主の祈りの紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
10月12日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 英語の語源が身につくラジオheldio。本日の話題は、
主の祈りを4時代の英語でそれぞれ読み上げます、です。 どうぞよろしくお願い致します。
今日は聖書にまつわる話題なんですけれども、イエスキリストが弟子たちに教えた祈り。 非常によく知られているもので、主の祈りとか主祷文とも言われるものです。
英語ではLord's Prayerというふうに言いますね。まさに主の祈りということで、ラテン語ではパテルノステルなんという言い方をするんですが、キリスト教において最も重要な祈りの文句と言ってもいいかもしれません。
聖書の中では新約聖書、マタイの福音書6章の9節から13節までですね。 この簡約版というのがルカの福音書11章2から4節に現れるんですけれども、これがよく知られているんですね。
さて、英約聖書の歴史は長くてですね、実に古英語の時代から聖書っていうのは、その時々の英語にですね、訳されてるんです。
そうしますと、古英語の主の祈りですね、それから中英語の主の祈り、近代英語の主の祈り、現代英語の主の祈りというふうに対応するところをですね、比較することができるんです。
そうすると、英語がいかに言葉として変化してきたかということはですね、非常によくわかるんです。
聖書というのはこのように時代比較ができるので、英語史においてはとても重要な文献なんですね。
そこで今日はですね、現代から遡るようにして、この各時代バージョンの主の祈りローズプレイヤーというのを、その当時の発音とおぼすきもので復元されているもので読み上げていきたいと。今日はそんな回です。
まずこの主の祈りを日本語で神教同役で読み上げてみます。
それでは行きます。
最後のくだりは歴史の途中からですね、付け加えられたものと考えられているんですけれども、ここでは含めておきました。過去の英訳バージョンではですね、入っているものもあります。
さて、現代英語のバージョンですね。1989年に出版されましたThe New Revised Standard Versionと呼ばれる版から、これは現代の英語なのでわかるかと思うんですね。読み上げてみます。
これが現代英語版ですね。1989年ですけれども。
今度はですね、一気に数十年飛びまして1611年、初期近代英語記ですね。最も有名な英訳聖書と言ってもいい、いわゆる金帝約聖書とか、ジェームズ王聖書と言われるものでThe Authorized VersionとかThe King James Versionと呼ばれるものですね。
こちらから読み上げていきたいと思います。少し古風な感じがするかと思いますが、まだわかることが多いんではないでしょうかね。
本当はもう少し初期近代英語っぽく、シェイクスピア発音っぽく読んだ方が良かったのかなということで、割と現代語に寄せた形の発音で読み上げてしまったことになりますけれども。
さあ次です。そこから200年以上遡った1388年から95年あたりに書かれたとされる14世紀末ですね。ウィックリフのバイブル、そちらのレイターバージョンと呼ばれるものですね。
英語の変化と歴史
これはなるべくその当時の中英語の発音に習ってですね、発音してみたいと思います。だいぶ雰囲気が変わってきていることがわかるかと思います。では行きます。
となります。これが中英語バージョンということになります。そして最後ですけれども、紀元千年頃の小英語訳、West Saxon Gospelsと呼ばれているバージョンですね。
こちらから小英語版の主の祈りを読み上げたいと思います。なるべく小英語風の発音に即して読み上げてみたいと思います。
いかがでしょうか。ほとんど英語に聞こえないんではないかと思いますけれども、このように数百年ずつ遡っていくとですね、いますね。
最後に読み上げたような小英語バージョンに行き着くということになります。今回読み上げたこのローズプレイヤーの各時代バージョンはですね、私のブログの1803番の記事、こちらに文字テキストという形であげていますので、それを読み上げたので、そちら参照していただければと思います。
そしてそれ自体がですね、実はある本、寺沢淳先生の聖書でたどる英語の歴史という大衆鑑賞展から2013年に出たですね、まさに趣旨としては各時代の英語の有名な部分、よく知られている部分をですね、比較していく。
それによって英語がこの千年の間にこれぐらい大きく変わったんだということを紹介するという、そういう本になります。聖書をきっかけとして英語史を学ぶというのは結構いい方法なんです。
先ほど述べましたように、内容は基本的に神の言葉ということで大きく変わってないわけですよ。それを各時代の英語に訳したときに浮かび上がってくるのは、内容の違いはないわけですから、結局言葉の違い、英語が通常的にどのようにして変化してきたかということがとてもよく見えるテキストが実は聖書なんですね。
その中でも、とりわけ有名なロードスプレイヤー、主の祈りを題材に、今回は4バージョンで比べてみたという次第です。ご関心のある方はですね、ブログの該当ページへのリンクを貼っておきますので、そちらからテキストを眺めてもらえればと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
中英語であるとか、小英語の読み上げっていうのは、これまでもですね、何回か放送で取り上げてきましたが、今回は時代をまたいで、現代英語から始まり、近代英語、中英語、小英語と一つのテキストを追いかけて遡っていったという、そういう趣向で放送をお届けしました。
このように感じましたでしょうか。英語相当変わったなというふうに思われる方が大半ではないかと思います。
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それでは、今日も良い一日になりますように。
のったりうちがお届けしました。また明日。