2025-04-25 07:31

hellog-radio #51. Johnsonなどに現われる-sonとは?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #人名 #名前学 #父称
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サマリー

英語の人名に見られる「-son」の語源は、父称の伝統に由来しており、北欧の影響を受けています。特に、JohnsonやJacksonなどの姓は、親の名前に基づく家系名の一例として広く使われています。

英語の人名における-sonの意味
英語に関する素朴な疑問。 英語の人名、Johnson、Jackson、Dicksonなどに現われる-sonとは何ですか?
英語の人名には、確かに、なんとかsonという風に現われるものが、たくさんあります。 表題で挙げたものの他に、Anderson、Davidson、Dickinson、Edison、
Emerson、Harrison、Hudson、
Jefferson、Larson、Madison、Robinsonなど、多数挙げることができます。 このsonというのは、一体何なのかということですね。
これは、勘のいい人は、もうすでに気づいているかと思いますが、この息子のsonに相当します。 このsonを取っても、大体通用する名前が多いですね。
Johnsonに対してJohnですね、Jacksonに対してJack、Dicksonに対してDickのように、名前として通用するものが多いわけです。
ということは、このJohnとかJackとかDickの息子なんだということになりそうです。 ただですね、John、Jack、Dickというのは、いわゆるファーストネームになりますが、
Johnson、Jackson、Dicksonというのは、典型的には、性、いわゆるラストネームにあたるわけですよね。 このあたりが、どうも不思議な感じがします。
これはですね、こういうふうに考えるといいと思うんですね。 このsonというのは、息子という意味ですよね。
息子、あるいは孫息子と言いますか、男性系の、男系の、いわゆる家系を継いでいく人なわけですが、例えばですね、
John、未だ性、ファミリーネーム、ラストネームを持っていない、低い身分のJohnという人がですね、ある時、独自の性を設けて、新しい家系を築こうと、
新しい家柄を作っていこうと思った時に、じゃあその名前、性ですね、ファミリーネーム、ラストネームを何にしようかと思った時に、一番単純なのは自分の家系であると、自分が初代である、始める家系であるということで、このJohnの名前を入れたい。
そして、Johnに続く家系だと、特に男系で続けていく場合には、Johnの息子、Johnの孫息子、
Johnの、男系の家系という意味で、さんという単語を持ってきて、ジョンソンとしたということが考えられます。これは非常にありそうなことなわけですよね。
これ実は、実際にありそうなだけではなく、実際にある、非常に広く行われた名付け方で、これを父の称号ですね、父の名前ということで、夫称、英語ではpatronymというふうに呼んでいます。
ですが、これ面白いことにですね、この何とかさん、孫と書いて何とかさんという、この父称というのは、英語本来の漢習ではないんです。これはバイキング、北欧の言語の漢習で、北欧でも同じ英語と同じゲルマン系ですから、息子のことはさんというわけなんですが、もともと北欧で起こった父称の伝統なんですね。
それが、8世紀半ばから11世紀にかけて、北欧のバイキングにイングランドが襲われたときに、そして言語的、文化的な影響を大いに受けたときに、どうやら北欧の文化から譲り受けたある種の漢習であるということなんですね。
英語では、それ以前は、実はこの何とかさんで付ける名前を付けていくという漢習はなかったんです。なので、これは北欧のものと考えることができるんですね。
父称の伝統の広がり
では、本来、その北欧の影響を受けて何とかさんという名前を付ける以前には、英語には父称の伝統はなかったかと言いますと、そういうわけではありません。実際ありました。
ただ単語が違かったんですね。さんではなくて、ing、単語というよりも節微字というべきですが、実はingというのがですね、これ何々の子孫、何々の息子ぐらいの意味がありまして、例えばブラウンさんに対してbrowningというような例がありますね。
これが実は本来の英語の父称はingなんです。そして北欧語から借りたのがさんということで、今ではこれが最も幅を利かせているということですね。そして表題のジョンソン、ジャクソン、ディクソンなどです。
ちなみに北欧でももちろんですね、その後もこの父称の伝統はありますので、何とかさん。少し北欧的に母音が変わってせんが多いですね。例えばアンデルセンがそうですね。これアンダーさんの息子、家系ということです。英語的にはアンダーソンということになりますが、これは同じことです。
さらにスコットランドでもあります。これはですね、接頭字としてマックというのをつけます。ですからアーサーさんの息子の家系ということでマックアーサーになりますし、ドナルドさんの家系ということでマクドナルド、ミランさんでマックミランとなります。
アイルランドでは接頭字ですね。これはオウっていうのをつけます。ブライアンさんに対してオブライアン、コーナーさんに対してオコーナーというような形です。ウェルズ語ではアップという接頭字をつけます。これはですね、ハウェルさんに対してアップハウェル、これが少し短くなってパウェルになりますね。ハウェルに対してパウェルです。
フランス語でもあります。これは息子のことをフィスと現代のフランス語で言いますが、当時のフィッツですね。これを接頭字につける。つまりジェラルドさんに対してフェッツジェラルド、ウィリアムに対してフェッツウィリアムという形です。
他にヨーロッパ、広くこの府省という観光は行われてまして、ロシア語では皆さんよくご存知のなんとかヴィッツですね。イヴァンさんに対してイヴァノヴィッツということになります。ポーランド語、これも皆さんご存知なんとかスキーという接頭字です。マリノフに対してマリノフスキーというような形。
そしてヨーロッパから飛び出してアラビア語圏ですね。これはイヴンという接頭字をつけます。イヴンバトゥーター、イヴンスイナーのような形です。このようにヨーロッパあるいはそれよりもさらに広い範囲で、この府省という伝統は非常に広く見られたわけですね。
英語の場合、最も定着したのがこの北欧由来のサンということで、現代の英語の人名にも広く見られる設備字となっているという次第です。この府省の話題に関しましては、ヘログの1673番、そして1937番の記事をご覧ください。
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