英語もなく、
世界的なリンガフランカとして英語が国際的に用いる文脈では、このFortnightっていうのは分かる人と分からない人がいるっていうことになるので、あまり使われない傾向がある。何々英語に特有の語法とか表現っていうのは国際的な文脈では使われなくなるっていう、そういう文脈で話しに出たのが、このイギリス英語的なFortnightという話だったんですね。
そちらの対談へのURLを貼り付けておきますので、そちらもお聞きいただければと思いますが、次のチャプターではこのFortnight、これに迫りたいと思うんですね。このFortnightというイギリス英語で2週間を意味する単語についてはいろいろと話題トピックがあるんですけれども、まず順当に語源からいってみたいと思うんですね。
この語源は14の夜ということで、それが2週間になるっていうことは自明だと思うんですね。語源的には結構古くてですね、小英語の時代からこの単語は存在しています。
という形でまさにForteen Nightって言い方なんですね。これは一種のもともとはフレーズなんですけれども、このNichtっていうのはこれがNightなんですけれども、ここに特に当時Sついてないんですね。
Fourteenですので、当然複数形なんですよ。ところがNichtみたいに、例えばNightみたいな言い方をしていないのは、小英語ではこの単語は女性名詞だったからなんです。女性名詞とか男性名詞っていうのがありまして、男性名詞は割と典型的にこのSがつくんですね。これが現代の複数形のSの起源なんですが、女性名詞には決してSつかないんです、複数形でも。
Sの代わりに母音語尾で複数形を表すっていうのが典型なんですね。その母音も弱いので、結局落ちてしまうっていうこともあったりして、結局ですね、このFourteen Nightも最後にSついてないっていうのは、小英語の時代からの名残です。
フェーウェルティーネ・ニットという、事実上無語尾の形で、これで複数形なんですね。なので、一種単複動形みたいな形になっているんですけれども、これが今の今まで残ってFourteen NightというふうにSがつかない格好になっています。
そしてこのフォーツっていう部分が、結局フォーティーンっていうのがどんどん包まって、語尾のティーンの部分ですね、イーンという部分が最終的に消えてしまったっていうことなんですね。中英語ぐらいにはフォルテニットみたいな、フォルトの後にイー語尾があってですね、一応まだ三音節だったんですが、それすらも消えてしまって、今ではフォートナイトというふうに二音節になってしまったということですね。
よく使われる表現で、この数字画からの表現っていうのはやっぱり寛容的な表現が多いので、どんどん包まって寛容化してしまう、イディオム化してしまうということで、こういうふうに語形も短くなるっていうことが多いんですね。なので、フォートナイト、これが現在に伝わっているっていうことです。
それから、あまり知られていませんが、1週間を表すのは今度はセブンナイトっていうことになりますが、これもあったんですよ。1週間、セブンナイト、そしてこれがどんどん包まってセナイトという表現は、今ではフォートナイト以上にこうふうで使われないんですけれども、一応大きい辞書には載っています。
SEN、これでセブンが包まったものですね。そこにそのまま空白も配分も入れずにナイトと書く。セナイト、これで1週間っていう意味ですね。これがあったりするんですけれども、さすがにこれはですね、もうウィークという歴史としたちゃんとした単語が確立していますので、あまりセナイト自体は出る幕がなくて、個々として事実上ほとんど使われないっていう状態です。
ただ、フォートナイトっていうのはイギリス英語では少なくとも現役で、いまだに2週間、2weeksの意味で使われています。この単語はアメリカにも渡ったんでしょうけれども、一般化することなく、より分析的なと言いますかね、分かりやすい、誰にも分かる表現としての2weeksという表現、こちらのほうがアメリカ英語では一般的になったということになります。
夜を基準にした数え方
ちなみにですね、このフォートナイトにせよ、セナイトにせよですね、2週間、1週間を表すと、14日、7日を表すっていうことで、一見するとスッと入ってきそうですが、ここ一つ突っ込みを入れると、なんでナイトなのという突っ込みがありますね。
dayじゃないのっていうことです。
普通日で数えるではないかということなんですが、これは小英語の時代には1日をですね、もちろんdayで数えるっていうのも一般的なんで普通にあるんですけれども、今回のこのフォートナイト、セナイトに代表されるように、夜で数えるという言い方もあるんですね。
夜を超えると1日が変わるということで、これはこれで発想として、考えてみると自然な気もします。
一方で日、dayっていうのは、もともとナイトに対するdayっていうのは昼間のことなんですけれども、一般化して昼間だけじゃなく、昼も夜も合わせた、いわゆる1日という意味で広く使われる単語なので、今ではdayがですね、一般的に昼だけじゃなくて、一般的な日を表すということになってるんですが、逆の発想でnightというものも、ある意味1日の象徴部分で、
はありますので、象徴だという考え方もあったようで、これがフォートナイト、セナイトという表現の背後にある発想ということだと思うんですよね。
インとヨウで言えば、夜は当然インの方なんですけれども、インをもって全体を代表するっていう、なかなか面白い発想法が、今現役ではないですけれどもね、こういった形で、公英語の由来の単語の中に潜んでいると、そういうふうに見ることができるかなと思うんですね。
これに関しては、実は関連してですね、1年を表すのに、yearという表現を使うわけなんですが、公英語では、非常に普通にですね、winterという、1年の中の1季節に過ぎないwinterをもって、この冬ではあるんですけど、広く年を表すことができるんですよ。
なので、例えば80winters oldみたいな言い方ですね。これ80歳っていうことで、yearsと同義語になります。なぜ1年を代表させるので、あえてインとヨウで言えばインのwinterを使うのかっていう、なかなか面白い話なんですが、これ先ほどのdayじゃなくてnightで代表させる1日の言い方もあるんだっていうところと、引っかかってくる、関連してくるようで非常に面白い話だと思うんですね。
このwinterが冬だけではなく、年を表すんだというこの話題につきましては、実はこのVoicyでもですね、だいぶ前になりますが、第69回で扱っています。よろしければそちらへのリンクもこのチャプターにありつけておきますので、併せて聞いていただければと思います。
どうも、アングロサクション、小英語の時代にはwinterとかnightとかですね、インっぽいものを使って全体を代表させる1年とか1日とか、こういう用法があったかのようなね、思わせるような2つのエピソードということになります。
最後にイマリーさんからいただいた指摘の中で、bi-weeklyという、これがですね、2つ意味があって非常にアンビギュアスであると。これ、2週間に1編という考え方と、それからbi-weeklyということで、1週間に2回ということですね。
これだいぶ違うことですので、しっかり分けたいんですが、2つの解釈があるっていうことで、使いづらいと言いますかね、正式な場では誤解を招くので、誤解を招かないような言い方に直すのが適切であるっていうことが、大体の誤報辞典を調べるとですね、これ出てくるんですね。
なので、週に2回という意味で使いたいなら、twice a weekとかtwice weeklyなんていう言い方が望ましくて、さらに2週間に1編ぐらいの意味で使いたい場合にはevery two weeksとか、まさに今日紹介したfortnightlyですね。
リーをつけた形で形容詞化するっていうことですね。こんな言い方のほうが望ましいというふうに、いろいろ誤報辞典調べますと、だいたい載ってますね。誤解がないほうが良いということです。
もう一つ、誤末のリーについてなんですけどね。bi-weeklyにしてもfortnightly、普通リーというと副詞語尾っていう頭が皆さんあると思うんですね。
ですが、このように時間表現って言うんですかね。期間表現と言った方が適切かな。weeklyとかfortnightlyのような、daylyのようなあれですね。期間を表す時間の長さ、期間を表す名詞にリーがつく場合には、実は形容詞になるんですね。
ただ、副詞用法もあります。つまりdaylyというと日々のって意味もあるし、日々につまり毎日という副詞の意味もあるので、両方あるんですけれども、典型的に形容詞の意味にもなるんだという、このリーの使い方を押さえておきたいところですね。
例えばhourlyというと毎時のとか1時間おきのという意味になりますし、時間表現、期間表現ですかね。と一緒に用いられるリーというのは、副詞にもそのままなるんですけれども、形容詞としての使い方っていうのが主だということですね。これも覚えておきたいポイントです。
英語の拡大に関する講座
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきまして、本当にありがとうございます。リスナーのマリーさんからいただいたコメント、質問を元に、今日はFortniteを中心にお話ししました。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、ご意見ご感想ご質問、そしてチャンネルで取り上げてほしいトピックなどをお寄せいただいています。
ボイシーのコメント機能あるいはチャンネルプロフィールにリンクを貼っています。専用フォームを通じてお寄せいただければ幸いです。できるだけそちらを取り上げて反応するという形で話題を提供していきたいと思いますので、皆さまぜひよろしくお願いいたします。
チャンネルをフォローしていただきますと、更新通知が届くようになります。フォローの方もぜひよろしくお願いいたします。
番組の最後に講座のお知らせです。
朝日カルチャーセンター新宿教室にて、今週の土曜日になるんですけれども、8月6日土曜日です。
午後3時半から6時45分にこの朝日カルチャーセンター新宿教室にて、いかにして英語は拡大したのか、世界的に拡大したのかというこの話題で講座を開講します。
これは全4回のシリーズ講座の第2回という位置づけなんですね。シリーズ全体のタイトルは英語の歴史と世界英語ということで、既に第1回講座を6月11日に開いております。
その際の話題は世界英語入門ということで、その続編ということにはなりますが、1回1回独立性の高い講座ですので、
第1回目に出席していないという方も全く心配いりません。第1回の内容もざっと復習しながら、新しい第2回の講座としていかにして英語は拡大したのかという、
これは近代史ですね。英語が近代期に世界に拡大していくその流れを追うという回になります。
講座の形式としましてはハイブリッドということで、新宿教室にて対面も行いますし、その対面の様子をZoom越しにリアルタイムでオンライン参加もできます。
さらにそれをビデオでレコーディングしておきまして、そちらを無効1週間ですかね、視聴できるような形にもなっておりますので、ある意味ではオンデマンドでも視聴できるという様々な形で参加できますので、
この話題ですね、英語の世界的拡大であるとか、現在以上に話題となっている世界英語ワールドイングリッシーズという現象ですね、これに関してお持ちの方はぜひ参加を検討していただければ幸いです。
このチャプターに案内のURLを貼っておきますので、そちらから講座について詳細をですね、情報を得ていただければと思います。
講座の骨格と言いますかね、お話する内容はもう大体定まっているんですけれども、細部をどうしようかということで、最後の詰めを今整理しているところなんですけれども、基本的にはですね、4つの視点から考えてみたいなと思っているんですね。
この英語の拡大という問題なんですけれども、まず世界的に地理的に空間的に拡大していったという模様ですね。そして拡大した結果ですね、各地で新しい英語、その土地独自の英語が生まれ始めているという状態。
こうして様々な何とか英語、何とか英語っていうのが隣立した状態で、その中にある種序列ができてくるっていう、そういう段階があるんですね。そして最後に世界語としての英語の標準化と非標準化というような話題ですね。
この4本立てぐらいで講座を組み立てたいなということで、今細部を詰めているところです。ぜひ参加される皆さんとディスカッションタイムも設けたいと思っています。
さて、それでは8月3日水曜日始まりますけれども、皆さんも暑い中お元気でお過ごしください。ほったりうちがお届けしました。また明日。