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英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもとうに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。
本日は1月3日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は
【再】【境界を意識し境界を越える】 新著【文献学と英語史研究が伝えたいこと】です。どうぞよろしくお願いいたします。
すでにこのheldioでもお伝えしているんですけれども、 新著が発売されます。
今月の12日以降のことになるかと思いますが、 京都大学の家入陽子先生と私堀田隆一が共著という形で出版します。
【文献学と英語史研究】という本です。開拓者より出版されます。 すでにアマゾンなどでは予約可能という状態になっています。
この新著につきましては、すでに私のヘログ英語史ブログであるとか、 YouTubeでも本書紹介ということで述べているんですね。
リンクをまとめたホームページを作りまして、 そのホームページ、まとめページへのリンクをこちらのチャプターに貼り付けておきますので、
ぜひ、今日のこの放送会と合わせて参照していただければと思います。
この本は英語史研究のガイドブック、ハンドブックという趣旨の本で、 主に役に立つだろうなと思っている読者層は、
英語史研究をすでにしている人であるとか、 英語史研究をこれからやってみようかなと考えている学生などが主なターゲットということになっておりまして、
いわゆる英語史そのものの入門というわけではないんですね。 英語史を研究してみたいという方に、過去40年ほどのこの分野の研究の動向、
これをざっとさらって、どういう問題が解決されてきたのか、 あるいはどういう問題が未だ未解決なのかということを整理しつつ、 そして今後の英語史研究の展望を示すという、そういった目的で書かれた本ということなんですね。
今日このオボイシーでお話しするのは、第6章、最終章にあたる話題と言っていいと思うんですけれども、 その最終章のタイトルが、英語史研究における今後の展望に変えてということなんですが、
その下のレベルですね、節のレベルで、6.1、教会を意識し教会を超える。時代の区分。 そして6.2は、教会を意識し教会を超える。分野の区分。
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そして6.3が、教会を意識し教会を超える。 教事性と通じ性ということで、教事性を意識しつつ、それを乗り越えていくんだというメッセージ。 これで本書が終わっているっていうことなんですけれども、これは一つのですね、物事に対するアプローチなんですね。
ですので、英語史だけの話ではなくてですね、より一般的にこのアプローチ、知っておくといいんではないかと思いまして、本書の趣旨の紹介ということにはなりますけれども、広く解釈していただいてですね、教会バウンダリーですね、これはとても大事なんだけれども、時に意識して乗り越えていくっていうことも大事なんだという、そういう話になるかと思います。
3つ区分があったんですね。時代の区分、分野の区分、教事性と通じ性ということなんですが、それぞれについて議論してみたいと思います。
まず時代の区分ということなんですけれども、歴史の常で当然ですね、時代区分というものを設けるのが普通なんですね。
そうでないと大変捉えにくい。もちろん、例えば何世紀という言い方で区分していく百年刻みっていうこともあるんですが、歴史が長いとですね、これはちょっと細かすぎるんですね。
なので、もう少し大雑把な区切りが欲しい。そして無機質な数字上のですね、百年刻みという単位ではなくて、やはり何らかの意味付けのある区分の方が捉えやすいっていうことで、
これは一般の政治史にせよですね、言語史にせよ、一般的に行われていることだと思うんですね。時代区分、英語ではperiodizationと言います。
英語史の場合、およそですけれども、5世紀半ばから英語史がスタートするわけなんですが、この5世紀半ばから1100年ぐらいまでを古英語と呼んでいます。
そして1100年から1500年を中英語、1500年から1900年を近代英語、そして1900年以降、今までが現代英語というふうに大雑把に区分するんですけれども、
これは大変便利で、この境界を意識しながら研究しているっていうのが実際のところなんですね。
例えば学会なんかもですね、古英語の学会、中英語の学会、近代英語の学会というふうに、学会自体がその時代区分に沿って出来上がるっていうことも珍しくありません。
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ただですね、この時代区分っていうものは、一旦定まるとですね、少なくとも数十年は動かないものなんですね。
最終的にはこれも変わるんですよ。
例えば1900年以降、現在までですね、これを現代英語と言うんですが、例えば200年先の未来に行ってですね、じゃあ現代英語というとどこを指すかというと、おそらく1900年から2023年のことではないはずなんですよ。
もっと直近というか近いところを現代英語と捉えて、今のこの2000年代っていうのはまた別の呼び方で何々時代っていうふうに言われている可能性が高いわけですよね。
ですので、長いスパンで見れば時代区分っていうのは常に変わり続けるものだっていうことはそうなんですが、一旦定まるとですね、やはり数十年はだいたいそれでいきます。
そして学会なんかも先ほど述べたようにできてですね、固定化してしまう。すると見通しは良くなると言いますか、区切りははっきりしてお互い了解事項も増えるんですが、一方で境目の時期です。
英語詞で言うと1100年とか1500年とか1900年なんですが、その時点をまたいで続いているような現象とか言葉の変化を扱う際には、むしろその境目を設定しているっていうことがですね、邪魔になってしまうんですね。なので、一旦頭からその境目を取り外すという作業が必要になります。
普段は便利なので時代区分っていうのを作っておくけれども、必要とあらばすぐにその境目を頭から取り払うことができるという訓練を積んでおくことっていうのはとても重要だと思うんです。これは英語詞に限らない話です。
次に分野の区分ということなんですけれども、分野というのは言語学、英語詞で言う場合には要するに音韻論、形態論、統合論、語彙論のようなそれぞれの分野のことですよね。
言語体系っていうのは非常に複雑なものなので、それ全体を理解しようとしても簡単にはいかないということで、戦略上、学術的な戦略上、小分けにして、まずその小分けにされた区域について一つ一つを明らかにするということを努めようと。
音韻論っていう分野があり、形態論があり、統合論がありということで、研究対象を狭めることで研究しやすくなっているっていう側面があります。
なのでどの分野も、そして英語詞以外の全ての学問分野がこのように小分けにされています。
ただしこれは戦術上そうするんであって、最終的にはそれをひっくるめて、例えば言葉というものを全体として、相対として理解したいっていう目的があり、ただすぐにはかなわないので戦略的に分けるっていうことなんですよね。
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この戦略的に分けてるに過ぎないんだという意識がとっても必要だっていうことです。
細かく研究するにはやはり小分けにして、その中でぐっと深く掘り下げるということにならざるを得ないわけなんですけれども、やはりこれも必要とあらばその小分けにした仕切り、境の部分を取っ払うということですね。
この訓練を常にしておく必要があるっていうことです。
特に英語史の場合、音韻論という非常に小さな単位ですけれども、音の弱まり、母音の弱まりというところに単を発して、形態論、屈折語尾のようなものですね、これに再編成が起こり、そしてそれがきっかけとなって、英語の語順という統合論の問題ですね。
SVOに固定したであるとか、大きな問題につながっている、変化につながっているわけですよね。
これはそれぞれの分野の垣根を超えないと、全体像は見えないっていうことになります。
最後に、共持性と通じ性ということで、これはソシュールの唱えた有名な言語を見る、あるいは物事を捉える、2つの相反する見方ということなんですが、これも方法論としては分けておくのがいいんですが、常に切り替え可能な状態にしておくことが必要だと思うんですね。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
家入洋子先生と私、ホッタリウイチの教長、文献学と英語史研究より最終章ですね、第6章の境界を意識し境界を超えるという非常に重要な考え方、物の見方について、英語史をベースにしながらも、実は一般的に物を見る際に知っておくと良いことなんではないかということでお話ししました。
境界というのは大変便利なので、小分けにするっていうことは物事を扱いやすくしてくれるので大変便利なんですね。そしてそれに日々頼っているっていうことは間違いないんですけれども、必要とあらばその境界を取っ払う、あるいは境界の両方の側をマージさせてしまうというような柔軟な思考法も必要だということです。
そして乗り越えるためには最初にそこに境界があるということも分かってないと乗り越えたことにもならないので、やっぱり境界は必要なんだと思うんですね。境界を便宜上設定しておき、普段はそれを利用するけれども、うまくいかなくなったら一度その境界を一時的にで結構なんですけどね、取っ払ってみるっていうこの思考回路。
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何においてもとても重要な考え方だと思っています。それを英語史研究という特定の分野に当てはめるとどうなるかという議論をこの本書の第6章で行っていると、そのように捉えていただければと思います。
英語史研究に携わっている方はもちろんなんですけれども、そうではなくても、例えば英語学、言語学の分野の研究に携わっている、あるいはさらに一般的にも通用すると思いますので、この6章の部分ですね、機会がありましたら読んでいただければと思います。
一つの考え方の壺、生産的な考え方のコツということになります。
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それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。ほったりうちがお届けしました。また明日。