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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
wasとwereの概要
今回取り上げる話題は、was と were の関係について整理しておきましょう、という話題です。
昨日、井上一平先生と一緒にやっていますYouTubeでですね、第9弾となるんですけれども、
井上一平堀田隆一英語学言語学チャンネルという名前の番組なんですけれどもね、その第9弾として
I wish I were a bird の were は、あの were とは別物。
わー笑いというタイトルなんですけれども、これあの井上先生が決めたタイトルで、私が決めたタイトルではないんですけれども、
こういう話になってるんですね。で、13分ほどのYouTubeの放送なんですけれども、前半からいろいろなことを実は話していまして、
この I wish I were a bird っていう家庭法の were ですね、これについて話すのは後半のことなんですけれどもね、
そこでは編集の都合で、いわゆる I wish I were a bird であるとか、If I were you っていう家庭法の過去ですね、
あの were っていうのと、例えば We were young 私たちも昔は若かった、なんていう時の普通の過去形の were ですね、
これとの関係について、別語源である、広くは同じなんだけど別語源っていう言い方で、編集の都合上いろいろと詳しく話すことはできなかったんですけれども、
このおいしーで少しそのあたりを補ってですね、性格を期した説明を施したいと思うんですね。
ということで、was と were の関係について整理しておきましょう、というようなタイトルで今日はお届けしたいと思います。
実はこのビート詞の過去形ですよね、was と were っていう2つあるわけなんですけれども、この話題については、このヘルディオラジオでですね、第36回、
これ昨年2021年の7月7日の日の放送なんですけれども、これでですね、was と were 過去形を2つ持つ唯一の動詞というタイトルのもとにお話してるんですね。
さらにはこのヘルディオの前身といえるですね、ヘログレイディオというのをやっていたんですけれども、これあの2022年、2年前の話ですね、
この10月4日に、なぜ家庭法では if I were a bird のように were を使うのですか、というまさに素朴な疑問について取り上げてるんですね。
ということで、このラジオでもですね、2回にわたって関係する話題は扱ってきたわけです。
なので、ある意味繰り返しといえば繰り返しになるのかもしれませんが、改めてですね、昨日のYouTubeの話題を受けて、それにプラスアルファ、説明を施すという意味で、改めてこの was とは、この w で始まっているという意味では一緒で、明らかに関係はあるだろうということなんですが、この関係について整理しておきたいと思うんですね。
それが今日のポイントです。
過去形の使い分け
さあまず、現代の状況から確認しておきたいんですけれども、要は普通の過去形、これ直接法過去というふうに言いますね。
これは、be 動詞を使うときはですね、I was となりますね。
そこから、you were になります。
から、he, she, it was というふうに、まず単数形列では、このように was, were, was という部分になります。
そして、複数形、形列ですね。つまり、we were、そして you were、この場合はあなたがたという意味の you ですね。この場合、you were、そして they were のようにになります。
つまり、複数形列では、were ということになりますね。
このような分布があるということは、多くの皆さんはですね、もう既に完璧に習得していると思うんですね。
ところが、これ普通の過去形の場合って言い方、つまり直接法過去という場合には、こういうことになるわけなんですが、家庭法過去。
家庭法過去の場合は、主語が何であろうと、つまり認証に関わらず、そして単数か複数かという数に関わらずですね、とにかく were を使う。
was っていうのは基本的に現れないんだっていうことになりますね。
なので、例えば if I were a bird みたいな、そういう言い方ですると、全部ですね、were なんですよ。
If you were a bird, if he were a bird, if we were birds, if you were birds, if they were birds というふうに、家庭法形列では、すべて were になっちゃうんですよ。
つまり直接法では、was っていうケースがあるわけですね。
つまり、I was とか、he, she, it was っていう、こういう時に was が出るんですが、家庭法になると、これもすべてですね、
If I were a bird とか、If he were a bird のように、were になるっていう、そういう話なんですね。
これ、大元としては確かに、語幹としてはですね、同じなんですよ。
w で始まる b 動詞ですから、違うわけはないっていうことなんですが、でも何が違うのって言ったときに、
was と were しかないので、この違いは何かと、ここに注目すればいいんですね。
これがですね、多くの人は耳で聞いてですね、あるいは通り字で見て、was と were っていうのはだいぶ違うと。
通り字で言いますと、was の場合は was が出ると。
それに対して were っていうのは w-e-r-e となると。
r が出てくると。
ボイント音色々違うっていうのは、違ったりするっていうのは、よくある話なわけですが、
シーンが違うと。
s と r ですね。
実際の発音としては、was っていう発音と、were っていう r の音ですよね。
これだいぶ違う音に聞こえますので、なんか異なってるなということなんですが、これです。
ポイントは、was っていうのは、確かに s で終わって、発音上はずって終わるんですけれども、これ後末ですよね。
その次に何も続きません。当たり前です。
ところが were っていうのは、通り字で先ほど確認したように w-e-r-e なんですよ。
つまり、語尾に通り字 e がありますよね。
これかつては発音した母音なんで、つまり、語尾が s で終わるんであれば、もともと was って発音ですね。
それが優勢化して、音がずっと濁って、was になったっていうことなんですが、
この死音が最後の音ではない。つまり、後ろにさらに e みたいな母音が続くことで、だいぶ状況が変わっちゃうんですよ。
これ、簡単に言うと、was に後ろに e がついたことで、was になったんですね。
そして、was みたいな z の音です。
この音は変化しやすくて、この母音の間に挟まった場合で、was みたいに a と e の間に挟まった場合に、
r に近い音になっていくっていう現象が起こったんですね。
その結果、つまり was のはずだったものが、わーれ みたいになったんです。
これが結局、今の were の r 語尾になるわけですね。
まっきじたの were っていう発音だったり、通り字にはしっかり r として残っていますね。あれなんです。
語源と発音の違い
では、if I were you っていう時の、あの仮定法の were と、we were young っていう時の、あの were 直接法の過去形ということになりますが、これは語源が一緒かというとですね。
これ、言い方が難しいんですけれども、語源という言い方ですると語根ですね。
大元は、やっぱり was とかは全部同じです。
仮定法の if I were you の were は、was に e 語尾がついた形なんですね。
一方、we were young っていう時の、いわゆる直接法過去形の were に関しては、was に on っていう語尾がついたものなんですよ。
これが was on になり、そして母音に挟まれているので r になって、were on になった。
その後ですね、n が消えちゃったりして、結局 were になったっていうことで、この2つの were はやっぱり関係あるんですけども、ちょっと違うっていうところなんですね。
ではまた。