リスナーからの質問
おはようございます。英語の語源が身につくラジオ、ヘルディオのパーソナリティ、そして英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。
8月12日、金曜日です。
連日暑い日が続いていますけれども、今、1年で最も暑い時期ですね。この時期を乗り越えれば、ということで、今週も金曜日ですし、頑張っていきましょう。
本日の話題ですけれども、リスナーさんからいただいた質問にお答えするという形でお届けしたいと思います。
どれにしようかなと Out goes you!というお題です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
8月5日のことなんですけれども、リスナーのリンクさんより質問をいただきました。読み上げます。
いつも楽しく聞いています。質問です。
英語版のどちらにしようかなと大学の講義で学習しました。ということで、こちら引用してありますので、これ読み上げたいと思うんですね。
アッカバッカソーダクラッカーアッカバッカブーアッカバッカソーダクラッカーアウトゴースユーというものなんですね。
これが英語版のどちらにしようかなということで知られているんですけれども、これについて、なぜ最後の部分ですが、youが主語なのにgoにesがついてgoesとなっているのでしょうか。
単に語呂よくするためという解釈で良いのでしょうか。また、この歌以外にも子ども用の多くの歌でアウトゴースユーというフレーズが用いられているらしいのですが、なぜでしょうか。
ということだったんですね。リンクさんありがとうございます。非常に面白い問題ですね。
数え歌の文化
これ様々なアウトゴースユーのワリエーションといいますか、他の子ども用のいわゆる数え歌といいますか、言葉遊びですね。歌に乗せるというものですけれども、これいろいろあるんだということをあまり知りませんでしたので、これ自身が私にとっても新情報で、こんな問題を考えるきっかけになりました。ありがとうございました。
でですね、その後この1週間ぐらいですね、そんなに深く調べたというわけでもありません。歴史的にいろいろ調べがいはあるなと思っているんですけれども、今のところですね、チラッと調べた限りで、それから私の想定ということで、今日はお話ししたいと思うので、答えというよりはこういう考え方もあるという人の参考までにということなんですが、
それでお話したいと思うんですね。
さて、このいくつか選択肢がある中で、どれにしようかなというふうに決めるパターンであるとか、あるいは典型的には子どもの遊びで鬼を決めるということですね。
誰かその鬼に相当する人を決めるという時に、このような数え歌のようなリズミカルな歌ですね、これを使うっていうのはよくあると思うんですね。これ英語ならずとも日本語でもすでに出てきました。どちらにしようかなということもありますし、どれにしようかなとかいろんなバリエーションあると思うんですよ。
ここで本題からそれますけれども、日本語でもですね、どれにしようかなって皆さん言ってきたんではないかと思うんですね。典型的に子どもの遊び、鬼を決める場合なんですが、それだけじゃなくてですね、大人になってからもそういう機会に使ったりすることってたまにかもしれませんが、あったりするんじゃないかと思うんですよ。
しかもこういうのはですね、子どもの遊びから発展するものなんで、多分ローカル色豊かで非常にバリエーションが激しい。バリアント変異型っていうのがいろいろあるんじゃないかと思うんですね。言語学の話題であるとともにもちろん方言の話題でもありますし、おそらく民族学の話題でもあると思うんですが。
これ日本語で考えてみたいと思うんですけれどもね、まずこれ皆さんお寄せくださいと言ったら多分いろんなバージョンが来るんじゃないかと思うんですが、私ほったりゅういちバージョンでお届けしたいと思うんですね。
これ私が子どもの頃ということで、小学校低学年ぐらいのイメージ、今から40年前です。40年前に私の生まれ育った東京の下町のとある公立小学校のある学級とこのぐらいまで絞ったほうがいいんじゃないかと思うんですが、
その学級の中でもよく遊ぶ男子生徒たちと、いつも決まった公演で遊ぶ男子生徒たちぐらいに絞っておきましょうかね。そのバージョンはこんな感じです。
どれにしようかなっていうのが基本中の基本なわけなんですが、これで例えば鬼を決めるというところ、自分に当たっちゃうと都合が良くないので、さらに歌が終わってないかのように継ぐわけですよ。
次の文句を。五七条、七五条になることが大体多いんですけれども、どんどん継いでいくんですね、みんなね。その結果どんどん長くなるっていうのが大体のパターンかと思うんですが、最大長いバージョンで使っていた、そして今でも記憶しているっていうものですね。
いきます。どれにしようかな、天の神様の言う通り、なのなのな、おっぺけぺんのすっぺんぺん、柿の種。というのが、これ私の掘った隆一とその界隈のバージョンということになります。皆さんもそれぞれあるんではないかと思います。
おそらくですが、世界の各言語にこういった現象があるんだろうと思われるんですけれども、英語で一番よく知られているこの数え歌って言いますかね、鬼を決める、あるものを選択するっていう時はですね、今日のリンクさんにあげてもらったものもよくあるようなんですが、さらによく知られているっていうのはこれですね。
Eeny, meeny, miny, moe. Catch a tiger by the toe. If he hollers, let him go. Eeny, meeny, miny, moe.
という脚韻を踏むですね、リズム感のあるこのちょっとした詩ということになるわけですが、もう一つ今回リンクさんに教えていただいたようにこれもありますね。もう一度読み上げますが。
Ackabacka, saw the cracker. Ackabacka, boo. Ackabacka, saw the cracker. Out goes you.という風に、youと名指しをして、こう指で指していくわけですからね。で、youとして鬼を決めるという、そういうことなんだと思うんですね。非常にこれもノリが良くて韻を踏んでますね。
いわばカプレットという詩の形式で、1行目と3行目、これまあセルフライムという同じ単語でクラッカー、クラッカーという風に韻を踏むんですが、2行目と4行目ではbooとyouというのを引っ掛けて、このうという音で韻を踏んでいるということになります。
そしてポイントはですね、最後のout goes youということですね。これはもちろんyou go out。お前が、つまり名指しされた最後に名指しされたお前が消えだということですね。消えるという、消えるということはつまり仲間外れだということで、つまりお前が鬼だというそんなニュアンスなんだと思うんですけれども、もちろんこれ詩ですし、最後にbooとyouの韻を踏まなければいけないということで、
統治などが行われてout goes youという風に、こんな語順になっているということはわかるんですね。語順が違うということは、通常と違うということはもちろんわかるんですが、それにしてもなんでout go youではなくて、つまりyouが主語ですから、当然goと一致するはずなんですね。
ところが、統治しているとはいえどですね、この一般的な標準的な一致が守られずにout goesという風に、あたかも三単元であるかのようなずという語尾がgoという動詞につく。これはなんでかという質問をいただいたんですね。
これはですね、まだ浅くしか調べていないんですが、一番簡単に答えるのであれば、基本的には方言であるということなんですね。
イギリスの諸方言では、実は認証に関わらずですね、つまり三認証に関わらず、あるいは単数とかそういう細かい条件に関わらず、とにかく全ての主語に対して現在形の場合、sがつくという方言は思いのほか多く存在します。
これ、昔からありますし、そして今まであるということで、英語史上の問題でもあるんですね。標準英語ではただ違う。三単元だけつけるということなので、我々は当然標準英語を英語の学習のターゲットとしているので、このようにyou goesみたいな形ですね。goes youのような形を見ると、お、と思ってしまうわけなんですけれども、
イギリスの諸方言、イギリスに限らないですね、世界の英語の諸方言で、実は認証に関わらずsをつけるというですね、こういう方言が一定数存在する、してきたし、今でも存在するということなんです。おそらく、子供の数え歌、遊びの歌ということで、これは標準的というよりも方言から始まったという可能性って十分あると思うんですね。
考察と結論
そして私の印象ではですね、それほど古くはない。こういう歌はですね、近代後期とか、まあ、現代っていうことが多いんじゃないかと思うんですが、そのあたりにどうも理由がありそうです。エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきまして、本当にありがとうございます。
今日のお題ですね、リスナーさん、リンクさんからいただいた質問に答えるという形でお届けしましたけれども、この問題ですね、この1週間ぐらいずっと考えたり、ちょっと調べたりしていまして、既にですね、8月9日ですねにブログの方で、ヘログの方で関連する話題を、この質問を念頭にですね、書いております。
4852回のブログ記事なんですが、認証に関わらず、動詞にS語尾が付される方言ということで、これ現在のことですね、現代の英語の話題ということで、そちら関連する記事、情報を載せていますので、ぜひですね、このチャプターにリンクを貼っておきますので、そちらも併せて眺めていただけると思います。
今のところですね、私なりの結論と言いますか、考えていることは、これは方言であるということで、つまり標準的な英語であれば、out go youという風にSが付かないはずなんですが、一般にこの遊びの歌においては、out goes youとなっているのは、端的に言って方言に由来するのだろうという風に考えています。
またですね、今後調べたりして追加情報がありましたら、追加してこのVoicyでもお届けしたいと思いますが、もっかん私の考えていることをお届けしました。
リンクさん、ご質問ありがとうございました。このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、このようにですね、ご質問であるとか、ご意見、ご感想をお待ちしております。
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それでは本日金曜日も皆様にとって良い一日になりますように。ほったりうちがお届けしました。また明日お会いしましょう。