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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。 今日は11月6日、日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
dealの原義と意味
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。本日は deal と part のイメージは分け与えて共有する
と題してお届けします。どうぞよろしくお願いいたします。 今日取り上げる単語は deal と part という一見すると結びつかないような単語かもしれませんが、これが非常にイメージが似てるんですね。
型や deal っていうのはゲルマン系の本来語です。そして part というのはラテン語パルスから来た外来語、釈用語っていうことなんですね。
英語にたどり着いた経路こそ異なるんですが、この2つ非常にイメージが似てるんです。 あまりピンとこないかもしれませんが、今日の放送を聞くとですね、こういうことかとわかると思うんですね。
ではまず本来語の deal から言ってみたいと思います。 deal と聞いてですね、皆さんどんな意味をまず思い浮かべるでしょうかね。
deal with という動詞の熟語を覚えた方も多いと思います。何々を扱うとか何々を処理するとか誰々と取引するみたいな言い方ですね。
おそらくこの deal with っていうのが一番よく出てくる deal の使い方なんではないかと思われるんですけれども、これはですね意味が発生してこういう意味になってるんですね。
原義からは意外と離れてるんです。 じゃあ元々は何なのかと言いますと、
小英語で the run という形の動詞だったんですけれどもね、これ意味は分け与える分配するという意味なんです。これが原義なんです。
例えば食べ物を想像するといいと思うんですが、これを一人一人に分配する分け与えるということですね。
あげるという意味合いになります。ただ分けてあげるというところがポイントですね。 要するに分配するということです。
この意味がよく現れているのはトランプのカードを配る、そしてこの配る人のことをディーラーって言いますよね。
まさにここに残っているわけなんですが、原義がしっかりと残っています。分配する、みんなに配るということですよね。
もう一つですね、みんなにあげるということなんですが、このみんなの部分が抜け落ちてしまって単にあげる、与えるというふうに特化していくと、
これはgiveに限りなく近い意味になります。そしてdeal a heavy blowみたいな強力な一撃を加えるみたいな時ですね。
deal a blowとかdeal a punchみたいな言い方があります。この場合giveに限りなく近いですね。
さあ、元に戻ってみんなに分け与えるというところですね。このみんなという側面、むしろ強調するとみんなで共有するって意味になりますね。
そして共有するっていうことはある一つのことに、みんなで関与するっていうことです。そして参加するという意味も出てきます。
この参加するの意味は途中で芽生えたんですが、今までになくなってしまって、現代ではdealで参加するという意味は表せないんですけれども、昔は可能だったんですね。
そして何に参加するかっていうところで、これ戦いに参加するっていうことになると、相手と戦う、相手との戦いに参加するっていうことでdeal withとなります。
withの後に戦う相手、敵が来るわけですね。つまり誰々に対抗して戦いに関与する、加わるほどの意味になります。
したがってこのwithはどちらかというとagainstの意味ですね。誰々に抗って、誰々に対抗してぐらいの意味になります。戦争の話ですから。
それが戦争だけでなくなって、例えば対処するべき事柄、ビジネスでもいいでしょう、ある種の問題でもいいでしょう。そこから対処するという意味が生まれるわけですね。
何々を取り扱うという非常に一般的な意味へと発展していき、冒頭に挙げたdeal with、これで一番よく使うわけなんですけどね、この動詞は。
deal withというのは、もともとは何々に対抗する戦いに参加すると。こんな意味から発展してきたっていうことなんですね。
名詞としてのdealの使い方
さて、動詞のdealを見てきましたけれども、小英語からすでにですね、名詞形も存在します。
dellと言ったんですが、これが現代の名詞形のdealに相当します。どういう時に名詞のdealを使うかと言いますと、
a great deal ofとか、a good deal of、大量の何々っていう時に使いますよね。
例えば、we have a great deal of rain in June and July in Japanみたいな言い方するわけなんですけれども、このdealって取引関係ありませんよね。そうではなくて、分配された分け前としての部分、一部っていうことです。
この部分がgreatだったりgoodだったり大きいという表現になるわけですね。なので、a great deal of rainというと、大量の雨ということになります。
このdealはしたがって部分、分け前、他の英単語で言えばshareであるとか、まさにこれから使うpartということになるわけです。
ちなみにですね、少し母音が変わってdollっていう単語があります。dollと綴るんですけれども、あまり使われないかもしれませんが、これはですね、施し物とか分配物という意味があります。
そして、わずかなもの、まさにa small dealぐらいの意味で使われるこのdollという単語もありますが、これも語源的にはdealと共通ということになります。
さて、deal関連はこの辺にしまして、次にpartに行きたいと思います。これは先に述べましたようにラテン語parseから入ってきた部分という意味の単語なんですが、先ほどのdealはゲルマン語って言いましたね。
なのでルーツとしては全く異なるんですが、イメージがピタッと揃ってるんです。英語にもたくさんのpartに関する単語がラテン語あるいはフランス語を経由して入っていますが、使い方結構似てるんですね。
まずそもそもがpartですから部分一部ということで、dealの名詞的な使い方と重なるっていうことはわかると思うんですね。part、一部、部分っていうことです。
とするとですね、もともとやはり分け与える部分にしてそれをみんなに分け与えるというところから来ていますので、このみんなで共有という部分を強調すると、そこに預かる、参与する、加わるという意味がやっぱり出てくるわけですよ。
結局共同体のイメージなわけですね。
とすると、皆さんもご存知の通りtake part in〜に参加するということになります。分け前を取るっていうことは、その共同体にもう入り込んでいるっていうことになりますからね。
そしてtake partの部分をひっくり返して一つの動詞にしてしまうとpartakeという表現になります。
前置はやはりinですかね。partake inで〜に参加するっていうことです。
さらにpartake ofというと〜を食べる、飲むということで、これも結局ですね、ある食事を共にする、ある食事に共に参加するということになりますので、まさに食べ物の比喩っていうのがわかりやすいと思うんですね。
さて、takeに対応するラテン語はcapereという単語なんですが、これをpartの後につけてちょっと発音が変わるとこれがparticipateになります。participate inこれもやはり参加するです。
そして面白いのがparticipleという単語があります。present participle、past participleと言いますと、これ文法用語で現在分詞、過去分詞ということなんですが、分詞って言ってますよね。これまさに分ける言葉って書くじゃないですか。
日本語で分詞って言ったとき、何を分けてるんだと。よくわからなかったかと思うんですが、これではっきりします。英語ではparticipleこれを訳したわけなんですけれどもね。分け与える。
じゃあ、実際に何を分けたのかと言いますと、今までの議論でわかる通り、分け与えるということは、そのコミュニティに参加している、関与しているということなんですね。
そして現在分詞も過去分詞も片足を動詞の領域に突っ込んでおきながら、もう片足は形容詞の領域に足を突っ込んでるんですね。
言葉の意味と背景
2つの品詞にまたがっている、両方に分け前を与えていると考えてもいいですし、両方に関与している、参与しているというふうに考えてもいいです。
どっちつかずの品詞だよっていうことで、分詞。
日本語の分っていうのは、どうしても分ける、分割するというところに力点が置かれてしまいますが、英語の場合パートであるとかディールは分け与えると共有する。これがドッキングしたイメージなんですね。
コメント返しです。リスナーのマリーさんよりいいコメント、質問いただきました。読み上げます。
先日、翻訳の問題で、前置の後にザッとは来ないので、このhowはザッとの代わりという文法が含まれた文に行き当たりました。こんなルールあったっけと、今さらですが、軽く驚きました。
分かってなかったので、案の定変な訳をつけてしまいましたが、このルール、現在の英語でも生きてますか?それとも崩れつつあるなど変化はあるでしょうか?
これについて、具体的な文ですね。いただけますか?と言ったところですね。
The very exciting stories of how millions were made and lost by manipulating the markets are to be found only in his diary。
というような文ですね。
The very exciting stories of how…とあって、いかに何々したかというとてもエキサイティングな話というのがですね、直訳としてはそうなんですが、このhowがいかにしてという強い意味は持たずに、せいぜい言い換えればthatに近いというぐらいのですね。
そのぐらいに解釈するのが良いというような指示があったということかと思うんですね。
確かにこの手のですね、限りなく意味の弱いhow、いかにしてとかどのようにというのが本来の意味なんですが、それが限りなく弱まると事実上thatに近くなる。
ただ確かにですね、おっしゃる通り、この文脈環境で統合環境でthatを使うことはできないので、ofの後ですからね、howと差し替えてthatの代用とするみたいなことですね。
こちら、具体的な例を挙げていただいて思い出したんですけれども、これ私も気になることがあって、以前調べてみようかなと思いつつ、調べていなかったのかなと思います。
このHeldioでもお話ししていませんし、ブログの方でも確か書いていなかったと思いますので、少しだけ調べてみた結果をお伝えするということなんですが。
まずですね、このofの後、前置の後にhowが来ているということで紹介いただいたんですが、これはある意味では派生的に出てきたもので、よりよく用いられるのは、もっと別のところにあるんですね。
例えば、いくつか挙げてみたいと思いますが、
この部分もthatならthatでいいんですよね。
限りなくhowの意味は弱くて、事実上、thatに近くなっているということです。
ただし、しらっとですね、howの原理が残っている感もあったり、あるいは勢いがあったりするので、口語的にはよく使われるのではないかということです。
他にはですね、
のような文ですね。
で、いいところなんですが、howと差し替えているということですね。
この限りなく弱いhow、thatと言い換えても良いくらいの使い方のhowというのは、最近のものではなくてですね、私も古い英語を読んでいて、こういう使い方あるなというのはうすうす感じていたんですね。
今回のご質問で調べてみて明らかになったんですが、古くからあります。いわば古英語期からあります。
ある意味では、howの強さの問題ですので、いわば読み込み方の問題ですので、読み手によって多少受け取り方は違うかもしれませんが、how、いかにしてと訳すとちょっと強すぎるかなというような例文にはずっとあってきたような気がするんですね。
中英語以降もですね。
オクスフォードイングリッシュデクショナリーによりますと、古英語から見られるということですので、この用法自体はどうもずっとあったと。
ただ、その頻度であるとか、使い方であるとか、口語的なのか、文語的なのかというような、この辺りについてはもう少し詳しく調べないとわからないところではありますが、
文脈によっては、howの意味が強く出てこない、そういう例はいくらでもありそうだと、そういうことになります。
マリーさん、ありがとうございました。
リスナーからの質問と考察
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日のdealとpartのイメージという話題ですけれども、この英語の語源が身につくラジオにふさわしいと言いますか、らしい話題だったではないかと思います。
dealという動詞あるいは名詞の様々な使い方であるとか、あるいはpartとか、partを部分的に含んだ別の動詞であるとか、その他の単語にも広がっていくような話題ということですね。
大元には分け与えて共有するという発想があったということですね。
日本語にも分けるに対して分かち合うという言い方があったりしますが、例えば食べ物なんかを分けるっていうのはコミュニティが存在していることは前提とされてるんですね。
だから参加するとか関与するという意味が出てくる。
いかにも人間らしいと言いますか、人間社会を前提とした意味を持つ単語であるかということが分かったのではないかと思います。
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ほったりうちがお届けしました。また明日。