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2025-03-05 10:00

heldio #228. 派生語や複合語ではもとの長母音が短くなる

#英語史 #英語学習 #英語教育 #派生語 #複合語 #母音 #音変化
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サマリー

英語における派生語や複合語では、元々の長母音が短くなる現象について論じられています。具体的な例として、チャイルドやヒーエスなどの言葉が取り上げられ、この傾向がさまざまな視点から解説されています。

長母音の短縮に関する導入
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、派生語や複合語では、もとの長母音が短くなる、
という話題です。長母音や二重母音、平たく長い母音ですね。
長い母音を持つ単語があって、それに何らかの語尾をつける場合ですね。 これは屈折であれ、派生であれ、他の単語が来て複合語を作る場合であれ、
とにかく後ろに何かが来て、全体として長い単語になる場合ですね。 こういう時に、もともとの長かった母音が短くなる、という現象です。
典型的には、すでに過去の放送で取り上げたことのある例ですが、
チャイルド、チェルドレンという関係ですね。 チャイルド、これは二重母音、長い母音を含みます。チャイルド、アイという二拍の母音を含みます。
ところが、これにレンというですね、複数形語尾をつけることによって、全体が長くなるわけですよね。 二音節になるということです。
そうするとですね、元のチャイルドの部分の長い母音がですね、短くなってイとなってしまう。
つまりチェルドレンということですね。 チャイルドなのにチェルドレンとなるのは、語尾に新たな要素が付け加わることによって、全体が長くなる。
その全体が長くなることを、少しでも軽減すると言いますかね、 するために
第一要素、元の単語ですね。元の単語の長い母音というのが短くなる。 こういうことが英単語の中ではですね、しばしば見られます。
具体例の紹介
では今回はいろいろとこの例を挙げてみたいと思いますね。 まずですね、植物のヒーエスってありますね。
イギリスを代表する植物です。 これ様々な種類がありますが、これを総称して、それにERを後ろに付けることですね。
ヘザーと言いますね。ヘザー。 このヒースの総称です。
この際にヒースにERを付けたのであれば、そのままヒーザーとなりそうなものなんですが、 先ほど言った原理ですね、二音節になりますのでERが付くことで長くなりますので、
前の長かった母音は短くなって、ヘザーという風に言い発音されることになります。 次はルーム。ルーム。長母音を持っています。部屋ですね。
これの動詞形と言いますかね、ラメッチっていう単語があります。 これ部屋の中をくまなく探し回る、引っ掻き回して探すという意味ですが、これ
ラメッチという風に短い母音ですね。ルームに対してラメッチ という形になります。短くなってますね。
それからのどを意味する。THROAT。これ二重母音です。THROAT。 ところが、のどを締めるですね。これはTHROTTLE。
後ろにちょっとした語尾が付くことによって動詞化するわけなんですが、THROATという発音がTHROTTLEという風に
短い母音に変わります。 それからHAIR。HAIR。これは、のうさぎのHAIRですね。
そしてこのウサギを追いかける専門の両県ですね。 これのことはHARRIER。ハリアー県と言いますか、HARRIERという風に短い母音になっています。
HAIRに対してHARRIERという関係ですね。 他にはですね
形容詞にTHを付けて中小名詞を作るというものがいくつかありますが、それに関わりますね。
例えばBROAD。幅広い。それに対して幅というのはBREATH。BREATHという風に短い母音が現れます。
BROADという長母音に対して、母音の音色も変わってしまいますが、後ろにTHを付けることで少し長くなります。
そのために最初の部分ですね、元の部分が縮まってBREATH。BREATHとなるわけですね。
他にはWIDEに対してWITH。WITHというのもあります。
次にGOOSE。GOOSE。ガチョウですね。 そしてガチョウのヒナ、子供のことをGOTHLING。GOTHLINGという風に
LINGという語尾を付けることによって、子供という意味を表すんですが、第一要素、元々のGOOSEの部分はGOTHという風に短い母音になります。
GOTHLINGですね。 これまでの例はだいたい派生節字ですね。
派生節字、派生語尾を付けることで派生語を作っていたということなんですが、実は屈折節字。
屈折語尾によってもですね、ちょっとだけですが長くはなりますので、その圧力によって元々の要素が、
調母音が短くなるということはあります。 例えばこれはですねREAD, READ, READであるとか
LEAD, LEAD, LEAD. FEED, FED, FED. HIDE, HID, HIDDEN.
HEAR, HEARD, HEARDなどのいわゆる不規則動詞と呼ばれているもの、不規則活用と呼ばれているものですが、これはですね、
実は語尾に過去形を表す節字であるDを付けるわけですよね。そうすると当然D、短い音ですが、これが付いたことによって元の単語よりはちょっとだけ長くなりますので、
圧力がかかってですね、その前の部分が短くなるということがあります。これいつもなるわけないわけなんですが、しばしばなることがあって、その結果ですね、
過去形、それから過去分詞形には短い母音が現れやすいということになります。READ, READ, READのタイプですね。
複合語の事例
さあ、次に複合語の例です。複合語というのは一つの単語のお尻にさらに別の単語を付け加えて、二語でもって全体として一つの単語と捉えるということですよね。
なので当然長くなるわけですよ。ということで第一要素、前半要素のもともと長かったはずの母音が短くなるという例は非常によく見られます。
一番典型的なのはですね、BREAKFASTではないでしょうかね。これFASTっていうのは断食ですよね。断食の菌を破る、これが食事する、朝ごはんを食べるということなので、
BREAK, FASTというのが本来なわけですが、これが包まって一語になるためにですね、最初の要素つまりBREAKの二重母音が短くなって、
単語になると、BREAKFAST、BREAKFASTということですね。それから焚火のことをBONEFIRE、BONEFIREと言いますが、これは実はBONEFIREなんですね。
骨を焼くというところから来ているちょっと恐ろしい語源を持つんですが、これはBONEFIRE、
もともとは二重母音BONEっていうのを持つんですが、複語の中で短くなってBONEFIREとなったわけです。
他にはHUSBANDなんていうのもそうですね。これはもともとHOOSEBAND、HOOSEっていうのはこれハウスのことなんですね。
それからNOSTRIL、これ鼻孔、鼻の穴のことですが、この最初の部分は当然NOSEなわけですね。NOSE二重母音ですが、
複語の中ではNOSTRILっていうふうに短くなっています。他に雑多な例をいろいろ挙げたいと思いますが、
KNOW、知っているの、KNOWに対して名刺形はKNOWLEDGE、KNOWLEDGEというふうに単母音になります。
それからHOLIDAY、HOLIDAYというのは休日という意味ですが、本来はHOLIDAYっていうことでHOLYというふうに二重母音が出るはずなんですね。
ところがこれが一語に包まって複語語になってしまったのでHOLIDAY、HOLIDAYと短い母音になります。
地名、人名などはこの種の母音が短くなるものの方向ですね。例えばWHITBYっていう町がありますが、これはWHITE Bなんですね。
Bっていうのは町ぐらいの意味なんですね。つまり白い町というに過ぎないわけなんですが、これが複語語になって一つの地名を表す単語になったわけですね。
そういった場合にWHITというふうにWHITEがWHITと短くなるんですね。
ESSEXという地名はEAST SEXってことなんですね。このSEXっていうのはサクソン、東サクソンということなんですね。
ESSEXというふうにEASTの部分がSだけに短くなってしまっている。同じようにSUSSEXというのもあります。
これはSOUTH SEXということです。SOUTHと二重母音なんですが、地名においてはSUSSEXというふうにSUS短い音が出ています。
ということで発声語や複語語では元の町母音が短くなる例をたくさん挙げてみました。それではまた。
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