2025-07-31 12:24

heldio #376. ケルト語からの借用語

#英語史 #英語教育 #英語学習 #借用語 #ケルト語
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サマリー

このエピソードでは、英語におけるケルト語からの借用語の割合やその歴史的背景が考察されます。アングロサクソン人とケルト人の交流にもかかわらず、英語に残るケルト語由来の単語は非常に少なく、地名や特定の用語に限定されていることが紹介されます。

ケルト語の借用語の概説
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。 本日の話題は、
一昨日、 リスナーの方から寄せられたコメントに基づくものなんですけれども、ケルト語からの借用語に関してです。
コメントを頂きましたのは、カミンさん。 頂いたものを読み上げたいと思います。
英語の語彙におけるケルト語源の語の割合は、どのようなものでしょうか? ケルト語源の知名は多くあるようですが、一般的な語彙の中では、どのような語がケルト語源ですか?
アイルランド、スコットランド、ウェールズでは、現在もケルト語が使われていますし、 英語におけるケルト語の借用も、かなりあるように思うのですが。
ということで、今回は、このケルト語からの借用語が英語の語彙の中にどれだけあるのか、という話題に迫りたいと思います。
カミンさんがコメントくださったように、英語とケルト語の関係って、地理的に考えると、そして歴史的に考えると、
もっともっと濃い関係であっても良さそうで、 ケルト語からの借用語が英語にたくさん見られてもおかしくない、
ということが想像されるんですけれども、 事実はですね、ほとんどないんですね。
指で数え上げられるぐらいということなんです。 これはなかなか不思議なことに思われるかもしれません。
まず、歴史的に見ますと、449年、この年にですね、 大陸にいたゲルマン系の、特に西ゲルマンの民族、
アングロサクソン人たちが海峡を越えて、 ブリテン島にやってきたわけです。
当時そこには先住民として、ケルトの人々がいた。 ケルト語を喋っていたわけですね。
そこをアングロサクソン人が征服、侵略したということになります。 そしてケルト人を追い払って、定住することになった。
彼らと共に、その言語である英語も、 このブリテン島に根付くことになった。
というのが、一般的な英語の歴史の スタートの話になるわけなんですけれども、
この時にアングロサクソン人は、ケルト系の人々を 一掃したということになっているんですね。
ただ一掃したといっても、完全に殺し尽くしたわけではなくて、 部分的にはその後一緒に隣り合って住んだということもありますし、
そうでなくてもですね、スコットランド、ウェールズ、 アイルランドという非常に近いところ、近隣に住み続けたわけですから、ケルト人は。
アングロサクソン人とその後の交流っていうのも、 確かにあったはずなんです。
その点で言いますと、今の今までざっと1500年以上ですか、 ずっと隣り合って接触し合ってるんですね。
この歴史的な長さを考えても、もっともっと多くのケルト系の単語がですね、 英語に入っていっても、おかしくない。
そのように考えられるわけですね。 しかしその予想期待は裏切られて、ほとんどないっていうことです。
先のコメントにもありましたように、 地名としては非常に多くのケルト系の語源を持つ名前ですね。
場所の名前とか川の名前みたいなものは、 イギリス中に多く残っています。
それが英語でも普通に常用されているっていうことなんですが、 これは固有名詞ですよね。
では一般的な単語、一般的な語彙の中に どれだけ入っているかということなんですが、
あまりないっていうことになります。
ではなぜなのかといったときに、 だいたい英語史的にはですね、このような説明をすることが多いんですね。
アングロサクソン人はケルト系の人々を基本的に根絶やしにした、 あるいは征服したっていうことです。
そうしますと力関係としては明らかに英語話者であるアングロサクソン人が上、 そして
征服された占領されたケルト系の人々が下というような上下関係が、 これ軍事的な意味でですね。
そしてその後は政治的経済的文化的いろいろな意味で 上下関係になったと思うんですね。
このような明確な上下関係が社会の中にあるときは、
普通上から下の言語に釈用語が流れ込むっていうことはあったとしても、 下から上という逆流ですね。下から上に単語が大量に流れ込むっていうことは基本的にない。
ゼロというわけではないんですけれども、あったとしても非常に少数で、 この場合ケルトが下なんですが、
すでにケルトがよく知っていた事柄、 例えばブリテン島内のチリであるとか地形に関する用語ですね。
あるいはケルト人の方が先にキリスト教化していたという点ではですね、 キリスト教的な文化に関する単語も候補になりますが、
このようなケルトに特有な、ケルトの知識として特有、 特有なものはアングロサクソン人の言語である英語の中にはなかったわけですので、借り入れるという余地はあります。
実際に入ってきた少数の語はこのタイプです。それ以外のいわゆる普通の単語は、 ほとんどと言っていいほどケルト語から借りてないっていうことなんですね。
具体的にその少数の例というのを見てみたいと思うんですが、 古英語期、かなり早い段階でケルト人と接触したアングロサクソン人がケルト語から借りたという単語はですね、いくつかあるにはあります。
近代のケルト語由来の単語
すべてが現代まで残っているわけではなくて、古英語で借りられたけれども、 その後死語になってしまって現代まで伝わっていないというものもあるわけなんですけれども、
当時借りられたものということで考えると、 やはり両手で数えられるぐらいのですね、ものしかありません。
例えばで言いますと、アンス、ロバですね。これ生き残ってますかね。 それからビン。
これはカゴという意味のビン。これも生き残ってますかね。 それからブラッツ。これはマント、街灯のことなんですが、これは今に伝わってないんではないかと思うんですが、
それからブロック、アナグマ。 これはありますかね。そしてクラーグ。これは絶壁のことですが、これも一応辞書に記載ありますね。
カンブ。これは谷ということで、カンブリアなんかの 地名要素としてですね、確認することができますけれども、
それからダン、d-u-nと書いて、焦げ茶色のということで、これも一応残っていますかね。
ルフ、湖という意味であまり使わないんじゃないかと思いますね、今は。
トール、これは頂上。 現代では現役ではないですね。
あまり目立った単語はないなという感じがしないでしょうか。 後に中英語記であるとか、とりわけ近代語記に入ってから、
つまり歴史の比較的遅い段階で、 ケルト語から借りたものっていうのもあります。
これは近代記の英語話者とケルト語話者の接触によるものということで、そして歴史が長いわけではありませんが、いくつかあります。
例えばバード、銀竜詩人ですね。 クラーン、氏族のことをクラーンと言いますが、
それからスコットランドなどで、グレン、峡谷のことですね。 これらは比較的新しいというか、近代になってからの釈用語ということになります。
ブローグ、地方鉛、ケイバー、マルタボー、ケーン、ケルン、
コラコー、カゴブネ、ギリー、コーチ族長の住者、
プレイド、コーシジマの肩掛け、シャムロック、
シャムロックですね。白爪草、スローガン、これスローガンです。 そしてウイスキーですね。
同じウイスキーの意味でもう一つ、 アースクワボー
という単語もあります。 さらに時代が下りますと、
トーリー、トーリー島ですね。 聖島の名前です。
レプレカーン、 アイルランド民話におけるレプラコーン、小妖精の名前ですね。
クレイモー、モロハの剣、 カリーン、少女、ケイリー、
集い、ケイリーダンスのケイリーですね。 フーリガン、チンピラのフーリガンです。
そしてこれはもう現代と言っていいですね。 20世紀にコーギー、コーギー犬です。
こんな単語が近代になってからいくつかちょろちょろと入ってきてはいますが、 歴史全体を見渡してもやはり
頑張って数えて20とか30いくかどうかというようなそれぐらいなんですね。 圧倒的に少ないっていうことがわかるかと思います。
付け加えておきたいのは厳密に言うとケルト語に語源を持つ単語ではないんですけれども、 先にキリスト教科していたためにラテン語がですね
ケルト語に入っています。 ケルト語の中に定着したそのラテン語の単語がケルト人をケルト民族を経由して英語に入ってきたっていうケースがあります。
したがって語源的にはラテン語の単語と言うべきなんですが、 ケルトが経由地になっているっていうこれがいくつかあるんですね。
例えばチェスター、カスターという地名要素になっているものはラテン語のカストラなんですが、 これはおそらくラテン語から直接入ったというよりは
一度ケルト語に入りそのケルト語から英語に入った。 地名要素っていうことなのでこれはありそうな話ですよね。
それからポート。 これ港ですけれどもこれもラテン語からケルト語を経由して英語に入ったんではないか。
ということです。 ただしこれとて数が多いわけではありません。
全体として英語とケルト語の関係、この関係の歴史は1500年以上にも渡る非常に長いものなんですけれども、
関係の濃さ薄さという点でいうと極めて薄かったと言わざるを得ません。 エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
ご意見ご感想ご質問、チャンネルで取り上げてほしいトピックなどがありましたら、
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今日取り上げたケルト語からの釈用語という話題に関しまして、 そもそもこのような話題を提供するという趣旨で始まったチャンネルでもあるんですね。
まさに名前が英語の語源が身につくラジオということで、様々な釈用語についても紹介していくということだったんですが、これまでは
主に大きい言語ですね。ラテン語とかフランス語とかあるいはコーノルド語なんかも話題にしましたし、ギリシア語も話題にしてきたわけなんですけれども、
小さな言語と言いますか、英語に大きな影響を与えていない言語ですね。 これも数は少ないんですがちょこちょこと語彙を提供しているということは確かですので、
このような言語も無視せずにですね、今後取り上げていきたいとは考えています。 それではまた!
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