語源の探求
英語史つぶやきチャンネル、heltalkリレー、みーさんから、vineの問題から、今日は話題提供がありました。
vine、実際に語源が同じワインです。ワインは違うよね、ということで、vineの方はvですよね。
vineはw音、ということで、英字音上も、もう明らかに異なっているということなんですけれども、もちろんこれね、関係はあるに違いないわけですが、どうしてこのようになってしまったか、非常に面白い問題で、
この2つの単語に入ってきた経路、ワインはラテン語でvinum、これがラテン語でワインなんですね。
古典ラテン語では、このvをwのように発音するということになっていますので、ラテン語での発音はvinum、これがベースとなって、実はワインになっているんですね。
ラテン語のvinumは、重要な交易品として、北ヨーロッパのゲルマン人が住んでいた地域に、かなり早くの段階に、単語もろとも、商品も、ワインというお酒も含めて入っていったんですね。
これが英語が英語になる前のゲルマンの時代ですよね。紀元前5世紀、6世紀よりも早い段階ですよね。この段階でゲルマンの初言語にすでにラテン語から釈用されているんです。
後に英語に発展していく言語にも、この単語がちゃんと早い段階で入っておりました。
ということで、これが英語に入りまして、後英語にはすでに、vではなくwの方ですね。つまりラテン語の発音を反映した形で英語に入って、そして現代までという流れですので、最も古いということになるわけですよね。
そして一方でvの音で始まるものですね。ワインであるとか、他には何がありますかね。いっぱいありますよね。
例えばヴィンティナーですね。これワイン商、ワインを売る人ですよね。ヴィンティッジ、ヴィンテージと言いますよね。これ、ブドウの取れ高、生産高のことをもともとは指す名詞だったわけなんですけれども、他には何がありますか。
ワインのようなという、ヴァイナスという単語もありますね。それから何でしょう。ヴィニュアルド、ブドウ園ですよね。これもありますね。このような単語、他にもあると思うんですけれども、これはvの音なんですね。
なぜかと言いますと、これはもっとずっと後の時代、英語史で言うと中英語の時代にフランス語を経由して入ってきたからなんです。フランス語のvainはすでにvの音になっていますが、もともとのラテン語のwienum、先ほど述べたようにvの文字を書いて、ラテン語ではwのように発音したって言ったんですが、これ古典ラテン語ではそうだったんです。
ところが後の時代になって、古典記を過ぎると、どのタイミングだったかというと、かなり遅くなんですけれども、これが今に続くvの音に変わっていくんですよね。
そういうことで、フランス語を経由して英語に入ってきたものは全部、ワイン関係はvの音になっているんですね。
このような単語は、中英語期に1300年くらいですかね、それ以降にだいたい英語に入ってきている。
これがvの音で読まれるものなんですね。
なので、vで始まるワインとwで始まるワイン、英語には2系列あるわけですが、これはどういう経路でいつ英語に入ってきたかということに依存するわけですよね。
wのものは古く英語が英語になる前の時代にラテン語から直接です。
英語に入ったというよりはゲルマン語に入ったという感じなんですけどね。
一方でvの音を持っているものは、英単語としてvの音を持っているものは、中英語の時代にだいぶ遅れて、フランス語を経由して入ってきたものだというのが、基本的にはこの2系列が存在しているっていう理由なんですよね。
果物シリーズのつながり
時代も違う、経路も違うということで、そこそこきれいに説明できるんではないかと思いますね。
ということで、ミイさん、ミシオさん入っていらっしゃいますね。ありがとうございます。
ということで、何例を渡しましょうかね。
果物シリーズになってますか。
果物シリーズになってますと、アップルの話はもう出ましたが、私アップル派というよりもナシ、ペア派なので、ペアでいきましょうか。
ゲミツネは西洋ナシになっちゃいますけど、ナシということでペア、これでつないでいただければと思います。
それではまた。