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おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、
英語とラテン語の長い関係
butter,cheese,pepper 大陸時代に英語に入っていたラテン単語たち
という話題です。 英語とラテン語との付き合いっていうのは非常に長いものがあってですね
ある意味腐れ縁と言っていいですね。 実はフランス語よりも、付き合いとしては期間は長いということになります。
ザッと2000年近くと言ってもいいと思うんですね。 英語の歴史は5世紀半ばくらいに始まるというのが一般的に
寛容的に言われていることなんですが、さらにその英語史のスタートですねから数世紀遡ったところから
慣れ染めが始まってですね、そして21世紀の現在も何らかの形でですね、ラテン語の要素を使って造語をしたりしているという意味では、もう付き合いが本当に長い
最も長い言語なわけです。 こうした長い歴史の中でラテン語の単語ですね
英語はこのラテン語の単語を大量に受け入れてきたという経緯があるんですね。 ところが時代は2000年ぐらいに渡るわけですから、その時々にですね
ラテン語との関わり合い方って言いまったね。 どういう観点で関わってきたかっていうのが微妙に時代ごとに違うんですね。
ラテン語からの語彙的影響というのも濃淡もありまして、やはり時代によってこれも異なるということなんですけれども、その最も早い時代に今回は焦点を当てたいと思うんですね。
紀元5世紀、英語の歴史が始まったわけですが、これは大陸にいたアングロサクソン人、英語を喋っていた人々ですね
彼らが海峡を渡ってイギリスにイングランドにやってきた。 この年がですね449年ということになっていて、このイングランド、ブリテン島に
英語が根付くスタート、きっかけとなったということで、ここが伝統的に英語史の開始の年ということになっているんですが、もちろん言葉自体はそのアングロサクソンが
喋っていた言葉自体は、その年を境に何かガクッと変わったわけでもありませんので、大陸にいた時ですね
現在のドイツ北部あたりです。このあたりにいたアングロサクソン人は、やはりですね その言語のことを何と呼ぼうが、結局後の英語と呼ばれるようになる言語の元の形を喋っていたわけです。
そして当時、南はですねローマ帝国ということで、ここと国境を接していた、国境と言いますかね境を接していたということです。
この時代、南ヨーロッパのローマ帝国の半島ですね、の人々と、そしてまあ主に北ヨーロッパのゲルマン人ですね アングロサクソン人もその一派なわけですが、ゲルマン系のアングロサクソン人たちもですね
交流は持っていました。 交易をしたり、まあ商業的な関わりを持っていたってことですね。
そして商人が行き来するわけで、そのそれぞれの特産、商品を持って相手の領土に行って売る。
そしてまた帰ってくるという旅をしながらですね、交易していたっていうことになりますが、この いわゆる英語がまだ英語と呼ばれていない時代ですね。
この時代に既に英語とこの南のローマ帝国の公用語であるラテン語というのは早くも接し始めていたっていうことになりますね。
語彙も交換し合っていたっていうことなんですね。 では英語の側から見てどのようなラテン単語を
釈用していたのか、これを見てみたいと思うんですね。 この時代に釈用したラテン単語は英語の中にとどまり、その後ブリテン島に渡ってからもですね、
ずっとこう歴史的展開を経るわけなんですが、今の今まで残っている単語っていうのがあるわけです。
つまり英語にカレコレ2000年近く前に 入っていたラテン単語ということですね。それが未だに残っているということなんですが、
当時どのようなものを交易していたのか アングロサクソン人は
ローマ帝国からのどのような商品なり異物なりに関心を寄せていたかっていうことが、この語彙を見ることで少しわかってくるわけですね。
ではいくつか列挙していきたいと思うんですね。 まずベルト、ベルトですね。
現代に残るラテン単語
それからバター、バター、バターです。
それからキャンプ、キャンプ。 これは野営っていうことですね。野営地のキャンプっていうことですが、これは商人たちであるとか軍隊ですかね。
の用語と言えますね。旅用語、軍事用語というべきでしょうか。
それからキャンドル、キャンドル、ロウソクですよね。 それから面白いことに、キャット、キャット、猫というのもありますね。
それからチェスター、チェスターといったような、これはあの城塞都市っていうことですが、これもまあ軍事的な匂いはしますけれどもね。
それからケトウ、ケトウ、夜間です。 それからカップ、カップ、これは文字通りカップ、コップっていうことですね。
そしてキッチン、キッチン。 このような食器のようなものですね。
食べるものあるいは食器に関するものっていうのが結構目立つんですけれども、次のチーズ、これもまさに食品っていうことですね。
それからドラゴン、なんていう単語もあります。
マス、なんていう単語もありますね。 それからマイル、マイルですが、これなんかもある種旅行用語ということができると思いますね。
それからミント、ミントですね。葉っぱ、これもまあ食品と言いますか、ハーブっていうことになりますね。
それからマンク、マンク、修道僧ですね。
それからミンスター、ミンスター、大寺院ですね。
このあたりはいわゆる宗教用語ということになるかと思います。
それからパン、パン、フライングパンのあのパンですね。
そしてペッパー、そしてピー、これは豆ですね。
えんどう豆、ピー。それからプラント、植物というのもありますね。
それからポート、これはあの扉、ゲートの意味のポートと、もう一つ港の意味のポート。
語源は厳密には異なりますけれども、両方ともラテン語で、この時代に英語に入ってきたということですね。
それからパウンド、重さの単位であり、後に貨幣の単位でもありますね。
これはまあ貨幣と密接に結びつく用語っていうことはすぐにわかると思います。
それからサック、これリュックサックのあのサックとかカバンっていうことですね。
貨幣、旅には欠かせないものです。
それからシノッド、教会会議のことですね。
それからストリート、ストリート、道、道路ということで、こんな重要な語がですね。
英語が英語になる前にラテン語から入っているっていうのはとても面白いですよね。
それからタイル、タイル、これタイル張りのあのタイルです。
それからウォール、壁です。
そしてもちろんワインっていうのもそうですね。
そしてインチ、長さの単位ということで、いかにもですね、食べ物であるとか旅行関係であるとか、
多少建築関係とか軍事関係、教会関係っていうのもありますけれども、いかにもローマ的なものって言いますかね。
それがゲルマン語の一派であるアングロサクソの英語にも入ってきているっていうことなんですね。
ですから今挙げたような単語の多くはですね、実は英語だけではなくてその他のゲルマン語、ドイツ語であるとか、
このようなものにも大体同じくらい早い時期に入っているっていうことでもあるんですよね。
そしてそれを携えて5世紀にアングロサクソン人が海峡を渡ってイギリスに持ち込んだと。
その後も失われることなく現代まで生き残っているものというのが、今挙げたぐらいたくさんあるっていうことなんですね。
厳密にいつ頃こうした単語がですね、ラテン語から英語に流入したかということで、
今回はですね、この大陸時代に入ってきたという言い方したんですが、この厳密な年代については実はわからないこともあって、
本当はもっと後に入ってきたものだったかもしれないんです。
なかなか難しい問題ありますが、いずれにせよかなり早い段階で入ってきたラテン単語を紹介しました。
それではまた。